滝谷ドーム中央稜 ( '60/7/29 )


前日は朝の中、晴れ間が覗き、前穂高東壁を
アタックするべく期待に胸を膨らませて五六のコル
を越したが、奥又白本谷を登り始めた頃より次第に
ガスが濃くなり、インゼル付近まで雪渓を登ったもの
の、上部は完全に霧のベールに覆われてルートが
見えず、落石の危険も感じて途中より引き返した。

昨夕刻小雨の中を入山した本隊を加えて総勢12名、
今日は4パーティーに別れそれぞれの目標ルート
に向け早朝のBCを出発した。

今日も空一面厚い雲におおわれていた。
我々滝谷ドーム組はN、Tと3人で天気を気に
しながら南稜の登山道をたどる。涸沢のテントが
だんだん小さくなる。