10月6日 金曜日

6時半に目が覚めた。
昨晩の飲酒の余韻がまだ残っているような気怠さだが熱いシャワ−を全身に浴びると元気が湧いてくる。

昨晩は買い物に行ったり呑みにいったりと 今回の旅行で初めて夜遊びをしてしまった。
今日は競馬に例えれば最終第4コーナーを抜けてホームストレッチ。
落馬しないように 安全運転で太平洋岸にゴールしたい。


         
フェニックス市内は 夜間はホームレスなどがたむろする場所もあったりするが 昼間は 底抜けに明るくて澄みきった青空があった。
市内の椰子の樹が南国情緒を誘う。


       
8時 10号線を走り 最終目的地ロスへと進路をとる。
この10号線は北米の一番南に位置する大陸横断道路で東へ進むとフロリダ半島まで続く。

東西に伸びる大陸横断道路は南から10,20となり90号線は大西洋岸ボストンから太平洋岸シアトルまで続く。
一方 縦断道路は5号15号と末尾が奇数で統一されている。


10号線を西へ40マイル走ると突然San Diegoの標識が目に入った。
メキシコ国境に近い8号線を走る標識を見ると誘惑に駆られて 単調な10号線から8号線へと つい浮気心がでてしまう。


8号線のGila bendまで砂漠の中の道を30マイル突っ走る。



    

        
11時半 8号線アリゾナ州の西端の街 Yumaを通過した。
ここから山を越えてカリフォルニア州へと続く。

ロラド川を渡り果物の産地であるカリフォルニア州境の植物検疫所では 一台一台車を止めて害虫阻止の検疫を行っていた。
←女性係官は車のナンバープレートを見て ニューヨークから来たのかと尋ね 果物とか植物を持っているかとも聞かれた。
 持っていないと返事すると トランクを開けるよう指示して トランクの中に寂しそうにある僕のリュックサックをいちべつして カリフォルニアを十分堪能してくださいと笑顔で送り出してくれた。


そして 1,300メートルの峠を越えるとサンディエゴである。

私の56歳の誕生日930日に大西洋岸のニューヨークを出発して今日は106日。
今朝フェニックスを出発してから6時間で380マイルを走り2時前に太平洋岸のサンディエゴに到着した


北米大陸横断距離は直線で3,000マイルであるが、私はテキサス州マックレーンからインターステイツ40号線を離れてニューメキシコ コロラド ユタそしてアリゾナ州の山岳地帯を4日間走行した。
そのぶん
1,000マイル余分に走り4,272マイル(6,920Km)走行して大陸横断を完了した。

ここから Bobの住むロサンジェルスへと向かう

 
                                               Bobと久しぶりの再会
北米大陸横断ドライブは 急な決行であったので 事前準備なしでアメリカに来てしまった。そのため ルート選定はその場かぎりの曖昧な旅であったが、昔からの夢を実現できたことは感無量である。

間もなく定年を迎え 第二の人生の始まりと思う反面 死への旅たちの準備の時でもあると考えさせられた。

アメリカの大地と接する機会に恵まれ 風雨に耐えながらも確実に退化が進み風化されていつの日にか大地に吸収されてしまう孤立した残丘は 自分自身の一生とオーバーラップする。

 今回の大陸横断完走を心から喜びたいし、この貴重な経験が僕自身のセカンドステージの糧となることを信じている。


アメリカ大陸横断のルートは結果的に次の通りとなった。
  
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