※各社の車輪の寸法は以下の通りです。
用途に合わせてお選びください。(単位ミリ)
 A
バックゲージ
B
フランジ高
C
トレッド幅
D
軸径
(付随車用除く)
E
軸端径
F
軸長
はぐるまや
15φ
291.433
344
はぐるまや
19〜24φ
291.435346
歌川19φ
ネジ込み
28.51.53.25346
カツミ
19φスポーク
28.50.82.84247.5
熊田
19φスポーク
28.312.7-1.344
ライオネル他
19φハイフランジ
(ピボット)
272.23.6-2.548.5
はぐるまや
19φハイフランジ
2723.65346
ナローモデル
27φスポーク
290.82.74246

●既成車輪についての豆知識
※一概に「Oゲージ」「0番ゲージ」と申しましても、三線式と二線式、日本とアメリカ、メーカーがニーズに応えた結果その他の歴史的経緯により、車輪の各部の寸法にこれだけの種類があります。
このなかでもっとも大切なのがAのバックゲージ、次点がBのフランジ高で、これら2つの寸法がポイントやクロスの通過の可否を決める部分です。以下に車輪と線路の相性などをご説明しましょう。(既成トラックシステムについてはその2へどうぞ)

国産三線式…カツミ・エンドウ旧製品のブリキ製ガラレールには歌川模型製19ミリ 径車輪が適しています。はぐるまや製各径車輪も、片側絶縁ながらごく 近い寸法を採っておりますのでご使用になれます。
 また、国産三線式車輛をアメリカ製の線路で走らせる場合のご注意点ですが、ライオネルO、027のチューブラー・トラック(ガラレール)のポイントでは、ほぼ9割が脱線します。(車輛によってはゼンゼン脱線しない剛の者もまれにあります)
 アトラスOは72インチ用ポイントならまず大丈夫、ただ54インチ以下になりますと、フログの曲線側を若干ヤスる、ガードレールのフランジウェイをプラ板等を貼って狭くする、という改造が必要です。MTH(Rail King)もガードレールについては上と同様、フログのフランジウェイはプラ板でカサ上げする必要があります。いうまでもありませんが、ポイントなしのエンドレスでしたら、どのメーカーの線路で走らせても、なんの支障もありません。
 ちなみに、最近の細密化が進んだ一部の製品を除けば、二線式車輛(特にアメリカ製)でもこれに近い寸法のものが多く、このことからかつての国産三線式製品はトイトレインというよりは、準スケールモデルとしての側面があったこと、また、対米輸出用規格のパーツを国内向け三線式製品に流用したことを物語っています。

トイトレイン(米国三線式)…アメリカの三線式製品は、いわゆるハイフランジ車輪、ライオネル社が採用したフランジ高約2ミリ、トレッド幅3.6ミリの寸法で各社製品とも統一されています。フランジは厚みもかなりありますので、同じ三線式とはいえ国産旧製品のガラレールでは、ポイントでフランジが挟まってしまい使用できません。
 付随車用のそれはトレッドのテーパー(傾斜)が、丸頭レール上での走行を安定させるためにきつくなっており、反対に動力車用のものは水平に近いという特徴があります。
  付随車用のピボット軸車輪や、動力装置(軌道モーター様のもの)はBowserなど在米メーカーより数種類発売されていますが、動力車に応用可能な車輪が見当たりませんので、19ミリ径1種ながら当店で洋白製プレート車輪を製造しました。軸径は従来規格で作っていますので、国産旧製品各種ギヤ、歌川製ウォームギヤが使用でき、また旧製品貨車軸受、各種台車にも装着可能です。

二線式…国内で最も流通している英国PECO製のフレキシブルトラック、ポイントを使われるのなら、三線式専用のものを除いて、この表にあるすべての車輪が使用可能です。 PECO製ポイントのガードレールはボルトでフランジウェイの幅が調節できますので、フログに引っかかるようでしたら、使う車輪のバックゲージに合わせて、フランジウェイの幅を狭めてやれば良いのです。
 なおOJ製品の規格に合わせて作られた車輪など、極端にトレッド幅の狭いものは足元が引き締まって格好が良いものですが、ガードレールに引き寄せられると、片方がレール間に落ちてしまうものもあります。フランジ高はともかく、トレッド幅についてはなるべく3ミリ近くあるものをおすすめします。

店主よりひとこと…ネジ込み、ナット留めの車輪は、車体に取りつける前にしっかりと締めておきましょう。 運転中に車輪が緩んで脱線、という事故は意外に多いものです。車輪の裏側の軸と接する部分に、少量のラッカーをしみ込ませたり、木工ボンドをほんの少し塗布して回り留めとしておけば万全です。Oゲージの場合、脱線転覆すると大事故になりますから…。


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