竹岡模型製作所 EB53

竹岡模型製作所は、かつて蔵前厩橋近くに存在した模型メーカー。戦前はカワイ製品の模造品を製造販売し、物議をかもしたことで有名であった。昭和10年代に作られたこのEB53もカワイ製品を真似たもので、構造的には戦後に続くB電関の基礎とも言える製品である。
写真のものは車体のみ原型、パンタグラフ・デッキ・ライト・モーターは戦後の製品を取りつけたもの。車輪・動力周りはカワイ製で、同社らしいガッチリとしたインサイドベアリングやローラーコレクターが見える。台枠はアウトサイドフレームだが、広告などに頻出する完成写真では、カワイ製品そのままのインサイドフレーム・ロッド式なので、ロットによって違いがあるのかも知れない。本来は35ミリゲージだったものを戦後加工して32ミリゲージにし、黒く塗装されていた車体を茶色に塗り替えたという。側板エンド側に見られる丸いプレートは、竹岡の銘が入ったメーカーズプレートで、ボルト留めされているのがいかにも戦前の製品といった感じだ。車体はブリキ製、他は真鍮製。一番下は「鐵道」昭和12年3月特別号の竹岡の広告。(山岡泰男様 所蔵)


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