カツミ ナハ10・ナハ10タイプ

軽量客車の第一陣として著名なナハ10とその短縮型モデル。三線式末期の製品らしく、床板を木ではなく、チャンネル状に折り曲げた鉄板製床板とし、ボルスターも帯金を曲げ加工したものから、箱状にプレスしたパーツとしたりと、目立たないところで、強度確保を兼ねた技法の近代化が図られているのが印象的。妻面のリブやケーシングの表現もなかなかいい雰囲気だ。画像では見づらいが、2輌とも妻板右下部分に「KTM」のメーカー刻印が見られるのが珍しい。短縮型では妻板のディテールは略されているが、側板の窓配置の按配が良いせいか全長の割にはスマートに見える。101系タイプなどでも言えることだが、実車の持ち味をできる限り崩さずに短縮化する、この時代の設計者の腕前は見事というほかはない。
【17/1/16掲載】

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