MORI Hiroshi's Floating Factory Model Railroad Workshop
A&B Report 2014年10月号


The leaves are turning in autumn day by day.

/☆Go Back☆/
 欠伸軽便鉄道の7月下旬から10月下旬の3カ月間のレポートをお届けします。今年の夏は、気温があまり上がらず、涼しく過ごしやすい(少し寒い)シーズンでしたが、ゲストも沢山訪れ、天候にも恵まれ、庭園鉄道は大忙しでした。樹の葉が生い茂った中を歩くだけで、気持ちが良く、毎日多くの時間を屋外で過ごしました。本当に、素晴らしい夏を満喫できました。

 7月下旬には、信号機の工事、プラットホームの屋根の工事などがあり、8月のオープンディに備えました。8月と9月はゲストが多く訪れ、過去最高の賑わいだったと思います(残念ながら、オープンディの写真は、本レポートにはありません)。トラブルもなく、乗り切ることができました。

 このA&Bレポートでは、記録的な意味で主なニュースのみを取り上げています。より詳細な情報は、毎日アップされている欠伸軽便のブログ(Construction in Waterloo)をご覧下さい。

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グリーン

 芝生は今年も綺麗です。昨年よりもまた一段と密になった感じがします。きちんと手入れをすれば、それなりになる、ということです。昨年から導入しているバッテリィ式の芝刈り機がよく働きます。最盛期には1週間に2度も芝刈りをしなければならないので、ツールのハンドリングが重要なのです。今年はここを、駅長たちが運動場として使用。毎日(主に助役ですが)走り回っているのです。


通常運行

 線路を巡回するため一人で走るには、このレールバスが適しています。昨年の夏に登場した29号機で、今のところ欠伸軽便で最新の車両です。電子的にエンジンサウンドを(速度に同調して)発するので、運転も楽しくなります。もともとが7.25インチゲージの機関車だったので、5インチゲージよりも一回りボディが大きいのですが、そこがナローっぽいというか、むしろ以前よりも好ましいフォルムになったように感じます。


 動輪は後ろの2軸ですが、粘着を確保するため、後方に重心があって、線路上に枯枝などが落ちていると、前の車輪が脱線することがあります。普通の機関車ならば、小枝くらいは切断してしまうのですが、そういった走破力がありません。ただ、前部は軽いので、脱線からの復帰はごく簡単です。1年以上主力で走り続けていたので、この冬にメンテナンスを行う予定です。


 レールバスの次に新しいのが、28号機のホイットコムです。この車両もこの1年間、大活躍しました。力が強いことを買われ、主にゲストを乗せて走ることが任務になります。急勾配の梵天坂線で、大人4人を乗せた車両を引いて走れます(それ以上では試していません)。この車両も、今年の冬にオーバホールをする予定です。チェーンの張りの再調整が必要でしょう。


 このホイットコムもサイズ的には、7.25インチゲージです。大きくて存在感はありますが、後ろの車両とややアンバランスになります。トレーラの後ろの客車は、ゲストが乗るときはボディを外しますが、むしろ外した方がバランスが取れます。ちなみに、一番後ろのカブースは1/6スケールですので、サイズ的には中間くらい。このホイットコムにも、エンジン音のユニットを載せたら良いかも、とときどき考えます。それから、前後を逆にして運転ができる仕様なので、機関車の後面を作って、キャブフォワードにしてみようか、というアイデアも温めています。まだまだ遊べそうです。


 上の1枚めの写真は、かつてはデルタ線だったヤードの風景です。いつも、列車はこのあたりに待機しています。青いログハウスが見えますが、その向こうに新しい引込み線もできました。

 2枚めの写真は、1号機のワークディーゼルです。この機関車は、オープンディでも活躍しました。以前は、キャブの中に載せたバッテリィ1つで走っていましたが、トレーラにもう1つ載せて、スピードアップを図りました。よく働いています。3枚めの写真は、10号機のレールバス(カメラボーイ)。ccdカメラを取り替えて、リフレッシュしました(後述)。

 レールバス(カメラボーイ)の走行 *MOVIE in YouTube*

 欠伸軽便鉄道の顔ともいえるAB20とAB10の重連列車です。ゲストに人気のある車両です。運転したときのフィーリングも抜群で(主に、2台の機関車のモータ音の共鳴が良い)、低重心のトレーラも安定感があり、走っていて気持ちの良い車両です。細かい修理や改造を経て、今も第一線の主力機関車です。


5インチのライブスチーム

 夏といっても、最高気温が25℃を超えることはありません。涼しい風の中、木蔭をゆっくりと走りながら綺麗な風景を眺められる爽快なシーズンです。ライブスチームの煙の香りもまた格別。なによりも、上り坂を走るときのドラフト音が最高です。

 さて、最初に登場するのは、Judith M、ハンスレットの典型的なサドルタンクです。中古で入手して2年になります。今のところ大きなトラブルもなく、良いコンディションを維持しています。上の4枚めの写真では、同じハンスレットのJackと並んでいます。Jackよりもやや小さく、力もやや少ないかもしれません(シリンダの大きさの関係でしょう)。


 そのJackです。ハンスレットですがサドルタンクではなく、煙室の下に水タンクがあります。また、バルブチェストがシャーシの内側ではなく、シリンダの上にあって、バルブギアはワルシャート式。つまり、ハンスレットらしくない機関車ですが、じっと眺めていると、やっぱりハンスレットのスタイルだな、と見えてくるのです。Jackは、オープンディでも活躍し、大勢のゲストを運びました。

 Judith MとJackの運転 *MOVIE in YouTube*

 1枚めと2枚めの写真は、OSのForte。欠伸軽便に在籍する唯一のC型(動輪が3軸の)蒸機です。大変小柄でコミカルなスタイルの機関車で、一所懸命走るところがキュートです。動画をご覧になるとわかりますが、躰を揺すって走ります。

 そして、ピンクのシェイ。久し振りに登場しました。ガレージの奥にいたためです。整備はしていたので、大変快調に走りました。シェイですから、ボギィの4軸駆動です。電気機関車のように滑らかにひたひたと走ります。この機関車のT型ボイラは、木炭(備長炭)を焚くため、独特の香りがします。

 Forteを運転 *MOVIE in YouTube*
 Shayを運転 *MOVIE in YouTube*

 最後に登場したのは、木曽森林のボールドウィン。製作して2年ほどになりますが、トラブルもなく、快調に走行しています。ボイラがOS製で、とても扱いやすく、火力の維持が楽です。走行も滑らかで(ほとんど揺れない)、もしかして従輪の存在が効いているのかな、とも思います。なによりも自慢なのは、和音の汽笛です。

 ボールドウィンを運転 *MOVIE in YouTube*


小さい機関車たち

 45mmと32mmゲージの機関車は、夏はあまり走らせません。ここでは冬がシーズンなのです。ですから、今回は少なめかもしれません。1枚めの緑の機関車は、Roundhouseの新製品のKaren 0-4-2です。新品で購入し、しかも、ライン入れをしてもらいました。クラシックなスタイルで、イギリスらしいナローゲージの機関車。そして、2枚めは、Accucraft製のHunslet0-4-0。これは、7/8インチスケールです。上に書いたJudith MやJackと同じHunslet社の機関車で、オープンキャブです。これも、ライン入れをしてもらった新品を購入しました。注文をしてから長く待っていた機関車です。

 3枚めは、Oゲージのアルコール焚きの機関車で、たぶん自作品だと思います。中古品で入手しました。エンジンはフレーム内の1気筒です。4枚めは、レールバスで、アイルランドのドニゴール州で走っている有名な車両です。このモデルは、FRP製で、模型店で少量製産されているものです。

 Karenの走行 *MOVIE in YouTube*
 Hunsletの走行 *MOVIE in YouTube*

 青いStainzは、ドイツのメーカM-D-Tの製品。中古品で入手しました。今もこのメーカがあるのかどうかわかりません。LGBの有名なStainzよりも少し小柄です。ガス焚きで、ガスタンクがカセット式(ガスジェット付き)なのが特徴。小さいのにラジコンが組み込まれ、運転のほかに汽笛や連結器解放ができます。ドイツのライブスチームは、連結器解放ができるものが多いですね。

 2枚めは、7/8インチスケールのFairlymead0-4-2。これは前回紹介しました。メーカからロッドや、従輪のサスの変更部品が届きましたが、特に走りに変わりはありません。とてもよく走り、気に入っています。

 そして、最後の1枚は、同じ7/8インチスケールのHunsletが2台並んだところ。赤い方が、つい最近メーカから届きました(黒い方は上記)。同じ機関車を色違いで2台、新品で購入するというのは異例のことで、よほどこの機関車が好みなのだな、とわかりました。ちなみに、もう1台買って、キャブを作りたいところです。

 M-D-T Stainzの走行 *MOVIE in YouTube*
 2台のHunsletの走行 *MOVIE in YouTube*


室内から運転

 10号機レールバス(カメラボーイ)のリフレッシュを行いました。新しいccdカメラを装着し、映像の送受信機もデジタルのものに交換。このあたりは、どんどん性能の良い新製品が(しかも安く)出てくるので、すぐに古くなってしまうのです。また、リア用にもカメラを取り付け、バック運転のときに自動的に切り替わるようにしました。このほか、夜間の運転に備えて、ヘッドライトもラジコンで点灯させられるようにしました。

 新しいデジタル送受信機のおかげで、梵天坂線の全域をカバーすることができ、室内にいながらモニタを見て運転することが可能になりました。寒いときでも、これで楽しめるでしょう。もちろん、夜間の運転も可能です。

 レールバス(カメラボーイ)を室内から運転 *MOVIE in YouTube*


信号機の工事

 昨年の秋に大工事をした信号機システムですが、今年になって新線が開通したため、その対応に迫られていました。今回、3燈信号機を2基増設し、さらに1基の向きを変える変更もしました。もちろん、これにともなってセンサの回路も変更しています。上の写真は、トンネル付近の埋設管工事をしている様子です。


 赤外線の反射波を利用する距離センサ(対象物が近づくと反応する)で、車両の通過を感知していますが、これも新しい基板が発売になり、値段も下がりました。今回、この新しいセンサを採用し、また、もう1基には試験的に、赤外線ではなく超音波の接近センサを取り付けてみました。

 8月のオープンディでは、沢山の列車が同時に運行し、3日間、信号機をフル稼働させました。まだ、ときどきセンサが誤作動することがありましたが、システムとしては正常に作動することが確認されています。したがって、今後は、センサの感知精度を上げる工夫が課題といえます。


プラットホームの屋根

 7月下旬から8月上旬にかけて、工作室の外(建物の南側)に屋根を作る工事を行いました。柱を立て、3mほどの庇を取り付けます。光を遮らないように、屋根には透明のポリカーボネートを使うことにしました。


 工作室の外に置かれたテーブルでは、いつも塗装などの作業をしていますが、雨が降っているとできません。また、晴天でも、樹の葉や花粉が舞い降りる時期も、塗装ができませんでした。さらに、すぐ横は列車が並ぶ線路が何本もあるヤードです。以前に、レンガを並べてプラットホームも作りました。ですから、そのプラットホームに屋根がかかったことにもなり、駅らしい雰囲気になりました。駅の時計を、どこかの柱に付けたいところです。

 上の写真の2枚めに写っていますが、この柱の延長線上に、大きなルーバ(風除け)も作りました。これは、ウッドデッキでバーベキュー・パーティをするときのためです。効果は絶大でした。


ログハウス

 子供用のプレィハウスのキットを組み立てました。ログハウスで、2万円くらいで購入できます。パネルごとに完成していて、青の防腐塗料を塗ったあと、コースレッド(木ネジ)で組み立てました。基礎部は、ブロックを6つ並べたもので、その上に置かれているだけですが、重いので大風でも動かないはずです。内部は床がありますし、屋根も防水シートを張ったので、濡れてはいけない屋外ツールなどを収納しておけます。大人が中に入るには、ちょっと窮屈かもしれません(入れないことはなく、4人が同時に入った実例もあり)。


駅長と助役

 助役は、人が庭に出るときは必ずついてきます。その間、駅長はデッキで昼寝をしています。助役が走り回っても、駅長は眺めているだけです(ただ、散歩になると、駅長も気合いが入ります)。助役の方が躰が大きいし、体重も重いのですが、まだ駅長の方が偉いようで、助役はいつも駅長の顔色を窺っているのです。


 助役はときどき、機関車の運転席に乗せてもらいます。駅長も連れてくれば乗りますが、助役のように自分から寄ってくることはありません。この頃、二人はとても仲良しで、並んで歩くこともしばしば。片方がいないと、もう片方が必ず探します。喧嘩はまったくしません。食べ物を取り合うこともなく、オヤツも順番を待ちます。シェルティが大人しい、ということでしょうか。

 のそのそ歩く駅長の動画 *MOVIE in YouTube*


緑から黄色へ

 雨は降っても夜だけです。この夏は、本当に晴天続きで、最高に気持ち良く過ごすことができ、庭園鉄道を十二分に満喫できました。


 地面を落葉が覆い始めています。これから、この落葉を集めて、焼却する作業が日課となります。頑張りましょう。


 欠伸軽便鉄道も、なんだか歴史を感じるような今日この頃です。

 庭園の空撮 *MOVIE in YouTube*
 庭園の空撮2 *MOVIE in YouTube*

 「A&Bレポート」は今回をもって最終回とさせていただきます。長い間ありがとうございました。
 ひとまず、ごきげんよう……。

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