カツミ及び宮沢製品のブリキ製ニ軸貨車群。車種は多くないものの、
ツボを押さえたラインナップで編成を楽しいものにした。製造が長期
にわたったものが少なくないため、組立や部品の材質など、同一車
種でも仕様にはさまざまな違いが見られ興味深い。一例を挙げれば、
4段目のト(無蓋車)は3輌とも側板の折り返し、軸受けの形状と材質、
車輪の材質が異なる。軸受けにはダイカスト、アンチの鋳物製、ブリ
キ、真鍮のプレス(通称ガラ)製があり、また車輪も真鍮砂鋳物、ダ
イカスト、プラスチックがある。
ここに掲げたものはいずれも一色で派手な色に塗られているが、こ
れは当時他のブリキ玩具でも常識で、余り地味な色彩のものは商品
と見なされなかったし、また家庭のなかが色彩に乏しいころであった
から、ユーザーも派手な色のものを好んだとも言える。市場がこの手
のものにリアルさを求め出したのはもうOゲージの終焉も近いころで、
最末期にはHOのブリキ貨車と同様の、実物に近い色に塗り分けられ、
ブレーキテコなどを備えたスケールモデル的貨車が少数ではあるが
製造された。側扉付きのものは全て開閉可能。連結器は全てダイカ
スト製固定自連。
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