未来が壊れていく…




 その9

 

 ■富の集中と極貧の人々■
 
 <貧富の二極分化>
 世界の人口の20%を占める最も豊かな層が、世界の個人消費総額の86%を占め、最も貧しい20%の層は、1.3%しか消費していない。国連人口基金は2001年11月に発表した「世界人口白書」の中で、貧富の格差構造について、このように指摘している。
 
 
 <12億人が1日1ドル以下>
 1日当たり1ドル以下の所得で暮らす極度の貧困層は、12億人に達しており、途上国の3人に1人は清潔な水を利用することが出来ないでいる。
 先進国で生まれた子供1人が生涯に消費する量は、途上国の子供30人分から50人分をも上回る。(01年11月7日読売) 
 
 
 <サハラ砂漠以南では49%が1日1ドル以下>
 国連開発計画が発表した「人間開発報告書2003」によると、1日1ドル以下で暮らす人々は、世界全体では90年の30%から99年には23%へと減少したが、サハラ砂漠以南のアフリカでは逆に47%から49%へと増えた。また中欧などでは7%から20%へと急増している。(03年7月9日読売)
 
 
 <グローバリゼーションの影>
 世界銀行が200年9月に発表したリポートによれば、1日当たり1ドル以下の所得で暮らす貧困層は11億9800万人で、10年前に比べて約1600万人増えている。この傾向は、サハラ以南のアフリカ、南アジア、旧ソ連を含む1部の地域でとくに顕著だ。
 「グローバリゼーションは資金不足の地域に資金をシフトさせた光の部分もあったかも知れないが、それ以上に影の部分が強かった」(01年11月14日付朝日、経済評論家内橋克人氏)
 
 
 <世界人口の半分が1日2ドル以下>
 1日当たり2ドル以下の所得で暮らす貧困層になると、世界人口の半分にあたる30億人にもなる、とウォルフェンソン世銀総裁は指摘している。(01年10月26日朝日)
 
 
 <27カ国で深刻な栄養失調>
 世界食糧計画(WFP)が作成している「ハンガー(飢餓)マップ」によれば、国民の85%が栄養失調となっている国は、ソマリア、モザンビーク、エチオピア、アンビラ、アフガニスタンなど、27カ国に及ぶ。世界では8億人以上が空腹のまま眠りにつき、そのほとんどが女性と子供である。(01年10月30日朝日夕刊)
 
 
 <世界の金持ち200人の資産合計は>
 マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏の個人資産は、600億ドル、日本円で7兆3000億円。この金額は、パキスタンやチェコの国内総生産(GDP)に匹敵する。また世界の金持ちトップ200人の資産を合計すると、1兆1000億ドル、日本円で135兆円になり、これを上回るGDPの国は、米日独仏英伊の6カ国だけ。それ以外の国はすべて、一国のGDPが金持ちトップ200人の合計にかなわない。(00年6月18日毎日新聞)
 

 
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