未来が壊れていく…




 その5

 

■北極の氷も溶解進む■


 New!<2050年までに北極の海氷、4割消失>
 米海洋大気局の研究チームは、北極の氷が2050年までに、1979−99年の平均に比べて40%以上、解けて消失するという見通しを公表した。同チームは、ホッキョクグマや海中の生物など生態系も乱れる恐れがあると警告している。北極海の氷は、春から夏にかけて減り秋以降は増えるという循環を繰り返しているが、近年は氷の減り方が早いという報告が相次いでいる。(07年9月7日日経夕刊)


 New!<北極の海氷面積、史上最小に>
 海洋研究開発機構と宇宙航空研究開発機構は07年8月16日、衛星で観測した北極海の海氷面積が、15日現在で530.7万平方キロとなり、78年に衛星観測を始めてから最小だった05年9月22日の531.5万平方キロを下回って、史上最小となったと発表した。この減少のスピードは、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が今年発表した予測より30年以上も早く、海氷の減少が地球温暖化を加速する原因になるという悪循環が懸念されている。(07年8月17日朝日)


 <当初予想より30年早く、2040年夏に北極の氷消失>
 米国立大気研究センター(NCAR)などの研究チームは、温暖化による北極海の氷の溶解速度が加速され、当初予想されていた2070年ごろより30年も早く、2040年夏にはほぼ消失するという試算結果をまとめ、06年12月12日付けの米地球物理学連合の学会誌に発表した。温暖化をもたらす二酸化炭素などの排出がこのままのペースで続くと、氷が縮小する速度が20年以内に4倍に加速され、2040年の9月には、グリーランドとカナダの北部海岸沿いにわずかに残るだけとなる。(06年12月13日日経)


 <北極の氷、今世紀中に消滅へ>
 NASA(米航空宇宙局)と米国立雪氷データセンターは05年9月28日、北極海の海氷面積が観測史上の最小を記録したと発表。北極海の海氷は、平均して10年あたり約6、7%ずつ減少していて、今年は約530万平方キロにまで落ち込んだ。この10年間の減少率は約8%に上昇している。
 雪氷の減少で熱の吸収量が増えるという悪循環が始まっているとみられ、今世紀末までに夏の北極海から氷が消滅する可能性がある。ホッキョクグマなどの絶滅は時間の問題となってきた。(05年9月29日各紙)

 

 <北極の氷、過去最小の水準に>
 北極海の氷が、2004年の夏は平年より13%も少なく、過去四半世紀で最小だった2002年に次ぐ水準であることが、米氷雪センターによって明らかになった。北極圏の大気循環の周期変動によって厚い氷が減ったところに、温暖化が拍車をかけた、と見られている。(04年10月6日日経)


 <最大の氷床が真っ二つに>
 カナダ・ラバル大と米アラスカ大の観測によると、カナダ北部のエルズミア島にある北極海最大のワードハント氷床面積(443平方キロ)が真っ二つに割れ、その一部がバラバラになって海に流出を始めている。研究グループによると、2000年ごろから大きな亀裂が生じ、02年に氷床が2つに割れた。流出した氷の面積は25平方キロと推定される。氷床の陸地側には、世界でも珍しい極域の湖があり、ほかでは見られないプランクトンなどが生息していたが、この貴重に生態系はほとんど消失した、という。(03年9月28日付け毎日新聞)

 
 
 <北極海の氷は21世紀中に消滅>
 NASAの研究グループは、人工衛星による観測結果などをもとに、地球温暖化がこのままのペースで進めば、北極圏の永久海氷が21世紀中に完全に消滅するという予測を、2002年11月末にまとめた。氷が少なくなることで、海水温の上昇に拍車がかかり、これがさらに氷の溶解を加速度的に進める。北極海の氷の消滅は、世界の気温や海の生態系に多大な影響を与える可能性がある、としている。(02年11月30日日経夕刊)

 
 <北極の氷もすでに半分に>
 米ワールドウオッチ研究所が01年1月に発表した地球環境白書によると、温暖化によって北極の氷の厚さは、ここ数十年の間に42%も減った。同研究所は、生態系の破壊が地球規模で加速しているとして、「地球環境は危険な岐路に立たされており、破壊を食い止められるかどうか、現代の政治指導者の責任は重い」と警告している。
 米アラスカ西海岸と北部カナダの氷河が解ける速度も、90年代はそれ以前の2倍になっている、という米大学の推定もある。

 <夏の北極海から氷が消える>
  米環境シンクタンクの地球政策研究所も02年3月12日、最新の研究として、北極海を覆う氷が過去35年の間に、平均の厚さが3.1メートルから1.8メートルに薄くなっている、と発表した。氷の面積も78年から6%減ったという。調査を担当したノルウェーの研究者は「氷の量は半分に減った計算で、今世紀半ばには、夏の北極海から氷が消えてしまうかも知れない」という。
 

 
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