去年、大滝詠一師匠のプロデュースのもと、シングル「うれしい予感」をリリースした渡辺満里奈。彼女のファンはもちろん、大滝=ナイアガラ・ファンにとっても、久々の新作大滝メロディだっただけに、大いに盛り上がったものだけれど。
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「母親が選んだ服を着る、東京の女の子」 というイメージを、これほとまでに自然体で 見せてくれるアイドルがいるんだなぁ。 というのが、デビューしたばかりの 満里奈ちゃんを初めて見た時の強烈な印象だった。 あれから8年あまり。彼女は「自分で服を選ぶ女性」 になり、“満里奈ちゃん”から“満里奈さん”に なった。そして、このアルバムは「“満里奈ちゃん” だった“満里奈さん”」をドンピシャリに 体現している。誰だって永遠に16歳のままでは いられない。けれど、満里奈さんの柔らかな ヴォーカルには、最近の彼女らしさと同時に 10代の頃のチャーミングな面影も見え隠れしている。 今の披女の“自然ないい感じ”は、やはり 一朝一夕で完成したものではないわけだ。と、 しみじみ思う今日この頃。 デビュー曲「深呼吸して」の中で、 ほのかな初恋を“深呼吸して”胸の内側にそっと 閉じこめてしまった内気な女の子。彼女が今、 どういう女性に成長してどんな恋をしているのか? つまり、かつての「母親が選んだ服を着る、 東京の女の子」がどんなオトナになったのかという “ティーンエイジ・ポップスの続編”をいつか 聞いてみたいと思っていた。それは今の満里奈さん じゃないと歌えない世界であり、今回のアルバムは まさにそういった要素もたっぷり含んでいる。 その手触りが、わたしは個人的に非常に うれしかったりする。ちなみに、今回はわたしも 歌詞の面でお手伝いさせていただいたのだが。 「約束の場所まで…」に出てくるのは、 たぶん8年前に出会った“あのコ”なんです。 by YUKO NOHJI <nohji@DaDooRonRon.com> |