序 文


この「経済学の部屋」に存在するすべてのコンテンツは僕自信の考えに基づいて書かれたもので、その正当性についてはあなたが決めることである。もちろん、「この考えは違うんじゃないか」「むしろこう考えた方がより真実に近いんじゃないか」とかいう意見があれば是非参考にさせてもらいたいし、そういった議論をメールを通じてやり取りすることも暗に期待している。むしろ、議論を待つためにあえて穴だらけで思いつきのような文章をここに載せているといってもいい。だから論理的・合理的・かつ学問的な意見交換はここの趣旨であり、臆さずメールを頂きたいと思う。

この経済の部屋に置いてあるコンテンツには二つの要素がある。一つは産業化/途上国開発と、技術革新の相関性についてである。そもそも途上国開発についての議論は戦後生まれたものであって、経済学のなかでも比較的新しい分野といってもいい。そしてその議論を広く展開してきたのが世界銀行とIMFである。彼らは自由主義経済・新古典派的評価を標榜して途上国の発展に関与してきた。さもないと途上国は資金援助を受けられないからだ。しかし1990年代に入ってからは東南アジア経済の成功が必ずしも新古典派的観点からは説明しきれないことを受けて、政府の役割が見なおされるようになってきた。これは同時に日本の産業政策史に対する諸外国の評価の変化をも付随させた。すなわち、日本の文化・国民性そのものが欧米とは違うのだ、とする日本異質論を退け、合理的説明によって日本経済の高度成長を解明しようとする開発主義の台頭である。「開発主義」はいまだに市民権を得ている言葉ではないので、また別項でその説明が必要になるが、簡単に言ってしまえば、効果的な秩序型競争と、技術支援をすることで国内の技術革新能力向上を実現化しようとする姿勢である。これは資本主義型自由競争の持つメリットと、自由競争の持つ不安定さをカバーすることの、二つを内包し、それによって最終的に国際的な競争力を得た、と考えるのである。

もう一つの要素は、僕の個人的なちょっとした考えを経済学的視点をもって説明することである。それはもちろん学生向けでもあるし、同時に経済についてあまり専門的知識のない人にもわかるようにつくるつもりである。っていうか僕自信あまり経済の基本知識は持っていなかったりする。ミクロとかマクロとかいまだにわからん。統計なんて全然知らん(笑)。ってなことで自分の出た中学高校をバカにしてみたりもすると思われる。それなりに理由はあるのだが。



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