未来が壊れていく…




 その19

 

 ■爆発するデータ■ 
 
 <急増するデータにつぶされる!?>
 情報通信技術のさらなる進化・発展の中で、これまで予想もされなかった全く新しい危機が始まっている。日経新聞が99年11月に特集して注目を集めた「データ爆発の危機」だ。それによると、ここ数年の分析技術の発達で、遺伝子情報や地球観測など、膨大なデータがしだいに保存しきれなくなりつつある、というのだ。高密度の磁気テープなどにどんどん蓄積されていくデータは、たちまち保存スペースを満杯にしてしまい、ほかにも環境、バイオ、エレクトロニクスなどさまざまな分野で、爆発的に増加するデータを保存しきれなくなりつつある状況が、日本で急速に広がっている、とこの特集記事は危機感を募らせている。
 また、こうした観測・分析データとは別に、テレビ番組などの映像データも、保管の限界を超えており、NHKを始めとして各放送メディアでは、どのように保管すべきかが大きな問題になってきている。
 たとえ磁気テープなどの形で保存スペースが確保されたデータも、それで永久に保存できるわけではなく、10年ほどで劣化が起こって、貴重なデータが失われる可能性がある、という。
 データ爆発やデータの劣化にどう対応していくのか、21世紀の文明は新しい課題を突きつけられている。
   


 
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