今回の旅は、プーリア州滞在の旅。レッチェに2泊しています。何日、見学しても満足出来ないほど見所たくさんのレッチェですが、次に来れるのはいつになるか分からない・・・。というわけで、せっかくなので2日目はあいにくの雨模様でしたが、別の町へ足を伸ばすことにしました。

さて、レッチェから日帰りだとどこへ行けるんだろうか・・・と地図を広げてしばし思案。プーリア州で一番大きな教会があるというオートラント(Ortranto)へ行くことに決定しました。バーリから約50分のMaglie駅で乗り換え、Ortrantoへ着くのだとか。とにかく、バーリ駅へ向かいます。

ごめんなさい。写真がむっちゃぶれていて見難いのですが、PARTENZE(出発)の掲示板です。次に来るMaglie駅行きの列車は、一番上の表示。10時36分発で、ホームが6S、2CLはセカンド・クラッセ(2等)という意味です。よしよし、6Sっていうホームに行けばいいのね。

が・・・・、
これまた見難い写真ですみません。雨だったもので。国鉄の駅でよく見かけるこの標識。上から、

Uscita(出口)−Biglietteria(切符売り場)
Binari(ホーム)
Sala di Attesa(待合室)
WC−Deposito Bagagli(荷物預かり)−Bar

えっとぉ、2番ホームから5番ホームまでしかないんですけど・・・。私達の6番線はいずこに??

でも大丈夫、私、知ってるんです。ホームを継ぎ足していく駅が割りにあるんですよ。だから、普通のホームは並行に並んでいるはずなんですが、記号のついたホーム、例えば1aってホームは1番線の端っこ、縦に並んでたりするんです。ね、だいたい、“6S”って名称が怪しいじゃないですか。だから、とりあえずこの時も、ホームのはじまで歩いて行ってみました。でも無い。反対側に行っても無い。駅員に尋ねると、そこと指をさしてくれました。が、そこにも無い。挙句の果てに、倉庫にまで迷い込んじゃいましたよ、私たち。怪訝な顔で近づいてきた倉庫のおじさんに再び尋ね、指差された場所に来たものの、やっぱり、この標識の横の階段しかない。ってことは・・・、思い切って、この階段を降りてみます。
地下通路は、手前から2番ホーム、奥に向かって5番ホームとなっています。やっぱり無いやんなぁ・・・と言いながら奥へ歩いていると、へっ!?はっぁあ???

突き当たりの壁に何か見えませんかねぇ???

AL BINARI 6−7 って文字と矢印の書かれた看板が私の目には見えるんですが・・・・。へっ!??

普通、地上の看板に、“Binari2−5”と書いてあったら、その矢印の先に、6と7があるとは誰も思わんでしょ。増設するならするで、上にも書けよ!手書きでもいいから・・・。

いやぁ、ホントに。

私たちは幸いなことに出発まで時間に余裕があったので、良かったのですが、全く驚かされましたよ。さすがの私もこんなのは初体験。さて、階段を昇ると、ちゃんと6Sのホームはありました。

そんなこんなで、無事にオートラントへと到着いたしました。ちっちゃな小さな駅を後にし、ホンマに町があるんかいなぁ・・・という道を15分くらい歩いたでしょうかね、城壁が見えてきました。この城壁をくぐると、石畳の細い坂道が交差する可愛らしい町が始まります。

雨も強くなってきたし、お昼も近づいて来ました。教会は昼に閉まってしまうので、急ぎます。迷って、何度も人に尋ねながら(なにしろ町の地図を持ってない。たぶん、いちばん大きな教会だから町の中心にあるはず。ってことは高台だろう。って勘だけで進んでましたから・笑)、到着しました。

閉まる寸前でした。ぎりぎりで滑り込みセーフ。どうして、この教会に訪れたかったかというと、州で最も大きな教会だというのも理由のひとつですが、床に美しいモザイクがあるそうなんです。この教会が建てられたのは11世紀。その後手を加えられ、現在ファサードに見ることが出来るバラ窓は、15世紀のアラブ・ゴシックのものです。

当時、字を読むことが出来なかった人々にも聖書を理解することが出来るように、とモザイクで聖書のストーリーがあらわされているのです。内部の写真は撮っていないので、残念ながらお見せすることは出来ないのですが、アダムとイブのモザイクなど、素朴な表現で素晴らしかったですよ。私たちは、中でこのモザイクのポストカードを購入しました。気になる方は、我が家まで見に来ていただくか(笑)、ぜひオートラントへ足をお運び下さい。

町の見所としてはアラゴン家が15世紀に建てた城などもあるようですが、とにかく雨がキツイ・・・。教会も見れたし、海も見たし、満足。ということにして、昼食にレストランへ向かいました。手持ちのプーリア州の地図を見ると、このオートラントという町は、ブーツの形をしたイタリア半島のちょうど踵の部分、サレント半島の一番、東端にあるように見えるんです。少なくとも、私が訪れた再東端。だから、雨の中ですが、ちらりとでも海を見たかったんです。
すぐそこが海なんだから、美味しくないわけないでしょ♪と昼食は海産物三昧。ミオマリートは海老のパスタを、私は魚介類のパスタ。大好物のコッツェ(ムール貝)がこんなにたくさん!!メインには、イカとエビのフリットを注文しました。これがまた美味しくて。都会では、安いメニューに入っていがちな魚介のフリットですが、ここのは違います。生でも食べれるよね?ってくらい新鮮なイカエビがフリットされてました。あんな美味しいフリットは後にも先にも食べたことがありません。数軒並んだレストランの中で、外観が一番高級そうなところを選んだからでしょうかね?

味は美味しく、値段はそこそこ、内装は石造りのゴージャスなレストランでしたが、部屋の隅っこのテレビが付けっぱなしなのが、なんだか庶民的。時間が遅くて、ほとんど客が帰り、私たちくらいしか残ってなかったせいもあるんでしょうが、料理番組にチャンネルを合わせ、シェフが必死に見入っていたのが面白かったです。新しいメニューになるんかな?

2005.05