MORI Hiroshi's Floating Factory Model Railroad Workshop
A&B Report 2010年 10月号


It breezes in new garden of Akubi L.R. Bontenzaka S.L. under the blue sky through the green forest

/☆Go Back☆/
 名称が変わったことを確認しておきます。欠伸軽便鉄道梵天坂線 Akubi Lightweight Railway Bontenzaka Short Lineです。6月に鉄道関係を移動しましたので、既に新しい土地で4カ月になります。この土地の特長を5つ挙げましょう。

 1)涼しい。真夏の日中でも30℃を越えることはありません。クーラはいりません。冬のことはまだわかりませんが。
 2)蚊がいない。本当にいないのです。庭に出て作業をしていても、蚊のための防御をする必要がありませんでした。
 3)水はけが良い。土壌が砂質のため水溜まりができません。天然バラストのような状態で線路がとても敷きやすく、工事が楽です。
 4)大きなホームセンタが近くにある。これまで見たなかで一番大きいホームセンタでした。これは嬉しい。
 5)ゴミが捨てやすい。日曜日以外は、いつでも出せます。どんな種類のものも一箇所に出せます。工作する人には嬉しい。

 そういうわけで、日々あれやこれや、少しずつ進めています。今回のレポートは、写真が沢山あります。5インチゲージでエンドレスが早くも開通しました(難点はありますが)。8月には、JAM国際鉄道模型コンベンションに参加しました。線路工事とガーデニングに時間を取られて、工作はぼちぼちといったところですが、寒くなったら、もっとピッチが上がることでしょう。

 このA&Bレポートでは、記録的な意味で主なニュースのみを取り上げています。より詳細な情報は、毎日アップされている欠伸軽便のブログ(Construction in Waterloo)をご覧下さい。

 本レポートの写真は、クリックすることで大きなものを見ることができます(ポップアップしたウィンドウはご自分で閉じて下さい)。
 動画はYouTubeを利用しています(こちらが欠伸軽便のチャンネル)。
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記念バッジ

 2010年の記念バッジです。駅長が赤い帽子を被って座っているところです(説明しなくてもわかる)。本物の駅長は3色ですが、事業仕分けで経費削減となり色数をケチった結果です。JAMコンベンションにいらっしゃった株主様に無料で配布されました。


JAMコンベンションに参加

 8月20〜22日に東京のビッグサイトでJAM国際鉄道模型コンベンションが開催されました。今年は出ない予定でしたが、ジャイロモノレールを展示するために出展し、また、土曜日にはクリニック(講演)も行いました(聴講下さった皆様に感謝)。

 写真が欠伸軽便ブースの展示です。ジャイロモノレールはバッテリィの関係で常時走行させることができませんので、時間を決めてデモンストレーションを行いました。そのほかには、5インチのスチームトラムや、ビラーバーン、e-trainなどのナローのシリーズ、そして、レトロなモノレールのおもちゃを展示しました。また、コンベンションのために作った記念切符を配布しました(今年は引越のため欠伸軽便のパンフレットは製作していません)。


ジャイロモノレール

 1枚めの写真は、佐藤隆一氏が製作されたジャイロモノレールです。垂直軸スピンのシングルジャイロで、特徴的なのは、サーボを用いず、ジャイロの軸回転を利用してバランシングを行っている点です。『鉄道模型趣味 No.809』に、この方式は諦めたと書きましたが、ジャイロが少しでも振動していると実現が非常に難しくなります。佐藤氏は、ホイールのバランスを取り、高精度な工作をされているので、ちょっと普通の技術力では到達できない仕上がりになっています。佐藤氏からは、この1号機を譲っていただきました。さっそくボール紙でボディを作り、JAMでも展示しました。2枚めの写真の手前の赤いのがそれです。

 佐藤氏撮影の走行シーンがこちら。 *MOVIE in YouTube*
 JAMのブースでボディをつけて走っているところがこちら。 *MOVIE in YouTube*

 このジャイロモノレールはシングル(ジャイロが1機)なのに、カーブを走行できます。シングルではカーブは曲がれない、と『鉄道模型趣味 No.808』に書きましたが、これは間違っていました。正しくは、垂直回転のホイールと同方向の旋回はできない、逆方向の旋回は、むしろ直線よりも安定する、ということでした。カーブ旋回による回転が、ジャイロに余計な影響を与えることから、「できない」と考えてしまいましたが、実は、左右で別の影響が出て、しかも片方では「安定させる」効果を生むのです。極端な場合、静止中に立てないものでも、逆周りのカーブなら走れる場合があります。

 3枚めの写真は、試作6号機のために、同じくボール紙で作ったボディです。この6号機は、リモコンでサーボモータを操作し、モノレールの直立や走行をゲーム的に楽しもう、というものなのですが、これもJAMで展示するために急遽ボディを製作しました。こちらは、前レポートで紹介した井上氏所有の古いジャイロモノレールのおもちゃをモチーフにしています。


 オーストラリアのPeter Przywara氏から、大きなジャイロが2機届きました。これは、人が乗れる大きさのジャイロモノレールを目指して彼が製作したもので、ホイールの直径が30cm(約10kg)もあります。主材料はアルミで、モータは12Vで駆動します。ジンバルは完成していますが、ジンバルのピボットはまだありません。試しに回してみましたが、恐怖を覚えるほどの迫力でした。ブレナンの文献を参考にここまで作られたそうですが、これ以上は自分では無理なので、「活かしてほしい」と無償で送ってこられたものです。

 2枚めの写真は、前レポートでも紹介したAmerican Unirail Inc.のJames Roberts氏から送られてきたDVDです。同協会の創始者であるSwinneyのジャイロモノレールの走行シーン(約50年まえ)の動画が入っていました。ただ、ホームビデオ(16mmでしょうか)で撮影されたフィルムが非常に見づらく、確認できるシーンはほんの一瞬でした。もっと綺麗な動画が残っていたら、とっくにYouTubeにアップされていたと思います。しかし、貴重なものをわざわざ送って下さったことには大変感謝(とここに日本語で書いても意味がありませんが)。


 この赤い機関車が、『鉄道模型趣味 No.812』に掲載した7号機の製作記事を参考に、井上昭雄氏が製作されたジャイロモノレールです。JAMのときに展示されました。いかにも井上氏のデザインで格好良いですね。金属製のボディがやや重く、被せた状態ではうまく立ちませんが、これは当社7号機でも同じ症状で、重量的にぎりぎりだったようです。

 銀色の未来的な車両は、小池令之氏が製作されたジャイロモノレールで、JAMの彼のブースで展示されていました。ビデオヘッドを利用した振動のないジャイロを2機直列に搭載しています。小池氏は、既に2両のジャイロモノレールを製作され、これが走る線路やポイントまで作られています。車両はラジコンで操縦できます。プロペラがついていますが、実際には動輪を駆動しているようです。

 小池氏のジャイロモノレールの走行シーン。 *MOVIE in YouTube*


 JAMのあと、星野氏、井上氏をはじめ、数人でお願いして、佐藤氏にジャイロの製作を依頼しました。この部分だけは職人技が必要だと思われたからです。どうも、ジャイロモノレールの成功と失敗の差は、ジャイロの振動にある、という気がしていますので、佐藤氏の高精度ジャイロを使えば、簡単にジャイロモノレールが作れるのでは、という憶測が、この共同発注になったしだいです。発注後2週間ほどで、ジャイロが届きました。ジンバルはホイールだけをボールベアリングで支え、モータは吊り掛け式になっています。1号機のときよりも、ホイールは若干大きく、細部がシェイプアップされていました。

 現在、この佐藤ジャイロを使った10号機を製作中です。欠伸軽便としては、初めての軸摩擦式のジャイロモノレールになります。たぶん、近々構造部は完成すると思います。

 芝生の上で9号機を走らせたときの動画がこちらに。 *MOVIE in YouTube*


5インチゲージ線路工事

 梵天坂線の建設工事です。前レポートでも、手持ちの線路を無計画のままどんどん引いている様子を報告しましたが、土地が広いため、たちまち直線の線路がなくなりました。弁天ヶ丘線はカーブばかりだったようです。そこで、モデルニクスから3mの直線と半径6mのカーブを購入しました。合計で100m以上の追加になります。この3mの線路は1本11000円で、メータ当たり4000円以下という安さですから、今後はこれを買って、切断して使う方が良いですね(と今頃気づいている)。もちろん、鉄製です。まずは、ペンキで枕木をチョコレート色に塗装します。2枚めの写真が乾燥のために干しているところです。

 予想外に早く、8月上旬に線路が届いたので、JAMの準備もそこそこに、急ピッチで工事が進みました。とにかく、まずはエンドレスが欲しい、の一心です。そして、9月初めには、エンドレスが開通し、続いてポイントを3機使ったデルタ線も開通しました。

 4枚めの写真は、その後、工作室前駅付近に設置された引込み線と、点検(蒸気機関車の灰掃除)のためのピットです。

 線路を敷き始めた頃の動画です。
(AB20) *MOVIE in YouTube* (インスペクションカー) *MOVIE in YouTube* (DB81) *MOVIE in YouTube*


 エンドレスが開通したといっても、ただ地面に線路を置いただけですから、土地の高低差をそのまま反映した、アップダウンの激しい走りにくい路線になっています。高低差を緩和するためには、高いところを削るか、低いところに土を盛りつけるか、のいずれかですが、後者の方が圧倒的に簡単です。

 写真は、ナベトロに石や土を載せて運んでいるところで、このようにして毎日工事を行いました。具体的には、高くしたい線路の下にまずは石を挟んで持ち上げます。その後、土を運び入れ、挟んだ石が動かないように埋めていきます。

 もちろん、普通はこんないい加減な工法ではありません。最初からしっかりと計測をしたうえで路盤を作ります。たいていの場合には土を掘りコンクリートやブロックなどで基礎を築き、その上に砂利を敷いて線路をのせます。5インチゲージの大型のスケール機を走らせるには、脱線したら大事ですから、精度の高い線路が必要になります。当社はあくまでも軽便鉄道。線路も真っ直ぐには引かず、急カーブと急勾配を楽しみます。また、まずは鉄道を運行し、鉄道を使って工事を行う、その建設工事自体が「模型」であり、それを楽しむ、という方針なのです。もの凄い将来には、EF級の電機やD型の蒸機が走るかもしれませんが、そういった「本線」を築くための予備線である、という考え方です。


 欠伸軽便方式の路盤工事の様子を示した写真が1枚めと2枚めです。1枚めでは、線路の下に大きな石があります。こうして、線路を高くして、とりあえず、工事車両が上を走れるようにします。それから、ナベトロでどんどん土を運び、2枚めの写真のように土手を作ります。土はかなり量が必要で、今回の工事でも、4両のナベトロでのべ100杯以上運び入れた箇所もありました。

 まだアップダウンがありますが、まあまあ普通に走れる状態に近づきつつあります。3枚めの写真のように、線路の脇に石を並べ、また土を運んで線路の路盤を形成する予定です。その後、砂利を敷いてバラストにしようと考えていますが、この土地の土壌が砂質で小石がとても多く、天然バラストに近い状態なので、そこまでする必要はないかもしれません。土に埋もれた感じの方がナローらしく欠伸軽便には似合っているでしょう。


5インチの機関車たち

 エンドレスが開通し、梵天坂線でもつぎつぎに機関車が運行しました。まずは、欠伸軽便の顔ともいうべきAB20です。新しい機関車だと思っていたのですが、(現在23号機まであるうちの)12号機ですから、いつの間にかベテランの仲間入りです。モータが2機、減速も2段で、低速で力強い走行が特徴です。

 また、まったく同じ機構のAB10と重連運転をするためにAB20は作られています。3枚めの写真のように連結をし、AB10の前から出ているコードの先のジャックを、AB20後部にあるソケットに差し入れるだけで、1つのコントローラで2機を動かすことができます。重連にすると、上り坂に圧倒的に強く、また下り坂でもエンジンブレーキが利き、とても運転しやすくなります。ゲストに運転してもらっても、「安定感が抜群」との評価を得ています。この安定感は、この編成にいつも用いているオレンジ色の乗用トレーラの低重心のおかげかもしれません。

 AB20とAB10の重連の走行シーンがこちらと *MOVIE in YouTube*こちらに *MOVIE in YouTube*


 もう1台の主力機関車は、19号機のDB81です。他鉄道から移籍してきた新しい機関車ですが、佐藤氏製作のスケール機で、走りはとても重厚です。この機関車の電磁ブレーキはとてもよく利きますので、急な下り坂での減速には有効です。弁天ヶ丘線のときからずっと乗りっぱなしの赤毛の運転士がゲストの人気を集めています。

 3枚めの写真の手前は、10号機のインスペクションカー(またの名をカメラボーイ)。前部に回転掃除機を装備して、これから本線に向かうところです。また、奥の引込み線には7号機のKato 7tonが見えます(小さく見えますが、実際にはKatoの方が大きい)。

 回転掃除機装備のインスペクションカーの動画がこちらに。 *MOVIE in YouTube*


 1枚めの写真は、ナベトロを牽引して工事で活躍した9号機のプリムス。工事のときには、土を満載したらフリーで走行させておき、工事現場へは近道して駆けつけ、ぐるりと回ってきた列車を停める、という使い方をしましたので、写真のように乗用トレーラがないわけです。2枚めの写真が線路を30cm以上持ち上げた箇所で、土を大量に運び入れて路盤を作った工事現場です。

 3枚めは、7号機のKato 7ton。この機関車はホンダの4サイクルエンジンで動きます。その音がけっこうやかましいので、住宅地の弁天ヶ丘線ではあまり出番がありませんでしたが、この梵天坂線では、そんな気遣いはいりません。夜だって走らせられると思います。ガソリンを入れて、久しぶりに走らせました。チェーンが外れるトラブルが何度かありましたが、これも後部動輪軸のサスペンションを硬くする改造で今のところ解決しています。充電しなくても良いし、小雨で線路が濡れていても気にせず、いつでもちょっと走らせられるヘビィデューティな機関車で、この頃は、毎日のようにまずはこれを運転しています。

 4枚めは、そのKatoに運材車を引かせていたときの写真です。白い鋼製運材車は技功舎の製品、後ろの黒い方が木製の自作です。それぞれ木材を1本載せていますが、最近庭で伐採した枯木です。これでも20〜30kgも重量があって、載せるときが大変です。

 Kato 7tonを運転しているシーンがこちらに。 *MOVIE in YouTube*


 梵天坂線で最初に走った5インチのライブスチームは、17号機のJackでした。最も信頼されている蒸機です。これを走らせるためには、石炭をはじめ、いろいろなアイテムが必要です。引越の荷物からそれらをすべて見つけるのが高いハードルでした。しかし、走らせてみれば、いつものとおりの安定感。やっぱり煙が出る機関車は格別ですね。

 今回、このJackのキャブ後部のフェンスが見つかりました。最初からあったものですが、ずっとその存在を忘れていました。運転するときには取り外しますので、どこかに仕舞ったままだったのです。こうして後ろから写真を撮ると、ハンスレットの小型機のチャーミングさがわかります。


 2番めに運転したライブスチームは、ピンクのシェイです。引込み線のピットもできて、満を持して登場です。備長炭を焚いて走りますが、梵天坂線はスピードも出せるし、勾配もきつく、走っているとすぐに圧力が上がって安全弁が吹き上げます。

 くねくねとした低精度の線路にも、ボギィのシェイは柔軟に対応し、安定した走りを見せます。やはり森林にはシェイが似合いますね。1枚めの写真が後部にタンクを載せているフル装備のもの。2枚めは、運転のために、そのタンクを外した状態です。煙突も2種類あって、朝顔型のものにも取り替えられますが、どうもこのストレートの煙突の方が好みです。ときどき、細かい火の粉が煙突から出ますが、煙突のフィルタがなかったら、もっと沢山出ているでしょう。

 運転していて、圧力計が見えないな、と何度か頭を下げて覗き込みました。あとで気づいたのですが、屋根の一部を取り外して運転する仕様でした。引越のときに久しぶりに屋根の取り外し部が出てきて、これを填めたままだったのです。古いレポートの写真と見比べて下さい。


小さい機関車たち

 5インチのエンドレスよりも早く、45mmゲージのエンドレスが完成していました。といっても、LGBの線路を地面に置いただけのもので、もちろん仮設ですが、一周が30mもあります。とにかく、走らせて遊びたかったのですね。引越まえに入手していたハイドマウンテン社のエンジン機関車を試しました。ラジコン飛行機用のエンジン(OS製の15)を搭載していて、これで発電機を回し、モータ駆動で走ります。下回りやボディはメルクリン製(1番ゲージ)です。12Vのシールドバッテリィも載っていて、モータをスタータにしてエンジンを始動することもできます。走らせてみると、音が楽しい。エンジン好きにはたまらない面白さです。

 45mmゲージで最初に走ったライブスチームは、2枚めの写真にあるAnnaでした。引いているのはプレィモビルの貨車たちです。3枚めは、おなじみのドクタ・イエロー。そろそろ電池が弱っていますが、快調な走行を見せました。ちなみに、最近これのグレィのバージョン(お菓子のケースですが)を入手したので、今度走らせましょう(ボディを取り替えるだけですが)。

 45mmゲージの機関車の走行シーン。
(エンジン機関車の走行) *MOVIE in YouTube* (同じくボディをつけて) *MOVIE in YouTube*
(Annaと駅長) *MOVIE in YouTube* (ドクタ・イエロー) *MOVIE in YouTube*


 線路上の障害物(主に落ち葉)を除去する回転掃除機は5インチでは実用化していましたが、今回45mmゲージのものも作りました。写真の1枚めがそれですが、ジャンクで入手したRhBのラッセル車があったので、この前部に取り付けて試験を行いました。後ろから押しているのは、RoundhouseのCriccieth Castleです。結果は上々。これから落ち葉が本番になりますので、活躍することでしょう。

 2枚めの写真はLocomotion社のレールバス(蒸気動車)です。ずっと欲しかったものです。今回中古で入手することができました。これは16mmスケールでゲージは32mmです。縦型ボイラをキャブに載せています。ラジコン仕様。早く走らせたいのですが、まだ32mmの線路を敷いていないので、しばらくは整備しつつ眺めて楽しみます。

 ゼンマイ駆動の機関車を作りたかったのですが、ようやく適当なゼンマイユニットを入手しました。さっそく、あり合わせの材料で作ってみました。3枚めの写真が製作途中、4枚めの写真が完成したところ(未塗装)。ゲージは32mmで、7/8インチスケール(約13分の1)としました。工業用の小さなDLです。ネジを巻くと数メートル走りますが、力は弱く、貨車は1両くらいが限度です。


ガーデニング&ガレージ

 大きなホームセンタが近くに数軒あるので、毎日なにか買ってきては庭いじりをしてしまいます。エンドレスができたあと、スバル氏が花壇を作ったので、線路と花壇の間に400個のレンガを並べて埋め、小径を作りました。パスカル駅長が、水撒きのときにここを走るので、片方のウィングは「パスカルの小径」と名づけられました。また、もう一方のウィングは駅長舎(1枚めの写真の奥に見えるピンクの屋根の小さい家)の玄関に通じています。2枚めの写真には水色のベンチが写っています。これも自作したものです。鉄道以外にも工作で忙しい毎日です。

 ガレージの中まで線路は続いています。ガレージというのは、車を入れるところではなく、機関車や貨車を収納する場所です。3枚めと4枚めの写真のとおり、室内にも線路が引き回されました。エンドレスもあるので、雨の日にはガレージの中で運転が楽しめます。また、写真にはありませんが、点検用のピットも作る予定で、機関車の下に人間が入って、整備ができるようにします。まだまだ散らかっていますが、だんだん片づいてきました。弁天ヶ丘線のときよりはスペースが広いので、いずれはすっきり片づくはずです。


ガリバー線より移籍

 東京の小金井にある大名鉄道ガリバー線が、オーナの加塩氏が引越をされるため今年の8月で廃線となりました。5インチゲージの庭園鉄道のパイオニアとして、知らない人はいない名鉄道でした。このたび、ガリバー線の機関車(1号機を除く)や車両たちが当欠伸軽便に移籍することになり、まず7月に打合せのために訪問しました。1枚めと2枚めがそのときの写真です。わざわざ車両や線路を整備し、走らせられるように準備万端で、最後の運転を楽しませていただきました。

 ガリバー線ラストラン。
(赤いDL) *MOVIE in YouTube* (緑の凸DL) *MOVIE in YouTube*

 8月には、友人のトラックをチャータして機関車たちを梵天坂線まで運搬しました。動力車では、電気機関車が3両、ライブスチームが1両です。3枚めの写真がそのライブで、ニイザキ・モデルのコッペルです。これは、当社の15号機のコッペルと同型ですので、修理・整備は簡単でしょう。そのうち走らせたいと思います。また、4枚めの銀色のDLは、ガリバー線のオリジナル機関車。かつては黄色かった小型機関車です。いずれの車両も、動態保存したいと思います。


駅長

 暑さにめっぽう弱いパスカル駅長ですが、梵天坂ガーデンは夏も涼しく、毎日芝生で水遊びを楽しむことができ、幸せいっぱいの様子。運動するようになったため、体重が1割ほど落ちて、ダイエットにも成功しました。最近は足取りも軽く、よく歩くし、動きが機敏になりました。

1枚めが、その水遊びで至福の表情。2枚めが、買ってもらったタライを不思議そうに見ているところ。3枚めは、できたてのベンチの上で、オットセイ座りをしているところ。ちなみに、エプロンのようなものは涎掛けで、普段はこれをしています(何着が持っています)。

 機敏さを見比べて下さい。
(2カ月まえ)*MOVIE in YouTube* (最近)*MOVIE in YouTube*


 駅長舎は、定価の70%引きで安売りをしていた犬小屋です。屋根だけはペンキを塗りました。パスカル駅長が入るには、少々窮屈かもしれませんが、入れないことはありません。でも、隣の大きな家が自分のものだと思っているので、わざわざこんな小さな家には入らないのです。10分の1くらいの大きさなので、5インチゲージのストラクチャとしては最適です。線路に近い芝生の端に設置されました。

 駅長はときどき列車に乗車します。自分から進んで乗るわけではなく、業務として乗せられるのですが、じっと我慢しています。「これが役目ですから」みたいな顔です。


プレ・オープンディ

 線路が不整備なので正式なオープンディはまだ開催されていませんが、ゲストが庭園鉄道で楽しむ、ということが9月と10月は幾度かありました。そのときの「珍しく人が乗っている写真」です(普段は社長一人なので写真に人は写らない)。木漏れ日の中を走る雰囲気がわかるでしょうか。ちょっと大きなサイズの写真です。


 なにしろ、まだ急勾配の箇所があるため、スピードが出過ぎると危険です。だからといって、社長が運転してゲストに乗ってもらうと、今度は機関車が上り坂でスリップします。しかたなく、危険な箇所をよくご理解いただいて運転をしてもらっています。早く整備をして、安心で安全な路線にしたいと思います。

 写真では樹の下の方しか写らないので、この上にある生い茂った枝葉が見えませんが、どの写真でも地面はたいてい木陰だということがわかると思います。つまり、日が当たる場所は限られていて、夏はとても涼しいわけです。冬になると葉が落ちるので、日向になるはずです(9月でも暖房をつけることがありましたので、暖かいのは大歓迎なのです)。雪はあまり降らない地域ですが、それでも降れば簡単には解けません。やはりラッセル車が必要でしょうか・・。


もう秋

 葉の色が変わりつつあります。赤くなる楓も何本かありますが、だいたいは黄色に染まるようです。最近は良い天気が続いていますが、夜に少し雨が降るか、朝に深い霧が出ます。植物には良い気候かもしれません。紫陽花、朝顔、サルビア、コスモス、ラベンダなどが何カ月も(10月の今も)咲きっぱなしなのです。


 ガレージの前の駅も整備されつつあります。シグナルブリッジも再塗装されましたし、(小さくて見えませんが)「A&B」の文字も新しくなりました。工作室の前にあるピンクのテーブルは、ガリバー線の加塩氏からもらったものです(もともとはピンクではありません。駅長舎の屋根と同じペンキで塗りました)。


 庭を散策し、樹を見上げ、山を遠望する毎日です。鉄道ものびのびと(でもゆっくりと)発展していくことでしょう。

 次回は来年になりますが、引き続き「A&Bレポート」をお楽しみに……。

/☆Go Back☆/