天狗沢下降−1

昨夜も、宵の口は眠れたものの、
日付が変わる頃からは寒さに震
えながら夜明けを待った。

今日は全く未知の谷の下降で、興
味と共に一抹の不安も拭いきれず、
ガラガラの岩の堆積している急斜面
に足を踏み出した。

幸い天気は快晴、はるか眼下に
白出谷が蒲田川右俣に合流する辺
りが望まれ、雲海の上には笠・抜戸
の稜線が横たわっていた。