超B級な人々


第1回 A級アイドル vs 超B級アイドル (女性編) 2001.02.10
私の中にはもちろん (A級アイドル)>(超B級アイドル)といった構図はありません。むしろ超B級アイドルこそすばらしいと思います。

活躍した年代 A級アイドル 超B級アイドル コメント リンク
1970年代 山口百恵 キャンディーズ
ピンクレディ

70年代といえば百恵ちゃんですね。A級アイドルにはカリスマ性、神秘性が必要で、そういう面では、彼女こそA級アイドルの見本といえます。電撃結婚、引退もA級アイドルらしさを保ってきました。
かつては芸能界には女性アイドルグループは成功しないというジンクスがありました。そのジンクスをうち破った第1号がキャンディーズでしょう。彼女たちはスクールメイツの下積みからトップアイドルに上り詰めたシンデレラガールでもあります。女性アイドルを支える年齢層は15歳から17歳と言われていますが、彼女たちは大学生に絶大な人気がありました。また「8時だよ全員集合」とか「みごろたべごろわらいごろ」とかのバラエティー番組のレギュラーをとるなど、コミカルな部分もあり、人気絶頂でありながら親しみやすく、お得感のあるアイドルでした。彼女たちこそ元祖、超B級アイドルといえるでしょう。解散記者会見の「普通の女の子に戻りたい」は流行語になりましたね。
 そして社会現象にもなったピンクレディ。A級アイドルと思われるかもしれませんが、あの露出の多さ、グッズの多さ、子供が真似る振り付け、亜流の横行と、超B級アイドルの要素をすべて満たしています。当時「ピンクレディはミニスカはかなきゃただの人」という川柳がありましたが、もちろんそんなことはありません。他の亜流の女性2人組がすべて失敗しているところからも、誰でもできそうだけどどこにもいない偉大なグループだと思います。2000年の紅白歌合戦での姿も感動しました。かつて「ものまね紅白歌合戦」にも出場されました。この懐の深さがまさに超B級アイドルの鑑でしょう。知っていると思いますが、ミリオンセラーを連発し、レコード大賞もとり、実績面でもピカイチです。「ピンク100発100中」というバラエティ番組が最高でした。
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1980年代 松田聖子
薬師丸ひろ子
おにゃん子クラブ 山口百恵引退後、芸能界にはなかなかA級アイドルが誕生しませんでした。そして80年代の訪れとともに、スーパースター松田聖子がデビューしたのです。当時のアイドルがオリコンの1位をとることは珍しいことでしたが、松田聖子は、出す曲すべて1位といった快挙を成し遂げました。70年代後半に始まった「ザ・ベストテン」の全盛期がこの80年代で、その常連である松田聖子は、まさに80年代を代表するA級アイドルでしょう。この時期、映画界にもスーパーアイドルが登場しました。薬師丸ひろ子です。何とも存在感のある女優さんでした。テレビには滅多に出ないので、たまに「ザ・ベストテン」なんかにでる日には必死で見てました。まだビデオも高かったですしね。
 他にも、小泉今日子、中森明菜など80年代はアイドルの当たり年で、超B級アイドルを探すのは難しかったのですが、いました。おにゃん子クラブです。
 70年代は「スター誕生」に代表されるように、オーディション番組が目白押しでした。山口百恵もピンクレディも、その出身です。80年代はアイドルを夢見る女の子の受け皿がなくなりつつある時代でした。その中で、「夕焼けニャンニャン」は貴重な番組でした。何しろ普通の高校生が一夜にしてアイドルになるわけですから。今をときめく工藤静香をはじめ卒業後も多くのアイドルを輩出しました。グループ内ユニットがどんどんヒットを飛ばす全盛期は、まさに「昭和のモーニング娘。」といった感です。ちょうどレコードとCDの端境期のアイドルとしても印象深いですね。
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990年代から
現在へ
安室奈美恵
スピード
浜崎あゆみ
モーニング娘。

コラムはこちら

というわけで現在に至るわけですが、90年代はアイドルとアーチストの垣根が微妙になってきた年であるといえます。安室奈美恵なんかも、スーパーモンキーズのころは、明らかにアイドルしてましたが小室哲哉プロデュースでアーチスト色を高めていきました。スピードは最初からアーティスト色が強かったです。宇多田ヒカルと小柳ゆきはあえてリストにのせていません。やはり男性誌のグラビア展開があってのアイドルだと思います。浜崎あゆみは女子高生のファッションリーダーとしても有名ですが、近年に珍しい、バランスのとれたアイドルであると思われます。
 さて、現在の超B級アイドルといえばやはり、モーニング娘。です。人気絶頂のアイドルにBをつけるのも変な感じですが、まさに「安くて量が多い」という超B級の定義にぴったりです。テレビやグラビアの露出が多く、バラエティーもこなす。なおかつ子供が踊りを真似る。これはもう例えるならば「平成のピンクレディー」でしょう。



第2回 超B級男性ミュージシャンは誰だ?? 2001.02.13

僕はやっぱり超B級のアーチストが好きだな。

活躍した年代 A級アーチスト 超B級アーチスト コメント リンク
1970年代〜 小田和正
(オフコース)
桑田圭祐
(サザン)
小田和正の曲は永遠の色男の曲です。彼の曲をBGMにできるのは2枚目俳優だけです。かれこれ20年以上スタンスが変わらないのは、まさにJPOPアーチストの王道といえるでしょう。これに対して桑田圭祐。これだけのビッグネームをつかまえて、超B級とは悪のりかもしれませんが、小田和正のほうは一貫して2枚目の曲を書いているのに対し、桑田圭祐の良い意味での無節操さがたまりません。当時NHKで放送禁止になった曲は数多いです。明星のグラビアでは、おならに火をつけたり(桑田圭祐は「ヒップファイアー」と名付けていた)大物アーチストとは思えないサービスぶりです。適度に休養してリフレッシュして、またヒットを飛ばす図式は、サザンから始まったといえるでしょう。 検討中
1980年代〜 稲葉浩志
松本孝弘
(B’z)
奥田民生
(ユニコーン)
もっともA級アーチストっぽいのは、やはりB’zでしょう。固定ファンが100万人とも言われています。もっとも軸がぶれていないアーチストです。ちなみに稲葉浩志は貴重な岡山県出身のスーパーアーチストです。
80年代の変なBANDはやはりユニコーンでしょう。奥田民生も世界に2人といない奇才でしょう。彼しか作れない曲ばかりです。肩に力が入っていないアーチストは珍しいです。PUFFYのプロデューサーとしても、その超B級ぶりをいかんなく発揮してくれました。
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1990年代〜 TAKURO
(GLAY)
つんく
(シャ乱Q)
桜井和寿
(ミスチル)
現在のA級アーチストは、やはりGLAYでしょう。まさに王道を行ってるといって良いでしょう。文句なしの活躍ぶりです。
桑田圭祐を上回る鬼才といえば桜井和寿しかいないでしょう。ミスチルも軸がぶれていないバンドですから、A級でも良いのですが、彼の何ともいえない異才ぶりは超B級といっていいのではないでしょうか。A級のアーチストは、何となく売れる筋がわかっていて曲を作っている感じがするのですが、桜井和寿は好きな曲を歌ってるだけなのに売れてしまうという底知れぬ天才を感じます。
シャ乱Qというのは、ミリオンセラーを連発した偉大なるグループですが、当時も「演歌の花道」などというロックミュージシャンが絶対出ないであろう映画に出演しています。つんくというのはある面、桜井和寿と正反対の超B級ミュージシャンであり、ミスチルの独自性に対しシャ乱Qのお水性というか、本当に安くて量が多いという感じですね。ちなみに超B級ミュージシャンであるつんくが超B級アイドル、モーニング娘。を生み出したのは偶然ではない感じがします。
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第3回 SMAPのB級度チェック 2001.03.08

超A級アイドルグループSMAPは個々に見るとB級テイストがいっぱいだ。5人を分類してみましょう。

個人名 A級割合 B級割合 判定 コメント
木村拓哉 100 超A級 現在の男性有名人の中では文句なしSUPER A級人でしょう。よって私は、あまり興味がありません。彼は死ぬまで、キムタクなんだろうなあ。生涯脇役が出来ないタイプです。ジャニーズでは古くは郷ひろみ(ジャニーズいたの知ってた?)、近藤真彦、東山紀之がこのタイプです。ただしスケールはキムタクが一番でかい。
稲垣吾郎 80 20 A級 ごくまれにしか三枚目の役をしない吾郎ちゃんです。普段が二枚目なだけにその落差がたまらないです。SMAPでは、憂いのある演技力という面で、最高の役者だと思います。かつてのジャニーズでは本木雅弘あたりかな。あまりいないタイプです。V6の井ノ原快彦もこの線ですかね。
香取慎吾 50 50 超B級 ジャニーズの王道を行く、2枚目3枚目がともにこなせる、慎吾ちゃんです。アイドルとしてはキムタク以上でしょう。古くはフォーリーブスの、おりも政夫、田原俊彦、最近では、堂本剛君がこのタイプでしょう。
中居正広 30 70 なんちゃってA級 ジャニーズの司会者系がこのタイプです。2枚目なんですが、しゃべりすぎが玉にきずで以外と女性ファンが少ないのが悩みの種です。しかしながら、そつない進行と、適当なボケ、つっこみは貴重なキャラです。古くは錦織一清、薬丸裕英がこのタイプでしょう。
草g剛 10 90 ネイティブB級 ジャニーズにいそうでいないB級キャラです。しかしながらバラエティーで貴重な存在です。かつてのジャニーズに該当する人はいません。強いて言えば布川敏和くらいですか。


第4回 超B級お笑いタレント「とんねるず」を検証する 2001.03.10

「とんねるず」も安くて量の多いB級テイストのタレントだ。なぜ彼らが長期にわたってうけるのか検証したい。

キーワード 研究対象 検証
類似性 コント55号 「とんねるず」が「コント55号」に似てると言った日には、逆説の日本史の井沢元彦もびっくりの、無茶な仮説だと思われるかもしれませんが、手法は似ています。コント55号の萩本欽一はプロデューサー件、脚本家として、役者志望だった坂上二郎さんの、お笑いのセンスを引き出しました。「とんねるず」の場合は、野球部員として一軍にあがれず、早めに引退させられていた石橋貴明が、サッカー部のレギュラーとしてベンチ入りしていて最後の最後にレギュラーをはずされた木梨憲武に白羽の矢をたてたのだと思います。もちろん彼らは、高校時代から、笑いの才能があったみたいですが、やはり石橋貴明が木梨憲武の才能を見いだしたのだと思います。
また欽ちゃんは、「欽どこ」を中心として素人を上手に取り込んで笑いを引き出しましたが、石橋貴明の手法も、まさにそのやり方です。したがって石橋貴明は萩本欽一の役であり、木梨憲武は坂上二郎の役であるといえます。
色物性 紅白歌合戦 「とんねるず」はジョージ&憲三郎を含めて4回、紅白歌合戦に出場している。初出場の「雨の西麻布」は半裸で「受信料を払いましょう」というベタなギャグを背中で表し、1999年の野猿の1回目も、裸で頭文字、2000年の野猿の2回目では、長島監督と高橋尚子と柔ちゃんだった。特に野猿は普段はかっこよく歌っているのに、なぜだか、紅白では、色物になってしまう。野猿最後のシングルの「Fish Fight!」も最後の最後でコミックソングになっている。この一連の流れで感じられるのは、「色物であることに対する誇り」ですね。おいしい笑いがとれれば満足なわけです。あと「自分たちの本業は、決して歌手でない。」ということがきちんとわかっているところも良いですね。
出演者を引き出す モーニング娘。 モーニング娘。は「うたばん」に感謝しなさいなんて書いたら、モーニング娘。のファンから、抗議のメールがくること請け合いですが、実際は、「うたばん」のモーニング娘。はかなり、おいしいです。モーニング娘。がお茶の間のアイドルとして、特に個々のメンバーの個性が出てきたのも、この番組のおかげです。コアなファンはモーニング娘。の10人の名前が言えることは初歩の初歩かもしれませんが、一般視聴者に10人覚えてもらうことは至難の業です。そんなとき飯田圭織がジョンソンであることがわかれば(飯田圭織がいやがるにせよ)、認識度では大きなプラスになるわけです。石橋貴明が、人を利用して笑いをとる才能は天才的で、それが「平成の欽ちゃん」と言われるゆえんです。(え、誰も言ってないって?) 同様に歌番組をやっているダウンタウンは、あくまで自分たちのネタが一番です。つまり出演者といってもダウンタウンが輝くための材料でしかない。しかし石橋貴明は、他人を、おいしく、調理しています。ここの違いが大きいわけです。お笑いでいえば「ダウンタウン」は明らかにA級です。しかしエンターティメントという面で、超B級な「とんねるず」は偉大であるといえます。



第5回 日活アクションスターといえば 2001.05.28

いまや、日活といえば「ロマンポルノ」さえしらない若者が多いと思うが、昭和30年代のアクション映画をささえてきたのは彼らだ!

A級の日活アクションスターといえば 超B級の日活アクションスターといえば
名前 石原裕次郎 小林旭
こんな人 作者の世代では、「太陽にほえろ」のボスというイメージだが、やんちゃなマスクに短髪、低い声のスーパースターだ。彼は、あくまでニヒルであり二枚目路線である。しかも奥さんは当時人気女優だった北原美枝である。しかも奥さんは引退かつ専業主婦である。さすがスーパースター、人気女優も独り占めである。歌手としても幾多のヒットを飛ばしており、現在50代〜60代のおじさんがカラオケで歌うアーチストNO.1である。おじさんは総じて声が低く、リズム感が無いので、低音でスローペースな石原裕次郎の曲はぴったりなのである。何しろ無難ですしね。文句なしで彼がA級でしょう。小樽の記念館は撮影禁止なのである。けち。 石原裕次郎と対抗できる、しかも超B級なスーパースターは我らが「アキラ」しかいないでしょう。独特のモミアゲに妙に高い声。明らかに石原裕次郎の対極にあると言っていいだろう。だいいちヒット曲が「アキラのズンドコ節」とか「自動車ショー歌」とか、まともなスターは絶対歌わないような歌がおおいです。しかも大ヒットなんです。飲み屋で小林旭を歌うおじさんはまずいません。でもアキラの歌は飲み屋の歌が多い。たまにカラオケで歌われるのは「熱き心に」くらいですかね。私は好きなので時々歌いますが、この裕次郎にない強烈な個性には惹かれますね。そして、石原裕次郎が北原美枝なら、こっちの結婚相手は天下の美空ひばりだ(別れましたけど・・・)。さすがスケールでも負けてないぞ。



第6回 平成のあのねのねこと
ブリトラに注目せよ 2001.09.17


いま、作者夫妻のマイブームがブリトラである。知らない人は是非聞いてほしい。

A級のコミックソング B級のコミックソング そして超B級のブリトラ
「神田川」で有名な「かぐや姫」はその昔、コミックソングを歌っていた。「酔いどれかぐや姫」は佳作である。フォーク界では、70年代、大御所がコミカルな詞で歌ってました。さだまさしの「雨やどり」(裏バージョンの雨どりやが最高)とか海援隊の「母に捧げるバラード」やダウンタウンブギウギバンド、最近では奥田民生やミスチルも、おもしろいのを出している。極めつけはサザンですかね。 やはり嘉門達夫とか王様ですかね。替え歌とか直訳ロックはおもしろいんですが、ちょっとオリジナリティに欠けますね。一発屋傾向が強いです。最近では「ヨーデル食べ放題」もその類でしょう。 ブリーフ&トランクス(通称ブリトラ)は有線でよく流れているのに歌っている人がわからないという悲惨なグループだ。しかし「青のり」「ペチャパイ」「サナダ虫」などとにかくおもしろい。ところがとっくに解散していた。ファンになったときに解散していたのは、ビートルズ以来だ。やはり彼らも大物だ。とにかく一度レンタルしてみることをオススメする。まずは「ブリトラゴールデンベスト」が良いかな。詳しくはこちらのホームページをどうぞ。



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