NEON GENESIS EVANGELION Luna
Blu
Episode 2 : Promise Her The Moon
ばちん!
頬が派手な音を立て、同時にシンジは仰向けに倒れた。
「すまんな転校生。わしは、おまえをなぐらなあかん。なぐっとかな気がすまへんのや!」
シンジを殴った少年は、ジャージではなく、小袖に袴をはいており、こぶしを握り締めて、わなわなと震えていた。
シンジは、ジャージの少年 ……
ぢゃなかった、大阪弁の少年を睨みつけると言った。
「約束を守らなかったのは悪かったって思ってるよ。でも、転校生ってなんだよ。僕は子供の時から、ここに住んでいるぢゃないかぁ!」
Luna Blu
第弐話
満ち潮の満月
「しかし、シンジがこなくて危うく不戦敗になるとこやったんやで」
この大阪弁の友人は、トウジといってシンジのクラスメートである。
昨日は、トウジ率いるチームと、隣町のチームとの野球の試合があった。最近の対戦成績では、負け越しているので、主将のトウジとしては絶対に負けられない試合であった。
ところが、チームメートの一人が、急遽参加できなくなり、ぼへっとしていたシンジに白羽の矢が立ったというわけだった。
「ほんま、運良くメンバーが見つかったからいいようなものを、戦わずして負け!なんちゅうことになったら、ぱちき一発じゃすまんとこやったで」
「そーそ。おかげで、こっちまでひっぱり出されるしさ」
運悪く、メンバーにされたメガネをかけたもう一人の少年 ──
ケンスケが文句を言った。
「それにしたって、殴ることないだろ」
「しかたあらへん、そういう台本なんや」
「何だよ、台本て……」
「そんなことより、いったい昨日はどないしたんや?」
「う、うん……」
シンジは昨日、森で助けた妖精のことを言うかどうか迷っていたが、レイのことは、何か言ってはいけないような気がした。
その時、シンジはリツコのところにある猫の置物を思い出した。
「……実は昨日、猫を拾っちゃて……。で、そのう、その猫が怪我をしてたんで、リツコさんのところに……」
シンジは、しどろもどろになって言い訳をした。半分は嘘で半分は本当である。
「あ、あの、金髪のおばちゃんのところにいったんかい!シンジ、何もされへんかったっか?」
「う、うん。大丈夫だけど……」
おばちゃんはあんまりだな、とシンジは思った。
「赤木博士のところへ行って、無事に帰ってこれるなんて、これは奇跡だね」
リツコのうわさは、彼らにも届いていたようである。
リツコのおかげ?で窮地を脱したシンジは、学校から帰るとまっすぐに自分の部屋に向かった。
そこにはやはり、昨日の妖精の姿は見えなかった。シンジはため息をついた。
「やっぱり、どっかいっちゃたのかな?」
シンジは今日の朝、彼の小さな妖精 ──
レイがいないことに気が付いた。シンジがレイの為に作った、タオルのベッドは空だった。
「自分の家にでも帰ったのだろう」
お茶をずずっとすすりながら、ゲンドウは答えた。
父親に聞いても無駄だということはわかっていたが、聞いた自分の不明を呪った。
シンジは、レイにもう一度、会いたいと思った。会って話がしてみたいと思った。妖精とどうやって話せばいいのかもわからないけれど、とにかくそう思った。
夜、布団の中で、シンジはレイのことを考えていた。
レイ……。どこに行っちゃったんだろう。
父さんの言うとおり、家に帰っちゃったのかな?
風邪は治ったのかな?
家に帰る途中で、また倒れてないかな?
シンジは今朝、学校に行く途中、昨日レイと出会った場所まで行ってみた。けれども、そこにレイの姿はなかった。
がっかりして登校すると、トウジに殴られるわ、授業中レイのことを考えていて、先生に指されても答えられず、廊下に立たされるわ、帰りに犬のウンチを踏むわで、今日は散々だった。
シンジは、ため息を付き、布団から出て縁側に腰掛けた。
空を見上げると、月が出ていた。
漆黒の闇の中に、ぽっかりと青白く浮かんでいる。あたりには雲ひとつなかった。
月を見上げながらシンジは思った。
レイは、不思議と月のイメージがある。青白く美しく輝いているが、どこかはかなげだ。
僕はどうしちゃったんだろう。
一度逢っただけの女の子なのに、なんでこんなにも彼女のことを考えるんだろう。
僕は、レイを好きになっちゃったのかな?
その考えにシンジは顔を赤らめた。
レイ……。
もう一度会いたいなぁ。
シンジはふっと、ある考えが浮かんだ。
少しの間躊躇したが、辺りをぐるりと見渡し、誰もいないことを確認すると、おもむろに両手を自分の胸の前で組んだ。そして真剣な表情で月に向かい、ぎゅっと目を閉じた。
お月様。
お願いします。
もう一度、レイとあわせてください。
ほかのことは、何もいらないってわけではないですけど、とりあえずいりません。
レイにあわせてくれたら、ちゃんと宿題もしますし、好き嫌いは言いません。
どうか、もう一度、レイとあわせてください。
シンジはしばらくそのままで、月に祈りをささげていた。やがて目を開け、月を見上げた。
シンジは自分がしたことが照れくさくなり、顔を赤らめた。
こんなことをしてもレイが帰ってくるわけでもないのに……。
ため息をついて、もう寝なきゃ、と思い、ふと自分が腰掛けている縁側に目をやると、白い小さなものが目に入った。
シンジは息をのんだ。
「それ」は縁側に腰を掛け、夜空に浮かぶ月をぼうっと眺めていた。 背中から生えている羽は、美しく透き通って月明かりに照らされきらきらと輝いており、全身、淡い光で包まれているようだった。
そこにいるのは、サイズは小さいままだったが、まさしく
"レイ" だった。
シンジは驚き、あわてて「レイ」っと呼びかけようとした。が、レイの名前は本当にレイなのだろうか?という疑問がわいてきて、話し掛けるのをためらった。確かに夢の中で、彼女は自分のことをレイと言っていたが、あれは夢の中のことなので、現実にそう呼んで良いものかどうか躊躇した。
しかし、いつまでもそうしているわけにもいかないので、シンジはごくりとつばを飲み込み、意を決して呼びかけることにした。
「レ、レイ?」
小さい妖精は、心ここにあらずといった感じで夜空を見上げていたが、シンジの声に気づき、ぱっちりとしたかわいらしい目でシンジのことを見た。
次の瞬間、彼女の羽が宙に舞い、"レイ"
がシンジの目の前に飛んできた。シンジがあわてて手のひらを差し出すと、ふわりと、そこに着地した。
レイは、首をかしげて興味深げに、じっとシンジを見つめていた。
「あ、あの……」
シンジは、まさかレイの方から寄ってくるなど、思いもしなかったので、緊張してしどろもどろになった。
「ぼ、僕は、シンジ。 碇シンジって言うんだ」
そういえば自己紹介はしたよな。いやあれは夢の中か。などど混乱しながら、シンジは、一生懸命しゃべった。
だいたいシンジは、人付き合いが得意な方ではない。まして、小さいとはいえ、女の子に話し掛けるということは、清水の舞台から飛び降りる気持ちにも匹敵するぐらい、シンジには勇気がいることなのだ。
それに加え、レイは何も言わずさっきからシンジのことを、じいっと見つめている。
「き、き、君の ……」
シンジは、さらにどもりながら懸命にしゃべった。
「君の名前は、…… レ、レイ ……
レイ、って、……い、言うのかい?」
今まで、じっとシンジを見つめていたレイが、突然、にこ〜っとして、うなづいた。
シンジはその表情を見て、息をのんだ。
か、かわいい!
シンジは、緊張も何もかも、どこかへすっ飛んでいってしまった。逆に今度は、ぱぱっと顔が赤くなった。
次の日、シンジが起きてみると、レイはシンジが作ったタオルのベッドで寝ていた。
昨日の朝は、起きてみるとレイがいなくなっていたので、今度もまたどこかへ行ってしまうのではないかと心配して良く眠れなかった。
今日は休日。
シンジはいつも、昼近くまで眠っていることが多かったが、さすがに、レイの様子が気になったので、今日は朝早くから目が覚めた。
レイは障子越しの朝の光をあびて、すうすうと眠っていた。シンジはレイがタオルのベッドで眠っているのでほっと胸をなでおろした。
安心すると、眠気が襲ってきた。シンジは椅子に腰掛け、顔を机につっぷしてレイを見た。レイの髪は、朝の日の光をあびて、不思議と青みがかったように見える。肌の色は白というより透明に近く、まるで透き通っているような色をしている。朝の心地よい風がレイの髪の毛をさらりとゆらす。シンジはなんとなく幸せな気持ちになった。
シンジが眠っているレイをじっと見ていると、突然レイが寝返りをうった。シンジはびっくりして、椅子から立ちあがった。なんだか覗き見をしているような気分になって、レイに悪い気がした。
その時、うう〜ん、という感じでレイが伸びをした。
「レ、レイ」
シンジは、レイに声をかけた。 レイは、自分を呼ぶ声に気づくともぞもぞと動きだし、そして眠たそうに目をこすりながらあくびをした。
「レイ、おはよう」
レイは低血圧なのか、ぼ〜としたままで半開きの目をシンジに向けた。
「朝だよ、レイ。ごはん、食べられる?」
レイは、眠たそうな顔で首をかしげた。
ユイは、珍しくシンジが早起きしたので驚いた。雨でも降るのかしら、と思ってシンジの頭の上を見ると、一昨日の妖精がちょこんと座っていた。
ユイは、シンジの頭に座っている妖精に顔を近づけ、にっこりと笑って言った。
「おはよう、おちびさん」
「母さん。この子、レイっていうんだ」
シンジは、自分が見た夢のことと、昨日の出来事を母親に話した。
「そう、レイちゃんっていうの。よろしくね、レイちゃん」
レイはシンジの頭の後ろに隠れていたが、おずおずとユイを見た。
シンジは、レイが何を食べるのかわからなかったが、試しにご飯粒をあげてみた。レイはご飯粒を不思議そうに眺めていたが、やがて手に取り、ぱくりと口に運んだ。レイはご飯がおいしかったのか、あっという間に食べてしまった。レイは、もっと頂戴、とでも言うようにシンジに向かって背中の羽をぱたぱたさせながらいった。シンジは、自分のご飯をレイのお皿に取り分けた。シンジは、レイがちゃんとご飯を食べるのか心配だったので、レイが食べるのを見て安心して、自分も朝食を取り始めた。
レイは、取り分けてもらったご飯ぺろりと食べてしまった。まだ何かないかな?と思いつつテーブルの上を眺めていると、シンジが何かご飯にかけて食べている。レイはそれを一つつかむと、むしゃむしゃと食べ始めた。
シンジは、レイがおとなしいので見てみると、何かねばねばしたものをつかんで食べていた。
「ああっ!」
レイは納豆を食べていた。体中納豆だらけでべとべとになっている。
「大変だ」
「シンジ、お風呂が沸いているから、そこで流してあげなさい」
ユイが言った。
シンジは、お風呂場にレイを連れていった。碇家の風呂はゲンドウが(贅沢にも)朝風呂に入るため、すでに沸かしてあった。
シンジはお湯を汲み、石鹸を泡立ててレイの体に付いている納豆のねばねばを洗い流していた。シンジはレイの体を洗っている時、大変なことに気が付いた。
僕は今、レイの「胸」に触っている。
シンジは、当たり前の事実に今更ながら気が付き、顔を真っ赤にした。
この泡を洗い流したら……。
レイは当然、裸である。
レイのはだか……。
その考えにシンジはさらに真っ赤になった。
その時、レイの無邪気な瞳がシンジの目に入った。シンジは何となく、レイにすごい悪いことをしたような気がして罪悪感にとらわれた。
その時、脱衣所からゲンドウの声が聞こえた。
「シンジ入るぞぉ」
「ええっ?ちょっちょっと待って……」
間髪をいれず、風呂場の扉が開く。
「わー、レイ見ちゃだめだぁ」
じゃっぽーん。
はでな音をたててゲンドウが風呂に入った。そのあおりを食らって、シンジとレイはびしょぬれになった。
そういえば、レイって妖精なんだよね。
ゲンドウにかけられたお湯をタオルでふきながらシンジは考えていた。
いったい妖精って何だろう。それにレイは僕と会う前、どこに住んでいたのかな。レイにも父さんと母さんがいるのかな
「ねえ、レイ。君はどこから来たの?」
食事と風呂に満足した様子で、レイは縁側でごろんと寝ていた。レイは、シンジの問いかけにくるりと頭だけ回すと、はてな? というような表情を作った。
「ええと、ここに来る前はどこにいたの?」
レイは、ちょこんと座りなおし、シンジのほうを見た。
シンジは、ユイに聞いてみた。
「そうね。あたしには妖精のことはわからないわ」
シンジはがっかりした。ユイは、そういえば、と言って付け足した。
「リツコさんなら何かわかるかもしれないわね」
ユイはそう言って、シンジににっこりと笑った。
シンジは、げんなりした。
シンジは、町に1つしかない図書館に行く事にした。図書館に行けば妖精のことを調べられるだろうと思ったのだ。しかしシンジは、図書館なんてめったに来たことがないので、妖精の本がどこにあるのか皆目見当がつかなかった。
「あら、碇君」
シンジが目当ての本を探し出せないでいると、同じクラスの女の子に声をかけられた。
「あっ、委員長」
「えらいわね、休日に図書館にくるなんて。勉強熱心なんだ」
委員長と呼ばれた女の子は、洞木ヒカリといってシンジのクラスの委員長をしていた。
「い、いや …… あ、あの、勉強じゃないんだ」
「あら、何か調べもの?」
「う、うん」
シンジは無意識にお腹のあたりをまさぐった。レイはシンジの小袖の中に入っている。シンジはレイが見つかったらきっと見世物になってしまう、と思って、レイに絶対に出ないように言っていた。
そうだ、委員長に聞けばわかるかもしれない。とシンジは思った。
「実は、妖精の本を探しているんだ」
「妖精?」
「う、うん」
「碇君が妖精……。なんかイメージがちがう」
ふふっと言ってヒカリは笑った。
「いいわ探してあげる」
ヒカリは持ち前のお節介、もとい世話好きの性格を反映して妖精の本を探すことを手伝った。ヒカリのおかげで妖精関係の本は十数冊集まった。
「私は調べ物は終わったし、これで帰るわね」
「うん。ありがとう」
シンジはヒカリに礼を言うと、早速妖精の本に取りかかった。が、どれもこれもシンジには難易度が高く、理解しがたいものだった。
シンジは夕方、意を決してリツコの研究所へ向かった。リツコの研究所は、シンジの住んでいる町の中心部からかなり外れた山の中にあった。シンジとレイが訪ねていった時、リツコは、何かの薬品を一所懸命混ぜているところだった。
「ごめんね。何の話だっけ?」
「妖精の話です」
「昨日も言ったように、妖精を見たという人はいるけれど、実際に捕獲した人はいないから、詳しいことは何もわかっていないのよ」
わたしは、妖精に関しては専門外よ、と言いながらシンジに向かい話し始めた。
「一口に妖精といっても、さまざまな種類があるのよ。
サイズからいうと、彼女みたいに小さいのから、人間より大きいものまで。彼女は人間にとてもよく似ているけれど、動物や昆虫みたいな妖精もいるし、怪物みたいに不思議な姿をした妖精もいるわ。
彼女はスカンジナビアのエルフや、アイルランドのダーナと呼ばれるものに近いのかしら」
エルフやダーナもシンジにとっては初耳だった。
「でも妖精は、セカンド・サイトと呼ばれる特殊な能力がないと見えないと言われているのよ。セカンド・サイトはそうね、日本語で言うと透視力かしら。彼女が誰にでも見える存在、と言うのがそもそも妖精の定義から外れるのかしらね」
リツコはクスリと笑いながら答えた。
「ダーナという妖精は、彼らで王国を持っていて、王様も女王もいて宮殿もあるそうよ。彼女はそこのお姫様かしら」
レイが、お姫様。
お姫様かぁ。きれいだろうなぁ。
「シンジ君、何にやけているの?」
「い、いや、あ、そ、そうだ、ところでリツコさん、何を作っているんですか?」
「これ? これは、な・い・しょ・よ」
リツコの目がキラリと光った。シンジは何かいやな予感を感じた。、
「でも、誰にも言わないのなら教えてあげる」
「い、いや ……」
「これはね、惚れ薬よ」
「ほ、惚れ薬?」
とたんにリツコの顔が怪しくなってきた。シンジはまずいことを聞いたと思った。
「そう、古今東西、誰もなし得なかった神への道、じゃなかった、誰も完成させたことがない秘薬。このXXXと□□□の調合の具合が難しいのだけど、もう少しで完成するわ。問題は被験者がいない事だけれども、まあそのうち誰かとっ捕まえて実験するから大丈夫よ。
誰に使うかって?ふふ、それはね、本当に内緒よ。
確かに奥様はきれいだけど、あたしのほうが断然若いわ。このあたしに魅力がないなんてことは絶対ありえないし。この薬を飲めば、家庭も仕事も捨て、あたしと恋に落ちるのよ。
ああ、何故振り向いてくれないのかしら。本当はこんな薬など使わず、自然と一緒になりたいのに。
でも、もう決心したのよ。待っているだけじゃだめだって。この十年間、あたしがどんな思いで待ったことか。あのひとはきっとあたしのこんな気持ちも知らないで、今ごろ奥様とよろしくやっているのよ。
薬草の調合に問題はあるけれど、私の辞書には不可能という文字はないわ。この天才赤木リツコ博士にかかれば、出来ないことなど一つもないのよ!
お〜ほっほっほっほ!」
「あ、あの、僕らはこれで…」
シンジとレイは怖くなってリツコの研究所から逃げ出した。
「ああ、びっくりした」
シンジとレイは、リツコの研究室から抜け出した。
いつのまにか日も暮れて、山の端から月が出ていた。月は真円に近く、青白く光っていた。街灯がないこの時代でも、満月に近い月の光は暗闇を照らし、人が作った光がなくても十分明るかった。
シンジは、ぼんやりと月を見ていたが、ふとレイを見て驚いた。
夕暮れの暗闇の中で、レイは光を放っていた。
まるで月の光を受けているかのように、不思議とレイの周りだけ明るく輝いていた。良く見ると、まるで銀色の鱗粉のように、レイの周りに細かい光の欠片がきらきらと浮いて輝いていた。
真っ暗な闇の中。
どこからか、声が聞こえてくる。
その声の主は、初老の男の声のようだった。
(まさか、このような事態になるとはな)
初老の男の声は、半ばあきれたような口調で言った。
「予想された範囲だ」
もう一人の声の主は、いかにも胡散臭そうで、世界を征服しようとしている悪の親玉のような感じだ。
(オレのシナリオにはないぞ)
初老の男の声が聞こえる。
「問題ない」
(おまえは昔からそればかりだな、碇)
悪の帝王然とした男が、口の端をわずかに上げ、にやりと笑った。
Fine Storia 2
Continua alla prossima puntata
Postilla
"Luna Blu" 第弐話お届けします。
第壱話から3週間が経ってしまいました。
本当はもっと早くアップするはずでしたが、色々と忙しくなってしまって、更新が出来ませんでした。 最低でも14日中にあげたいと思っていましたが、0時をまわってしまいましたね。(汗) 次回はもう少し早くあげたいと思います。
あ、あと、くれぐれも江戸時代に野球や図書館があったかな?
なんて考えてはいけません。(笑)
さて、次回はいよいよアスカが登場します。
第参話は、なるべく年内にあげるようにしたいと思っていますが、僕のことですからどうなることやらです。(汗)
それでは、僕の筆の遅さに愛想をつかしていなかったら、第参話でお逢いましょう。
1999.12.15
nao
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