![]() ![]() When My Niagara Moon Turns To Gold Again... The immortal masterpieces from Niagara Records. Eiichi Ohtaki (Niagara / Sony) ![]() |
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![]() Go Go! Niagara ![]() Niagara Calendar ![]() Let's Ondo Again ![]() Snow Time |
旧譜いじりにかけては定評がある(なんだ、それは) 大滝詠一がまたやらかしてくれました。 去年、ダブル・オーおよびソニーから何枚か、 70年代ナイアガラ・レコードにおける大滝作品が 最新リマスターによって再発されたが、 今回はその第二弾。76年の『ゴー・ゴー・ ナイアガラ』、77年の『ナイアガラ・カレンダー』、 78年の『レッツ・オンド・アゲイン』、 そしてかつてプロモーション・オンリーで制作された 大滝詠一の未発表ヴァージョン入り哀愁曲 コンピレーション『スノウ・タイム』の4枚が お目見えだ。 『ゴー・ゴー…』は70年代に当時の ラジオ関東を舞台にオンエアされていた大滝詠一の 同名DJ番組のフォーマットを模して作られた アルバム。今回は76年のオリジナル・ミックスを リマスターして、いちだんとみずみずしい音に 生まれ変わっての再登場だ。ボーナス・トラックも あれこれ4曲5ヴァージョン入っている。 『カレンダー』は81年、コロムビアからソニーに 配給元を移したときにリミックスされたヴァージョン での再発。「クリスマス音頭」とか「泳げカナヅチ君」 とか、個人的にはオリジナル・ミックスのほうが 好きだった曲もあるけど、ライチャス・ブラザーズ・ アレンジによる「五月雨」のタムまわし入り ヴァージョンはこっちのミックスでないと 楽しめません。内容的にはオリジナルのままで きっちり完結した充実作だけに、ボーナス追加はなし。 が、もちろんこちらもリマスターによってさらに 手応えある音質になっている。 そして、オリジナル通りの形での再発/CD化は 今回がはじめての『レッツ・オンド・アゲイン』。 これはすごい。大滝詠一というと、 希代のメロディ・メイカーとして多くの人に 認識されているようだが、このアルバムは大滝詠一の もうひとつの顔、つまり強力にアナーキーで パンクで破壊的でブラックな大滝詠一の集大成盤。 音頭、カントリー、ロックンロール、R&B、 歌謡曲など、様々な音楽をマナイタに乗せ、 そのすべてを独自のギャグ感覚でぶちこわしていく 一枚。70年代ナイアガラの最後を飾った作品だが、 このアルバムを出したあと、数年のブランクを置いて、 かの名盤『ロング・ヴァケーション』がリリース されることになる。 そして、もう一枚の『スノウ・タイム』。 これはファン垂涎のアルバム。プロモーション用に 業界で配られたベスト盤なのだが、森進一のヒット として知られる大滝作品「冬のリビエラ」を大滝自らが 英語で歌った未発表ヴァージョン「夏のリビエラ」が 収録されており、中古屋さんでは―― 10万円! という値段で取り引きされたりもしていた貴重盤だ。 今回はプロモ盤のままではなく、 ラストに収められていた「レイクサイド・ ストーリー」のインスト・ヴァージョンをはずし、 代わりに大滝プロデュースによる 渡辺満里奈の シングル「うれしい予感」の未発表インスト・ ヴァージョンを収録。プロモ盤を持っている熱心な ファンも安心できない。去年の再発第一弾シリーズ 同様、大滝詠一本人による詳細すぎるほどの ライナーノーツも付いている。 金がかかるなぁ、ナイアガラ・ファンは……。
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