MORI Hiroshi's Floating Factory Model Railroad Workshop
A&B Report 2012年4月号


The trains and we work every day even in snow or cold Bontenzaka garden.

/☆Go Back☆/
 当地の冬は、11月から4月の6カ月間というのがおおかたの見方です(たとえば、この半年間はスノータイヤです)。しかし、欠伸軽便鉄道梵天坂線(Akubi Lightweight Railway Bontenzaka Short Line)は冬でも運行しています。かつての弁天ヶ丘線よりも運行期間は長くなったことになります(弁天ヶ丘線は夏期休業がありましたので)。それでも最低気温はマイナス20℃にも達します。長時間外にはいられません。冬はどうしても室内活動がメインになります。幸い、工作室は床暖房のためとても暖かく、これまでにない快適さです。今回のレポートでは、5インチゲージ関係のものはやや少なく、小さなゲージが多くなりましたし、また、大半の時間を費やしたボールドウィンの関連がメインです。



【JAMコンベンションの不参加について】
 毎年8月に開催されるJAM鉄道模型コンベンションに、この数年は連続して参加(模型展示)をしてきました。主催グループの趣旨には賛同できますし、日本では珍しいモデラ参加型の大規模イベントとして有意義な存在だと評価しています。ただ、欠伸軽便鉄道は、以後は参加をしないことに決めました。理由は、展示中の写真や動画を、許可なく撮影し、ネットなどにアップされるためです。もちろん、それがいけないことだと知らない人も多いのだろうとは思いますが、アップしたものに対して削除をお願いしても聞き入れられないことが(1件だけですが)ありました。こうなると、マナーの問題というよりは「言葉が通じない人」がいるということで、そういう人間が参加をする場所へは出ていかない方が安全だ、という判断からです。

 また、細かいことですが、雑誌などの取材でも写真は確認なしに掲載されます。掲載した本を送ってこない有名雑誌もあります(送りますからと住所を尋ねておきながらです)。欠伸軽便は、そもそもJAMの会員ではありません。昨年から会員以外は出展申込みができないようになりました(昨年の展示は、井上氏&星野氏のブースでお世話になりました)。まあ、そろそろ潮時だったかもしれません。夏の一番暑いときに、荷物を運び込んで準備をするのも大変です。一方で、梵天坂線は、8月が一年で最も良い気候です。ゲストも沢山訪れますし、できるだけこの8月には庭園で楽しみたいと感じます。ということで、出展をしないだけでなく、会場へ見にいくことも以後はやめることにしました。

 JAMのイベントで欠伸軽便を訪ねてくれた方々(大変遠方から毎年来てくれた方もいました)には、これまでのご厚意を感謝いたします。また、今年も楽しみにしていた方には、お詫びをいたします。黙って出なければ良いことではありますが、「来てみたけれど……」という結果を避けるために、今年以後の予定を告知させていただくしだいです。


 このA&Bレポートでは、記録的な意味で主なニュースのみを取り上げています。より詳細な情報は、毎日アップされている欠伸軽便のブログ(Construction in Waterloo)をご覧下さい。

 本レポートの写真は、クリックすることで大きなものを見ることができます(ポップアップしたウィンドウはご自分で閉じて下さい)。
 動画はYouTubeを利用しています(こちらが欠伸軽便のチャンネル)。
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白銀の庭園

 今年は、大変厳しい冬だったようです。雪は1月になってから、30cmほどの積雪の日が1日あり、その後も3月下旬まで3、4日同程度の積雪の日がありました。ただ、雪が続くことはありません。冬は晴天の日が圧倒的に多く、標高が高いことから直射日光が強いため、たとえ気温が氷点下であっても雪はどんどん消えていきます(不思議なことに解けた状態の水は見かけません)。ですから、いわゆる雪国のようなことはなく、交通が麻痺したり、屋根の上の雪を下ろす必要もありません。上の写真は、雪が降った直後(積雪10cmくらい)ですが、これがパウダ・スノウ(乾雪)です。風が吹けば吹き飛ばされてしまう雪です。握っても雪玉ができない、雪の中に倒れ込んでも躰に雪がつかない、そんな雪です。降った直後は、表面がとても滑らかで綺麗な風景になりますが、日が昇ると、樹の枝の雪がどんどん落ちてくるので、たちまち凸凹になります。


 2月中旬から3月にかけては、雪の質が変わり、湿った大粒の雪(湿雪)が降るようになります。こちらは、雪だるまが作れる雪です。上の写真で、駅長と助役が入っているカマクラも作ることができました。

 3枚めの写真では、樹の枝に沢山雪がのっていますが、こうなるのも湿雪の場合です。樹は、枝が折れないように、この季節は葉を落としているのですね。4枚めの写真は、この冬から導入したミニブルドーザです。ガソリンエンジンでキャタピラを動かして除雪をします。庭園内の私道の除雪を今年は3回行いました。1時間もかかりません。このタイプが一番効率が良いように感じます。

 今年の冬は昨年より気温が下がりましたが、床暖房の使い方がわかったというか、家の暖め方の要領がわかり、大変暖かい冬を過ごしました。人生で一番暖かい冬だったと家族で話しているくらいです。部屋の空気だけが温まるのではなく、床も壁も、部屋にあるすべてのものが暖かいので、「暖かい」ということも忘れてしまいます。一番寒い時期には、薪ストーブも1日に2時間ほど焚きました。工作室の換気扇で家の中の気圧が下がると薪ストーブの火がつきにくくなる、という発見もありました。ちなみに、エアコンを使用しないため、年間の光熱費は弁天ヶ丘のときの半分以下です(床面積が広いにもかかわらず)。


ロータリィ除雪車

 昨年のうちから準備をしていたロータリィ除雪車の出動機会が、1月になってからありました。パウダ・スノウであれば楽なのですが、湿った雪や、あるいは時間が経って自重で締め固まってしまった雪は、簡単にはいきません。除雪機のモータのパワーがやや不足しているのと、抵抗が大きく、押している機関車がスリップしてしまうためです。ですから、押せなくなったら、バックをして、また勢いをつけて突っ込むという繰返しになります。進めなくなる主な原因は、レール近くの石が凍りついていて、これが引っ掛かるからです。したがって、ブレードを少し高くすれば押せるのですが、そうするとレールの上に雪が残ってしまいます。作業に慣れないこともあり、最初は上手くいきませんでしたが、ある程度ノウハウが得られましたので、以後に活かしたいと思います。

 初日は、AB10単機が除雪車の後ろから押しました。スリップが目立つので、2回めからは、AB20と重連を組み、2台で押すことにしました。やや改善されましたが、なにしろ、重い発電機に加えて運転士が乗っている除雪車本体が一番重量があります(約100kg)。さらに、凍結のためレールは普段よりはずっと摩擦が小さく、スリップしやすい悪条件にあります。


 それでも、全線約300mを1時間ほどかけて除雪することができました。一度除雪してしまうと、あとは日射で線路の部分だけ雪が早く消えますので、次の雪が降るまでは、運行が可能になります。周辺の雪もしだいに低くなりますが、気温が低いので2週間ほどは消えません。2枚めの写真は、駅長が線路を歩いているところです。雪があることろは歩けないので、線路に沿ってパトロールをしています。

 スリップ対策として有効なのは、重量のある除雪車の車輪を駆動することです。さっそく、OSのパワーユニットのキットを購入し、4軸(8輪)をすべてモータで駆動する台車に履き替えました。上の写真の最後の2枚が、そのパワーユニットです。これは、ラジコンカーに使うモータを4機使い、ギアダウンしてトルクを稼いでいます。5インチゲージでは珍しい機構ですが、使った感じは、大変滑らかで良好でした。加速が良く、またスピードが遅いということもありませんでした。除雪車としての性能も一気に改善され、除雪時間が半減しました。この車両は、もともとは長大貨車(well wagon)ですから、貨車電車になったわけです。秋はブロアカーとして使われますが、自走できますから、機関車が不要になりました。

 ロータリィ除雪車の動画(AB10が推進) *MOVIE in YouTube*
 ロータリィ除雪車の動画(自走して車上より撮影) *MOVIE in YouTube*


雪の中を走る

 気温は低いですが、天気が良い日が多い、という点が(日本の雪国の人には申し訳ないですが)冬でも毎日外で遊べる理由です。風や日差しの具合を見つつ、暖かい格好をして、列車を走らせます。長くはいられないので、すぐに撤収します。こういう楽しみ方ができるのも、庭園鉄道のメリットでしょう。

 雪が積もっただけで、いつもとはまったく違う風景になります(というか、季節でも全然違いますが)。両サイドには、けっこうな高さの雪の壁があります。その中をすり抜けていく感じが面白いのです。気温は氷点下ですから、水というものはありません。つまり、地面はまったくぬかるんでいません。機関車や靴が汚れることもないのです。


 Kato 7tonは、梵天坂線で最も活躍している機関車です。充電の必要がなく、ガソリンが入っていればいつでも動かせます。昨年は、サスペンションの改造と、エンジンのオイル交換をしました。その後、トラブルはなく、大変好調です。アイドリングが少し高くなったので、先日調整をしました。エンジンが慣れてきたためでしょう。4サイクルなので、排気臭もほとんどなく、1年で使用するガソリンは5リッタ程度だと思います。助役が雪の中をジャンプしながら走っています。キタキツネみたいです。

 Kato 7tonで雪の庭園を走行(後半助役登場) *MOVIE in YouTube*
 助役とKato 7tonの接近 *MOVIE in YouTube*


 上の1枚めの写真は、レールバスです。これはカメラを装備していてラジコンで操縦ができますので、暖かい室内で映像を見ながら運転できるのです(前だけでなく、左右上下にカメラを向けられます)。なかなか臨場感のある画が見られます。2枚めは、DB81が引く客車。これはゲストを乗せるために走らせることが多い編成です。そして、最後は、AB10とAB20の重連です。主に保線作業のために出動しますが、冬はそんな作業はありません(できません)。運転席の高さが低いため、最も速度が出せる列車でもあります。真っ白の庭園はとても眩しいので、サングラスが必要です。ゲレンデと同じですね。ただ、雪焼けするほど長くはいられません。やっぱり寒いのです(日中でもマイナス10℃以下)。

 DB81で雪の庭園を走行(静かです) *MOVIE in YouTube*
 AB10&AB20で雪の庭園を走行(全線を一周) *MOVIE in YouTube*


Judith M

 昨年の12月にやってきたJudith Mですが、既に5回スチームアップし、距離にして20km以上走っています。上の写真は、点検をするために、ガレージにあるピットに入ったところです(機関車の下から作業ができるように、床が120cmほど低くなっている場所に線路を渡してあります)。給油機に水が溜まる症状があったので、配管のチェックをしました。一番疑わしいのはチェックバルブで、ボールを取り出して掃除をしました。

 さて、2枚めの写真は、下から見た左右のバルブチェストですが、内側に蓋があり、その蓋から煙突へ向かって排気管が出ています。これを見て、首を傾げてしまいました。普通、蓋に取り付けるとしたら、蒸気が入る給気管(蒸気管)です。何故なら、バルブチェスト内は高圧蒸気で満たされ、バルブカップをその圧力で密着させる必要があるからです。同じHunsletのLady Madcapでは、給気も排気もバルブチェストの上面からで、排気は給気よりもシリンダ側(外側)になります。普通のバルブならば構造上そうなるはずなのです。

 この二股の配管が給気なら問題はないのですが、煙室内を確かめても、これは(形からしても)排気管なのです。不思議でしかたなかったので、ブログでこの疑問を書いたところ、同型のHunslet機を所有されている方からご指摘がありました。これは、普通のバルブではなく、Balanced slide valveだったのです。このバルブについては、2012年No.1のLive steam誌に記事がありました。バルブチェストの圧力を下げる目的で、通常と給気と排気を逆にし、そのかわりカップが上下面に突っ張って密着する機構です。Balancedというのは、バルブカップが上下でバランスを取るからです。実機でも、また模型でも実績のある新しいタイプのバルブで、スライドバルブとピストンバルブを組み合わせたようなメカニズムといえます。

 その記事を読んでいたのに、自分の機関車にその機構が使われているとは想像もしませんでした。どうやらDon YoungのHunsletは、もともとこれが採用されていたようです(ということは、Lady Madcapは、Don Youngの設計どおりではないということになりますね)。


 上の写真は、前の3枚がJudith Mで、最後の1枚は、Jackです。色が同じで、煙室やキャブも似ていますが、Jackにはサドルタンクがありません。ちなみに、Jackのバルブギアはワルシャートですし、スライドバルブもフレームの外、シリンダの上にある普通のものです。

 Jackは、欠伸軽便のライブスチームでは最大で、運転も最も楽です。昨年は、スチームドームのパッキングのトラブルがあり、修理をしましたが、その後は完璧な状態です。このJackに比べると、Judith Mは、大きさは若干小さいものの、重量はほとんど同じで、力も強いように感じます。ただ、火室が小さく、火格子の隙間を石炭殻が塞いでしまうと火力が落ち、圧力が下がってくる、という癖があるようです。火の管理に注意を払わなければいけないことがわかりました。給油機は、オーバホール後は調子が良くなり、ほかには大きな問題はありませんので、運転に慣れれば、主力機関車になることでしょう。


小さいライブスチーム

 5インチゲージの大きなライブスチームは、1時間で遊んで終るというわけにはいきません。スチームアップや掃除に時間がかかるからです。その点、45mmや32mmゲージの小さな機関車は、ガスやアルコール焚きで、スチームアップは5分くらい。20分ほど走って、そのあとは掃除の必要もありません。ですから、寒い季節でも、風が止んで、日が射した暖かいときに、30分あれば遊ぶことが可能なのです。ただ、それにはすぐ近くに常設の線路が必要ですが。

 上の4台は、いずれも中古品で入手をした機関車です。前の2台は、Mamodがベースになっていて、つまり炙り式ボイラです。サドルタンクの方は、Dragonflyという名で、アルコール焚き。かなり改造が施された緑のサイドタンクの方はガス焚きで、名前はBertieです。炙り式ボイラは、風が強い日には向きませんし、ボディ(ボイラ周り)の塗装が焼けることがありますが、どちらも大丈夫でした。Mamodのガス焚き改造車は、今回が初めてでしたが、バーナ音がまったくしないので、なかなか新鮮でした。なかなか良いフィーリングです。バーナだけ取り寄せて、ほかのものも改造してみたくなりました。

 3枚めは、Green Dragonという名で、これはAccucraftのEdrigの改造車。もちろんガス焚きです。実は、前レポートで紹介したAuroraやIolanthe、前出のBertie、そしてこのGreen Dragonは、すべて同じ作者による改造車です(想像ですが、たぶんまちがいないでしょう)。どれも、細かいディテールパーツがふんだんに取り付けられています。このGreen Dragonは、Edrigがベースなので、大変よく走りますし、牽引力もこれが一番でしょう。最後の4枚めは、AccucraftのRubyを改造したサドルタンクで、ガス焚き、名前は、Palmerstonといいます。オープンキャブで工業機関車っぽい雰囲気です。これもベースがRubyなので軽快に走ります。Mamod、Edrig、Rubyという安価な入門機は、このように沢山のモデラがベースに使って改造をしています。Roundhouseも、機関車の下回りとボイラという走る部分だけのセットを販売していて、ボディをモデラが自由に作ることができる製品があります。ライブスチームというホビィを定着させることに非常に大きな役割を果たしているといえるでしょう。

 Dragonflyの走行 *MOVIE in YouTube*
 Bertieの走行 *MOVIE in YouTube*
 Green Dragonの走行 *MOVIE in YouTube*
 Palmerstonの走行 *MOVIE in YouTube*


 イギリスやアメリカでは、石炭焚きの小さな機関車が流行しています。石炭焚きを室内で走らせられるイベントも沢山あります。羨ましいかぎりです。機関車は石炭焚きが相応しいのは当然ですが、火の管理が難しく、逆にそこが面白いともいえます。煙突から煙が出ますし、匂いも石炭ならではです。また、バーナの音もしません。上の写真の1枚めは、オランダのModelbouwというメーカが発売しているCasperという機関車。Gスケールの45mmゲージです。キャブの後ろから石炭を入れるようになっていますので、バックで運転させる方が、後続の車両が邪魔にならず投炭が楽です。小さいながらも、軸動ポンプを備え、大きなライブスチームと機構はまったく変わりません(後始末は小さいから簡単ですが)。

 2枚めは、Accucraft製のSaxonian IIIKというドイツの機関車。軸配置は、0-6-2です。急カーブ通過のために、動輪軸がカーブでステアリングする機構を備えた特殊な機関車ですが、模型では、3軸は固定されています。動輪のステアリングをするために、従輪がアームを稼いで後ろにあり、キャブの後半が従輪に載っています。動輪軸が平行でなくなるわけですから、サイドロッドを直接繋ぐことができなくなります。このため、非常に複雑なリンケージロッドが側面に現れています。この機構は、三ツ矢先生の本に詳しく書かれていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。ガス焚きで45mmゲージです。

 そして、3枚めの写真は、Accucraft製のボールドウィンで、War department仕様。軸配置は、4-6-0です。これもガス焚き、45mmゲージ。気がつくと、Accucraftの機関車が多いですね。Accucraftの製品は、ディテールが繊細なことと、よく走ることが特徴ですが、最も凄いのは、それがリーズナブルな値段だということでしょう。

 Casperの走行(石炭を入れるところから) *MOVIE in YouTube*
 Saxonian IIIKの走行(ロッドの動きに注目) *MOVIE in YouTube*
 War department Baldwinの走行 *MOVIE in YouTube*
 War department Baldwinの走行(助役登場) *MOVIE in YouTube*


 ブルーのスチームトラムはCheddar製、16mmスケール、32mmゲージ、ガス焚きです。Cheddarは、数年まえまでライブの機関車を何台か発売していましたが、今はやめてしまいました。エンジンやボイラは本格的な作りです。ただ、ボディはプラスティック製なので、暇を見つけて塗装をしたいと思います。ラジコン仕様で、ホィッスルを鳴らすこともできます。

 2枚めの写真は、Archangelというメーカのレトロな機関車。フレーム内に1気筒のエンジンがあって、スリップエキセントリック方式です。ボイラは炙り式で、アルコール焚き。今では絶滅した方式といえますが、レトロさで人気があるのか、最近またリバイバルの製品を出しました。欠伸軽便も、Mojoという7/8インチスケールの機関車を昨年購入して走らせました。機構的にはこの機関車もほぼ同じです。

 3枚めは、前レポートでも登場した、Iolantheです。RegnerのLumber Jackがベースになっている機関車。そして、4枚めは、自作のシングルドライバ 2-2-2で、これはボイラはMamod、エンジンは科学教材社製、動輪はアスター製です。アルコール焚きで45mmゲージです。

 Cheddar steam tramの走行(助役登場) *MOVIE in YouTube*


その他の小さい車両

 「その他の小さい機関車」というタイトルにしたかったのですが、1台は電車なので、「車両」になりました。1枚めと2枚めは、いずれもEssel Engineeringのモデルで、バッテリィとモータで走ります。どちらもサイドロッドがあって、動輪2軸と連結した駆動部のクランクがあります。2台とも中古で入手しました。前者は、Fowlerですが、後者は不明。全金属製で重量があるので、牽引力も期待できます。

 大きなトロリィは、ハンブルグのトラム。もともとは64mmゲージのモデル(非動力)だったもので、どこかのモデラが作ったものです。今回、台車を大改造して32mmゲージで自走できるようにしました(タミヤのギアボックスとAccucraftの車輪を使用)。ゲージが半分になったわけですが、安定した走りっぷりでした。全長は70cmあります。ボディは木製ですが、大変しっかりとした作りで、車内のシートも作られていますし、ドアもスライドします。

 ハンブルグのトラムの走行 *MOVIE in YouTube*


ボールドウィンB1タンク

 9月中旬から作り始めたボールドウィンですが、前レポートに書いたとおり、1月にはエアテストに漕ぎ着け、下回りは山を越えました。その後、主として上回りの工作に移行し、1月後半から2月はキャビン、3月はディテールパーツ製作を主に進めてきました。動力部に比べると、気が楽な工作といえますが、単純でも根気が必要だったり、準備に手間がかかったり、と時間は取られます。しかし、毎日少しずつは前進しています。詳しいレポートはほぼ毎日ブログでアップしていますので、ここでは代表的なものだけをピックアップします。

 上の1枚めの写真は、煙室扉。中央の丸い部分は薬缶の蓋を使用。ナンバは7にしました。2枚めは、ボイラジャケットを置き、煙突を立ててみたところ。ヘッドライトは、ロウソクが入ったアルミ製の缶を100円ショップで購入。このほか、ドームにも紅茶の缶やステンレスボールなどを利用。3枚めは、煙突のサドルです。ボイラのカーブに合わせて凹曲面を削りました(このために、旋盤の面板が必要になりましたが、旧型のため純正品がなく、類似の面板を加工して使用しました)。


 エンジンと煙室周りの配管で、ずいぶん悩みました。もともとはチーズ管を使う予定でしたが、両側のネジを締めるとフレーム間距離が狂うことがわかり、別の方法を考えることになりました。上の写真の1枚めは、その案の1つです。現在は、この方式でエアテストを行っています。2枚めは、給気管の接続パーツ。そして、3枚めが、結局採用された給気管です。スーパヒータの出口から左右のエンジンへそれぞれ別経路で導くことにしました。写真のものは仮の配管で、この部分は現在まだ正式に完成していません。


 上の1枚めは、キャブ内に設置した給油機へ、動輪の動きを伝えるためのリンケージです。第2動輪のクランクピンから直接細いロッドを後ろへ延ばしました。このほか、ハンドポンプも、フレームの最後尾に設置済みです。

 さて、キャブの工作は、まず、レーザカットされたプレートを接続するために、真鍮アングルを取り付ける作業があり、その後は、全部で786本もあるリベットを打つ作業でした。上の写真の3枚が、それらの途中の様子です。一番最後の写真は、後ろから見たところですが、ボールドウィンらしいリアタンク部です。後ろの面は運転をするときは外す必要があります。


 ボールドウィンの製作では、昨年の夏に導入したフライス盤が活躍しています。先日、スライドテーブルのネジがすり切れるというトラブルがありましたが、迅速なパーツ供給もあって1日で復旧しました。写真の2枚めは、旋盤でスチームドームのサドルを削ったところ。3枚めは、その下面を、ボイラのカーブに合わせてフライス盤で凹面に削ろうとしているところです。この写真はまず段々に削ったところで、このあと、フライカッタで仕上げました。できあがった、サンドドームとスチームドームのサドルが4枚めの写真です。この真鍮の丸棒は、所定の長さに切ったものをネットで購入しましたが、小さい方が5000円、大きい方が12000円くらいでした。60%以上が削り粉になります(近所の廃棄物センタへ持っていきました)。


 この1枚めの写真は、スチームドームの中に立つもので、2機の安全弁(OS製)のスタンドです。ダミィのホィッスルも付きます。2枚めの写真は、アルミの丸棒から削った発電機です。

 工作の手間では、キャビンのリベットと、2つのドームサドルが山でした。また難しさでは、煙突接合部のロウづけと、安全弁のスタンドが峠だったと思います。このように、大きな山場を過ぎましたが、まだまだやるべきことは沢山残っています。ただ、予想よりは順調に進んでいます。暖かくなった7月頃にはボディの塗装をして、できれば、年末頃には試験運転に漕ぎ着けたいところです。


駅長と助役

 駅長は相変わらずですし、助役ももう完全に成犬です。助役の方が2割ほど大きく見えますが、体重は駅長の方が1割ほど重いのです。特に、冬場は水遊びができないことから運動不足になり、駅長は太るようです(水遊び以外では絶対に走らないので)。

 毎日朝と夕方に、一緒に散歩をします。これは雪だろうが雨だろうが関係ありません。雪は二人とも大好きで、いつもより気合いが入ります。服は寒さ対策ではなく、汚れ防止ですので、冬に限ったものではありません。レインコートというわけです。

 雪が積もっているところへは駅長は入っていきませんが、助役はジャンプ力があるので、どこへでも突進していきます。梵天坂駅舎には窓から飛び込んで、表のドアのスプリングを押して出てきます。近くにある陸橋も上るのが大好きで、遠くを眺めたり、日向ぼっこをしています。かなり活動的ですが、庭から出ることはありませんし、人間の側を離れません。ちょっと恐がりだからです。

 雪の朝の散歩 *MOVIE in YouTube*
 助役、雪の中へ突進 *MOVIE in YouTube*
 駅長、雪の中から脱出 *MOVIE in YouTube*
 そりに乗る駅長 *MOVIE in YouTube*


 躰を寄せ合うようなことは普段はしません(雄どうしですから)。写真のために並べたのですが、駅長の片耳が立ってしまいました。二人ともやや緊張しています。でも、水遊びのときは、二人とも一緒に走り回ります。ようやく、4月中旬になって屋外の水道が使えるようになりました(冬の間はずっと凍結)。駅長は大喜び。助役も水遊びが好きになりました。これからは、毎日これをすることになるでしょう。

 対照的な駅長と助役 *MOVIE in YouTube*
 今年最初の水遊び *MOVIE in YouTube*


春はもう少しさき

 梵天坂駅舎は、近々ペンキを塗る予定です。手前にAB10とAB20の重連列車が停車中。もう1枚は、灯台です。今のところトラブルもなく、ガーデンライトとしての機能を発揮しています。雪の中の灯台というのも、何故か不自然には見えませんね。白黒のストライプがマッチしているのかも。


 寒いのですが、青空の毎日でした。樹の枝に葉がないため、庭園内は冬はとても明るくなります。空は抜けるように高く、クリアでした。これからの季節はだんだん雲が多くなってくるでしょう。そのかわり、緑が出てきます。

 4月後半になると、少しずつ地面の草が緑になります。滅多に見かけませんが、桜は5月の下旬です。そして、新緑は6月になってからです。まだ、もう少しさきのことですね。

 次回の「A&Bレポート」は7月になります。緑の綺麗な季節になっていることでしょう。

/☆Go Back☆/