車体を完成させよう

完成したカプラーポケットを、エンドにエポキシ系接着剤で貼り付けましょう。目立つところですから、接着剤が周りにはみ出さないように気をつけ、はみ出したら早めに、ボール紙で作ったヘラの角でこそげておきましょう。
強度の必要なところでもありますから、念のため、エンド裏側からも接着剤を盛りつけておきます。
(何の説明もなく、屋根の取り付けが終わっている辺りはご愛嬌…実は写真を撮り忘れました。まあそのくらい気楽に作っているということで、ご勘弁下され。)
車体側面のリブ(1×1角材)を貼り付けます。あらかじめ描いておいたケガキ線に沿って、妻板のリブ位置とずれないように、また水平になるよう、注意しつつ貼りましょう。
写真のように、両端を長めに取っておき、妻板のリブを貼り付けてから余分を切って仕上げます。
妻板のリブは、カプラーポケットをはさんで分割されていますので、ケガキ線と側板リブの位置に合わせて、一直線になるよう、注意して貼りましょう。接着剤が乾いたら、側板のリブの余分を切り、ヤスリ仕上げします。
側板のリブと接する、断面にもしっかり接着剤を回しておかないと、仕上げのときにヤスリに引っかけてリブを折ったり、継ぎ目が目立ったりするのでご注意!
下周りの取り付け座となる、5×3平角材をしっかりと貼り付けます。
前後しますが、車体組みたて前に、内張り内側にあらかじめケガキ線を引いておき(ステップ穴上端と同じ高さです)、車体が組みあがったら、下周りを仮にはめてみて、車体が水平になるか、連結器上端高さが、レール上より19ミリになるかを確認してから、平角材を貼り付ける手順で作業しましょう。
屋根の加工にかかるまえに、パンタグラフの改造をしてしまいましょう。
作例では、アンバランスな面白さをだそうと、Williams製の大型パンタを使ってみました。改造といっても、取り付け座の部分を切って短くし、新たに取り付け穴を開けるという、簡単な加工です。
まず、ノギスで取りつけ座の帯金部分の幅を測り、その寸法を2で割って、前後方向の中心線をケガキます。写真のように、ノギスをケビキのように使ってケガくやり方は、ベテランの皆さんならご存知でしょう。帯金がくの字に曲がるところを切断しますから、その手前の4箇所にケガキ線を入れます。
次に、左右方向のケガキ線を引き、十字を書いて穴の中心を出します。
何分立体物ですので、板や紙にケガくようにはいきません。基準となる、ノギスを引っかけるところがなくて困っていたところ、取りつけ座の板を曲げた部分(写真でいうと、ノギスの左のジョー先端が引っかかっているところ)がよさそうなことが判明。右のジョーを円弧状に動かして、位置をケガくことができました。
このやり方ですと、基準から穴の位置(要はノギスが示す寸法)はおおむね32ミリになるはずです。なお、写真では撮影の都合上、宙に浮いたようなやり方をしていますが、皆さんは、取りつけ座の部分を台の角などに乗せて、パンタ本体を保護するように作業しないと、パンタがゆがんでしまいますからご注意。
穴の位置出しができたら、十字の交点に正確にポンチを打って、穴あけの準備をしておきましょう。
パンタ取りつけ座の、不要な部分を糸ノコで切り取ります。
写真のように、いつも工作台の上でじかに糸ノコを使うという、お気楽ガサツなことをしていますので、工作台の角は無残な有様です。いうまでもないですが、皆さんは板などを当ててから糸ノコを使って下さい。
パンタは枠の方を押さえると、ゆがみますから、写真のように開いて、取りつけ座の方を押さえてから切るとよいでしょう。
「糸ノコなどまだるっこしい!」という短気な方は、ニッパーで深めに刻みを入れ、折り取ってしまってからヤスリ仕上げをしても結構です。
切断した部分にヤスリをかけて仕上げ、Φ2の取りつけ穴を4箇所開けて、パンタの加工は終わりです。
塗装は一番最後にしましょう。
屋根の、パンタ取りつけ穴位置は、寸法図どおりにケガいておいてもよいのですが、念のため、パンタを当ててみて誤差がないかどうか確かめて下さい。
早く完成させたい方は、このままガイシを屋根に乗せて、ビスでパンタを固定してしまってもいいのですが、以下に示した、簡単な「パンタ台」を作ってからパンタを乗せると、より落ち着いた感じになります。
ガイシやパンタが水平になるようにする、パンタ台を作りましょう。材料は、ボール紙と1×1角材です。パンタ台の寸法はお好みですが、私は7×7と小ぶりにしました。
写真のようにまとめてケガいて、先に千枚通しで穴を開けておき、それから縦の線を切る、という手順でやりましょう。
千枚通しでの穴開けは、固めの木の台の上で行うと、メクレやゆがみが少なくできます。メクレは裏側に出るように、表から千枚通しを刺しましょう。メクレが多い場合は、小さなハサミの先で少しづつ切ったり、軽くサンドペーパーでヤスッたりして取り除きます。
縦の線を切ってから、1×1角材を貼り付けます。ボンドが乾いたら、一つずつ切り離して、角材の断面を軽くヤスリ仕上げします。
角材はあせってナイフを入れると、割れたりしますから、表裏から刻み目を入れた後、静かに切断するようにしましょう。
出来上がったパンタ台を、屋根に接着します。
傾いて取りつけたりすると、結構目立つものですから、穴の中心線の他に、パンタ台の幅の線を、あらかじめ引いておくのがよいでしょう。
鉛筆のケガキ線は、薄く引く分には塗装で隠れてしまうのですから、この屋根など、部品の位置決めが必要なところは、切り出す前に考えて、予備のケガキ線を引いておくと後が楽になります。
(ぜんぜん気楽なフンイキじゃなくなってきたのう…)


「やさしくB凸を作る4」に進む

ウォームギヤーの間に戻る



最初のページに戻る