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雑草が多い草地 |
パナマでは放牧地に生えた雑草を除去する方法としては、雑草が大きくなってからマチェテで刈り取るのが一般的です。あるいは除草剤を放牧地全面に撒布する方法が行われていますが、この場合も雑草が大発生したような場合に行われます。
しかし、雑草が大きくなってからでは、既に一部の花が開花し、発芽可能な種子を落としている場合も少なくありません。除草剤を草地全面に撒く場合は、経費も多くかかります。
雑草は大発生してからこれらの方法で処理することが多いのですが、経費の問題や、既にかなりの種子ができ、除草後に種子から発芽し、数ヶ月後にはまた雑草が目立つようになることもあります。
雑草は大きくならないうちに処理する(除草する)というのが日本におけるやり方です。雑草が小さい時には、まだ花が咲いていないことが多い。この時に雑草を除去できれば種子を落とすことはありません。雑草が小さいうちに除去することを継続すれば草地内の雑草は次第に少なくなります。
私はパナマにおいても雑草が大きくならないうちに取り除くようにすることが重要であると考えています。
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除去したい雑草は牧草と共に生えており、雑草が小さい時にこれをマチェテで刈り取るのは行いにくい。小さい雑草は抜き取るのが良い。あるいは除草剤のスポット処理を行っても良いでしょう。
雑草を抜き取るには、地際を手でつかみ、引き抜きます。棘のある雑草の場合は手を傷つけないように革手袋を着用すると良いでしょう。大きくなって根が発達し、手で抜きにくいような雑草の場合は、スコップ(pala)で掘り取ります。
抜き取った(あるいは掘り取った)雑草は草地外に持ち出すのが最も良いのですが、これはめんどうです。そのため、根に付いている土を払い落とし、既に生えている草の上に置いておきます。このようにすれば、雑草は日光にさらされ、枯れてしまいます。土の上に置いた場合は、時に根が伸びて水分を吸収するようになり、枯れないこともあります。
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除草剤を使う場合は、小さな噴霧器を使い、生えている雑草に除草剤をかけます。非選択性除草剤であるグリホサートは全ての草を枯らせてしまいます。その一方でグリホサートは動物に対する毒性が少ないという特徴もあります。多少飛沫がかかっても除草剤による中毒にはなりません(しかし、これを使った場合においても、使用後には用いた撒布器具はきれいに洗うと共に、衣類は洗濯し、シャワーを浴びて体全体を洗います)。グリホサートは非選択性除草剤ですから、牧草といえどもグリホサートがかかってしまったら枯れてしまいます。グリホサートを使う場合はできるだけ雑草にだけ除草剤がかかるように注意します。それでも牧草にも除草剤がかかってしまうこともありますが、雑草を無くす方を優先します。スワシやアリシア草地の場合には周囲から茎が伸びてきます。ブリサンタやデクンベン草地の場合は、除草剤をかける前にひとつまみの(una pizca de)牧草種子を播いておくと、雑草が枯れるのと並行して牧草が発芽してきます。あるいはその雑草が枯れてから、近くに生えている牧草の根が付いている茎を切り取ってきて植えても良いでしょう。
TORDON等の選択性除草剤、即ちイネ科植物は枯らさずに、広葉植物のみを枯らす除草剤を使う方法もあります。この方法では除草剤がイネ科の牧草にかかっても、牧草は枯れません。しかし、このような除草剤はグリホサートに比べて毒性が強いため、撒布する場合は除草剤が皮膚にかかったり、噴霧した除草剤を吸い込んだりしないような装備をする必要があります。牧草地を見回る際に除草剤が入った噴霧器を持っていく場合にはこのような装備をするのは難しいでしょうから、このような場合のスポット処理にはより毒性の低いグリホサートを用いるのが良いと思います。
雑草の発生量が多い場合は抜き取ることや除草剤のスポット処理では効率的な除草ができません。除草剤の全面撒布ということになります。この場合は非選択性除草剤(グリホサート)は使えません。
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好ましくない雑草が多く生えている所を改良(mejorar)して牧草地にする場合、牧草の種子を播く(あるいは茎葉を刈り取ってばらまき、鋤き込む)前に除草剤で雑草を枯らすか、あるいは雑草を土の中に鋤き込んでしまいます。
しかし、前年に大量の種子が落とされている場合は、生き残って発芽可能な状態にある種子が発芽してきます。雑草の種類によっては、土の中に埋め込まれた種子は何年も発芽可能な状態を保ち続け、次に耕起されて地表近くにでてきたときに発芽することもあります。
野草地を牧草地化しようとする場合は、特に問題となる(除去しがたい)雑草が、その前年のうちに雑草が種子を落とさないようにすることが必要です。
具体的には雑草が開花して種子をつける以前に刈り取ることを繰り返します。あるいはこの時に除草剤で雑草を枯らしてしまうことも有効です。
そして牧草を播種する(茎葉を鋤き込む)時にできるだけ深く耕起して雑草を埋め込んでしまうか、あるいは再度除草剤で枯らしてしまいます。そのようにすれば牧草が生えてから雑草も生えてくるということはかなり少なくなります。
→ 3.施肥 |