この自己紹介は、ASAHIネットに登録している僕の自己紹介の全文です。
ASAHIネットの自己紹介は、1992年10月1日以降は50行以内という制約が設けられていますが、
これは制約が課せられる前、朝日新聞に連載されていた筒井康隆氏の「朝のガスパール」が終了した
直後の1992年4月6日から9月30日までの半年間、日記風にほぼ毎日、自己紹介文を追加し続け、
ついにこのような超長文の自己紹介となったものです。

さまざまなテーマを身辺雑記風に綴っている中で、一貫して流れているのは、「朝のガスパール」の虚構内
世界に実名とともに連続4日間登場した稀有の体験を、僕自身がどのようにとらえ、どのように総括している
か、ということです。

この「BANYUUの自己紹介」は、ASAHIネットの会議室でも話題となり、筒井氏自らがこれを読みに来
てくれるなど、半ば伝説の自己紹介と化していますが、パソコン通信の終焉とともにASAHIネットの会員で
さえもほかの人の自己紹介を読む方法が分かりにくくなり、ましてASAHIネットの会員以外の方には、
ネット会員の自己紹介を読む機会はありません。

そこで、この自己紹介を最後に追加して完成してから12年が経った今、自己紹介の全文を僕のホーム
ページの中に取り込んで、多くの方に読んでいただけるようにいたしました。

内容については、一切手を加えることをせず、全文そのままを掲載しておりますので、多少読みづらいところも
あるかと思いますがご容赦下さい。

なお、1992年10月1日から2001年1月1日までの分は、まだ50行の制限が設定されていない9月30日以前に
あらかじめ書いたものです。

以下が自己紹介の全文です。超長行ですのでご了承願います。。



【BANYUUの蛮勇日記帳】 実験的自己紹介への挑戦

2001年1月1日(月) ドドーン、ドーン、ドドドーン。午前0時の時報
       と同時に、あちこちで一斉に、花火が打ち上げられています。
       こーれは壮観だなあ
        21世紀の開幕、おめでとうっ! 1000年に一度の歴史
       的瞬間に、こうして立ち会うことが出来るとは、なんという幸
       せでしょうか。もう、感激と興奮に、震えが止まりません。
        さきほど終わった「20世紀さようなら紅白」も、スゴかっ
       たですねえ。最後は、紅組、白組の歌手全員が、客席の中に散
       り分かれ、観客たちと肩を組んで、「蛍の光」を歌い、みんな、
       涙、涙のフィナーレでした。オール民放とNHKの初めての協
       同制作で、さきほどから始まった「行く年、来る年」は、午前
       6時までのスペシャル編成です。ビデオに録っている方も多い
       ことでしょう。
        大みそかから、今日にかけて、世界のあちこちで大変なお祭
       り騒ぎが繰り広げられています。とりわけ、日付変更線の関係
       で、地球上で最も早く21世紀を迎えた日本には、さまざまな
       国から観光客がドッと繰り込んでいます。
        この100年は、どんな世紀になるでしょう。22世紀を迎
       える人類は、はたして存在しているでしょうか。
        そして1000年後、31世紀を迎える時、地球はどんな姿
       になっているでしょうか。

2000年9月26日(火) 世界中を震撼させた小惑星「トータチス」は、
       地球と月の間を、予想よりかなり地球寄りのコースで、スレス
       レに通過していった。激突は避けられたが、世界の各地で地震
       や火山の噴火、暴風雨が相次ぎ、異常潮位による大洪水や津浪
       とあいまって、まさに天地の終末、ハルマゲドンとはこのこと
       だなあ。
        被害が予想された地域の住民に対しては、国際協力で早めの
       避難が組織的に実施されていたため、死傷者が大型ハリケーン
       程度ですんだのが、何よりの救いだ。
        この影響で、東京では今日、気象観測史上最も早い初雪を記
       録した。それにしても、こんな状況でも朝パ・ネットは回線が
       確保されているとは、奇跡的だな。ネット会員のみなさーん、
       どなたもご無事でしたか〜?

1999年6月3日(木) ヨハン・シュトラウス没後100年。ここ数日、
       テレビはシュトラウスの特集番組が続いている。J・シュトラ
       ウスといえば、あの「2001年(あと1年半後だ!)」の映
       画に使われた「美しく青きドナウ」があまりにも鮮烈で印象的
       です。猿が(類人猿か?)けものの骨を道具として使うことを
       初めて覚え、その喜びと興奮に恍惚となり、誇らしさに満ちた
       表情で、骨を大空に投げ上げる。
        その骨が、宇宙船に鮮やかに切り替わるという、めくるめく
       場面転換の中で、一呼吸おいて、ゆっくりと、「美しく青きド
       ナウ」が始まるのですねえ。冒頭の宇宙船のシーンは、セリフ
       がほとんどなく、この曲だけをバックにすばらしい映像が続く
       のですが、さて、この映画で使われているのは、誰の演奏によ
       るものでしょうか? 
        いろいろな指揮者によるこの曲の演奏を、レコード、CDや
       テレビなどで聴きましたが、映画の中で流れている音楽と、細
       部に至るまで、ピッタリ一致しているのがカール・ベーム指揮、
       ウイーン・フィルハーモニーの演奏ではないか、というのが、
       僕の感じです。本当のところはどうなのでしょうか。

1998年2月7日(土) 化け猫が出るかと思うほどの、なまあたたかさ。
       関東地方は、4月上旬並みの気温だそうだ。こんな中、今日か
       ら、長野冬季五輪だよ。突貫工事で競技場や宿泊設備、プレス
       センターなどを作って、ようやく開会に間に合わせたけど、信
       州の自然や動植物の生態系への影響は、はかり知れないものが
       あるだろうなあ。それに、資金を捻出するために、公式スポン
       サーとなる企業を、政財官一体でかき集めてもう商業主義は歯
       止めがなくなった。日本でやる五輪というのに、スポンサー以
       外は、広告に「五輪」も「オリンピック」も使用禁止とはねえ。
       日本新聞協会や各テレビ局は、これに拘束されるものではない、
       としているけど、どうなるんだろう。

1997年8月29日(金) 昨日からの歴史的豪雨で、東京でも、神田川や
       目黒川などの中小河川が氾濫して、床上浸水やら、地下鉄構内
       への大漏水やらで、都市機能はマヒ状態だ。
        はて、今日は何の日か、覚えていますか。おっ、さすがです
       ねえ。そうです。「ターミネーター2」で、核戦争が勃発して、
       人類が破滅する、と設定されているのが、今日なのです。でも、
       世界は、依然として中東を火薬庫として、危なっかしい状況が
       続いているとはいえ、核戦争までには至っていません。なには
       ともあれ、平和のありがたさですが、これはサラ・コナーの奮
       闘のせい?? 実は、そうなのです! 「サラ・コナー」とは、
       世界の各国で、核兵器の廃絶をめざして、反戦・平和のために、
       今現在も血を流して闘い続けている、多くの無名の民衆たちの、
       総称なのですよ。

1996年7月20日(土) みなさん、お暑うございます。今日からアトラ
       ンタ五輪ですね。近代五輪100年の記念大会とあって、アメ
       リカは、大統領自らが指揮官となって、大変な張り切りようだ。
       バルセロナから、もう4年になるんですねえ。早いもんだなあ。
       岩崎恭子ちゃんの金メダルに熱狂したのが、ついこの間のよう
       な気がするなあ。
        こんどの五輪は、アトランタという地名が、世界中の人々に
       特別の響きを持っているところから、「風とともに五輪」の感
       がありますね。あの名作が、書店でも、テレビ、ビデオでも、
       すっかり大ブームとなって、コンビニからゲームセーターまで、
       「タラのテーマ」のメロディーが流れています。若い女性たち
       の間では、クラーク・ゲーブルが超人気。ああいう、いい男、
       少なくなったもんねえ。

1995年8月15日(火) このクソ暑さ。日本はやっぱり亜熱帯なんです
       ね。今日一日で、日射病・熱射病の死者が、なんと全国で23
       人とは! クーラー慣れした体で、長時間、外の猛暑にさらさ
       れていると、命取りになるということ。みなさん、とにかく、
       この夏を、元気に乗り切りましょう。

        今日はなんと、第2次世界大戦終結50周年なのだ!! 各
       地でさまざまな集会やシンポジウムが開かれている。アジアの
       各国でも、あの大戦の責任問題を改めて問い直そうという動き
       で、騒然としている。
        僕は終戦の時、1歳だったけど、灯火管制で、窓を真っ黒な
       カバーで覆っていたことを、覚えています。幼少時は、不用に
       なった防毒マスクを解体して遊んでいました。黒い炭素の粒が
       ビッシリと詰まっていたのを、バラバラにして、なめたりして
       いたのだよ。

1994年1月29日(土) 今日は、ニューオリエント・エクスプレスの爆
       発事故から満2年。つまり三回忌なんですねえ。法事はどこで
       行われるんでしょうか。
        あの事故ほどショックだった事故は、現実にもありません。
       スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故や日航ジャンボ
       機墜落は、ショックではあっても、僕にとっては、どうかかわ
       ることも出来なかった、責任外の事故だったのです。しかし、
       ニューオリエント・エクスプレスの爆発事故は、まさに僕がか
       かわったことによって起こった大事故であり、虚構内とはいえ、
       BANYUUに多大な責任がある大事故でした。あの朝、小説を何度
       も読み返しながら、僕は震えが止まりませんでした。

1993年2月5日(金) 朝ガス108回、檪沢によるBANYUUへの連続4日
       間の大罵倒が始まったのが、ちょうど1年前の今日でした。あ
       の日、僕はもう覚悟は出来ていたし、絶対に崩れまいと気をはっ
       ていました。しかし、出社してみると、いろいろ予想外のこと
       があり、筒井線#16424の消去MESにつながっていったのです。
       #16424に何が書いてあったかは、永遠のナゾにしておきたいと
       思います。「その日、BANYUUに何があったか」についても、お
       話し出来るのは、100年後ですね。

1992年10月24日(土) 今日は、ニューメデイア本部全体の引っ越し
       で、大騒ぎの一日でした。朝日新聞の新館完成に伴う社内各部
       局の大移動の一環なのです。この職場に来て50日余り。よう
       やく、ここの仕事場になじんできたところで、もう引っ越しと
       は、トホホホ。なにしろ、数十台ものIBM端末や、膨大な書
       籍、資料などを一気に移動させるのですから、もうタイヘン。
       今日は通常のデータベース編集作業はお休みして、女性編集者
       たちも、ジーンズにエプロンなどの、お引っ越しスタイル。
        とはいえ、夕刊のある日ですので、夕刊オンライン速報の編
       集と配信だけは休むわけにいかず、引っ越しさなかのあわただ
       しい作業となりました。デスク陣のみなさん、女性編集者のみ
       なさん、本当にお疲れさまでした。
        あさっての週明けからは、うーんと広くなった新しい編集室
       で、がんばりましょう!

10月7日(水) 筒井線がオープンしたのが、1年前の昨日ですね。そして
       今日は、僕が筒井線に初めてのMESを書き込んだ、記念すべ
       き日なのです。「電筒本」パート1にしっかり収録されている
       #71が、それです。僕は、筒井線については、ROMだけにして
       おこうと思っていたのですが、開設を祝うメッセージを書いて
       下さいというネット事務局からのメールが来て(梅助さーん、
       あなたからだったんですよ)、ちょっとだけよ、と1本のME
       Sを書いたのが、すべての事態の始まりだったのです。
        禁断のリンゴをひとかじりした僕は、ああ、まさかまさかの
       展開となって、今日(こんにち)のBANYUUとなりましたとさ。
        梅助さんの、あの1通のメールがなかったら、僕がこんな日
       記帳を書くこともなかったかも知れませんね。本当に人生万事、
       塞翁が馬、とはよく言ったもんです。
        というわけで、ネット事務局さま、この自己紹介を消去する
       ような無粋なことは、なさらないで、どうかどうか。

10月1日(木) れれれれっ? 10月1日から新しく登録する自己紹介は
       50行以内で、というお達しがあるのに、BANYUUは……。おや
       おや、そんなに驚かないで下さい。いいですか、僕は9/28
       の日記帳で明言した通り、9月30日までに書いた状態で、自
       己紹介はその後、一切更新していません。でもアノアノ、日付
       が、ですって? そーれは、錯覚というもの。ネットのホスト
       コンピューターのログを調べて見れば分かると思いますが、こ
       れより先(というか、未来というか)の分は、前もって書かれ
       たものなのですよ。

9月30日(水) それではフィナーレ。いってみようか。GO!

標題: 日記帳最終回を迎えて
---
 「ひとつの日記帳が終りました」BANYUUは喋りはじめた。「自己紹介の特異
性を強調し、それによる効果を利用した日記帳である以上、実況録音と同じで、
今後は手入れ、書きなおし、消去などの作業は原則として反則となり、許され
ないでしょう」
 みなさん、ほとんど6カ月にも渡る、この自己紹介へのお付き合い、ご愛読、
ほんとうにありがとうございました。スタートした時は、まだ春も名のみの北
風吹く4月初め。やがて夏になり、とりわけ厳しい残暑が続き、そして今、ひ
んやりとした秋の気配がしのびよる中、この日記帳も終幕を迎えようとしてい
ます。
 「朝のガスパール」の本を読み、そのサブテキストである「電脳筒井線」の
とりわけパート2と完結編を読まれて、BANYUUとは本当に実在の人物なのか、
実在するとすれば、いまどこでどんな仕事をしていて、どんな心境でいるのか、
朝ガスでの実名登場や、筒井線での大量のメッセージが本として収録・刊行さ
れたことを、どんなふうに考えているのか。等々、興味や関心を持たれた方々
に対して、きちんと誤解のないように、僕そのものを知ってもらうためには、
どうしてもこれくらいの長さの自己紹介が必要不可欠だったのです。
 皆さん。お開きの時間になりました。そうは言ってもわたしたちはまた会え
るのですから。ネット事務局が消去しない限り。さらに言えば、みなさんが、
prof tu9t−smzで、この日記帳を開いてくれるたびに。それでは
皆さん、さようなら。
                               BANYUU

9月29日(火) 久々に、夕方から本格的な雨だ。データベース編集の作業
       にも、ようやく少しずつ慣れてきたけど、まだまだ覚えなけれ
       ばならないことが、ヤマのようにあります。
        
        さあ、この日記帳を、何日かごとに、あるいは連日、読ん
       で下さった方は、あと少しで終わりですからねっ。

        初めてこれを読んで下さる方にとって、この先は、長いです
       よーっ。大丈夫かなあ。あのですね。ツマラナイと思ったら、
       その時点で、即、中断して下さいね。
        どうしても全部読んでみたい、という方には、オンラインの
       状態で読んで行くのはミカカ代がバカになりませんから、一旦
       フロッピーか内蔵ディスクに全文を落とし、後でゆっくりと読
       まれることをお勧めします。

9月28日(月) 今日の読売新聞の「本の森の狩人」には、ぶっとびました。
       これぞ、メタ・フィクションの極み!
        さて、9/24の「ネット事務局からのお知らせ」の#405に、
       BANYUUは、どう対処するのか。難しい判断を迫られているとこ
       ろですが、僕としても、いずれこういうことになるであろうこ
       とは、7月中旬の時点で、ある程度想定していましたので、い
       まとなってジタバタしても始まりません。
        問題は、これまで書き込んだ日記帳が、どうなるのか、です
       ね。ネット事務局の#405の内容を、よく分析してみましょう。

> 来る10月1日から、自己紹介に50行の行数制限を設定します。新たに登
>録する自己紹介は、50行以内で書きこむようお願いいたします。

        こーれは、かなり解釈に幅が出そうな言い回しですね。
        50行を越えるものは、システムとしてハネてしまうという
       ことなのか、それとも、新たな規約に準ずるものなのか、ある
       いは倫理的なガイドラインなのか。
        そのいずれだとしても、文面通りに受け止めるならば、10
       月1日からは、新たに登録する自己紹介は、50行以内でなけ
       ればならない、ということですね。
        であるならば、ここが最も重要なポイントですが、9月30
       日までに登録した自己紹介については、この行数制限の規制対
       象外ということですね。この点は、後日、モメたりすることの
       ないように、はっきりさせておきたいと思うのです。
        そのことを前提とした上で、僕は10月1日午前0時以降は、
       「自己紹介の新たな登録をしない」。つまり、その時点までに
       登録した自己紹介を永久凍結させてしまおうと思います。

9月27日(日) 今日は、風が強い。昼間は暑いくらいだったけど、夕方に
       なってだんだん寒くなってきた。
        「朝までセッション」のみなさんからのリポート、あちこち
       の会議室をROMして楽しく読ませてもらっています。その中
       に、ハッとする一文がありました。
        「朝ガス」クイズについての、半魚人さんのリポート。
       
       > Q19 電脳筒井線でドキンちゃんがされたことは。

        忘れたはずの人を、想い出してしまい、懐かしい気持ちでいっ
       ぱいです。ドキンちゃん、どうしているのやら。

1【次会議】 2. 一覧 3. 表示 -. 書込 5. 他 番号> pro
ID(複数可、改行=HN1M-MNM):
... HN1M-MNM さんは、現在利用されていません。

        ドキンちゃんって、誰なのですか。電筒本完結編のBANYUUの
       #16424の消去MESは、その直後のドキンちゃんの#16428と併
       せて読んで、初めて生きてくるのです。
        「さようなら、ドキンちゃん」と、最初で唯一のメールを出
       したことも、夢のまた夢。

9月26日(土) めっきりと涼しくなって、もう秋ですねえ。月刊オーパス
       の10月号、38ページの「見逃せない今月の純文学」で、拓
       植光彦氏が、「朝のガスパール」を本の写真つきで、大々的に
       取り上げています。なんとこのページの四分の三以上が、朝ガ
       スの書評なのです。
        「作家にとって記念碑的な大作」「文字通りの話題作」など
       の言葉がウレシイ。「まず本そのもののビジュアルな仕上がり
       がすばらしい」として、一回分を見開き2ページにして画伯の
       挿絵を配した体裁を絶賛。内容についても、「新しい試みを評
       判倒れに終わらせないために、筒井康隆は本気でがんばったよ
       うだ。(中略)この小説の成功は、そういう努力によるところ
       が大きい」
        「最後には、作家と登場人物全員が出席するパーティが開か
       れ、小説の中での役割や演技を振り返るという、映画『蒲田行
       進曲』のフィナーレみたいなサービス場面まであるのだ」
        あのパーティには、BANYUUも出席していたんですよ(^_^)
      「電筒本」についても、「この作品を読み解くカギとなる」
       と紹介しています。
        ちなみに今日、新宿の紀伊國屋書店で見たら、「朝ガス」と
       並べて、「電筒本」の1、2、3が、大量に取り揃えてありま
       した。

9月25日(金) 今日は、データベース編集室の「部屋会」というのがあり
       ました。出勤している20人ほどの女性編集者たちへの、重要
       な伝達事項などを、ニューメディア本部の担当副本部長やデス
       クたちが説明をする、いわば部会のようなもんです。僕はまだ
       まだ駆け出しの身ですし、何も発言することはありませんでし
       た。この「部屋会」は、毎月1回必ずあるのだそうです。まあ、
       セイリのようなもんですね。
        
        9/4の日記帳で、名悪役のナンバーワンとして、「第三の
       男」のハリー・ライムにちょっと触れましたが、歌舞伎の世界
       では、この間、NHKで2回に渡って放映していた東海道四谷
       怪談(モッチロン、ビデオに収録ずみ!)の民谷伊右衞門と、
       仮名手本忠臣蔵五段目の斧定九郎でしょう。

        与一兵衞が、塩冶浪人の婿(むこ)、勘平のために、娘おか
       るを、祇園町へ身売りすることにし、前金として五十両をもらっ
       て、小雨の中、夜道の山崎街道を、家に帰り急ぐ。
        掛け稲の前に、一休みして、「わしゃこれから礼を言います。
       ありがたいありがたい」と喜んでいるところで、掛け稲の間か
       ら、ニュッと手が出て、財布を取られ、アレマア、次に無言の
       中を刀だけ出て、刺し殺される。
        (このシーン、もう最高ですね。掛け稲の中から、白ぬりの
       定九郎が現れて)
        ゴ〜ン、ペペペンペンペンペンペンペンペンペンペンペンペ
       ンペンペンペンペン……。(ここで本当に、お金を数えるのだ
       そうです)
        定九郎 (無表情に)「五十行…」
        (♪〜 死骸をすぐに〜谷底へ〜、はねこみ蹴こみ〜泥まぶ
       れ〜、はねは我が身にかかるとも〜、知らず立ったる向こうよ
       り〜)
        ドキューン! ドバーーン!!

        ん? 定九郎にとっての唯一のセリフ、いま、何と言いまし
       た? おっかしいなあ、僕の聞き違いかなあ。

9月24日(木) いやあ、今日はすさまじかった。早出でかつ、居残り勤務
       の上、地価公示のすさまじい量の原稿が、22日だけではさば
       ききれず、積み残しになっていて、その処理が大仕事でした。
       S勤の吉田さんと竹下さん。それにDS(デスクサブ)の天道
       さん、ほんとうにお疲れさまでした。
        「朝までセッション」の様子も、ROMしたいけど、今日は
       もうダメじゃ。明日、ゆっくり読もう。

9月23日(水) 新職場に移って始めて、4連休をもらって、一人旅に出て
       来ました。明日は、早出で、かつ遅番という、要するに目いっ
       ぱいの勤務。朝、データベース編集室のカギを開けることから
       始まり、最後にカギをかけて帰るのです。
        あっ、新宿・ピットインでの、「朝までセッション」の開催、
       おめでとうございます。参加者の皆さん、がんばって下さい。
       どうか、すばらしい歴史的オフとして成功するよう、BANYUUも、
       草葉の陰から、祈っていますからね。
        明日、9月24日は、筒井康隆氏の58歳の誕生日ですね。
       日付が変わったら、セッション会場は、笑犬楼さまの、プレプ
       レ還暦祝い(^_^;)を兼ねた異常な盛り上がりを見せていくので
       はないでしょうか。
        笑犬楼さま、ハッピー・バースデイ!! どんなに、気が若
       くても、やはり、寄る年波に勝つのは、至難のワザ。ともあれ、
       健康にはお気をつけて、いつまでも、ご健筆を!!
        では、笑犬楼さまより、ひと未来若くて、ビンビン、ピンピ
       ンのBANYUUは、データベース編集室の26人のステキな女性た
       ち一人ひとりのことを、甘〜く夢に見ながら、枕を抱いて寝る
       とします。

9月20日(日)から、3日間ほど、一人旅に出ますので、日記帳はお休みで
       す。ではみなさん、23日か24日に、再見!!

9月19日(土) 初めての、早出かつ本紙の本番デスク勤務! サブデスク
       役の武知さんほか、やさしい女性陣に支えられて、なんとか緊
       張の初日をこなすことが出来ました。女性編集者のみなさん、
       感謝、感謝! これからも、末永くよろしくねーっ。

        福島・いわきで、サーカスのオリから逃げたライオンを射殺
       だって? うーん、麻酔銃でもよかったのになあ。
        それにつけても、思い出すのは、小学1、2年のころ。父が
       勤務する新潟日報社が、移動動物園というのを主催した時のこ
       とです。一頭のトラが、夜中にオリの中で暴れたはずみに、高
       圧電流に触れて、感電死してしまったのです。
        その日だったか、次の日だったか、覚えていませんが、いつ
       も帰りが深夜になっている父が、なぜか早く帰ってきて、しか
       も、「今夜は、スキヤキだ」と、今から考えると1キログラム
       ほどの大量の薄切り肉を持って来たのです。当時、スキヤキな
       んて、年に一度、それもブタ肉で食べることが出来れば、超幸
       せという時代です。
        もう、そのスキヤキの肉のおいしかったこと! 一生忘れら
       れないウマさでした。おいしいものを食べた後の、しあわせな
       気分にひたって、うっとりとしている時、父が言いました。
        「この、スキヤキの肉は、感電死したトラの肉なんだよ。主
       催者のみんなで、分けたんだ」。
        ガガガーン! ガオーッ、ガオーッ。
        検疫とかは、どうしたんだろう?
        子どものころに、トラの肉をスキヤキにして食べてしまった
       BANYUUは、こうして、いつまでも、トラキチとして生き続けた
       とさ。
        この話は、数年前、このネットの「旧わくわく」あたりに書
       いたように思いますが、今日のライオン射殺のニュースに、改
       めてご披露しました。
        阪神、また勝った。 ヤクルトは巨人に勝ったけど、星のつ
       ぶし合いさ。タイガース、このまま、いけいけ!

9月18日(金) 今日で、研修およびデスク見習いは終わり。明日からは、
       一人立ちで、デスクワークのローテーションに入ることになり
       ます。その手初めに、明日は早出で、本紙の本番。
        さあ、どうなることやら。でも、編集者の女性たちは、どの
       娘も、しっかりしていて、やさしくて聡明です。僕が遅刻しな
       い限りは、何とかなるでしょう。
        今夜は、早めに寝ます。みなさん、オ・ヤ・ス・ミ!

9月17日(木) エンデバーからの、毛利さんの記者会見の内容もすばらし
       かったですね。
        「宇宙は思った以上にすばらしいところです」という言葉が
       とりわけ印象的です。また、超多忙な数多くの実験をこなすた
       めに、これまではゆっくりとは見ることが出来なかった、宇宙
       から見る地球について、「地球の中に住む一個の生物として」
       見ていきたい、という話はしみじみとしたものを感じます。
        わが家の次女(中一)は、ついさきごろまで、将来は女優に
       なりたい、とがんばっていましたが、毛利さんの宇宙飛行をきっ
       かけに、「ゼッタイに宇宙飛行士になりたい」と、目標をすっ
       かり変えてしまいました。うーん、やっぱりBANYUUの娘だけあ
       るぞ。この次のスペースシャトルに乗ると見られている向井千
       秋さーん、うちの娘が宇宙に行く時には、よろしくご指導のほ
       どをお願いしまーす!

9月16日(水) エンデバーからの、毛利さんの宇宙授業の生中継を見て、
       大興奮しています。こーれは、「2001年 宇宙の旅」の映
       像にかなり近いぞ。というよりも、あの映画の方が、近未来を
       確実にキャッチしていた、ということなのですね。
        ああ、宇宙へ行ってみたいなあ。毛利さんは、あと10年後、
       20年後には、このテレビを見ているみなさんが、宇宙に行き
       来出来る時代になっているかも知れない、というメッセージを
       子どもたちに向けて送って来ましたね。
        実現出来ているか、それとも、人類はもっとお金をかけなけ
       ればならない大変な問題に直面して(エイズとか、人口爆発、
       地球的規模での温暖化、など)、一般人の宇宙観光旅行は、ま
       だ先の先の話か。
        でも、こんどの毛利さんの宇宙飛行が、全世界の子どもたち
       を含めた、わたしたち人間の宇宙観、地球観を、確実に変えて
       いくのは、間違いないでしょう。
        毛利さんが、ふるさと北海道・余市から贈られたリンゴを、
       無重力空間に浮かべて説明したBANYUU引力、あわわ、蛮勇引力
       ちがうちがう、万有引力の「授業」は、感動的でした。テレビ
       の前の全国の子どもたちの心の中に、あのリンゴはいつまでも
       浮かび続けていくことでしょう。

9月15日(火) 今日は、鰹のタタキを10倍おいしく食べる方法ですよ。
       ええ、みなさん、鰹のタタキはおいしい。が、ですね、そのお
       いしさの本質は実は、あの火が通って色が変わった、ちょっと
       硬い部分のウマミなのではないでしょうか。
        ところが、スーパーやデパートの食品売り場などで買って来
       た鰹のタタキは、だいたいがイマイチです。もっと、あの、火
       が通った部分を食べたい、と思うのです。ところが、タタキの
       90パーセント以上は、生というかレアというか、とにかく歯
       ごたえのないヌチョヌチョの生なので、なんとなく、欲求不満
       が募るのです。ケッケッ。
        そこで、僕は今日、大胆不敵にも、鰹のタタキを、魚焼き網
       であぶりながら、ショウガ醤油で食べるという、神をも恐れぬ
       試みに挑戦しました。こーれは、ウマイっ! 外側はアツアツ
       で、中はちょっぴり、冷たさの残るオサシミ。おいしさ溢れる、
       焼き立ての部分がほとんどで、もう感激の連続。
        うーん、食文化なんて、結局は、どうしたらよりおいしく食
       べれるかの、試行錯誤の歴史なのかもね。

9月14日(月) さっきのNHKニュース21で、「なぜいま、妖怪ブーム
       なのか」という特集をやっていました。お堅いNHKさまにし
       ては、お珍しや。大きな書店では、妖怪コーナーを設けるほど
       のブームで、これに火をつけたのが、岩波新書の話題のカラー
       本、水木しげるの「妖怪画集」なんだそうです。この新書、僕
       も買ってしまいましたが、どの妖怪も、昔どこかで見た記憶が
       あるような、懐かしい原風景のような感じがします。
        なかでも、「のびあがり」は、(この新書持ってる人、一緒
       に見てくれっぺな。オラ、おっかねえだよ)、「でじゃびゅ」
       の極致だんべな。オラ、今晩、この夢を見て金縛り(オッ、オ
       ラのワープロは一発で変換できただよ)にあいそうだべな。

        ややっ、今、このネットの中で、幽霊が、すーっと横切った
       ように見えたは、目の錯覚か、気のせいか。なにやら不吉な予
       感がする。ひと騒動持ち上がらなければいいがのう。

9月13日(日) いやあ、僕の誕生日が、電筒本「完結編」にバッチリ載っ
       ているとはねえ。299ページ、#16401のMESです。今日、
       9月13日なのですよ。えっ、まだまだ40代ですよ(と胸を
       張れるのも、あと*年だけか。トホホ、ヤンなっちゃうね)

        今日は、朝ガスについての書評を2件、ご紹介します。

        まず、天下の「文芸春秋」10月号。評者は島弘之氏。
        「当初の発想からして、既に十二分に想像を絶している。し
       かし、これほど奇想天外なことを考えつく唯一の男こそ、それ
       を実行し得る唯一の作家にほかならない。(中略)この昏迷の
       九〇年代に身を置きながら充分な余力を残している作家は、少
       なくとも日本には筒井康隆しかいないということが、改めてよ
       くわかる」と、最大級の評価。
         こんな下りもあるのだよ。「SF的ドタバタ活劇でなけれ
       ば全く読むに値いしないという“悟り”を開いてしまっている
       “追っかけ”的フリークたちからのパソコン通信による脅迫じ
       みた激励などに……」
        ゴゲゴゲギゲゴ! 評者はたぶんにBANYUUのことを念頭にお
       いているに違いないな。が、ちょいハズレているとすれば、僕
       は“追っかけ”的フリークとは、完全に無縁の存在だったこと
       です。

        次は、「本の雑誌」10月号。評者は大倉貴之氏。
        「今回『朝のガスパール』を通読した時に感じたのは、連載
       途中の危うさが驚くほど無く『筒井康隆的世界』の強固さが印
       象に残る。つまり前述した“危うさ”さえも筒井康隆の掌の内
       だったように思えてくる」
        鋭い指摘だと思います。連載中に感じた「危うさ」が、本に
       なって読んでみた時、鉄壁の強固さを持つ壮大なメタフィクショ
       ンとなっているのは、作者の魔術的力量のなせるわざとしか言
       いようがありません。

9月13日(日)のパート2 (いやあ、こんなことは初めて)

標題: さようなら、ノーマン・ベイツ!
---
 アンソニー・パーキンスがエイズ死、とのニュースに、深い衝撃を受けて
います。ヒッチコックの「サイコ」を観たのは、高校二年の時。あの、ノーマ
ンは、決して演技では出来ない、それほど迫真に迫るキャラクターでした。
 20年たって、「サイコ」パート2が作られた時、パーキンスは、かなり十
分に熟年の域に入っていましたが、その狂気のノーマンは、いっそうの凄みが
ありました。その後、パート3、4も作られ、僕は全部ビデオに録ってありま
すが、脚本のせいもあって、しだいに、パート1から離れていってますね。
 享年60歳でしたか。ご冥福をお祈りいたします。

 「ノーマン! やっと私のそばに来てくれたのかい。長い間、お前が来るの
を待っていたさ。これからは、お前は、私のもの。もう、離しやしないよ。お
前に、エイズを感染させたのは、どこのどの娘だい? ふん、血漿からの感染
だって。かばうのかい。台所の包丁は、研いであるだろうね。その包丁をちょっ
と持って来ておくれよ。私しゃ、歩けないんだよ。ノーマン、もたもたしない
で、早くしておくれ!」

標題: タイガース、ついに単独首位だ〜っ
---
 阪神がヤクルトに、5−4でサヨナラ。この3連戦は、天王山でしたが、お
とといの史上最長の試合での引き分けが、タイガースの闘志に油を注ぐ結果と
なりましたね。中村監督は、2勝1敗で上出来と踏んでいたのではないでしょ
うか。しかし、2勝0敗と同じことになり、現時点ではヤクルトに1敗するか
しないかは、大変な違いですからねえ。さあ、トラよトラ、このまま、一気に
Vに向けて突入するのだぞ。

9月12日(土) 学校五日制の初日で、下の娘は休みというのに、僕の方は
       出勤。記事データベースの編集は、土曜日でも休むわけにはい
       かないのですよ。まだまだ研修中の見習いですが、作業の流れ
       やシステム像の輪郭が、おぼろげながら、少しずつ分かってき
       たような気がしているところです。

        昨日の、というよりも「昨日から今日にかけての」阪神−ヤ
       クルト戦。午前零時26分の試合終了まで、ニッポン放送ショ
       ーアップナイターの実況放送に聞きかじりました。9回裏、阪
       神・八木の「まぼろしの」サヨナラアーチは、トラキチBANYUU
       にとっても衝撃的でしたが、「まぼろしの」という枕詞がつく
       ものほど、永遠に心に残るものなのですね(^。^) この試合も、
       球史に残る名勝負として、語り継がれることでしょう。
        今夜の、神−ヤは、木戸の満塁アーチが出て、神6−2ヤ。
       阪神が、ゲーム差なしで、首位に並んだゾ!! うーん、いい
       展開になってきたな。巨人は広島に12−9で敗れるし。

        毛利さんを乗せた、スペースシャトル・エンデバーの離陸時
       刻が間もなくだ。旧筒井線のみなさんはもちろん、朝ガスを読
       んだ多くの人たちの頭に浮かぶのは、「あの事故」でしょう。
        BANYUUも、エンデバーの無事な飛行を、心から祈るばかりで
       す。みどり色の黴を持ち込んだ飛行士はいないだろうな。クワ
       バラクワバラ。

9月11日(金) 月がふたつ出ていた。

         ああ、この書き出しで始まる朝ガスの2回目。去年の10
       月19日ですから、もう遠い昔のことになるのですね。この書
       き出しは、生涯、決して忘れられない強烈なインパクトを、み
       んなに与えたのではないでしょうか。僕にとっても、その後の
       人生を大きく揺れ動かすほどの、重要なフレーズとなりました。

         月がひとつ出ている。

         今日は、仲秋の明月です。東京では、強風で雲が飛んで、
       絶好のお月見です。
       そこで、一句。
           名月が 未練つのらす 遊撃隊

        こんどは、川柳で。
           名月を 二つ見られる 遊撃隊

        続いて、狂歌。
           しらふでも 名月二つ 遊撃隊

9月10日(木) 今日は、本番デスクの前にすわっての、デスク見習い。う
       ーん、こーれは時間に追われるな。とりわけ、夕刊オンライン
       速報の処理は、午後1時50分ころから、みんなで手分けして
       一斉に着手して、一秒を争う戦場となり、午後2時30分には
       ユーザーが検索出来るようにしなければならないとはなあ。モ
       タモタしていると、30−40分なんてアッと言う間に過ぎて
       しまうぞ。

        なーんだなんだ、「罵倒最前戦」って、一体、何する会議室
       じゃあ??? j batouで行ってみたけど、あなオッソロシや。
       南無阿彌陀仏。罵倒なんてシーラナイッ、のブリッコBANYUUが、
       罵倒観音像を寄進してしんぜよう。よーくおがむのじゃぞ。

                 ばばば
                ば    ば
                ば 罵 ば
                ば 倒 ば
                ば 観 ば
                ば 音 ば
               ばば   ばば
           ばばばばばばばばばばば

9月9日(水) 池袋のサンシャインシティで今日から始まった「データベー
       ス ′92 TOKYO」の朝日新聞社のブースに、一日中、
       詰めていました。いやあ、スッゴイ熱気です。大勢の入場者が
       朝日新聞社のブースの前で足を止め、ターミナルの前にすわっ
       て、わがDB編集室のデスクや女性編集者たちの説明を聞きな
       がら、自ら検索に挑戦する老若男女たちも後を絶たず。僕も、
       入場者に手渡すパンフレットなどの資料4点セットを揃える作
       業に追われて、汗だくでした。
 
        こうして、夕方5時に初日は終了し、後かたづけや明日への
       準備などを終えて、そろそろ帰ろうかなあ、なんて思っている
       ところへ、先輩格のデスクが「あー、その」と言い澱む。
        「これから、出展企業の担当者たちによるパーティが、別な
       フロアであるんだが、まあ、つまり、一緒に出てもらいたい」
        「ええー、パーティー」と、BANYUUはおどろいて立ちあがっ
       た。「そんなあ。突然」
        「あー、何かこの、予定があるの」と先輩デスク。「ないけ
       ど」と両手を広げるBANYUUに、彼は「最近、企業の間で、デー
       タベースのことがどれくらい話題になっているかを知っておい
       てもらいたくてね」。
        ぼ、ぼ、僕は、石部智子じゃないってば。パーティなんて、
       もともと大の苦手だって言ってるのに(^。^;)。でも、これも仕
       事のうち、「社命だな」と一瞬のうちに決断した僕は、ほかの
       デスクたちとともにパーティ会場に入る。
        いやあ、異種企業の人達が集まるパーティに出席するなんて、
       夢にも思って見なかったぜい。その中で、現在データベース団
       体の要職に就いていて、前は防衛大学校で電子工学を教えてい
       たという人と名刺を交わして聞いた話しが、スゴかった。
        「いまや、どの兵器もコンピューターによって作動する時代
       です。兵器を動かす指揮官に求められているのは、コンピュー
       ターのオペレーションなのですよ。戦闘訓練は、さしずめゲー
       ムセンターですよ。こういうこと、みんな、知らないでしょう。
       ふわっはっは」

9月8日(火) 今日初めて、記事1コ面を、自分でデータベースとして編集
       する研修を、先生付きでやりました。受け持ったのは、昨日の
       夕刊一社で、8本の記事を処理しましたが、結局、一日かかっ
       てしまいました。データベースは「商品」ですから、品質の良
       いものを作り上げるには、記事文中の一言一句、接尾語や助詞
       まで含めて、ひらがな、カタカナの一文字一文字を、すべて検
       討して処理を施さなくてはならないのです。

        明日だけは、研修からはずれ、東京・池袋のサンシャインシ
       ティ(ワールドインポートマート4F)で、9日−11日の3
       日間開催される「データベース ′92 TOKYO」に出展
       する朝日新聞社のブースに、勉強を兼ねて詰めることになって
       います。この、いわゆるデータショーは、後援が25の省庁・
       団体。協賛が、朝日、読売、毎日、NHKなど13のマスコミ
       各社で、来場予定者は、情報サービス・処理、通信、コンピュ
       ーターのハード・ソフト、各種メーカー、金融関係、官庁・自
       治体、大学・研究機関など、幅広い分野におよんでいます。
        アサパ・ネットの会員の方々の中にも、行く予定をされてい
       る方が少なくない、と思います。9日にご来場の折りには、朝
       日新聞社のブースにいるBANYUUに、ぜひお声をかけて下さいね。
        ただし、その男が本当にBANYUUなのかどうかを確かめずに、
       ゼーンゼン違う朝日の人間に、「ばばばばば」などといきなり
       罵り始めると、エライことになりますからねっ。
        次の日には、こんな記事をデータベースに入れなければなら
       なくなるのですよ。

        初日のデータショー会場に、恐怖の罵倒人間乱入 
        官憲に身柄確保され、「人違いだった!」と号泣
        狙われたBANYUU氏は、腹痛でトイレの「大」の中
        悪ウン強く、間一髪、難を逃れる  東京・池袋

9月7日(月) 今日もみっちりと研修。気が張っているせいか、アタマはそ
       れほど疲れません(先生役の渋谷嬢の教え方も、優しいと見せ
       かけて中身は厳しく、という具合で、とっても上手です)が、
       VDT画面をジーッと見詰める仕事なので、意外に目が疲れま
       す。パソパソしている時にワープロ画面を見ているのとは、だ
       いぶ違いますね。
        夕方から、ニューメディア本部の幹部たちと、データベース
       編集室のデスクたちが、銀座で僕の歓迎会をしてくれました。
       ありがとうございました。出席者は、本部長(単数)、副本部
       長(複数)、幹事(複数)、編集室デスク(複数)、このうち
       幹事でかつ編集室デスクの人が数人。それに僕(まだ虚数!)
       を入れて、計(9+i)人の複素数といったところでしょうか。
        ワーッ、もうシンデレラタイムだ。明日も朝から研修がある
       ので、今宵はこれにて失礼をばいたしとう存じます。

9月6日(日) 猛烈な残暑も終わりか。今日はいくぶん涼しくなったけど、
       これで平年並みくらいなんだろうなあ。さあ、明日からはまた、
       データベース編集の研修だ。入社した時には、僕がいずれ朝日
       新聞社の中で、IBMの端末機を操作する仕事につこうとは、
       夢にも思ってみなかった。しかし、高校のころは(新潟高校で
       す。このネットに、同窓の方いらっしゃいますか?)、文系に
       行こうか理系に行こうかで、マジに迷っていたし、新聞記事と
       コンピューターの両方をいじれるこんどの職場は、僕にとって
       理想郷ともいえる部署だな。だれです? 桃源郷だろうなんて
       言ってるのは。
        文か理か 迷い学んだ 日々遠く 新潟県立新潟高校

        あっ、いま「ほっとルーム」をROMしたら、万智センセイ
       だーっ。困って悲しんでオロオロしているじゃないですか。生
       徒のみなさん、万智センセイの気持ちにもなって、そろそろな
       んとかして下さ〜い。あの会議室がめざす原型は、ホームルー
       ムなのだと、僕は解釈しています。おっ、トドラさん、いいぞ
       いいぞ。みんなで、万智センセイをもり立てて、ホームルーム
       の雰囲気を、再び取り戻してくださ〜い(ん、9/4とはゼン
       ゼン違うことを書いているって? でも、言いたいことは、お
       んなじだぜっ)。
        今日、新宿の書店で、「朝ガス」本の2刷が並べてあるのを
       初めて見ました。日付は8月15日となっています。いずれ、
       初版が貴重本となるのは、時間の問題。みなさん、初版がある
       うちにもう1部か2部、買っておきましょう……(^_^)。

9月5日(土) 新職場に来て、初めての休みです。記事データベースの編集
       作業は、土曜日もやっているのですが、デスクは交替で出勤し
       たり休みになったり、ということらしいです。次の土曜日は、
       僕は出勤になっています。

        今日は、大阪在住の、まったく見知らぬ方から、メールをい
       ただきました。電筒本「完結編」を買って「BANYUUさんのメッ
       セージに笑いころげ、一体どんな人だろうかと」僕の自己紹介
       を読んだところ、「なんと日記風のこれまた面白い読み物で、
       最後まで読んでしまいました」とあります。あ、あ、ありがと
       うございます。「この自己紹介日記、これからも毎日続くので
       しょう。私にとって、ASAパソにアクセスする楽しみがまた一つ
       増えました」とまで書いていただいて。感激、感謝! 僕がこ
       うして日記帳を書き続けていることの意味は、筒井線の旧乗客
       たちはもちろんのこと、まさにこうした方々に読んでいただき
       たいがためなのです。
        この日記帳を、どこまで続けることが出来るかは、ひとえに
       みなさまがたにかかっています。共感、爆笑、嘲笑、反発、ど
       んな読み方をしていただいても、BANYUUは、うれしく思います。
       とにかく、どなたかに読んでいただくことによってしか、この
       日記帳は、日々、生命(いのち)を新しく再生していくことは
       出来ないのです。これからも、よろしくお付き合いのほど、お
       願いいたします。

9月4日(金) ニューメディア本部での、研修の4日目。今日はようやく、
       実際の記事をデータベース化する研修に突入! 先生役の渋谷
       さ〜ん。昨日はジーンズ、今日はミニ。渋谷さん、ステキステ
       キ。僕は、スラリとしたあなたの脚の健康なお色気に、元気ビ
       ンビンのビン、眠気を催すどころじゃないのですよっ(゚‖゚;)。
        記録的な残暑の中で、わがアサパ・ネットでは、「ほっとル
       ーム」が、いまにも炎上するかと思われるほどの、ホットな大
       騒動。こーれは面白れえや。対岸の火事は、バーボンのハイボ
       ールを片手に、ゆっくりと楽しむとしませう。
       「悪役」を演じるには、最低限必要な、見栄の切り方や仕草、
       表情、声の出し方、しゃべり方、舞台でのさまざなルールやマ
       ナー、約束事があり、演技を通して、作者への畏敬、共演者へ
       の感謝と連帯感、観客に対しての捨身のサービス精神、などな
       どの「心」が表現されることが、絶対条件なのですよ。
        名悪役のナンバーワンは、キャロル・リード監督の「第三の
       男」で、オーソン・ウェルズ演じるハリー・ライムでしょう。
       なぜ、彼がこの映画で歴史に残る名悪役となったのか。そこの
       ところを、よーくよく考えたいと思うのです。この「第三の男」
       については、後日、ゆっくり語り合いましょう。では、みなさ
       ん、また、あした。

9月3日(木) 今日の日記帳は、簡単にすませよう、なんて思っていたので
       すが、そうもいかぬぞな。ええい。またまた標題付きだーっ。

標題: 御符さまの、おなり〜っ
---
 ニューメディア本部での研修の3日目です。金城さん、渋谷さん、といった
とってもチャーミングな女性たちから(もう、実名登場なのじゃ)、研修を受
けながら、必死でIBMの端末と格闘しているBANYUUの前に、神崎副本部長と
一緒に現れた人物は、ジャジャジャジャーン! 
 なーんと、御符さまこと島戸一臣さん、この朝日パソコンネットを主宰する
株式会社アトソンの社長さまではありませんか。
 たしか、三年ほど前に、朝日新聞の社内でお会いしてますよね。お懐かしや。
あわわわわ。キチンと画面に向かっていてヨカッタ。ホントは、先生役の女性
のカワユイ説明ぶりに、ウットリとなってフジ三太郎していて、目がハートに
なっていたんですけどねっ(゚.゚;)
 いや、ぶっちゃけた話、一昨日の研修初日の説明の中で、島戸さんが、ニュ
ーメディア本部創成期の中心メンバーだった、という話を聞いて、ヒェ〜ッ、
と驚愕・驚嘆していたところなのですよ。
 今日、島戸さんがおっしゃっていた、四点セットの話、面白いっ。つまり、
「朝ガス」本と電筒本全三巻を合わせると、1300円+(800円×2)+
1100円で、ちょうど定価4000円になり、この四点セットで売ったら、
絶対にバカ売れするぞ、という提案。BANYUUも大賛成です! 御符さま、なん
とか出版局を口説き落として、四点セット構想を実現させてくだせえ。
 朝ガスと筒井線に、青春を燃焼させつくしたBANYUUからも、お願えしますだ。
 あの、これからも本社に寄られた節は、ニューメディア本部にぜひお顔をお
見せ下さい。そのうち、昼メシでもいかがですか。(と、ほとんどメールモー
ドになってしまったのでした。ではみなさん、またあした)
BANYUU

9月2日(水) BANYUUの、ニューメディア本部での勤務の2日目。昨日は、
       データベース検索について、概括的な研修を受けたのですが、
       今日からは、IBMの端末を使っての、データベース編集作業
       のための実質的な研修が始まりました。うーん、こーれは、ス
       ゴイな。まずもって、PF1〜PF24までのキー操作の複雑
       さよ。さらに、ヤマのように数多いコマンドについての、実地
       訓練は、アタマがもうタコだウニだ、ナマコだホヤだ。
        僕の先生役の、渋谷さんという女性は、とってもステキな方
       ですよ。どうだ、うらやましいだろう! ヒヒヒ。とは言うも
       のの、PF18やPF21のキーを全然使いこなせないよお。
       渋谷さーん、明日もまた、じっくりオセーテねっ。
        というわけで、BANYUUの研修は、12日まで、ビッシリ、ミッ
       チリとスケジュールが組まれているのです。講師役は、ほとん
       どがベテランの女性たちなので、僕は、なつかしのフジ三太郎
       の気分さっ。さっそうとしてキーボードに向かう彼女たちの、
       ミニスカートは、メ、メ、目のやり場に困るというか、いやい
       や、ゼンゼン困らないというか(゚。゚;)、あのあの。

9月1日(火) ドッカーン! いよいよ今日から、ニューメディア本部での
       勤務です。編集局→制作局→販売局を経て、僕にとっては、朝
       日新聞社の中での、四つ目の「局」となるわけです。
        僕が担当する記事データベース編集室には、な、な、なーん
       と26人もの、かわゆーい女性たちがいるのです。こーれは、
       まさに女護ケ島。ピチピチ、ムンムンのオンナの職場なのじゃ
       よ。26人って、どっかで見たような人数だ。わ、分かった!
       「まぼろしの遊撃隊」のスターティング・メンバーだっ。ここ
       は、女クォールか?
        ニューメディア本部長が、今日出勤している約20人の女性
       たちを前に、僕を紹介してくれました。
        「今日から新たにみなさんの仲間に加わるBANYUU君です。彼
       は、『朝のガスパール』に登場して、美也夫人から『殺しなさ
       い』と言われた、あのBANYUU君です」
        ガ〜ン!!! あ、あ、荒垣本部長、なんということを。あ
       わわわわ。居並ぶ清楚なギャルたちが、「そーんなワルイこと
       したオジサンなのお」という顔で、見ているではないですか。
        うーん、もう仕方がない。殺さば殺せ。あのですね。目で殺
       すとか、もっといいのは、お色気で悩殺するとか。ウピャーッ。
       そういうの、僕、喜んで殺されますから。よろしく。お礼にい
       つでも、「死ぬ死ぬ」と絶叫するくらい、殺し返して天国にお
       連れ申し上げますよ。

8月31日(月) ※著者が書くのをサボリました
                  ↑
       ちっ、ちがうってば。今日は、販売局での最後の日で、いろい
       ろゴタゴタしながら、身辺整理をしたり、新しい職場にBANYUU
       専用のパソ通環境を設定したりで、忙しくって。
        それに、夜は、歓送迎会があったりして。
        明日は、ニューメディア本部での初勤務。一週間ほど「講習」
       を受けて、データベース編集室のデスクワークに入る、とのこ
       とです。では、今夜は、これにて失礼をば。
        さあ、すべては、明日、明日。あした考えよう……。

8月30日(日) 新職場に移る前のラストサンデー。今日くらいは、たっぷ
       りと休養して、鋭気を蓄えておかねば。とか言いつつ、「エイ
       リアン3」を観てきました。内容は、まずまず、でしょうか。
       それよりも、舞台となっている惑星の、中世的暗さ、密室のよ
       うな閉塞集団は、「薔薇の名前」を思わせる異様な雰囲気だ。
       先の見えない現代の世紀末状況の、投影か。また、ラストのク
       ライマックスが、「ターミネーター2」と、そっくりそのまま
       なのには唖然としてしまいました。

        新宿の紀伊國屋書店や三省堂小田急店などには、電筒本「完
       結編」が、「朝ガス」本と並べて、山のように積んであります。
       BANYUUは、それを横目で見ながら、くくく、と笑みをおし殺し、
       晴れがましいような、照れちゃうような…(^_^;)
        思わず、「ツァラトゥストラはかく語りき」のメロディーが
       口笛で出たりして。
        パート2も、大きな書店には、たいてい置いてありますが、
       パート1は置いてないところが多いですね。ま、仕方ないです
       かね。BANYUUのMESは、パート1にも奇跡的に1本収録され
       ているんですけど。でも、「朝ガス」本とともに、パート2と
       完結編を大勢の未知のみなさんに読んでもらえるなんて、ボカ
       ア、幸せだなぁ(と、鼻をかく仕草)。
        今夜は、「2001年」のビデオを観たくなってきたぞ。

8月29日(土) 今日も、MES風に標題付きでいきます。

標題: 大事故の予感は、すでに12月18日に!
---
ぬわーるほど。こーれは、やられたな。
 昨日もちょっと書いたけど、電筒本「完結編」をじっくり読んでいくと、い
ままで気付かなかった重要な伏線や予告が、かなり早い時期に作者から提示さ
れていたことが、少しずつ見えてきます。
 #7059(12月18日、完結編85−86ページ)の笑犬楼さまの「朝霧句会」MES
ですが、僕は、その中の、檪沢の句に驚愕するあまり(#7060)、ほかの句の持
つ重要性にまったく気付きませんでした。今、読み返してみて、ヤラレタ! と
いう思いです。

  舵安社長「小便までの 命か朝の ガスパール」
     (連載、まだそこまで行ってないっていうのに! あわてる作者)
  須田医師「天からの 海老蟹ナマコ 帆立貝」
     (そ、そ、それもまだだっ! 大あわての作者)

 この舵安社長の句は、66回(12月24日)の、身体の一部についての「朝の
ガスパール」状態のこと、とも読めます。男性の皆さんは、お分かりですね。
また、須田医師の句は、61回(12月19日)の、ヘリコプターで運んだかのよ
うな、ベランダ伝いの海老などの料理のこと(イラストもピッタリ対応してい
ます)、とも読めます。
 しかし、それだけなら。カッコの中で、作者がこれほどまでに、あわてるで
しょうか? これらの句は、数日後のストーリイ展開にひっかけて、実は、101
回のあの大事故を、匂わせていた句だったのだ、と、今にしてようやく気付き
ました。
 櫟沢の「反対に 押されて早し 筋運び」の句の持つ意味は、こうした中で
位置づけることによって、極めて深刻かつ重大なものであることが分かります。
 みなさんは、どう解釈されますか? とりわけ、当時、乗車していたみなさ
んのお考えを聞いてみたい気持ちでいっぱいです。
                                BANYUU

8月28日(金) 朝日新聞出版局から、電筒本「完結編」の謹呈本が送られ
       てきました。どうもありがとうございました。一足先に本社の
       サービスセンターで買ったのと合わせ、2冊になりましたので、
       1冊は家に、もう1冊は9月1日から新しく着任する職場に置
       置こうかなあ、なんてね。

標題: イヴイヴの由良之助であったか
---
 この「完結編」をじっくりと読んでいるうちに、僕は筒井線の「忘年会」で
の、笑犬楼さまの#7965(12月23日)が、朝ガスの展開についての、極めて重要
な予告をはらんでいたことに、初めて気付きました。当時は、作者がバーボン
の酔いの中でコモエスタさんについて触れた話なのかな、くらいに読み流して
いたのです。
 このMESは、「螺旋構造が」「下層へ行くほど回転が早うなる」のは「下
層のものを表面へ浮かびあがらせ、宇宙へ向けてふっとばすためじゃ」と書か
れ、しかも「チベット仏教のタントラじゃよ」とまで言っているのですね。こ
ーれは、酔っ払った振りをしての、なんという覚めた予告か! 一力茶屋で遊
んだあげく、酔いつぶれてしまった、というように見せかけたは、どっこい、
由良之助であったか。
 あな恥ずかしや。このMESの意味するところを、吟味もせで、BANYUUは、
新年早々(1月4日前後)のレベル崩壊論議に口角泡を飛ばしていたとは(#9919
#9920 #9921 #9940)。朝ガス132回から134回にかけての(3月1日−3日)
待望のレベル崩壊の構造が、すでにクリスマスのイヴイヴに示されていたので
すね。
 それにつけても、朝ガスと筒井線の凄さよ。これからも、こういう新発見が、
次々に出てきそうで、楽しみっ!
                                BANYUU

8月27日(木) で、で、出た〜っ! 「電脳筒井線・完結編」。表紙の色
       は、ショッキング・ピンクというのだろうか。まず、この色に
       驚愕。こーれは目立つ色だなあ。
        笑犬楼さまの「まえがき」が、泣かせてくれる。オーンオン
       オン(´。`;) 「そしてもちろんあのなつかしい悪役陣も」の言
       葉に、悪役中の悪役であるBANYUUは、万感の思いとともに、涙
       が止まらないのです。
       内容は、凄い、すごい、スゴイ。もう言語に絶する狂乱と愉
       悦、この世ならぬ魔術的興奮の極致。これが現実に起こったこ
       ととは、とても信じられない思いで、全身が震えてきます。
        #16424は、全3巻の中で、唯一の消去MESでしょう。この
       前後の怒涛の日々。BANYUUも、ほかのメンバーの方々も、みな
       必死でした。こんなに一生懸命生きたことは、ありません。
        これから、ゆっくりと読み返し、二度と戻らない至福の日々
       を、かみしめたいと思います。

        今日は午後、僕の後任として1日から着任するデスクに、仕
       事内容の引き継ぎをした。ようやく、職場が変わるのだという
       実感がわいてくる。
        そんな中、金丸辞任の張り出し号外が出るというので、販売
       局内は、張り出し要員の確保などで騒然としている。

8月26日(水) 今日の夕刊文化面の文芸時評で、大江健三郎が「最後の中
       上健次」と題して、新聞連載小説の「軽蔑」について多角的な
       分析を試みていますが、その中で「軽蔑」と対比して「朝のガ
       スパール」が論じられているのが、スゴイ。大江氏は、朝ガス
       とパソコン通信について触れ、「その記録と読みくらべてみる
       と、敵意を持った読者の参加すら進んで迎え入れることで、ス
       トーリーの多様なレヴェルに加え、この作者らしい二重、三重
       の虚構づくりがなしとげられている」と評価。こ、こ、こ、こ
       の「敵意を持った読者」って、誰のことだろう? オレは「敵
       意」なんて、毛頭持ってなかったから(^。^;)、オレのことじゃ
       ないぞ。
        そして、「中上氏が『軽蔑』というタイトルを考えた時、筒
       井氏とは逆に、読者との直通の回路をいったん絶つことを意図
       したのではなかっただろうか?」と鋭い。
       「連載はじめの頃の読者欄の反応には、筒井ワールドへの逆
       説的なエールとは別の冷たさがあった」だって。「逆説的なエ
       ール」とはまた、ドキリとするようなことを言ってくれるなあ。
       うーん、スルドイ! こーれは、BANYUUのことかも知れないぞ。
       朝ガス111回目で、檪沢が激怒の発作に見舞われて、手刀で
       テーブルをまっぷたつにした、その発端となったBANYUUの「エ
       ール」は、逆説的ではあっても、まごうことなく、エールその
       ものだったのですから。

8月25日(火) 夏の甲子園も終わった。西日本短大付、初優勝おめでとう!
       5連投を投げ抜いた森尾投手の帽子のツバの裏には、「夢」と
       いう文字が書かれていた、ということです。
        さて、新職場への異動まで、今日を含めてあと1週間となっ
       た。残っている山のような仕事、残務整理、私物の整理、後任
       者への引き継ぎ、等々、メッタメタ忙しい中で、僕が極めてレ
       イセイに、ジーッと進めて来たことがあります。それは、新職
       場で、いかにして、自分専用のパソコン通信環境を確保するか、
       ということです。ニューメディア本部ですから、データベース
       を検索する端末機器は豊富にあるでしょう。しかし、それでは
       ダメなのです。あくまで、パソコン通信のさまざまなネットに
       接続出来ること、そしてBANYUUが自由に使える専用のターミナ
       ルであること、が条件です。
        この難題は、すべてクリアされる見通しがつきました。しか
       も、新しい職場には一切負担をかけることなしに、です。
        ヒッヒッヒ、BANYUUは、9月1日以降も職場から、パソパソ
       するかもしんないぞ。ケ・セラ・セラ〜。

8月24日(月) ドカーン、先週の毎日新聞に続いて、今日は読売新聞の書
       評で「朝のガスパール」をコッテリと紹介しています。書評で
       取り上げている6冊の書物のうち、本の写真が掲載されている
       のは、朝ガスだけなのだよ。「全編通して読むと、構築された
       小説の構造がクッキリと浮かび、小説の楽しさ、つまり筒井ワ
       ールドの毒とスリルと笑いにたんのうする」と、毎日新聞同様
       に極めて高く評価しているのが、ライバル紙の書評だけに、う
       れしい。電筒本についても触れていて、「二冊出ているが、ファ
       ンの期待あり手きびしい批評ありで、小説の水面下は、もうた
       いへんな熱気だ」とある。ヌヒヒヒ、間もなくパート3が刊行
       されるぞ。
        これで三大紙のうち、書評で朝ガスを取り上げてないのは、
       朝日だけになったけど、僕の大胆かつ手前みその推測では、電
       筒本のパート1、2、3が出揃ったところで、朝ガスと一緒に
       書評で取り上げるのではないでしょうか。
        しかし、とりわけパート2と3を続けて読んだ人は、BANYUU
       とはいったい何物なのだろうと、興味津々になるのではないで
       しょうか(オレってあくまで自意識過剰だなあ)。ま、そうい
       う読者のためにも、この自己紹介を「副々読本」的意味合いを
       込めて、セッセと書いているのです。えっ? 「フグ毒本」じゃ
       ないってば。

8月23日(日) 厳しい残暑の中、外を歩くだけでもクソ暑い。全国の電力
       消費量は、甲子園の準々決勝とも重なって、すごいだろうなあ。
        おっ、第4試合は拓大紅陵が池田に逆転勝ちだ!
        本の森の狩人で筒井康隆氏が紹介していた清水義範氏の「世
       界文学全集」を買ってきて読み始めました。こーれは、絶対オ
       ススメ。腐りかけた脳味噌も、たちどころにリフレッシュして、
       モリモリと生き返るだにゃあ。
        たとえば、「聖書」の「パソコン取扱説明書用・訳」では、
       エホバ神の創造した天地を実際に作動させるための三つの手順
       が挙げられ、そのうち「天地を登録する」の手順では、「天地
       をファイルに表示させる」から始まって、最初の人間に息を吹
       き込むまでが書かれ、「最初の人間が生き物になったことがサ
       ブメニューに表示されます」、などという具合です。「エデン
       の園を初期化する」というメニューの説明も、楽しいぞ。
        こんな風に、17の世界文学を徹底的にパロっていて、知的
       冒険としてのパロディーの面白さを満喫することが出来ます。
        この本によって、BANYUUのDNAは、9月1日からの新職場
       に登録可能となり、精神状態は初期化されました。

8月22日(土) 「お前がいま見たことは、どんなことがあっても、決して
       人に話してはなりません。もし、このことを話したら、その時
       は、お前を殺します」……僕が最も好きな怪談は「雪女」だな
       んて書いたら(8/10日記帳)、昨日のフジテレビ系「怪談
       KWAIDAN」の三本目が、藤谷美和子演じる「雪女」では
       ありませんか! 一本目の「耳なし芳一」もスゴかったけど、
       「雪女」は鬼気迫るコワさと哀れさで圧巻でした。ラストは、
       お雪が死んでしまうんですねえ。
        今日、去年2月にTBS系で放映した「まんが日本昔ばなし」
       の「雪女」のビデオを、改めて見てみました。こちらの方が民
       話に忠実に出来ていますが、お雪は結局、夫となった巳之吉を
       殺せないんですね。
        手塚治虫の小品に、「雪女」にモティーフを取った「負け女
       郎」という、逸品があります。ここでも、負け女郎は、「あれ
       ほど話すなと約束しておいたのに」と、「あの日のこと」をしゃ
       べってしまった夫を殺そうとしますが、「だめよ。どうしても
       あんたを殺せない…」と、自ら風とともに去って行きます。
        お雪は、なぜ、約束を破った巳之吉を殺せないのか? ここ
       に雪女の本質を解明するカギがあると思います。
        こうしてBANYUUは、「雪女」研究家と化して、人生の後半を
       ひっそりと送った、と言い伝えられていますが、その姿を見た
       者はだれもおりません。

8月21日(金) 今の職場での勤務もあと10日。休みを除けば実質5日ほ
       どだ。所属の局が変わるという、ほとんど転職に近い、こうい
       う異動の直前は、いつもながら、心象風景はつらいものがある
       なあ。
        今日、僕にとっては最後となる販売局の合同部会。覚悟はし
       ていたものの、あいさつをさせられる瞬間が来た。
        僕 「ええ、はじめまして」
         (全員、あっけにとられ、僕が気が違ったのでは、と緊張
       する雰囲気がアリアリと分かる)
        僕 「はじめましてというのもヘンですが、僕は、ちょうど
       3年前、販売局に来た時、どういうわけか、合同部会でも合同
       デスク会でも、ごあいさつをしてないのです」
         (これ、ホント。まあ、ちょっとした手違いなのかな)
        僕 「で、ものの順序として、まずは3年遅れの着任のごあ
       いさつから」と、ひとしきり、着任あいさつ。
        「では続いて、離任のごあいさつに移ります。販売局の3年
       間は、長いようでアッという間でした。着任のごあいさつをし
       たのが、つい先程のことのように、思い出されます」

        いや、こういうことを、大マジメで言える人間というのは、
       朝日の販売局広しといえども、オレくらいのもんだぞ。もう、
       大ウケしたのしないのって。ウッウッ。局長が腹をよじらせて、
       下半身はイスに座ったまま、上半身を3回転させた上、吹き出
       さないように、顔の形を、両手で必死に固定させていたくらい
       ですから。

8月20日(木) 日中の気温は高いけど、夏の終わりが近いことが、日没時
       刻の早さから感じられる。
        さあ、今の職場での勤務も、あと10日ほど。なにかと、せ
       わしい(せわしない、というのが正しいのだろうか?)日々だ。
       明日は、販売局の8月の合同部会。僕にとっては最後の合同部
       会なので、挨拶しろとのこと。うーん、何と言ったらいいのか、
       悩むなあ。オレ、挨拶なんて、ニガテだよっ。
        「あー、皆さま」と徹底的に檪沢するか(8/4日記帳)。
       しかし、販売担当常務を始め、販売局長、局次長らがズラリと
       居並ぶ月1回の局の最大規模の会議の場で、どうかなあ。でも
       2月上旬のあの時期、販売局長は「BANYUU君、すっかり有名に
       なったねえ」なんてニコニコして声をかけてくれたから、案外
       ウケるかもしんないぞ。けど、常務は「朝ガス」なんて読んで
       ないかもなあ。ええい、もう考えるのはヤメじゃヤメじゃ。ア
       ドリブでいくっきゃないって。とかいって、ワナワナワナ……。

8月19日(水) 「朝ガス」売れ行き速報!
         神田の書泉グランデでは、2日−8日までの集計で、5位。
       同店の7月12日−18日の集計の3位(7/29日記帳)よ
       り2ランクダウンとはいうものの、大健闘。4位の伊集院静と
       6位の中島梓にはさまれているところが、なんとも言えないオ
       カシサがある。なんだか、ザ・ベストテンみたいだなあ。黒柳
       徹子さーん、元気ですかあ?

8月18日(火) みなさん、今日の毎日新聞の書評欄を、もう読まれました
       か? いやあ、スゴイぞ。「朝のガスパール」の書評が、6段
       もの大きさで、ドカーンと載っているのですぞ。それも、毎日
       新聞は1段が14文字で朝日よりサイズが大きいため、紙面の
       上からセンターまで、半分の高さを占めているのです。評者は
       瀬戸川猛資氏。書き出しからして「朝日新聞はもう少し注意を
       はらわなくてはいけなかったのである」と、ドキリとするよう
       な言い方なのだよ。
        読者罵倒について「まさか朝日新聞の人たちまで感嘆して眺
       めていたわけではなかろう。罵倒されているのは、他でもない
       朝日の読者たちだからだ」と、掲載中の朝日新聞の苦衷につい
       て察し、「しかし、結局はその朝日の寛容と忍耐のおかげで『
       朝のガスパール』という世にもおもしろい小説が生まれたのだ
       から、ここでは何よりもまず敬意を表したいと思う」と、極め
       て高く評価している。うーん、「寛容と忍耐」かあ。おもはゆ
       いというか、BANYUUはどんな顔をすればいいのだろう。
        評者が最ものめりこんだのが、「第二次元」つまり、BANYUU
       がどうしても感情移入しきれなかったレベル4で、「『サチュ
       リコン』的な壮大な頽廃の描写と小説としてのコクには堪能さ
       せられた」とあります。ああ、なんということを…BANYUUは冷
       汗たらーり、顔をひきつらせて心でほくそ笑む。クククッ。

8月17日(月) 一週間ぶりに出社してはみたものの、僕と入れ違いで夏休
       みに入っている同僚たちも多く、なんとなく閑散ムードだ。そ
       んな中で、行ってみよう! 今日は、なんとなんとの大予言だ
       ぞーっ。

        標題:虚人群大予言
         星稜・松井への、明徳義塾による五打席連続敬遠をめぐっ
        て、駅売りのスポーツ紙や各社夕刊は(昨日は新聞休刊日な
        もんで、今朝の朝刊は休みなのだよ)、大きく取り上げてい
        る。その中で、読売夕刊の書き方だけは、おやっ、と思うヘ
        ンな扱いだ。一面のよみうり寸評で、「チームプレーの野球
        で敬遠は作戦のうち。相手投手もつらかったろう」とあり、
        第二社会面の王貞治の談話は「明徳義塾にとってみれば、ど
        んな方法をとっても勝ちたいはず。明徳ナインを責めること
        はできない」。そして極めつけは、夕刊スポーツ面のコラム
        「目」の「明徳の“悪者扱い”は酷」という大越署名の記事
        で、「ルールの範囲内で、どんな野球をするかは各チームの
        自由だ」と結んでいる。
         ほほう。こーれは、例の江川事件のあったドラフト会議で
        の巨人首脳の言い分にソックリだぜ。そうだ。第二の江川事
        件と騒がれた桑田獲得ドラフトでも、同じような巨人の談話
        があったぞ。
         わ、わ、わ、分かった。巨人は、こんどのドラフトで、星
        稜の松井を「どんな方法をとっても」獲得するつもりだぞ。
        今日の読売夕刊の記事は、すべてその伏線に間違いない。こ
        の大予言が的中した時、世の中から一切の「正義」や「ひた
        むき」「真面目」は、滅びるであろう。その刻が、ヒタヒタ
        と近付いているのじゃ。げに恐ろしや〜。

8月16日(日) 夏休みの帰省も今日が最後。さきほど東京へ帰って来まし
       た。明日から、会社だ。ウェーン、31日まで休んでいたいよ
       お。

        なんだと、今日の甲子園は! あんなに、全国の高校野球ファ
       ンが楽しみにしていたゴジラ君、星稜(石川)の松井が明徳義
       塾(高知)によって、ご、ご、五打席連続の敬遠で、一度も打
       つチャンスを与えられなかっただって。ザケンじゃねえってん
       だよ。明徳義塾のヤロウめ。テメエらのやったことは、74回
       に渡る高校野球史上に残る、これ以上はないキッタネエ大汚点
       だぞ。どうせ、監督や学校幹部たちの、浅はかな入れ知恵だろ
       う。バッカモン! こんなことまでして勝ってうれしいか。あ
       あ、うれしかろう。このクソムシどもめ。野球ファンの子供た
       ちに、どう説明するんだよ。
        目的のためには、手段なんてどうでもいいのか。手段だ、フェ
       アプレーだというヤツらはバカか。明徳義塾は、はっきり言っ
       て、高知の恥、四国の大恥だ。明徳義塾の監督と、野球部に関
       係する大人たちは、全員、殺してヤル!!

8月11日(火)から15日(土)までは、夏休みで郷里に帰るため、日記帳
       はお休みさせていただきます。では16日(日)に、再見!!

8月10日(月) 週刊ポスト「8・21/28」合併号の、筒井康隆氏と白
       石加代子さんの、百物語談義は、なかなか面白い。復刻掲載の
       「如菩薩団」も実に恐ろしい話だ。
        人間は、なぜ怪談ばなしを好むのでしょうか? それも夏に
       なると。
        人間にとって、最も怖いのは人間であり、最も怖い世界は現
       世なのですね。僕が一番好きな(?)怪談は、日本の「雪女」
       です。以前、娘から「雪女は、夏をどうやって過ごすの?」と
       聞かれたことがあります。
        「ウーン。日本が夏の時は、南半球が冬だから、そっちの方
       へ行ってるんじゃないかな」と、僕。「でも、どうやって、暑
       い赤道を越えるのさ」と、娘。
        遠洋漁業船の冷凍庫に、ひそんでいる、なんてのは、だめで
       すかね(^。^)

では、怪談ならぬ真夏の夜の夢。こんなことって……。

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8月9日(日) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
       ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
       江坂春美 「ねえ、わたしたち、死んだの?」
       近間辰雄 「そうらしい」
       向井夫人 「とても死んだとは思えないわ。香奈ちゃん一家も
           舵安社長も、みんな乗ってるじゃない」
       江坂春美 「この旅客機、銀河に向かって進んでいるのね」
       近間辰雄 「よく見てごらん。銀河のように見えるのは、無数
           の飛行機なんだ。それぞれに人が乗っている」
       舵安社長 「あの飛行機のほとんどは、この前の大戦やさらに
           前の大戦で、撃墜されたり事故で墜落した飛行機なん
           だよ。われわれも、お仲間入りってわけ」
       尾上夫人 「もうじき、わたしたちの初盆なのね」
       郡司泰彦 「おれたちの初盆だって? クソッ、縁起でもねえ」
       江坂春美 「あの大きな飛行機見て見て。人がいっぱい乗って
           いるわ」
       舵安社長 「1985年に墜落した日航ジャンボ機だ。みんな
           手を振っているぞ。12日で、満7年になるんだ」
       須田香奈 「あーっ、坂本九ちゃんだ。九ちゃーん、げーんき
           〜?」

       坂本九 「おーい。そっちの皆さーん。せっかくだから、一緒
           に歌いませんか」

       ニューオリエント・エクスプレスの247人と、日航ジャンボ
       機の520人が、声を合わせ、歌声が銀河にこだまする……
        ♪♪ うえをむーいて あーるこおーお なみだがー こぼ
          れーないよおーにー …… ♪♪
       ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
          ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                      ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                           ☆☆☆☆☆☆☆☆
                               ☆☆☆☆
                                ☆☆☆
                                 ☆☆
                                 ☆☆
                                 ☆
                                 ☆
                                 ☆

8月8日(土) バルセロナ五輪で、最も心を打たれたのは、シンクロのデュ
       エットからはずされた小谷実可子です。悔し涙をこらえ、日の
       丸の旗を振って後輩の奥野・高山組に声援を送る姿は、いつま
       でも僕たちの心に残ることでしょう。
        今夜のNHK教育テレビの「勧進帳」。再放送ですが、また
       最後まで見てしまいました。勧進帳の主役は、一体だれでしょ
       うか? 義経ではないのはもちろんですが、じゃあ弁慶か。い
       え、僕は、この歌舞伎の真の主役は、富樫だと思います。富樫
       役の中村富十郎が冒頭に語っていましたが、義経・弁慶の主従
       たちと知った上で、一行を通過させることを決めた時、富樫は
       武士として死を覚悟で、すべての責任を自分で負うつもりだっ
       た、というのです。
        弁慶の豪快さ、頭の回転の鋭さ、立ち居振る舞いの華麗さは
       富樫あってのものなのですね。僕はかつて、富樫は憎らしい敵
       役、程度の認識でしか見ていなかったけど、いま思うと、なん
       という浅い見方だったのでせうか。

8月7日(金) しかし、斎藤孝明さんの自己紹介を、斎藤さんが読めても僕
       たちには読めない、というのは、あな恐ろしや。これも百物語
       の世界だ〜。うーん。亀山アン子の霊といい、じゃない、例と
       いい、怖くなってきたぞ。このBANYUUの自己紹介は、ほかの人
       たちには、読めているのだろうか? 少なくとも、先月中頃に
       は、読めていたのは間違いないが……。今は、ひょっとして。

1【次会議】 2. 一覧 3. 表示 4. 書込 5. 他 番号> pro

ID(複数可、改行=TU9T-SMZ):
... TU9T-SMZ さんという方はおりません。

 ワアーッ!! これは夢か、うつつか。

8月6日(木) こんな自己紹介、始めなきゃよかった。BANYUUは吐き気に堪
       え、日記を続けることの難しさを後悔しながら、ワープロに向
       かっていた。連日書こうとしたのがよくなかったようだ。こん
       なものを毎日書いているオレって、いったい何だろう。惰性だ
       ろうか。夜は眠れないからなのだろうか。あとになるほど、だ
       んだんひどくなってきて。うーゲロゲロゲロ。

8月5日(水) 松本清張氏の死去を悼み、心からご冥福をお祈りいたします。
       学生時代は、授業をサボッても、清張氏の小説を連日、読みふ
       けったものでした。
        9月1日から僕が行くニューメディア本部は、組織上は特定
       の局に属さない「直属」と呼ばれる組織群に入るらしいです。
        僕が、社会部記者だったころ、ネームプレートの色は、編集
       局の「黄」でした。それが制作局に移って「赤」になり、現在
       の販売局では「青」です。「直属」の職場では、「白」になる
       とのことです。朝日新聞社の中で、僕ほどさまざまな局を経験
       する社員もめずらしいのですよ。「局を駆けるオジサン」、そ
       の名をBANYUUこと朝日新聞のポルコ・ロッソとか。
        僕のネームプレートの色は、さしずめアジサイ、どころかカ
       メレオン。「ネームプレートの色が変わらねえ豚は、ただの豚
       だ」。おっ、朝日新聞社員の、あなたまで、僕の自己紹介を読
       んでくれるとは! あなたのネームプレートの色、そろそろ、
       変えたら?

8月4日(火) あー。皆さま。読者諸君。と、BANYUUは立ち上がり、向きを
       変えて一礼する。(なんだ、こりゃ、檪沢のマネだな)
        今日の販売局合同デスク会で、発表がありましたので、ここ
       に謹んで、異動のご挨拶をさせていただきます。
        僕は、9月1日付で、これまで3年間在籍した販売局から、
       ニューメディア本部に移ることになりました。お硬い(?)朝
       日新聞にしては、数少ないカタカナ名の職場で、僕の担当は、
       記事データベース編集室のデスクワークとのこと。もう、これ
       ほどBANYUUにピッタリの職場はないと思われるほどの、願って
       もない異動先で、嬉し涙にむせんでいます。
        ニューメディア本部長に、とりあえずの挨拶に行ってきまし
       たが、な、な、な、なんと本部長の机の上には「朝のガスパー
       ル」の単行本がおいてあり、BANYUUが罵倒されているページに
       しっかりと紙をはさんでいるではありませんか!
        そして、本部長がニヤリと笑って言うには、「登場してます
       ね。読みましたよ」だって。あわわわわわ(^。^;)
       というわけで、ニューメディア本部の皆さま、ネット事務局
       さま、アサパ会員の皆さま。これからも、よろしゅう、お付き
       合い、お引き立てのほど、おたの申しあげます。

8月3日(月) YAWARAちゃんは16歳で堂々の銀メダルだというのに、
       この痛々しいほどのしょげようは、マスコミによるバカ騒ぎと
       異常なプレッシャーのせいだぞ。だから僕はマスコミなんて嫌
       いなんだ。YAWARAちゃん、笑顔で胸を張って帰っておい
       で!
        今日、9月号のPR版用に、「宮尾登美子全集」の原稿を出
       版局に頼みに行ったら、「朝ガス」単行本の、すばらしい宣伝
       ポスターが張ってありました。どうしても欲しくなり、おずお
       ずと頼んでみたら、「どうぞどうぞ」というわけで、3枚もらっ
       てきました。ウレピーッ。このポスターも「家宝」にしよう。
       ウヒヒヒ、家宝がどんどん増えるぞ。2月5日から4日間の朝
       日新聞も、6月1日号の「ASAhIパソコン」も、このポス
       ターも。子々孫々にまで、家宝として伝えるのじゃぞ。
        朝ガス売れ行き速報! トーハンの7月28日調べの週間ベ
       ストセラーでは、単行本=文芸のジャンルで先週より1ランク
       上がって6位と大健闘です。

8月2日(日) ※亀山アン子の呪いにより消去されました

8月1日(土) 30日から31日にかけて、アメリカ、ネパール、中国で航
       空機事故が3件も連続発生している。なぜ、航空機事故は連鎖
       的に起こるのか。これは、現代の怪談であろうなあ。

       【裏・百物語】ヒーッヒッヒッヒ。今日は、このネットの中に
       潜む、身の毛もよだつコワーイ妖怪の話をしよう。
        「猿マス」なる会議室に出没しているリリアンこと本名亀山
       アン子なる92歳の老婦人の正体について、どう思うかね。
        亀山アン子の自己紹介を読んでみよう。

=== <266> math, AZ6R-KMY(亀山 アン子), 92/ 8/ 1 15:34, 21行, 0(0)関連
標題: 今宵、恐怖の「猿マス百物語」のはじまりはじまり
                  恐怖の館のマダム リリアン
=== 猿でもわかる数理の花園 (未読 0/総数 266)
1【次】 2. 前 3. 一覧 4. 表示 5. 書込 6. 次会議 7. 他 番号> pro

ID(複数可、改行=AZ6R-KMY):
... AZ6R-KMY さんという方はおりません。

        つまり、亀山アン子は、実在しない。かりにチチクリマンボ
       ウ、いやハメハメハ大王の二重IDだとしても、自己紹介が出
       ずに「AZ6R-KMY さんという方はおりません。」という表示しか
       出ないのは、奇怪としかいいようがない!
        亀山アン子は、もうとっくの昔に死んでいる。紅茶に毒を盛
       られて……。恐怖の館で、亀山アン子が声を上げているぞ。
        「ノーマン! お前はハンドルを変えすぎだよ。あたしゃ、
       リリアンなんてハンドル、嫌いだ。あんみつ姫に戻しておくれ
       よ。ノーマン、暑いから少し窓を明けておくれ」

7月31日(金) 新聞連載の朝ガスが終了して、ちょうど4カ月だ。不思議
       だなあ。それがもう本になって、あちこちでベストセラー入り
       しているとは。さらに不思議なのは、筒井線の怒涛の日々が、
       もう二冊の本になり、もうじき三冊目が出るという、この虚実
       の転倒感覚だ。
        エンデの「はてしない物語」で、アトレーユが数々の冒険を
       経て、洞窟のようなところにたどり着く。そこの壁には、自分
       がつい先頃まで体験した勇気や悲しみ、希望などの物語のシー
       ンが、かなり昔に描かれたようなタッチの壁画となっている!
       僕は、朝ガス単行本や、電筒本を開くたびに、この時のアトレ
       ーユのような、めくるめく感覚に襲われるのです。筒井線で体
       験したことは、現実だったのだろうか。ひょっとして、あれも
       物語の一部であり、虚構だったのではないか。そんな錯覚にさ
       え陥るほどです。
        今これを書いているBANYUUは、現実の存在なのでしょうか。
       それとも、虚構内存在としてのBANYUUでしょうか?

7月30日(木) ほほう、超電脳船団ステージでは「百物語」が始まるのか。
       暑気払いに、ゆっくりと観賞させてもらうとしましょう。
        「百物語」と言えば、百本のろうそくに灯をともして、怪談
       を一人が一つずつ話すごとに、ろうそくの灯を一本ずつ消して
       いく。百の怪談が終わって、最後の一本のろうそくが消えた時、
       本物のお化けが出るんですね。
        ろうそくは、どういう形で灯すのでしょう。
       最後に出てくる本物のお化けとは、なんでしょう。
        僕も「裏・百物語」でもやるかな。
        お化け屋敷で、いやがられる客のワースト5を、この間、ラ
       レビでやっていました。
        ワースト5 キャーキャー騒ぐ客。
        ワースト4 お化けに暴力をふるう客。
        ワースト3 お化けにさわってふざける客。
        ワースト2 カップルでいちゃつく客。
        ワースト1 仕掛けをいたずらする客。

7月29日(水) 「朝ガス」売れ行き速報!
        みなさん、お暑うございます。夏バテに気をつけて、ガンバ
       リましょう。さて、ついに、「朝ガス」、銅メダル出現のニュ
       ースですよっ。神田の書泉グランデでは、12日から18日ま
       での週間ベストテンの、ななな、な、なんと3位。どうです、
       堂々たる「銅メダル」獲得です。このシャレどう、なんちゃっ
       て。集計時期を見れば、さらに浮上する可能性は十分あります
       ね。この書泉グランデは、「電筒本」パート2でも、「銅メダ
       ル」に入ったことのある「優秀店」(!?)であります(5/
       27 日記帳)。
        さあ、つぎのお楽しみは、いつ、どの地区の書店で「銀メダ
       ル」「金メダル」が出現するか、ですね。首都圏か、関西か、
       名古屋圏か、あるいはもっと北、または南か。岩崎恭子ちゃん
       に続け! ニッポン、チャチャチャ。
        「朝ガス」、チャチャチャ! 「電筒本」、チャチャチャ!

7月28日(火) 今朝、おなじみの銀座四丁目地下の喫茶店で、モーニング
       サービスのセットとアイスコーヒーを注文しました。いつもの
       通り、2枚のトーストに、マーガリン、ジャムをつけて食べ、
       ゆで卵に塩をふって食べ、生野菜サラダをほとんど食べ終えよ
       うとした時、サラダの皿の中にドレッシングにまみれて、2セ
       ンチほどの長さの黒いもの。足がヒイ、フウ、ミイ……6本。
        とっさに、「ミンボーの女」のゴキブリの死骸の場面を思い
       出し、僕は叫ぼうとしたのです。
        「こら、店長を出さんかい。どないさらすつもりじゃ。チン
       ポ根えからぶった切ったるさかいそない思え。おんどりゃどな
       い思うとるんじゃ。すぐ何とかしたらんかい」
        しかし、次に僕は「紅の豚」のポルコを思い出し、ポルコに
       なりきって、ウェイトレスを手招きして、そっと耳打ちしたの
       です。
        「とてもおいしそうなサラダだ。でも、朝はやめとくよ。コ
       イツの身をほぐしている時間がないから」

        「朝ガス」売れ行き速報! 大阪・梅田の紀伊國屋で、フィ
       クション部門の5位。このBANYUU版速報は、しばらく続きます。
       みなさん、毎日、新規追加分だけは読んで下さいね。

7月27日(月) 「朝ガス」売れ行き状況速報!
       トーハンの21日調べによる「今週のベストセラー」の中で、
       「朝ガス」は単行本=文芸の部の7位となっています。昨日も
       書いたように個々の書店によっては早くも4位というところも
       あり、札幌の「リーブルなにわ」では、12日から18日の週
       間ベストセラー10位というぐあいです。
        それにしても、あちこちの書店で、「朝日殺人事件」という
       のが、ベストテンに入っているけど、どんな内容なんだろう?
       美也夫人の「殺しなさい」をまともに受けた刺客によって、朝
       日の社員であるBANYUUが殺されるとか……あわわわわ、クワバ
       ラクワバラ。これじゃ「朝ガス殺人事件」だよ。
        それにしても、こんどの参議院選挙の結果は、サッパリ分か
       らん。自民が大勝したのに、与野党の逆転状況は選挙前よりも
       拡大とは!? 

7月26日(日) 今日は美容院へ行ったり(今はトコヤに行く男なんて、オ
       ヂサンだよ)、上の娘と中野の家具屋へ行ったりして、さっき
       帰ってきたところ。ん? 今日は何かの日じゃなかったっけ。
       バルセロナ五輪が開幕して、阪神が再び単独トップになって…
       そうだ、わ、忘れていた、参議院選挙の投票日なんだ。入場券
       はどこだどこだ。あらゆる引き出しやらバッグやらの中を探し
       たけど、入場券は見付からない。特に投票したい候補者もいな
       いし、投票に行くのはやめようかなあ。
        しかし、投票に行かなかったら、今後三年間、後悔するかも
       しれないぞ。というわけで、入場券なしで投票所へ行き、入場
       券の再交付の手続きをしてもらい(住所、名前、生年月日を言
       うだけ。ほかに何も提示する必要なし)、投票してきました。
       東京選挙区で投票した候補者と、比例区で投票した政党とが一
       致しない選択となりました。
        朝日新聞の今朝の13面、読書欄の「うちのベストセラー」
       によると、青山ブックセンター六本木店での11日から20日
       までの集計で、「朝のガスパール」は早くも堂々、総合の4位
       であります。うれしいな。僕の予想では今後さらに、あちこち
       の書店で「朝ガス」はベストセラーの上位に上がっていくこと
       は確実。ミリオンセラーとなるのも夢ではありません。

7月25日(土) 今日、「紅の豚」を、例によって2回連続して観てきまし
       た。映画館を出た時には、もうすっかりポルコになった気分で、
       豚の鼻になったつもりで歩いています。ポルコはなぜ自ら進ん
       で豚になったのか? こーれは、人は何のために生きているの
       か、という問いと同じくらい、根源的な問題なのでしょう。
        「飛ばねぇ豚は ただのブタだ」 キャッチコピーにもなっ
       ているこのセリフは、人生のさまざまな場面にあてはまります。
        「人間なんてやめて豚として生きたい」。と、思う時はみん
       なあります。しかし、問題は、どういう「豚」として生きるの
       か、なのですね。飛ぶ豚か、飛ばねえブタか。
        映画を観たあと、僕はいろいろと自らを振り返って見ました
       が、「筒井線」に関する限り、BANYUUはせいいっぱい、ポルコ
       的に(^。^)、最後まで崩れることなくスタンスを維持出来た、
       と気取っています。
        明るい宿敵カーチスは、××××さん。美しいマダムのジー
       ナは××さんか、×××さん、いえいえ××××さんかな。ピッ
       コロおやじは、当然××。さあ問題はフィオですよ。やっぱり、
       あの人かな。

7月24日(金) 猛暑のせいか。いろんなことが起こる。今日は、本社見学
       案内の第一回が始まる午前11時直前に、見学係長の50歳代
       のおじさんが、急に「腕が、焼け火箸で刺されたように痛い」
       と真っ青な顔色で訴え、本社内の診療所へ駆け込んだ。ところ
       が、間もなく、看護婦さんから見学係に電話が入り、慶応病院
       に行ってもらうので、ハイヤーの手配をするように、とのこと。
       慶応病院で精密検査をした結果、頸椎ヘルニヤではないか、と
       いう診断で、とりあえず首にギブスをして、そのまま車で帰宅。
       明日から、千葉大の整形外科で治療を受けることになった。
        この騒動の中、こんどは、本社見学にフリーで(予約なしで)
       やって来た人の中に、害基地とおぼしき男あり。見学の途中、
       社内のあちこちで踊り出したり、「高校三年生」の歌を大声で
       歌ったり。結局、警備員がピッタリ付いたためか、途中で「見
       学放棄」して、さんざんコンコースでわめいたり踊ったりした
       あげく、帰っていった。
        いやもう、かなわんよ。こっちまでアタマがごちゃごちゃ。
       桜田淳子の婚約発表は、なぜ遅れているのだ。イラクの停戦決
       議違反に対して、米英が空爆辞さずで合意。第二次湾岸戦争勃
       発の危機高まるだって? うわわわわ。そんなことになったら、
       バルセロナ五輪がふっとぶぞ。

7月23日(木) 「朝ガス」初版本は何部印刷したのか知らないが、こーれ
       は貴重本になるかもしれないぞ。今日の夕刊2面に、朝日新聞
       の新刊書の広告が「ベストセラー勢揃い!」として、7段分の
       大きさで掲載されています。なんと朝ガスは、その三分の一を
       占拠していて、「発売たちまち大増刷!!」とうたっています。
       投書をイラストにした16回目の挿絵も掲載されていて、「仙
       台市 三神紗嘉子」の文字も読み取れます。紗嘉子オバタリア
       ンは朝ガス単行本を買ったんでしょうかねえ?
        さらに広告の中に、「主な登場人物」として、貴野原征三、
       貴野原聡子、深江、石部智子、杉原、檪沢の6人が顔のイラス
       トとコメント付きで紹介されているのも異例だぞ。
        檪沢についてのコメントは「虚構内の『朝のガスパール』の
       作者。読者の非常識な声に怒りを押さえきれず…」だって。お
       お、非常識な声を上げたヤツはどこのどいつだ(^。^;)
       この「押さえきれず…」の次こそが、朝ガスのクライマック
       スとなるのだよ。

7月22日(水) 標題:貴野原聡子さまへのメール

        聡子さま、お元気でいらっしゃいますか。こんなメールを出
       していいものやら、戸惑っておりますが、なぜか、聡子さまの
       ことが、日々、どうにも気になって、とうとう、失礼を顧みず
       に、メールを出すことにいたしました。
        でも、不思議ですねえ。新聞連載当時、あれほど感情移入が
       出来なかったあなたのことを、なぜ、いまごろになって、こん
       なに気にしているのか。自分でもはっきりとは、分からないの
       です。たぶん、「朝ガス」が本として出版されて以降、お互い
       に登場人物同士という、妙な連帯感のようなものが僕の心の中
       に生まれつつあるのかも知れません。
        聡子さまに、こうやってメールを出すことが出来るというこ
       と自体、僕は自分が虚構内存在としてのBANYUUだからなのだと、
       じゅうぶんに承知しています。
        今日、東京証券市場では、前日比、460円46錢安、日経
       平均株価1万5541円95錢と、今年の最安値でした。聡子
       さま。銀行の岡頭取から巨額の融資をしてもらって、株破産の
       状態から脱却出来たのは、つい、先日のことですよ。まさかま
       さか、新たに、ご主人に内緒で株に手を出してはいないでしょ
       うね。そんなことをすれば、新たな悲劇的虚構の始まりになる
       のですよ。
        マントルピースの上の、シリコニイはどうしていますか? 
       僕の予感では、それが動きだし、しゃべりだした時が、「朝ガ
       ス Part2」の始まりなのですよ。聡子さま、あなたのこ
       とをいつも気にかけています。
        ではまた、メールを出します。ご主人によろしく。

7月21日(火) 今日も暑かったですねえ。今夜は鰻重にしようと娘たちに
       せがまれていたので、帰宅途中の鰻屋さんで鰻重を買おうとし
       たら、蒲焼きが山のように並べてあるだけ。水戸泉そっくりの
       店のオバサンが「今日は鰻が売れて売れて大忙しで、鰻重作っ
       ているヒマないのさ。蒲焼き買ってってゴハンの上に乗せりゃ
       鰻重になるよ」だって。しょうがないから、蒲焼きを三串買い、
       ホカ弁の店でライスだけを三パック買って、家の電子レンジで
       チンして、オバサンの言うとおり「鰻重」にして食べました。
        あのですね、水戸泉そっくりの顔をしているオバサンは日本
       全国のどこの町にも一人か二人は必ずいて、たいていは割烹着
       を着て買い物カゴを持って外を歩いているそうです。
        さっきのテレビ朝日系「平成ふしぎ探検隊」、見ました?
       ターミネーター2のラスト近く、熔鉱炉のところでT1000型タ
       ーミネーターが化けたサラ・コナーの背後から、本物のサラ・
       コナーが現れるシーンは、CGやSFXを使わず、リンダ・ハ
       ミルトンが双子の姉妹と二人で演じていた、というから驚き!
       同じく、インスタント・コーヒーを飲もうとした太った警備員
       が、T1000の変身したソックリさんと顔を見合わせ、殺される
       シーンも双子の兄弟というから、キャメロン監督もやってくれ
       ますねえ。

7月20日(月) わーっはっはっは、皆さん、笑わないで下さいね。BANYUU
       が、文学賞の審査委員をつとめるなんてことが、「ある」と思
       う人……ゼロ人。「ない」と思う人……全員。そりゃそうだよ
       ね。でも、僕は今日の午後、文学賞の審査委員となって、新宿
       での審査回に出席して来たのですよ。賞の名前は、「第6回こ
       どもおだきゅう沿線文学賞」。日本児童ペンクラブが主催し、
       毎年3000点近い応募がある文学賞で、審査委員には同ペン
       クラブの三宅恵子会長らもメンバーに連ねています。というわ
       けで、三島賞にはチョイおよばないけれど、3時間近い選考を
       経て、日本児童ペンクラブ賞、朝日新聞社賞などの特別賞7点
       と、金賞、銀賞、銅賞、佳作各10点ずつ、合計47点を決定
       してきました。朝日新聞社賞に決まった子に、BANYUUから「朝
       のガスパール」の本を送ろうかなあ。いやいや、本を読んだ後
       で驚いて賞を辞退されると困るから、そうゆうシゲキ的なこと
       はやめておこう。
        家に帰ったら、著者謹呈の「朝のガスパール」が送られてき
       ていました。あ、あ、あ、あ、ありがとうごぜえますだ。本に
       はさまれている「謹呈 著者」と書かれた白い紙が、おフダの
       ように見えますだ。神棚に飾ろうか、母の遺影に捧げようか。
       そうだ、ワープロに貼って魔よけとしよう!

7月19日(日) ただいまあ。小旅行を終えて、さっき東京に戻りました。
       うわわわ。乙姫クラブで、僕の自己紹介について、いろいろ書
       かれているぞ。でもまあ、力作とか、面白いとか言ってくれて
       ありがとうございます。ええええっ? 笑犬楼さままで、お読
       みになったとは。30分も貴重な時間をすみませんでした。笑
       犬楼さまに、おもしろいなどと言っていただけるとは、恐縮の
       至りであります。
        ところで、ネット事務局の方からメールが入っていて、近日
       中に自己紹介の容量制限をして、一人200−300行程度に
       するとのこと。やっぱりなあ。底なし沼ってことは、あり得な
       いんだ。そうなったら、容量の範囲で、一週間ごとに更新するっ
       きゃないな。でも、これまで書き込んだ分を消すのも、なんか
       モッタイナイというか、残念というか。ううん、これから秘策
       を練ろう。BANYUUの辞書に、「不可能」という文字はないのだ
       よ。ヒヒヒヒヒ。

7月18日(土) わあっ、今日はなんと毎日新聞に「朝ガス」の書籍広告が
       載っている。こっちのキャッチコピーの方が面白いぞ。「2万
       5千にのぼる過激な意見、提案、暴言が物語を思いも寄らぬ方
       向へ導いていく……」。ホント、思いも寄らぬ方向だったよな
       あ。すべてにおいて。
        今日は、嵐山・天龍寺で、じっくり時間をかけて庭園などを
       観て回ることにしました。あちこち動き回るのも、疲れたもん
       で。境内に入って右に、飛雲観音像というのがありました。説
       明文を読んで、クギ付けとなりました。これは航空機事故で亡
       くなった人々を、国籍・宗派を問わず回向するために建立され
       たとあり、観音像なのに十字架をかかげています。
        あ、あ、あのですね。ニューオリエント・エクスプレスの爆
       発事故も、航空機事故そのものですよね! おお、南無阿彌陀
       仏、アーメン。僕は観音像に手を合わせ、パーティー常連たち
       の冥福を、改めて、お祈りしたのでした。

7月17日(金) 祇園祭りのクライマックス、山鉾巡行というのに、雨だよ。
       辻回しは、これまでも何度か四条河原町交差点で観ているので、
       今回は、まだ観たことのない「しめ縄切り」と「くじ改め」に
       鑑賞のポイントを絞りました。この「しめ縄切り」はスゴかっ
       た。四条麩屋町に張られたしめ縄のギリギリ直前まで、長刀鉾
       が進み出て、止まる。この緊迫した対峙の瞬間は、ゾクゾクす
       るほど。弁慶ら義経の一行が、富樫に止められる瞬間みたい。
       報道陣の多くのカメラの放列を前に生稚児が刀で、一刀両断の
       もとにしめ縄を断ち切る。どよめきと拍手が沸き起こり、巡行
       が始まるなんて、なんと粋でお洒落なのでしょう。
        ところで、昨日、東京の朝日新聞に載っていた「朝ガス」の
       書籍広告が、こっちでは、今朝の朝日に載っている。山鉾巡行
       の日に、合わせたってことは、やっぱりないか。

7月16日(木) 今日から、プレ夏休みといったところ。祇園祭りの宵山で
       にぎわう京都に来ています。よくこんな時期に京都に宿が取れ
       たって? いやね、僕は嵯峨野の奥地に小さな庵を結んだので
       すよ。いつでも出家できるようにと。なんてウソッパチ。煩悩
       だらけの僕には、出家も出世もムリムリ。
        今朝の朝日新聞に「朝ガス」の書籍広告が載っていますね。
       「必読のサブテキスト」として、「電脳筒井線」PART1、
       PART2の宣伝も出ている。おっ、パート3<完結編>は8
       月下旬刊となっている。収録MESの数が多いから、当初の予
       定より遅れるのかな。
        16日−18日の分は、東京に帰ってからのアップです。

7月15日(水) ドッボーン。ブクブクブク。
       乙姫クラブというところから、また水面下に戻って来たぞ。し
       かし、乙姫クラブというからには、あの会議室も海の中なのだ
       ろうなあ。いや、海の中にも、さらに海があって、あの海とこ
       の海は、水が交わらないのかも知れない。
        いやあ、それにしてもドキドキしたなあ。MESを書き込ん
       だのは、4カ月ぶりですよ。でも、穂高さんの、やさしいフォ
       ローに、涙がこぼれそうになりました。穂高さん、その節は本
       当にごめんなさい。そして今日は、あんなに温かいコメントを
       付けていただいて、とってもとっても、うれしかったです。
       それから、僕の名前を呼んでくれたアホウドリさん。感謝し
       ています。筒井線の人達は、本当にいい人たちばかりです。今
       から、また「朝のガスパール」の単行本を読み返します。こん
       なスゴイ小説って、初めてです。コーフンのあまり、舞い上がっ
       て空を飛んでしまいそう。
        明日16日から、4日間ほど旅に出ます。その間の日記帳は
       帰ってから、書きます。ではでは。
       P.S. 今、「朝のガスパール」を読んでいて、面白いこと
        に気付きました。みなさん、お気付きでしたか? 276ペ
        ージ、137回(3月6日)の挿絵は、実は、新聞連載では
        134回(3月3日)の挿絵ですね。新聞連載の137回の
        挿絵は、松竹梅をバックに檪沢が、檪の葉の紋が入った裃を
        着て、読者に最後の挨拶をしている姿のはずです。あの挿絵
        には、ジーンときたものですが。

7月14日(火) 「朝のガスパール」の単行本を、今日、本社2階のサービ
       スセンターで買って来ました。発売日は明日なのですが、もう
       今日から入荷していました。こーれは、ベストセラー、間違い
       なしの、空前絶後的新聞連載メタフィクション超文学でありま
       す。新聞連載を切り抜いて保存していた方々にも、これはぜひ
       ともオススメ! とりわけ、投書やパソコン通信の反応が、い
       つの時点での話なのかが、一目瞭然。一回ごとに掲載日が明記
       されていて、新聞休刊の日も、きちんと書かれています。
        BANYUUが、12月16日の新聞休刊日に「今朝の『朝ガス』
       は……久々に、SFしていて、面白かったなあ」などと書いた
       MESの背景も、一目瞭然なのであります。朝ガスは、読者の
       反応に対する「リアルタイム」という制約を、究極まで追求し、
       その結果、新たな芸術の世界を開拓した、文学史上の記念碑的
       作品、と言えるのではないでしょうか。

7月13日(月) 昨日と今日、シム・シメールの絵が相次いで、家に配送さ
       れてきました。「ここは彼らの惑星でもある」(6/20日記
       帳)と、「宇宙の宝石」(4/10日記帳)です。こんどは、
       いずれも小学館の画集と同じもので、「時の渓谷」(4/25
       日記帳)と合わせ、わが家は、ちょっとしたシム・シメール美
       術館です。
        ところで、どうも気になるのは、「電脳筒井線パート3」掲
       載MESの中で、BANYUUの24本のうちの、#16424です。これ
       は、筒井線での僕の400本のMESのうち、ただ1本の自己
       消去なのですよ。何が書かれていたのかをめぐって、さまざま
       な憶測が飛び交ったのも、記憶に生々しいですね。これは、ど
       ういう形で掲載されるんでしょう? 「※著者が消去しました」
       として、本に掲載されるなら、パート1、2、3を通じて、唯
       一のケースでしょう。なにしろ、佐野史和氏が消去した#2512で
       さえ、復元されて掲載されているんですから。
        しかし、僕の#16424を復元することだけは、やめて下さいね。
       #16424の本質的意味は、まさに、自己消去したという、そのこ
       と自体にあるのですから。

7月12日(日) 今日は夕方、上の娘と二人で、帝劇に「ミス・サイゴン」
       を観てきました。ベトナム戦争ものの映画はいろいろ観ました
       が、このミュージカルは完璧かつ、最高です。プッチーニの歌
       劇「蝶々夫人」と共通するモティーフが流れていることは、い
       ろいろな劇評で書かれているのではないでしょうか。これから
       観る方へのアドバイスとしては、多少のお金をはずんでも良い
       席を確保すること、それとあらすじを知ってから見る方が絶対
       に楽しめる、ということです。ホーチミン像前のシーン、ヘリ
       コプターのクライマックスシーン、アメリカンドリームのシー
       ン等々、たくさんのヤマ場があります。カーテンコールも、す
       ごくおしゃれでしたよ。
        さて、「電脳筒井線 パート3」のMESを、乙姫クラブで
       しゅんさんが、収録者別に集計してくれています。本当にご苦
       労さまです。BANYUUのMESですが、僕も自分で数えてみまし
       た。
        第7章 #4631 #4975 #6584 #6755 #6893 #6960 #7060
        第8章 #7164 #9773 #10403
        第9章 #12511
        第10章 #15889 #15999 #16011 #16039 #16206 #16213
           #16399 #16401 #16402 #16410 #16424 #16773 #16374

       ということで、24本になりませんかねえ。もっとも、#16424
       はMESに含めるかどうか微妙なところですね。僕としては、消
       去したという行為そのものが、あの時点のBANYUUを最も的確に表
       現する、せいいっぱいのMESだったのですが。

7月11日(土) 今日は、江の島−三崎−江の島と、ヨット・クルージング
       で一日中、楽しみました。こーれはですね、うちの職場のOL
       が職場結婚(相手は他局)をしたお祝いに、新郎新婦を招いて
       内々の職場仲間でパーティー代わりに実施したのです。いまの
       若い人達の感覚は、リッパです。籍は入れたものの、まだ式も
       挙げてなく、披露宴はやらない、新婚旅行は目下お互いに仕事
       が忙しいので、後でやる。そんなこんなで、せめて周囲の同僚
       で祝う会を、ということになったのです。
        結婚披露宴についての考え方は、千差万別ですね。この2、
       3年の間に結婚した、うちの職場のOLたちの場合、500万
       円から600万円もかかるデラックスな披露宴をするか、ある
       いは、披露宴をやらないで友人達による会費制のパーティーを
       やるか、どちらか両極端に分かれています。こーれは人生観の
       問題でもありますしね。
        それにしても、今日、三崎で食べたマグロ料理のフルコース
       は、ホッペタが落ちるほどウマかった。中でも、マグロの心臓
       はコリコリしていて、美味そのものでした。ヨット・クルージ
       ング、やみつきになりそう!

7月10日(金) 今日の朝日新聞夕刊Gセクション(東京セット地区のみ)
       の15ページに、風変わりな劇団「アイランド・ナイランド」
       の新作公演が紹介されています。それによると、この劇は、女
       彫刻家が作り出す様々なオブジェによってほんろうされる彫刻
       家の運命を描くもので、観客は、傍観者になるか参加者になる
       かを選ぶことが出来、参加者を希望すれば芝居の中で「彫刻」
       として扱われることで、劇の進行にかかわっていく、というの
       です。しかも、入場料は、傍観者が2000円、参加者が23
       00円と格差も付けられているのです。
        こーれは、何だか、朝ガスに似ていますね。でも、朝ガスは
       傍観者か参加者かの区別など、最初からなかった。僕だって、
       もともとは、静かな傍観者(ROM)に徹するつもりだった。
       それが、それが、うっうっ。虚構世界の中に4日間も連続して
       実名登場することになろうとは。ああ、単行本の刊行も、もう
       すぐだ。BANYUUよ。スタンバイいいか。OK? さあいくぞ!

7月9日(木) いやあ、小学生の時以来、こんなに長く断酒したことがあっ
       ただろうか。43日間、一滴のアルコールも体内に入れず、と
       もかく、「忍」の一字で我慢し続けてきました。今日、その状
       態で血液検査を受けるため、でもあったのです。
        この間、特に間食を採ったわけでもないのに、アッという間
       に体重が5キロも増えて、腰回りが苦しくなりました。そのこ
       とを医師に話したら、極端な断酒はかえってストレスを増し、
       過食をしなくても体重の急増につながる、とのこと。そこで、
       週2−3日の休肝日を作ることを条件に、深酒しない程度にお
       酒を飲んだ方がいいという、医師のありがたい診断が出て、ほ
       ーんと、ひっさしぶりに、バーボンのハイボールを口にして、
       酔いしれています。
        月、火、水はアルコール抜き、木、金、土、日は飲む、とい
       うふうにしようかなあ。うん、これでいこう!

7月8日(水) 今日は3年ぶりの参院選公示というのに、前回のような「山
       が動く」かも知れないという劇的な期待感もなく、つまらない
       選挙だ。PKO選挙などと言っても、法案を成立させた後の選
       挙なんて、どれほどの意味があるのだろう。世は平成大不況で、
       新聞業界も青息吐息。わが社もあらゆる設備投資はストップ、
       新規プロジェクトもダメ。対予算効果の乏しい事業・企画はす
       べて整理。まさに大世紀末の閉塞状況に息が詰まりそうだ。何
       か面白いことはないかなあ。なんて子どもみたいな退屈感で辟
       易している毎日です。
        部員の書いた社報用原稿にデスク処理をほどこして、プリン
       トアウトしたものを出稿しようとしたら、パソコン通信の社内
       ネットで社報担当者のメールに送信せよとのこと。わが社の社
       内ネットは、社員の交流の場としてはなかなか育たず、結局、
       送稿手段としての道を歩んでいる。これはこれで、妥当なやり
       方かも知れない。
        ああ、それにしても、何か面白いこと、あ〜りませんか?

7月7日(火) 今日は七夕ですねえ。東京はあいにくの梅雨空で、星は出て
       いない。クォールは、どのあたりにあるんだろう。「まぼろし
       の遊撃隊」の深江は、いまごろ貴野原聡子と天の川で遭遇して
       いるのでしょうか。
        どんよりした夜空を見上げて思うことは、重力と加速度の等
       価性、つまり重力と加速度は見かけ上の同質性だけでなく、本
       質的に同じ力である、ということの不思議さです。エレベータ
       ーの中の観測者にとっては、自分に加わる力が重力なのか加速
       度なのかを識別出来ない、というよりも、それは同じものだか
       ら区別は不可能なのです。
        ネットでも、似たようなことが起こり得るのです。たとえば
!!!
*** メールが来ています。

        おや、あなたにメールが来ているそうですよ。どうします?
       この自己紹介はとりあえず中断して、ma 「改行」と行きま
       すか。
        あらら、本当にメールのほうに行っちゃった。冗談がキツす
       ぎたかな。ま、こんな具合に、ディスプレイに出たメッセージ
       について、真か偽かの区別は、少なくとも文字面からは識別困
       難なのですよ。はい、今宵はこれにて、デハ、マタアシタ。

7月6日(月) 今日は、おとといの土曜当直の代休さっ。病気以外で平日に
       休めるのは、めったにないことだ。というわけで、入谷の朝顔
       市の初日に行ってきました。2鉢買ってきましたが、毎年のこ
       とながら、これが10月末ころまで咲き続けるんですからねえ。
       朝顔の花弁の命は早朝からわずか数時間ですが、植物としての
       寿命は案外息の長いものですね。「花の命は短くて……」。こ
       のはかなさは、花火に似ていますね。咲いていない時の方が、
       真の時間、実時間。咲いている時は、虚時間。酸性雨や光化学
       スモッグに最も神経質に反応するのも朝顔の花です。いわば、
       地球の生命圏のアンテナのような役割を持っているように。
        朝顔の鉢をベランダに置くと、さあいつでも梅雨明け来い、
       という気分になります。新都庁はじめ、新宿・超高層ビル群は
       梅雨空に煙っているけど、この蒸し暑さは、盛夏が確実に近付
       いていることをうかがわせます。

7月5日(日) 今日の朝日新聞第2東京版に、5日から営業を再開する「新
       宿ピットイン」の記事が大きく載っています。見逃すところで
       したが、「山下洋輔、渡辺香津美らのお祝い公演が……」とい
       う下りに目が行って、クギ付けになりました。へえーっ、経営
       者の佐藤良武さんって、47歳かあ。僕と同世代なんだ。なる
       ほどな。記事中にこんな記述があります。
        「70年安保で新宿が騒然としていた時代も『ヘルメットの
       色、主張の違いは、ここでは関係なく』紫煙の中、同じ音楽に
       耳を傾けた」。
        そんな佐藤さんについての、山下洋輔氏の評が面白い。
        「ポリシーを持たない人だからよかった。自然発生的に歴史
       が出来てきた」。
        ポリシーを持たないってのは、最も難しく最もレベルの高い
       ポリシーではないでしょうか。それだけ純化されている、って
       いうことなのですね。

7月4日(土) 今日は久々の土曜当直でした。ええっと、前回が3月14日
       でしたから、ざっと4カ月ぶりです。その直前の3月1日が日
       曜の臨時当直で、勤務の合い間に朝パ・ネットをのぞいたとこ
       ろ、「電脳筒井線パート2」が刊行可能になったという作者の
       MESがあって、大感激したものでした。さて今日の土曜当直
       は、これまでになく苦情電話の大嵐で、てんてこ舞いでした。
       とりわけ、勧誘員が893みたいだとか、契約の途中解除に店
       が応じてくれないとか、契約してないのに新聞が配達されてい
       るとか、勧誘・契約がらみの苦情が非常に多い一日でした。理
       由について考えるに、新聞各社の拡張戦争が値上げ直後で熾烈
       になっている上、新聞社・販売店・拡張団ともに経営状態が極
       度に悪化していることなどが、あるのではないでしょうか。そ
       して7月初めは、3カ月または6カ月契約の更新期にあたるこ
       とが、トラブル多発に拍車をかけているようです。「新聞冬の
       時代」を実感した当直勤務でした。

7月3日(金) 昨日もらったサクランボがまだ大量に残っている。夕食後、
       一つぶ、二つぶと口にしながら、とりとめのないことを考える。
       昔、「黄色いサクランボ」という歌がはやっていたけど、あれ
       は、誰が歌っていたんでしたっけ? 森山加代子かなあ。さら
       に、三つぶ、四つぶと口にしながら思う。映画館で「紅の豚」
       の予告編をやってますよね。あの映画の中で、加藤登紀子が歌
       う主題歌が、「桜んぼの実る頃」なんですねえ。いい歌だなあ。
       パリ・コンミューンの時に作られた歌ですって? 五つぶ、六
       つぶと口にする。さくら、と言えば寅さんのたった一人の妹。
       その寅さんとさくらのやり取りを、筒井線で書いたことを懐か
       しく思い出します(#7303)。これを自分で引用したのが、
       貴野原が怒った日の#10403です。七つぶ、八つぶと口に
       する。そうそう、僕の長女の名前ですけどね、漢字で「桜」。
       命名の「出典」は、寅さんの映画です。九つぶ、十つぶと口に
       して、ちょうど桜桃(おうとう)となったところで、今日はこ
       れにて失礼をば。

7月2日(木) 今日は家に帰ったら、山形・寒河江産のサクランボがお中元
       として送られてきていました。夕食後のデザートとして食べて
       みたけど、甘い甘い。昔のサクランボはもっと、酸っぱかった
       ような気がするけど、この甘みを出すために、こんなに高嶺い
       や高値になってしまったのでしょうか。とはいえ、父娘の三人
       家族ではこんなに食べ切れません。この蒸し暑さでは、せいぜ
       い明日が限度だろうし。傷んでしまっては、もったいないなあ。
       こういう時に、残しておきたいサクランボをそっくり、フロッ
       ピーに【登録】しておき、次に食べる時、【呼出】【実行】で
       新鮮なまま、取り出すことが出来たら、どんなにすばらしいで
       しょう。サクランボに限らず、食品を冷凍庫に保存するなんて、
       このハイテクの時代に古いと思いませんか。やはり、これから
       は分子レベルに瞬間解体して、「食品フロッピー」のようなも
       のの中に電子収納することを考えなくっちゃ。

7月1日(水) 新聞連載の「朝のガスパール」は、急速に過去へ遠のいてい
       る。そして、あの連載が伝説的に思えるほど遥かかなたに、ぽ、
       と消え行くのと入れ違いに、単行本の「朝のガスパール」が世
       に出るのですね。あと2週間か。待ち遠しいな。3月30日の
       160回目で、石部智子が笑いながら言った言葉が、新鮮な響
       きを持って聞こえます。「わたしたちは、また会えるのですか
       ら。本として出版された時に。さらに言えば本のページを読者
       が開くたびに。多くの読者がこの物語を読むたびに」
        そうです。まもなくBANYUUは再び、本の中でレベル1からレ
       ベル5までの、多くの登場人物たちと会うのです。その時を静
       かに待つ気持ちは、不思議なものです。もうじき、開幕ベルが
       鳴る時刻です。「まぼろしの遊撃隊」の26人は、もうスタン
       バイしています。客席の入りは、満席らしい。ドキドキ。

6月30日(火) 1992年も今日で半分終わりか。早いもんだなあ。今年
       の前半は、実にいろいろなことがあった。僕にとって、朝ガス
       への実名登場は、生涯忘れられない大事件だった。あの4日間
       の衝撃的体験は、いまなお僕を震わせ続けている。突き飛ばさ
       れて虚構の世界に出現するハメになり、そのことで現実の僕は
       震撼し、そのまま狂喜の状態へと転移していく。まるで悪魔に
       魅せられたように。そう言えば、自分でメフィストBANYUUなど
       と書いたこともあったなあ。
        長谷川町子さんが、5月27日に死去していたというニュー
       スは、あまりにも悲しい。力道山の死に人生のあっけなさを感
       じ、それ以来、一日一日を精いっぱい生きていこうと思うよう
       になった、という長谷川さんのエピソードを思いだします。長
       谷川さんは、いまようやく、分身だったサザエさんそのものに
       なったのです。そして、これからもたくさんの人々から愛され
       て、僕たちの心にいつまでも生き続けることでしょう。

6月29日(月) フジテレビ系の「素顔のままで」の最終回がさきほど終わ
       りました。安田成美は、最後に死んじゃうんだ! なんとシビ
       アな終わり方だ。中森明菜は迫真の演技で、大女優顔負けの凄
       さだ。テレビを見終わった直後の、僕と娘たちの会話……。
        「最後は、生き返るかと思っていたのに」
        「じゃあ、来週、もう一度、最終回をやって、こんどはハッ
       ピーエンド編にしたら」
        「抗議の電話殺到じゃん。ワタシの涙を返せって」
        「あなたに合ったお好きな結末をお選び下さい、ってすれば
       どう。話題になること間違いなしだよ」
        「すっげえイイカゲン」
        というわけで、今、思いついたのですが、こんどはパソコン
       通信と連動して、視聴者がストーリーを変えていく参加型連続
       テレビドラマってのをやってみたら、いかがでしょうか。ドラ
       マは、生放送で月曜から金曜まで週5回、一回が15−20分。
       シナリオ兼監督兼主役は筒井康隆氏にやってもらいましょう。
       生放送ですから、放映の最中にアップされたMESによって、
       アドリブで筋書がまるっきり変わってしまう、なんてことも、
       しょっちゅう。
        罵倒される視聴者の家には、テレビカメラが入って生中継す
       るのです。うーん、これいいなあ。ゾクゾクするなあ。悪魔的
       魅力があるなあ。

6月28日(日) 今朝の新聞折り込みチラシの中に、中古マンションのオー
       プンルームのご案内。ん? 待てよ。エ〜ッ、ウッソー!! 
       こーんな偶然ってあるだろうか!? チラシに書いてあるのは、
       なんとなんと、僕が昭和46年から昭和55年まで住んでいた
       マンションで、オープンルームとなるのは、まさに僕がいた部
       屋そのものではないか。それも、誰でも自由に中に入って見る
       ことが出来るのは、今日一日だけなのだよ。
        というわけで、12年前、買い替えのために手放してから一
       度も行ったことのない、前の「我が家」をタイムトラベラーの
       ごとく訪れたのです。入る時は、禁断のトビラを開けるような
       気がして緊張しました。不動産会社の人には、かつての住人で
       あることは明かさないで、勝手知ったる部屋のすみずみまで、
       望郷の想いで見て回りました。持主が何代も変わり、その都度
       内装を新しくリフォームしているようですが、僕が住んでいた
       当時の「歴史」は随所にしみついています。
        ニスを塗り替えた居間の柱に、鉛筆で引いた2本の線と文字
       が読み取れました。長女が幼稚園年長組と小学1年の時の、背
       の高さでした。その長女は今、短大の最後の学年で、就職活動
       の真っ最中。引っ越した当時、ゼロ歳だった二女は中学1年。
       どうりで、ピーター・パンもオジサン真っただ中のわけです。

6月27日(土) 今日は「フック」を2回連続観てきました。豪華キャスト
       の共演など話題の多い映画で、それぞれの世代でさまざまな解
       釈が出来るのでしょうが、僕はこの映画のモティーフは、「人
       生の年輪」なのではないか、と思いながら観ました。
        それにしても、随所に楽しいサービスが凝らされていて、そ
       れだけでもたっぷり楽しめました。フック船長が登場するシー
       ンで、ボブ・ホスキンズが「グッドモーニング、ネバーランド
       !」と海賊たちに朝の挨拶(?)をしたり、ネバーランドの少
       年たちが、中年になったピーター・パンを特訓する様子が、「
       フルメタル・ジャケット」の訓練シーンそっくりだったり。極
       めつけは、なんとロック・ミュージシャンのフィル・コリンズ
       や、「危険な情事」のグレン・クローズまで、端役で登場して
       いるのには、オドロキ。
        どんな人間も、生まれた時から自分の内なるネバーランドを
       持っている。そのことを覚えているか、忘れてしまったか、そ
       の違いだけなのですね。

6月26日(金) ウッソー!? ホンマかいなあ。ツツイストの皆さん、お
       せーて、おせーて。筒井康隆氏のご降誕時(^。^)の状況ですが、
       昭和9年9月24日、室戸台風の中を盥(たらい)に乗って流
       れて来た、ってのは本当の真実ですか? ドンブラコ、ドンブ
       ラコと。川で洗濯中のおばあさんの前に。あわわ、違った。も
       しかして、ご先祖が佐渡・小木の出身ですか。えっ、正真正銘
       のサドだって? どうりでなあ。いやいや、オレは独りで何を
       しゃべっているんだろう。ともあれ、朝ガスのような超ブット
       ビの新聞小説を書く人物は、生まれた時の様子からして、神話
       的・伝説的なんですね。盥に乗って流れて来たとは、妙に納得
       出来ちゃうのです。
        そうだ、忘れるとこだった。今日の日記。今朝、出勤途中に
       サケ・ライスバーガーなるものを初めて食べました。なんちゅ
       うか、焼きおにぎりの間に甘塩シャケをはさんでマヨネーズを
       塗った感じだ。そして今日で、完全断酒1カ月。さて、いつま
       で続けようか。こんどは、断酒を破って再び断酒する実験に挑
       戦してみるか。

6月25日(木) 「サンデー毎日」の編集長をしていた牧太郎氏が、脳出血
       で倒れて、現在、車イスでリハビリ中だとは、今日の夕刊フジ
       を読んで初めて知りました。牧太郎氏といえば、毎日新聞の名
       文記者として健筆をふるっていただけに、気の毒なことです。
        それにつけても、毎日新聞の経営状態は、15年前の新会社
       設立時よりもはるかに深刻な危機に陥っているとのこと。最新
       号の「文芸春秋」でも特集をしていますが、リニューアル紙面
       が社内でも酷評の上、販売網がガタガタになりつつある、とい
       うことです。同業社の社員として、憂慮に耐えません。
        今の毎日新聞の危機を人ごととして放置しておけば、朝日や
       読売は、毎日の読者をどんどん取り崩して部数は増えていくで
       しょう。しかし、毎日新聞の今の苦悩は、朝日や読売の明日の
       苦悩なのかも知れません。毎日新聞を潰してはなりません。新
       聞界上げて、これを新聞全体の危機としてとらえ、21世紀に
       向けての新聞サバイバルの道を切り開くべきではないでしょう
       か。毎日新聞、がんばれ! 毎日新聞の社員たち、がんばれ!

6月24日(水) 瀬戸内海に出没している人食いホオジロザメから、海水浴
       客を守るため、瀬戸内沿岸各地の海水浴場では、巨大なサメ避
       けネットを張り巡らして、人間にはネットの内側で泳いでもら
       うそうな。さきほどのNHKニュース21で、ネット設置の様
       子を放映していたけど、こんなネットくらい、ひとたまりもな
       いような気がするなあ。海水浴客でごったがえす中、ネットを
       破壊してホオジロザメが現れたら、現実の方が映画の虚構を追
       い越す怪事件となり、スピルバーグへのインタビューが殺到す
       ることでしょう。
        でも、ネットに囲まれた中での海水浴って、どこかヘンです
       ねえ。いうなれば、人間水族館だな。ネットの外から魚たちが
       ジロジロ見てるぞ。そうだ、京都・嵐山のサル山が、同じよう
       な逆転状況だ。餌付けされた野生のサルの群れの中で、人間た
       ちは小屋の中に入り、金網越しに外のサルたちに餌をやるのだ
       よ。この金網の中にいると、サルと人間の立場が転倒して、サ
       ルに飼われているような、心地よい屈辱感(?)に浸ることが
       出来ます。キャッキャッ。

6月23日(火) 今日はなんと、4つも会議があって、もうフラフラだ〜っ。
       午前10時半から、午後1時半から、午後4時から、午後5時
       から、という殺人的スケジュールで、4つの会議は、それぞれ
       出席者の範囲が異なっているため、どれか1つをサボって後で
       他の人から内容を聞くというわけにもいかない。会議の多い会
       社は社会的にも信用をなくす、というのになあ。
        梅雨の大雨続きのさなか、先週の木曜から、会社の廊下の傘
       立てに入れた僕の傘が行方不明だ。ASAHI EVENING NEWSの紙面
       を模様にした傘で、多くの社員が同じ傘を持っており、間違え
       て持って行ったんだろうな。業を煮やした僕は、今日、傘立て
       の脇の壁に、「WANTED」と書いたメモを張って置きまし
       た。文面の最後のくだりは…。
        「柄の上部に、T.S.とアイスピックで傷付けてあります。
                              氷の微笑男」
        でもこれだと、うっかり持って行った人も怖がって、かえっ
       て戻すに戻せなくなるかなあ。

6月22日(月) 「パソコン通信」7月号の102−103ページ、ディス
       カッションルームで、「“朝ガス騒動”が遺したもの」と題し
       て、PC−VANのメンバー2人が投稿しています。これを読
       むと、朝ガスが「新しい芸術」として今後、広く理解されてい
       くには、ネットワーカーたちの間でさえも、相当な時間が必要
       なんだな、と痛感します。
        この投稿の内容は、ほとんど中村(show)さんへの個人攻撃で
       すが、1カ所だけ、なるほどと思う記述があります。それは、
       中村(show)さんが伝えた話として、紹介されているもので、
       筒井康隆氏は、連載前から「朝ガスを事件にする」「そのため
       に読者が死んでもかまわん」と言っていたほど、「命がけで書
       いて」いた、という下りです。本当に作者がこの通りに語った
       のかはともかくとしても、「読者が死んでも」という言い方は、
       好きだなあ。美也夫人に「殺しなさい」とまで言われた僕とし
       ては、直截的にズキーンと共鳴するものがあるのです。

6月21日(日) ♪♪ あいつはあいつは、なにものだぁっ…?
       こんな書き出しのMESを、遠い昔、どこかに書いたような気
       がする。ああ、思い出せない。(なぁんて、ウソウソ。筒井線
       の#3624、7カ月前の11月20日でしたねえ)
        今日、街で「ピンク・レディーのすべて」というビデオを見
       付けて、飛び付きました。ながい間、ピンク・レディーのビデ
       オをさがしていたのです。どこのレンタルビデオ店にもないし、
       テレビの「懐かしのヒット曲」的な特集番組では、ピンク・レ
       ディーが登場してもせいぜい1、2曲。
        このビデオは、1時間20分、わが愛しのピンク・レディー
       をたっぷりと楽しめます。♪♪あいつはあいつは…のウォンテッ
       ドはもちろん、ペッパー警部、S・O・S、カルメン′77、渚
       のシンドバッド、UFO、サウスポー、モンスター等々。
        70年代の後半から80年代の初めにかかる5年間、時代は
       生き生きと躍動を続け、ピンク・レディーはそんな時代を象徴
       する「神」でした。世紀末の閉塞状況に置かれている今、ピン
       ク・レディーが(太モモだけでなく、存在のすべてが)なんと
       まぶしく感じられることか!

6月20日(土) 4/10、5/11、5/18の日記帳に書いたように、
       シム・シメールの代表作、「日の出のアフリカ」が、入手不可
       能ということで、何とかもう1点、シメールの絵を欲しいと思っ
       ていたのですが、今日、渋谷のギャラリーで「ここは彼らの惑
       星でもある」を購入することが出来ました。遠方に雷雲の立ち
       込めるアフリカの広大な草原に、象、キリン、シマウマ、サイ
       たちが遊ぶ。大きな岩の頂上には一頭のライオン。空には、画
       の4割ものスペースに、巨大な地球が浮かび、月と、ひときわ
       明るい星がひとつ。小学館のシメール画集には、この絵に彼自
       身のこんな解説が書かれています。
        「箱舟に乗っているノアを想像してごらん。彼の両肩には、
       この惑星をいつかは再び満たすことになる、生きとし生けるも
       のたちの健康に対する責任が重くのしかかっている。つぎに別
       のノアの姿を想像してみよう。執念深く、かつ整然と、すべて
       の動物や植物たちを殺し、破壊していくノアの姿だ。さあそう
       したら、もう想像するのはやめにして、今度はあなたのまわり
       を、よくよく見まわしてみること」

6月19日(金) 今日は、慶応病院で内視鏡検査を受けてきました。毎年、
       この時期に診てもらうことにしているのです。そうしておけば、
       新たな1年間を安心して生きていくことが出来るでしょ。検査
       を受ける前に前処置室で、胃をきれいにする薬を飲み、検査室
       に入る直前に、胃の働きを止める注射を打って、喉に麻酔をか
       ける薬を飲むのが、いつもの手順です。
        ところが今日は、胃をきれいにする薬を飲ませられた後は、
       いつまでたっても、看護婦が次の処置をしに現れず、だんだん
       不安が募るうちに、いきなり、検査室に入るよう、呼ばれまし
       た。「あ、あのう、僕、注射も喉の麻酔もまだなんですけど」
       とオロオロとアピールすると、看護婦さんは、「あら、まだで
       した? ごめんなさーい」と大急ぎで注射だけ打ち、「喉の麻
       酔は、検査室でやってもらって下さい」だって。結局、僕は喉
       を完全にシビレさせて感覚をなくしてしまう薬を「省略」した
       まま、スプレー式のシュッシュッと吹き付ける麻酔だけで(こ
       れはいつもなら、麻酔薬を飲んだ上に念押しでやるのだよ)、
       内視鏡を飲むハメになりました。
        喉の麻酔がほとんど効いてないため、今回は、飲みこむのに
       七転八倒で、うー、ゲロゲロゲロ。麻酔の飲み薬を飲ませ忘れ
       るなんて、渡辺淳一の連載小説「麻酔」を思い浮かべたよ。こ
       んどは、あの小説に実名登場しようかなあ、なんちゃって。

6月18日(木) 新宿・紀伊國屋書店に取り寄せ依頼をしておいたオーパス
       ライブラリー「筒井康隆読本」(創現社)が店着したというハ
       ガキが昨日、送られてきて、今日、会社の帰りに、同書店に寄っ
       て、注文から10日ぶりにようやく購入することが出来ました。
       なんでまた、いまころこんな本を買う気になったかとゆうと、
       実のところ、僕はいまだに筒井康隆氏について、何の予備知識
       もないからです。それなのに、あれよあれよという間に、「朝
       のガスパール」の晴れがましい舞台に突き出されて、4日間も
       登場させられてしまい、新聞は一過性だろうと思っていたら、
       こんどは、豪華な単行本になって、BANYUUは、読者が本を開く
       たびに、永遠に登場し続けることになるのだよ。
        とゆうわけで、ツツイストとは無縁の「非筒井康隆」的存在
       である僕としても(おっと、「反筒井康隆」ではありませんよ)
       登場人物たるものの最低限の教養というか礼儀として、ちょっ
       とは作者について知っておこうと思ったわけ。
        でまあ、さっきからパラパラと読み出したんだけど、川和孝
       氏の記述にオッと思うくだりがありました。筒井康隆氏が飛行
       機ぎらいだとは! そ、そ、それで、ホームパーティーの常連
       たちを、極超音速旅客機ニューオリエント・エクスプレスに乗
       せたのか。何とオッソロシイことだ。あの事故は、極めて筒井
       的だったのだ。

6月17日(水) アルコールを完全に遮断して、今日でちょうど3週間にな
       る。もう禁断症状は取れて、夜はだいたい熟睡に近い状態で眠
       れるようになった。こんなに、長い期間、断酒したのは、卒業
       してから初めてのことではないか。それにしても、断酒に入る
       前の、血液検査の数値は、もうダウン寸前のヨレヨレだった。
       ガンマGTPは、正常値99以下に対して、僕は273。中性
       脂肪に至っては、正常値149以下に対して、僕は、ななな、
       なんと963と、6・5倍もあったのだ。しかも脂肪肝と診断
       され、僕の肝臓はパンパンのフォアグラになっていたのだよ。
       ま、人間、一生のうちに飲むことの出来る酒量は決まっている、
       というから、僕はもう、自分の一生の酒量をほぼ飲みつくした
       のでしょうね。さあ明日は、9日間の断酒期間後に採血した検
       査結果が出る。もう、アルコールは、特別なハレの日以外は、
       飲まないぞ。そうなれば、僕はタバコもギャンブルもやらない
       上に、アルコールからも解きはなたれ、清く正しく美しい人生
       を送ることが出来るぞ(ホントかなあ。悪魔の誘いを断り切れ
       るのかい?)。

6月16日(火) えーっ? 「電脳筒井線」パート3・完結編が、8月15
       日に発売だって? こーれはビッグニュースだなあ。完結編と
       いうことは、全3巻になるわけですね。うーん、パート3が出
       ることの喜びと、パート4以降はないのだという寂しさと、混
       然とした思いです。パート3は、12月−3月までの4カ月分
       の電筒線を、カバーするわけですね。どんな構成になるのかな
       あ。「ASAhIパソコンネット」6月1日号でちょっと触れ
       ていたように、名場面集になるのでしょうか。あるいは、やは
       り日時の流れに従って3つか4つの章にくくるのでしょうか。
       いや、そのミックスだって可能なんだ。いずれにしても、ml、
       おかぴー、BANYUUと続く、檪沢による大罵倒の前後の、筒井線
       のさまざまな反応は、そのものが何にも勝る電劇空間ドラマで
       すので、これで1章立つのではないでしょうか。章のタイトル
       は「不条理的不快感のどん底へ 悪夢の日々に突入」なんての
       は、どうですかねえ。その悪夢の日々があったればこその、至
       福なのですから。

6月15日(月) 6・15と言えば、60年安保を知る世代にとっては、永
       久に忘れることの出来ない日。32年前の今夜、国会周辺での
       デモ隊と警官隊の衝突で、樺美智子さん死亡。僕は、高校2年
       生でした。そして今夜、その国会で社会・社民連欠席のまま、
       衆議院本会議でPKO協力法案可決。樺さんの死に、僕達はど
       れだけ応えて来ただろうか。
        今夜、NHK衛星放送で、1時間半にわたって、Winkの
       コンサートが放映されました。このコンサートは、今年4月5
       日、中野サンプラザで収録されたもので、なんと、僕は二人の
       娘たちと、その日のコンサート会場にいたのです。NHKのテ
       レビカメラが5台も入っていて、開場前に、衛星放送の収録だ
       というアナウンスがありました。
        遠く遠くなった樺さんへの追憶と、Winkがコンサートの
       最後にスロー・バラード調のゆっくりしたテンポで歌った「愛
       がとまらない」が、妙にピッタリとマッチしているのが、悲し
       しすぎます。

6月14日(日) 今日は、下の娘の中学の、初めての運動会。梅雨入り後な
       ので、天気が心配だったのですが、まあ運よく降らず照らずの
       絶好の運動会日和。新都庁始め、超高層ビル群を見上げる広い
       校庭での、運動会は格別です。こういうのを、都心の過疎の贅
       沢というんでしょうかねえ。今の子どもは、徒競走やリレーな
       どで、トップに出ると、応援席に向けて、ガッツポーズやVサ
       インをしながら走るんですねえ。これがまた大受けと来るから、
       テレビ世代の目立ちたがりやらしいなあ。
        運動会が終わったのが3時半ころ。すぐにカメラのフィルム
       を出して、新宿東口・さくらやの1時間仕上げに出し、日が暮
       れる前にはもう、さきほどまでやっていた運動会の写真を見る
       ことが出来ました。いやあDPE技術の進歩はすさまじい。こ
       れならポラロイドとほとんど変わらないくらいです。

6月13日(土) 今日は、「氷の微笑」を観て来ました。土曜日というのに
       一回目の上映から早くも満席のすごい人気です。セックス・シ
       ーンは言われているほどではなく、むしろ「ラマン/愛人」の
       方がはるかに生々しく、直情的です。それよりも、マイケル・
       ダグラスと、彼を取り巻くナゾめいた女たちの、サスペンスな
       展開が、小気味良いテンポで進み、全編に漂うミステリアスな
       雰囲気にたっぷりと酔うことが出来ました。サンフランシスコ
       の坂を上り下りしながらの車での尾行、ブロンドの髪、真上か
       ら俯瞰する螺旋階段……こ、こ、これは、ヒッチコックの「め
       まい」の世界ではないか! キャサリンを演じるシャロン・ス
       トーンは「裏窓」のグレース・ケリーを意識して役づくりをし
       たとのことですが、取り調べシーンを始めとして、むしろ「め
       まい」のキム・ノヴァクを彷彿させる妖しさです。それにして
       も、真犯人はだれなのでしょう? 劇場ロビーでもらった、真
       犯人当てクイズの応募用紙には、映画のシーンにある具体的な
       証拠と真犯人の名前を記して、7月31日までに応募するよう
       に、とあるけど、うーん、わかんない。こりゃ、来週再度じっ
       くり観るしかないなあ。

6月12日(金) バブル崩壊不況(というのだろうか)の大波は、モロにう
       ちの会社を直撃しており、東京本社新館の竣工を9月に控えて
       いるのに、本館・新館の各部局の移動を含め、すべてについて
       根本的な経費抑圧(節約なんてナマやさしいもんじゃない)を
       断行することになりそうだ。そのあおりで、現在の朝日ホール
       を読者ホールに改造して、年間10万人が見込まれる本社見学
       者(うち7割が社会科見学の小学生)のベースにするというプ
       ロジェクトに暗雲が垂れ込めて来た。これまでの関係部局の合
       意の積み重ねに基づいて、僕が1週間がかりで今日、作成し終
       えた予算の申立書も、このままスンナリとは通りそうもない情
       勢になってきた。トホホホ、8月いっぱいで改造工事を終える
       ためには、来週の中頃が申し立てのリミットだというのに。誰
       か有名な人の言葉にあったなあ。「貧乏は、決して恥じる必要
       はない。しかし、とても不便なものだ」と。

6月11日(木) 今朝は、部員から僕の自宅への緊迫した電話によって起こ
       された。朝日新聞PR版の6月号は、昨日夕方から印刷に入っ
       ているが、夜中にガラ刷りを見ているうちに、本文の1行が抜
       けているのを発見したというのだ。その記事というのが、「史
       上初、本紙からの出題100校を突破 圧倒的な『大学入試は
       朝日から』」であることから、急遽、輪転機を止めることに決
       定し、僕を含め、部員たちが早めに出勤し、対応する。幸い、
       450万部のうち、すでに印刷した分は120万部で、大半の
       330万部は直しが間に合った! 半日がかりの読み合わせを
       3回も繰り返したのに、これだもんね。活字はコワイ。蛇足つ
       いでに言わせてもらうとですね、2面には「『電脳筒井線』パ
       ート1、2 好評」の記事が、バッチリ掲載されています。記
       事中、「七月十五日発売の『朝のガスパール』」のところは、
       目立つようにゴチックにしました! この指示を出したのは、
       もっちろん僕だよ〜ん。

6月10日(水) 貸金庫というと、なにやらウサンくさい小金や有価証券を
       隠しておくところ、というイメージがあります。今日は、都内
       の某銀行に契約している僕の貸金庫(ヒッヒッヒ、なあにが入っ
       ていると思いますか)が、改修によって場所が移るため、その
       移設手続きに行ってきました。いやあ面倒なもんだなあ。何枚
       もの書類に必要事項を書いてハンを押し、カギと貸金庫カード
       を更新して、中身を移し替える。9時の開店と同時に行って、
       40分もかかってしまい、「時の記念日」だというのに、会社
       に遅刻しちまったよ。トホホ。貸金庫の中身を、あなただけに
       ソォッと教えちゃおうかなあ、なんてね。ジュラルミンの金庫
       の中には、手塚治虫の昭和20年代のマンガ本(復刻ではない
       ぞ。すべて本物)がギッシリ詰まっているのだよ。「新宝島」
       「魔法屋敷」「消えた秘密境」「来るべき世界」「ロック冒険
       記」等々。これぞ何千万円積まれても、絶対に手放すわけには
       いかない、時を超えた超コレクション。いわば、時間の流れが
       凍結されたままになっている僕の「少年時代」そのものなので
       す。

6月9日(火) トラよトラ、トラトラトララ、トラトララ……おお、全国の
       トラキチが、7年間、臥薪嘗胆、アホと言われ、落ちこぼれと
       罵られながらも、じっと耐えに耐え、人知れぬ涙をぬぐいつつ
       今に見ておれ、と石にかじりつくこと二千夜余り。ついに来ま
       した夢にまで見たこの瞬間(とき)が。♪♪ オウオウ〜オウ
       オウ〜 ♪♪ 阪神タイガ〜ス フレ〜フレフレフレ〜
        今日、阪神が中日に勝ち、ヤクルトが太洋に負け、広島が巨
       人に負けて、はははは阪神が、単独首位だーっ! カメだ、新
       庄だ、田村だ、若トラだ。今年はこのまま、燕も鯉もけちらし
       て突っ走るぞ、ジャングルを。ガオーッ、ガオーッ。明日は、
       黄色と黒のシマシマのトランクスをはき、黄色と黒のシマシマ
       のジャケットを着て会社へ行こう。

!!! 自己紹介の容量オーバーです。これ以上の書き込みは、システムを破
   壊しますので中止して下さい。

6月8日(月) という警告メッセージがいつ出るのか、ハラハラしながら毎
       日書いていますが、ここは、底なし沼で、いくらでも書き込む
       ことが出来そうな気がしてきたぞ。こーれは、なかなか便利だ
       な。訂正も修正も消去も、自由自在で、その痕跡も残らない。
       新規の分のアップ時刻も記されない。今、僕がこのすべてを削
       除しても、もうあとの祭りよ。でも、これは、日記の形をとっ
       てはいるものの、BANYUUのありのままを知ってもらうための、
       新しい自己紹介なのですよっ。こういうことを、あえてやるの
       も、なかなかBANYUUらしいと思いませんか。
       ところで、昨日の続き。米朝の「七度狐」のビデオについて
       今日は、東芝EMIや大阪の米朝事務所にまで電話して追跡し
       ました。その結果、米朝のビデオは東芝EMIから出ている全
       集が唯一で、現在までに15巻が出ているが、「七度狐」はま
       だ入っていない、とのこと。うっそー!? 狐につままれた気
       持ちとは、このことだぜい。

6月7日(日) ♪♪ さがしものは 何ですか〜 このところ、意地になっ
       て捜しているものがあります。それは、桂米朝の落語「七度狐」
       のビデオです。NHKサービスセンターやビクターなどに問い
       合わせても、自分のところでは出してないという。今日、新宿
       のビデオ販売店を駆け回って、ようやく、東芝EMIから米朝
       全集のビデオが出ていることを突き止めました。全集に「七度
       狐」が入っているかどうか、明日、東芝EMIに電話して確か
       めなきゃ。なぜ「七度狐」にこだわるのか、というと、これっ
       て、落語では珍しいメタ・フィクションなんですね。レベル3
       の旅人たちが、レベル4の話だと思って聞いていると、実はレ
       ベル5の話であり、旅人たちに話をしていた者が実はレベル4
       の存在であり、虚構の語り手自体が虚構の存在である、という
       ようなゾクゾクする話なんですねえ。しかも米朝の語りが絶品
       であります。これこれ、そこのおまえさん、臭いにおいのする
       暗闇の中で、じーっと何してはりますねん。えっ、パソコン画
       面で、BANYUUの自己紹介を読んでおられるとな。おまえさんが
       さっきから見詰めておるのは、公衆便所のキッタナイ窓ガラス
       やで。このへんに出没している悪い狐にだまされんうちに、は
       よう家に帰りなはれ。

6月6日(土) 今日は、毎年この時期、新宿・スペースセブンイベント会場
       で恒例となった「第5回東京国際ミネラルフェア」に行ってき
       ました。ミネラルフェアなんていうと、おいしい自然水の品評
       会みたいですが、要するに、世界各国で採取された鉱物や宝石
       の原石、化石などの即売会なんですね。僕は3年前から、この
       フェアを楽しみにして、毎回行っていますが、鉱石や原石のコ
       レクションは、これぞ究極のコレクション、といわれるように
       その魅力に取り付かれたら、もう止められません。今日は、黄
       緑色の針状結晶が放射状に結集している銅スクロドウスク石な
       ど、4点を買って来ました。地球が悠久の時間と、あふれんば
       かりのエネルギーによって造形した、美の極致。花や鳥などの
       美しさが、種の維持のためにあるのならば、鉱石の美しさは、
       何のため、だれのための美なのでしょうか。そう、それは、や
       がてその惑星上に出現するであろう、知的生命体によって発掘
       され、愛でてもらうため。そして、驚異の美を造形することが
       出来る惑星の不思議な意志と息づかいに気付いてもらうため。

6月5日(金) おお、日本にもまだ、このような光景が見られるとは。涙が
       ちょちょびれるのう。うるうる。おーんおーん。今日未明の参
       院特別委での、怒号と混乱の中の、PKO協力法案強硬採決。
       うーん、しびれるなあ。懐かしいなあ。まるで保存版「昭和の
       歴史」(こんな名前のものがあるかどうかは知らないが)のビ
       デオを見ているようだ。平成らしい新しさは、社会党による、
       「強硬採決」「抗議」などの横断幕パフォーマンスだな。参院
       本会議は、夜10時半から予定通り開会出来るのだろうか。社
       会党は、開会強硬に備えて、若手議員たちに、昔の国会のビデ
       オを見せながら、牛歩戦術のやり方を、講習中だそうな。戦後
       民主主義魂はわが日本に健在なり。ああ、血が騒ぐなあ。
        ♪♪ わーがー ゆくーてを まーもーれー ♪♪

6月4日(木) もうじき梅雨入りですね。今日は暑かったなあ。このところ
       中性脂肪とガンマGTPの値が高いため、今日まで9日間、完
       全にアルコールを断絶して、明日、採血検査するハメになりま
       した。最初のうちは、アルコールの禁断症状でほとんど眠れな
       かったけど、ここ2、3日は、なんとか眠れるようになりまし
       た。おかしなことに、不眠症状の中で、やっと少しうとうとし
       た時に見る夢は、すべて朝ガスか筒井線が続いている真っ最中
       の夢なのです。いかに、僕が朝ガスと筒井線にガンジガラメに
       なって、無我夢中でハマリこんでいたか、我ながらあきれるほ
       どです。でも、堀内孝雄じゃないけれど、あの半年間は、今と
       なっては「愛しき日々」なのですね。夜霧よ(霧なんて出てな
       いけど、カッコつけて)、今夜も、僕に朝ガスと筒井線の夢を
       見させておくれ。

6月3日(水) ふっふっふ。PR版6月号2面の初校ゲラができてきたぞ。
       伽耶文化展、ジャパン・アルマナックなどの記事とともに、さ
       りげなく、堂々と、「『電脳筒井線』パート1、2 好評」の
       記事。パート2の写真付きです。7月15日発売の『朝のガス
       パール』単行本についても、ちゃっかり宣伝しています。この
       ゲラを見た職場のOLたちは……。
       OL 「わあ、BANYUUさん、ずるーい。その3冊とも自分が
          登場しているんで、PR版に載せるんでしょう」
        僕 「と、とんでもない。これは、出版局からの出稿だよ。
          出版局でのいま一番の話題の書籍は、これらの本なんだ
          から」
        OL 「でも、それをPR版に載せようって決めて、記事を
          依頼したのは、BANYUUさんなんでしょう」
        僕 「それはそうだけど」
        OL 「じゃあやっぱりPR版の私物化よねェ」
        僕 「ちっ、ちがうってば」

        このPR版は、6月15日〜17日ころ、東京本社管内の読
       者を中心に、450万部を印刷・配布します。

6月2日(火) 「この車両はブレーキが効きません。止まりません。後ろへ
       下がって!」……満員の通勤電車の中で、こんな車内放送が流
       れたら、どうしたらいいのでしょう? 今朝の関東鉄道取手駅
       での、電車暴走・駅ビル突入事故。乗客に故障が知らされてか
       ら地獄図の発生までに、恐怖の時間的間隔があった、という点
       では、日航ジャンボ機墜落事故とも共通しています。目前に迫
       る駅ビルの壁を前に、運転士が飛び降りたことを、僕は非難出
       来ません。飛び降りなかったら、運転士は確実に即死なのです
       から。すべてのブレーキが効かなくなって、暴走する列車。そ
       れが、時速250キロの新幹線だったら……。そして、行き止
       まりの終着駅が刻々と近付いてきたら。絶対に起こり得ないこ
       とが、現実に起こる。まさにそれこそが、大事故の特性といっ
       ていいでしょう。

6月1日(月) 久々にカラリと晴れあがったいい天気。もう6月だなあ。朝
       ガスが終わって2カ月になるのか。それにしても、筒井線は、
       パソコン通信史上に残る、すばらしい会議室でしたね。おっ、
       この言い方、どこかで聞いたような。そうだ! 朝ガス120
       回目の宇佐見のセリフだ。連載当時、僕は、「まぼろしの遊撃
       隊」について語った宇佐見のあのセリフに完全に心象がシンク
       ロして、宇佐見のシャドウを気取っていたけど、あのセリフは
       「筒井線」についてもピッタシ、あてはまる。このことに、い
       ま、初めて気付きました。現在の僕の気持ちまで、すでに小説
       の中の宇佐見に投影されているとは、まさに驚愕です。「今後
       は『電脳筒井線』と呼ばれて伝説になるだろうような、まさに
       『電脳筒井線』でしたなあ」

5月31日(日) 昨日に引き続いて、今日も映画の2回連続観賞にドップリ
       と浸りました。今日観たのは、「愛人/ラマン」です。いやあ
       館内は、若い女性客たちでムンムン。それも、高校生や中学生
       たちが大半で、こうなると、ギャルというより、ジャルであり
       ます。映画についてはもう、いろいろな映画評があちこちに書
       かれているので、ほとんど言うことはありませんが、最も素晴
       らしかったのは、中国人男性の結婚式の場面。サイゴンの人々
       や華僑たちが祝う中、遠くから群衆にまじってラフなポーズで
       男性を見る少女(ジェーン・マーチ)の表情。万感の想いを漂
       わせて、胸をうたれます。それと、ジャンヌ・モローの抑制を
       効かせた語り。監督が、「薔薇の名前」の監督であるとは、パ
       ンフレットで初めて知りました。青春を激しく描いた名作とし
       て、映画史に残る作品となるでしょう。

5月30日(土) 今日は、梅雨本番のような雨。というわけで、国民的な注
       目を集めている「ミンボーの女」を、朝の第1回上映から2回
       続けて観てきました。これは、「マルサの女」パート1、パー
       ト2以上の迫力と緊迫感! 映画の中の虚構の展開が、伊丹十
       三監督刺傷事件の現実と二重写しで進行し、やがて、宮本信子
       がヤクザに刺される後半のショッキングなシーンで、虚構と現
       実のレベルの壁が崩壊し、観客は愕然、慄然とするのです。こ
       の映画は、反ヤクザ・非ヤクザのカタギの人達はもちろん、そ
       の筋の、いや組関係のギョウカイの人達も、必見もの。「ミン
       ボー」を観てないヤッちゃんなんて、オックレテルゥ、という
       ことになって、組をあげての団体観賞が行われたりして……。

5月29日(金) 朝日新聞のGコードとビデオプラスをPRする目下の最大
       のキャッチフレーズは、「バルセロナ五輪も、見逃さない!」
       のつもりで、さまざまな宣伝計画を立てていたのですが、どう
       も雲行きがおかしくなってきました。「バルセロナ五輪」とい
       う語を、JOCの公式スポンサーでない企業が勝手に使用する
       のは、まかりならぬ、ということらしいのです。降版が迫って
       いるPR版6月号の広告は、今日、急遽、「夏のスポーツ・イ
       ベントも、見逃さない」に変えました。JOCの態度は、なか
       なかキビシイもんだなあ。今日の夕刊に載っているダイエーの
       BSチューナー内蔵テレビの広告も、「情熱観戦バルセロナ」
       とあるものの、「五輪」や「オリンピック」の語はどこにもあ
       りません。うーむ、ウーム、鵜有無……。

5月28日(木) 今日は、淀橋中学校の、初めての家庭訪問。会社を休むほ
       どの騒ぎじゃないけど、さりとて、父子家庭なので訪問されて
       も親は不在です、というわけにもいかない。というわけで、会
       社を3時間ほどで早退し、急ぎ帰宅して、次女とともに、担任
       の教師を迎えました。先生の方も、今日は7軒の家庭を回るそ
       うで、ホント、ご苦労さんであります。
        WOWOWの6月号を見て、ビックリ。6月27日(土)は、
       「12時間スペシャル ゴジラ伝説復活の日」と題して、ゴジ
       ラの第1作から、モスラ、キングコング対ゴジラなど、東宝の
       名作特撮もの7本が一挙にWOWOWで、放映されるのだよ。
       これは、ファン必見、と言うより必録ものですね。この番組表
       を見ると、正午から午後5時までを5時間テープに、5時から
       深夜零時までを7時間テープに、と分けて録画するしかなさそ
       うです。

5月27日(水) 「電脳筒井線パート2」が、堂々のベストセラー3位!!
       今朝の毎日新聞13面、ブックウォッチングの特集面に載って
       いるデータです。集計書店は、神田の書泉グランデで、10日
       から16日までの一週間の結果です。パート2が店頭に出たの
       は、14日ころでしたので、発売3日間ほどで、3位に踊り出
       た、ということになりますね。こーれは、あちこちの書店で、
       ベストセラーの1位になるかも知れませんよ。朝日新聞発行の
       二谷友里恵「愛される理由」を凌ぐミリオンセラーになるかな。
       「罵倒される理由」なんちゃって(^。^)

5月26日(火) サンフランシスコの日米時事新聞の1面で、「朝のガスパ
       ール」の連載が始まっています。今日、12日から16日まで
       の新聞を入手することが出来ました。この新聞は、日本語と米
       語の混合ですが、朝ガスはもちろん日本語で、真鍋画伯の挿絵
       もそのまま掲載されています。16日は、ちょうど16回目が
       載っています。三神紗嘉子おばさまが出ている回です。という
       ことは、これからサンフランシスコで、BANYUUが罵倒されてい
       くのか。うーん、妙な気持ちだなあ。シスコの読者は、投書も
       パソ通もいまさら出来ず、読者参加のしようがないとは、気の
       毒ですね。

5月25日(月) 今日は昼前の11時30分ころから、夕方6時40分ころ
       まで、職場のワープロを打ちっ放しでした。その間、ワープロ
       から離れたのは、社員食堂で昼メシをかき込んだ、わずか10
       分ほど。なーんで、こんなに忙しいのかというと、結局、「急
       がば回れ」だったんですね。膨大な量のデータを、外部から、
       MS−DOSファイルでもらえるというので、すっかり安心し
       切っていて、書院WD−1800の文書フロッピーにテキスト
       変換して、あとは、こちらのフォーマットに整えればいい、な
       んて思っていたのが大間違いのモト。どうやっても、テキスト
       変換が出来ないのだよ。トホホ。いろいろ聞いてみたら、PC
       のパソコンでダイレクトにMS−DOSに書き込んだものは、
       MF/2DDであっても、書院へのテキスト変換は出来ないと
       のこと。ワーン! これじゃあ、データを、ぜーんぶ最初から
       書院で打つしかないじゃん。締め切りも過ぎたぞ。明日は、ど
       うなるのだ。地獄だぞ。

5月24日(日) 昼は、新潟ラーメンの中でも、最もファンが多い三吉屋の
       ラーメンを食べました。帰省した時の昼食は、いつもここに決
       めています。何しろ、11時きっかりの開店と同時に、どこで
       待機していたのかと思うほど、次々と客が入って来て、狭い店
       内は、いっぱいになります。細くて縮れてコシがある昔ながら
       の緬と、あっさりしてコクのあるこれも昔と変わらぬスープ。
       おいしいラーメン屋は、メニューが少ないと言いますが、ここ
       は、中華そば、焼豚めん、冷し中華の三つだけ。あとそれぞれ
       の大盛りが50円増しで出来るだけです。
        東京へ戻ったら、晴れていたのが突然、豪雨になって激しい
       雷も。おっ、すぐ近くに落雷したぞ。ややっ、こんどは日が差
       して来た。ありゃりゃ、またドシャ降りだ。

5月23日(土) 今日は、母の命日の1日遅れで、墓参のため新潟へ。かな
       り強い雨で、ロウソクに火をつけるのに苦労する。
        父は、「ASAhIパソコン」のあの記事以来、パソコン通
       信に異常に関心を持ち始めたようで、「ボケ防止のため、自分
       もやって見るか」などと言い出しています。来月79歳になる
       というのに、本気かいな。父は昔、新潟日報の記者を長くやっ
       ていて、文章を作るのは手慣れているし、今は時間の余裕も十
       分あるから、やりだしたら、のめり込んでしまうかも。朝パの
       会員でいま、最高齢の方は何歳でしょうか。入会に年齢制限な
       んてないですよね。きんさんぎんさんが、入会したら、お年寄
       りたちの入会がドッと増えたりして。

5月22日(金) ニュース速報ですよっ。さあこの時点で(午後11時50
       分)、どこかの会議室でもう書かれていたら、「抜かれた」と
       認めましょう。でも、この書き込みが初めてなら、パソ通史上
       初の、自己紹介による「特ダネ」と言えるのではないでしょう
       か。やはり、僕の自己紹介は、毎日読まないと、情報に遅れま
       すよっ。
        単行本としての「朝のガスパール」は、7月15日発売、予
       価1200円。四六判上製、336ページです。
        えっ? そんなことはほとんど知っているし、ニュースじゃ
       ないって? じゃあ、これはどうだ!
        真鍋画伯の挿絵は、なななななーんと、全161回のうち、
       105回分が、単行本に入るのですよ。うーん、5月17日の
       日記帳で僕が要望した、挿絵全回分の収録には、ちょい及ばな
       かったけど、三分の二が収録されるとは、スゴイスゴイ! 感
       激ものですね。109回目の、あの「ばばばばばば」の挿絵は
       当然、入っているんでしょうね?

5月21日(木) 今日からうちの会社に冷房が入りました。昨日までは、社
       内が暑くて、上着を取ってさらに窓を開けて仕事をしていたの
       ですが、今日は一転して上着を着けても寒いくらいです。職場
       の温度調節というのは、難しいもんです。おとといは、今年初
       めて冷し中華を食べたし、もう初夏なんですね。
        昨夜、新潟に住む78歳の父から電話があり、「朝日パソコ
       ンという雑誌に、お前の名前が出ているが、これはどういうこ
       となのか」と聞かれました。おそらく、知人かだれかが見付け
       て父に教えたのでしょうが、朝パネットの存在も知らず、パソ
       通とはどんなことをやるものなのかも知らない父にとって、僕
       の説明は、チンプンカンプンだったらしく(当然ですけどね)、
       結局、パッパラパーの父子会話に終わってしまいました。朝ガ
       スと筒井線で何があったのかを、父に分からせるのは、絶望的
       であります。

5月20日(水) ついに「朝日ジャーナル」の最終特別号が出ました。最初
       のページで「1959年3月、誕生。1992年5月29日、
       没」と自らの「人生」を語っている。HAL9000みたいだ
       なあ。最後の号の特集が、「ハイパー・メディアへ大潮流」と
       は、象徴的ですね。コンピューターや通信ネットワークの飛躍
       的進歩によるマルチメディアの可能性を多角的に考察し、その
       中で、PC−VANでの谷山浩子さんのオンライン小説につい
       ても触れています。この特集をよんで、思うことは、「朝のガ
       スパール」は、ハイパーメディア、マルチメディアと芸術のか
       かわりかたを過激に先取りした、画期的な実験だった。そして、
       「朝ガス」と「筒井線」の大成功は、一見、「朝ジャ」の廃刊
       と無関係のようでいて、じつは深層のところで裏表の関係にあ
       ると言えるのではないでしょうか。

5月19日(火) 今日は書くことがたくさんあって、♪♪ 困っちゃ〜うな
       あ〜♪♪ (と、山本リンダ風に) まず、朝日新聞出版局か
       ら「電脳筒井線パート2」が送られてきました。これで2冊に
       なったので、家と職場に1冊ずつ置いておきます。次に、帰宅
       途中で紀伊國屋書店に寄って、「ざべ」6月号と、「パソコン
       通信」6月号を買ってきました。
        「ざべ」の中村(show)さんの「電脳騒乱節」は、スゴイ、
       鋭い、深い。僕がとりわけ驚嘆したのは、「筒井線」の位置付
       けと総括、および、そこで筒井康隆氏が目指したものについて
       の分析と洞察です。
        「筒井氏が取ろうとした手法は、自分をネット上にさらし、
       攻撃させるやり方だったからだ。非筒井康隆的、反筒井康隆的
       メッセージで一枚岩筒井康隆をがんがん削らせる手法だ。話は
       早いが、非常に危険なやり方である。実際、筒井氏も当初、そ
       の危険性に気づいていなかった。いや、ナメていた節がある」
        という記述は、これまで読んだ、どの「筒井線」論よりも、
       本質を突いており、深く感銘しています。
        「パソコン通信」の方は、94−95ページ、ソエムさんの
       「“朝ガス騒動”が遺したものは?」が、たっぷり楽しめます。
       14ページのネットワーク最前線でも、朝ガスについて触れて
       います。なななな、なんと驚くべきは、この38−39ページ
       にかけて、「ざべ」で中村(show)さんによって、こってりと
       世間に大恥をさらされている「★まゆみ」が、書いていること
       です。いやあ、どのネットも、どの雑誌も、どんな人が読んで
       いるか分からないのになぁ。自戒、自戒。

5月18日(月) 今日、有楽町阪急のギャラリーから電話があって、シム・
       シメールの「日の出のアフリカ」は、小学館の画集に載ってい
       るものはシルクスクリーンで製作してなく、入手不能とのこと。
       残念だなあ。オリジナルとかなり違っていても、本人の作品に
       は違いないので購入すべきか、断念すべきか。決断が難しいと
       ころです。
        ところで、今日の夕刊2面に載っている「電脳筒井線パート
       2」の広告の文章はスゴイぞ。
        「小説の中に読者が乱入し、小説家が斬り返す! 筒井ワー
       ルドそのものが現実化して、再び小説と化すという空前の試み。
       さらに過激に」
        このパート2は飛ぶように売れるぞ。ヒヒヒ。

5月17日(日) フィリピンの大統領選挙の開票は、遅々として進まないけ
       ど、ラモスかサンチャゴか、気になりますね。僕はもちろん、
       サンチャゴ候補を応援しているのですが……。
        「電脳筒井線パート2」のカバーですが、表はBANYUUへの罵
       倒が始まる前日の107回目、おかぴーさんへの罵倒の時の、
       挿絵ですね。裏は、69回目の挿絵の右半分。表紙を開いた1
       ページ目のイラストは、93回目のニューオリエント・エクス
       プレスと貴野原聡子のPFS画面ですね。7月に単行本として
       出版される「朝のガスパール」では、真鍋画伯の挿絵は、全部
       収録出来るのでしょうか。あの挿絵は、どの回も全力投球のす
       ばらしい出来栄えで、単行本では1枚たりとも省いてほしくあ
       りません。もし、どうしても全部を収録出来ないというのであ
       れば、普及版とは別に画伯の挿絵が全部収録されている「特製
       愛蔵版」をぜひ、刊行してほしいと思います。定価が5千円と
       か1万円になっても、これは値段の問題ではありません。キザ
       な言い方になりますが、日本の文化の問題であり芸術のあり方
       と言っていい問題なのですから。

5月16日(土) 昨夜は、「電脳筒井線パート2」に興奮しながら、バーボ
       ンのハイボールを重ね、何時に寝たのか覚えていません。今日
       は、起きたら昼過ぎの2時でした。この、パート2、凡亭さん
       の核爆弾投下のくだりは、ド迫力ですね。BANYUUのMESは後
       半に集中しています。朝ガスでのレベル3はもちろんのこと、
       レベル4、5でもたびたび取り上げられたBANYUUの名「文句」
       のほとんどが収録されている。わーおっ。僕のMESは19本
       も入っているぞっ。筒井線の出版に対して、僕が見苦しくあが
       いているあたりは、たっぷり笑えます。これは7月に単行本と
       して出版される「朝のガスパール」を読むにあたっての、必読
       の副読本となることは確実ですね!

5月15日(金) 今日は、朝日新聞の営業系職場への就職を希望する学生た
       ちの面接で、朝10時から夕方6時半まで、かんづめ状態でし
       た。面接官なんてガラじゃないけど、せいいっぱい、話を聞い
       たつもりです。来社してくれた学生のみなさん、本当にありが
       とうございました。
        ところで、待ちに待った「電脳筒井線パート2」が、今日発
       売されましたね! カバーのブルーとグリーンの中間のような
       色も斬新ですが、内容は、物凄い迫力に満ちています。こーれ
       はもう、史上最高のドラマ、と言えるのではないでしょうか。
       さっきから、バーボンのハイボールを片手に、興奮状態で読ん
       でいます。凄い凄ーい。今晩は、眠れそうにありません。

5月14日(木) 「ASAhIパソコン」6月1日号は、明日発売かと思っ
       ていたら、社内では1日早く今日配布されてきました。ジャー
       ン! 「NEWS & VIEWS」で、4ページにわたる特集「筒井康隆
       『朝のガスパール』とパソコン通信との華麗で過激な関係−半
       年間のメディアクロス連載の総決算」が載っています。その中
       に僕がまたまた、実名で登場しているのですよ。先月、編集部
       の勝又さんから取材を受け、聞かれるままにすべてを話した内
       容が、実に的確にまとめてあります。僕の言いたかったことが
       ほぼ完全に網羅されていて、とてもスカッとした気分です。勝
       又さん、ありがとうございました。今号の「ASAhIパソコ
       ン」も、朝ガスでBANYUUが罵倒された2月5日から8日まで4
       日分の朝日新聞とともに、「家宝」として大切に取って置きま
       す。明日は、いよいよ「電脳筒井線パート2」の発売日だ。う
       れしいな。
       
5月13日(水) また阪神が首位広島にゲーム差ゼロに迫ったぞ。阪神の首
       位は時間の問題だな。
        ところで、いままで考えたこともなかったけれど、BANYUUは
       筒井線にいったい何本のMESを書いたのだろう、となぜか気
       になってきて、「SEL W」コマンドで、自分のMESだけ
       を絞り込んでみました。だいたい250本くらいのものかな、
       と予想していたのですが、なーんと驚いたことに400本。僕
       は、こんなにもたくさんのMESを書いていたのか。それにし
       ても、ピッタシ400本とは、奇跡的だぞ! この400本、
       消去した1本も含めて(それを消去した行為も)、後悔してい
       るMESは1本もありません。こんなにたっぷりと筒井線する
       ことが出来たなんて、ボカァ幸せだなァ。

5月12日(火) 今朝の読売新聞に、極めて戦慄すべき記事が載っています。
       ローマクラブへのリポート「成長の限界」を1972年に発表
       して世界に衝撃を与えた米国のメドウズ博士らのグループが、
       こんどは「このままでは人類は数十年のうちに破局を迎える」
       というさらに厳しい研究結果をまとめた、というものです。数
       十年後といえば、今の子供たちが社会の中堅となっているころ
       でしょう。こんなニユースに接すると、結婚しても子供を生む
       カップルはさらに少なくなり、一方で発展途上国の人口爆発は
       ますます進行し、破局に突入ですね。どの惑星の知的生命たち
       も、こうして滅亡していくのでしょうか。

5月11日(月) 先月初めに有楽町阪急で買ったシム・シメールの「日の出
       のアフリカ」が、当初の予定より2カ月も早く、昨日送られて
       来ました。早速、包装をといて飾ってみたのですが、なんか変
       な気がして、小学館から出ている画集を開いて、比べて見まし
       た。驚いたことに、こ、こ、こ、これは極めて酷似してはいる
       が、違う絵だぞ。地球の形や模様、動物たちの姿も数も、木の
       形も、星の描き方も、まるっきり違う。それに、全体におおざっ
       ぱな感じで、奥行きや広がりに乏しい。しかも、同封されてき
       た保証書にはシム・シメールの「日の出のアフリカ」とある。
       こりゃ、あかんわ。40万円もする買い物だよ。阪急に電話し
       たら、今夜7時すぎに、ギャラリーの担当者が2人、僕の家に
       来て、ニセモノ(?)を回収して持っていきました。どうして
       このような絵が送られてきたのか調べて、ホンモノ(?)を送
       るようあらゆる手を尽くしてみます、とのことです。いやあ、
       こういうこともあるんですねえ。画集を買ってなかったら、と
       思うとゾーッとします。

5月10日(日) ばばばばばば、なんて書くと、朝ガス109回目の、檪沢
       によるBANYUUへの罵倒二日目と、その日の真鍋画伯の前代未聞
       の歴史に残る挿絵を思い出してしまいますが、そうではなくて、
       今日は、バババババードウィークの初日だったのですね。その
       ことをすっかり忘れていて、今夜のわが家の夕食は、伊勢丹の
       食品売り場で買ってきた合鴨ロース肉の、鉄板焼きでした。ネ
       ギやピーマン、カボチャとともに。たっぷりの大根オロシと一
       緒に、醤油だけのシンプルな味で。いやあ、うまかったなあ。
       4月8日の日記帳でも愛鳥週間のウソっぽさについてちょっと
       書いたけど、いっそのこと、鳥類の肉を感謝と慰霊の気持ちを
       込めて、いかにおいしく食べるかに人類が英知と味覚を結集す
       る週間としたらどうでしょうかねえ。

5月9日(土) 今日の朝刊に、朝日新聞西部本社の、44歳の社会部記者が
       酔っ払って車を盗み、逮捕されて書類送検された、という記事
       が載っていますね。実名もバッチリ書かれています。停職を含
       む厳しい処分を検討しているという、社会部長の談話も載って
       います。しっかし、バカなことをやったもんだなあ。自分の社
       の新聞に実名で載るなんて。どうせやるなら、僕のように、自
       分の社の連載小説である筒井康隆氏の「朝のガスパール」に実
       名登場して、連続4日間も、小説内作家の檪沢から、BANYUU、
       BANYUUと「大罵倒」されるような、芸術的な登場をしてみろ、
       といいたいですね。もっともこればっかりは、いくら望んでい
       たとしても、またどんなに狙っていたとしても、絶対に出来な
       いことであって、僕自身はもちろんのこと、作者にとっても予
       見不可能だった超ドラマチックな展開の結果だったのですけど
       ね。

5月8日(金) 「バブルがはじけて」というのは、個人的なあいさつでも、
       会議の報告でも、すっかり枕言葉のように使われていますが、
       昨日と今日の二つの会議で、この枕言葉とともに、我が社も大
       節約令が出されることが報告されました。新聞購読料を値上げ
       したばかりというのに、広告収入の落ち込みは、予想していた
       よりもはるかに悪化の一途をたどっている、というのです。え
       らい時勢になって来たなあ。「空前の好景気」などと、浮かれ
       ていたのは、ついこの間だよ。これからは、企業も個人もスリ
       ムな行き方こそ、サバイバルの道……などと、バーボンのハイ
       ボールのグラスの中で次々と浮かんでははじけていく小さなバ
       ブルをみつめながら、しみじみと思う。

5月7日(木) マレーネ・ディートリヒの逝去、心からご冥福をお祈り申し
       上げます。ディートリヒといえば、もう、「リリー・マルレー
       ン」ですね。今夜の各テレビ局のニュースでも、どこもこの歌
       を流していました。が、実際に、第二次世界大戦下に、「リリ
       ー・マルレーン」を歌って、敵対する両軍の兵士達の耳をくぎ
       づけにしたのは、ララ・アンデルセンですね。彼女の生涯を映
       画化したのがハンナ・シグラが好演した西ドイツ(統一前の)
       映画、「リリー・マルレーン」でした。現代世界史の中に一曲
       だけ、全世界的に流行した歌を記録に残す、としたらこの「リ
       リー・マルレーン」しかないのではないでしょうか。

5月6日(水) 月刊Asahiの6月号に、「電脳筒井線パート2」の広告
       が載っています。その宣伝文が面白い。「読書界、文壇に衝撃
       を走らせた朝日新聞の連載小説『朝のガスパール』はこうして
       生まれた! パソコンネットに寄せられた侃々諤々のメッセー
       ジをまとめる」。刊行日は5月15日とあります。わーおっ。
       うれしいな。15日が待ち切れないほどだ。
        話は違いますが、阪神が亀山のサヨナラで巨人の桑田を粉砕
       だ。このカメは、ただものではないぞ。背番号 00というのも、
       デジタル世代らしくて、サマになっている。

5月5日(火) 立てばシャクヤク、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、なんて
       いいますが、その牡丹の花を初めて、大量に、近くからマジマ
       ジと観賞することが出来ました。牡丹の花って、大きいんです
       ねえ。こーれは、向日葵や葵に次ぐ大きさですね。「梅にウグ
       イス」「竹に虎」「牡丹に唐獅子」なんて相性が言われていま
       すが、唐獅子とは、ライオンのことですよね。なぜ、牡丹にラ
       イオンなんでしょうか? 朝ガスの愛すべきキャラクターであ
       る、多元虎トララのほうが、なんとなく牡丹によく似合いそう
       に思うのは、牡丹の花にどことなく「虚数」の気配を感じるか
       らでしょうか。

5月4日(月) たまたま、ふらりと訪れたところが、竹の子の産地でした。
       そこの、神社というか公園というか、ともかくすごい人出で、
       境内一面に、あづまや風の休憩所が随所に作られ、「お弁当」
       をいたるところで売っているのですが、これがすべて、「竹の
       子ご飯」そのもの、というから、ビックリ。700円はまあ、
       手頃な値段でしょうか。境内に、タコヤキ屋の屋台が出ていて
       このタコヤキまで、竹の子入りというふれこみです。話のつい
       でにと、これも買って食べて見ましたが、タコと竹の子の歯ざ
       わりの良さがなんとも言えず、アツアツの9個(300円)を
       ペロリと食べてしまいました。

5月3日(日) 今日は、雲ひとつない快晴だあーっ。宿舎の近くの神社で、
       年一回の大礼祭をやっているのを、ガイドブックで知り、行っ
       てみました。こうした小さな神社のお祭りにめぐり会えるのは
       気ままな旅の大きな楽しみです。ここの境内で、初めての発見
       をしました。梅の実というのは、梅の木になるのですねえ。梅
       林に、たわわに実をつける梅の実を見て、いつまでも不思議で
       たまりませんでした。だって、あの梅の花と、梅干とが、どう
       しても結びつかないんだもん。僕は実は、「竹の子」が、本当
       に竹の子だということも、数年前に初めて知ったのですよ。

5月2日(土) GWは、寅さんのように気ままな一人旅に出ます。といって
       も、列車の指定券と宿舎だけは確保しておかなくては、身動き
       すら出来ないのです。二人の娘たちは、就職活動だ、移動教室
       の練習だと、それぞれ忙しいらしく、新潟にいる78歳の父に
       上京して来てもらって、おもりを頼みました。新幹線で、午後
       3時すぎ、目的地に着いた時は、快晴でバンザーイ! ところ
       が、たちまち黒雲が広がって、4時ころには大豪雨。雷まで、
       ゴロゴロと鳴り響く状態です。こーりゃあ、明日からが思いや
       られるなあ。

5月1日(金) もう5月だなあ。今年も、はや1年の三分の一は終わったぞ。
       ん? 今日は、メーデーというのに八十八夜だとは。うるう年
       だから、重なったんだな。それにしても、「朝のガスパール」
       が終了して、1カ月だ。もうそんなになるのか、という気持ち
       もある一方で、終了して3、4カ月たったような気もする。そ
       れにもまして、筒井線は遠くなりにけり、だ。連休明けから、
       そろそろ、朝ガスと筒井線についてのBANYUUなりの総括を、気
       が向いた都度、ボチボチとこの日記帳に書いていくとしよう。
       筒井線の旧乗客のみなさんにとっても、必読ものだよっ!

4月30日(木) 朝日新聞に今月から掲載されているビデオ録画予約の数字、
       いわゆる「Gコード」は、当初、「3桁から8桁までの数字」
       ということで宣伝していたのですが、最初のGセクションに、
       2桁のGコードがあるのに気付いて、それ以降は、「2桁から
       8桁までの数字」ということで宣伝しています。ところが、今
       日の東京夕刊のGセクションを見て仰天しました。なんと1桁
       のGコードがあるではありませんか。「6」!!。この6とい
       う数字1個に、5月1日午後7時から7時30分まで、TBS
       テレビを録画予約する、というすべての情報が凝縮していると
       は、驚きです。わが局の、Gコード担当最高責任者も、「1桁
       があるとは初耳。印刷ミスじゃないだろうなあ」と絶句してい
       ます。
 
4月29日(水) 今日は、新宿東口のアルタ壁面の巨大テレビ画面が、モノ
       クロからカラーに、グレードアップしていました。電車内の広
       告では、5月1日からカラー化と予告してあったので、夢のよ
       うな思いでした。本番テストを兼ねたGW入りのサービス、と
       いったところなのでしょうか。迫力満点のすばらしいカラー画
       像に、通行人たちの間からは驚嘆の声が上がっていました。内
       田裕也監督・主演の映画「コミック雑誌なんていらない」で、
       三浦和義容疑者逮捕の実写シーンが、アルタの壁面テレビに、
       「カラー」で報道されるシーンがありますが、これはもちろん
       合成です。アルタといえばかつての「二幸」ですね。地方から
       たまに上京した時、東京にしかない食料品を「二幸」で買うの
       が、最高の楽しみだった時代が、懐かしい。

4月28日(火) 今日の朝刊各紙に載っている、連続幼女誘拐殺人事件の宮
       崎勤被告が、鑑定人に語っていたという、4件の犯行時の様子
       についての話は、なんとも不気味です。「ネズミ人間が現れて
       何が何だかわからなくなり、気がついたらマネキンのようなも
       のが落ちていた。それをおじいさんにささげるために使った」。
       ウーン、このネズミ人間というのは、深層心理の底にいそうで
       いて、しかもあまりにも劇画的・幼児的で、そこがまたかえっ
       てリアルな恐ろしさがあります。今夜あたり、ネズミ人間の夢
       を見そうでコワイなあ。

4月27日(月) NIFTY−ServeのIDとパスワードが送られて来
       ました。発効日は、今日4月27日と書いてある。いまさら新
       たに、大手ネットに加入するつもりはなかったのですが、3年
       前にワープロを買った時についてきたイントロパックを、先日
       たまたま見付け、シリアルナンバーを使ってオンライン・サイ
       ンアップをしてみたのです。でも、NIFTY−Serveな
       んて、なんだか恐ろしそう。当面は、「ペーパー・ドライバー」
       のままで、おとなしくしています。NIFTYで、面白そうな
       事件が発生したら覗きに行くかもしれないけど……。

4月26日(日) さあ、BANYUUのクッキング・ダイアリイです。今日は、夕
       方4時過ぎ、小田急ハルク地下1Fで、運よく子牛肉を買うこ
       とが出来ました。新宿界隈で、子牛肉を日常的に置いてあるの
       は、ここくらいのもので、それも、休日にはだいたい昼過ぎに
       売り切れてしまうことが多いのです。というわけで、今夜の我
       が家のメニューは、子牛のクリームシチュー。600グラムの
       子牛肉を、バターとサラダ油でさっと炒め、水を加えて、強火
       で30分ほど煮込みます。次に、ブロッコリー、じゃがいも、
       ニンジン、玉ネギと、白ワイン180ccを加え、さらに30
       分ほど中火で煮込み、材料が軟らかくなったところで、クリー
       ムシチューのルー2パックと牛乳180ccを入れ、さらに3
       0分ほどトロ火で煮ます。最後に、生クリームを加えて火を止
       めます。ほかにサラダ菜とプチトマトのサラダ、トロワグロの
       バケットで、リッチなディナーとなりました。

4月25日(土) 10日の日記帳でちょっと触れた、シム・シメールの「時
       の渓谷」が、今日、国際空輸便で、我が家に送られてきました。
       シルクスクリーン技法による最先端の版画で、限定275作の
       中の118番。この限定番号と、schimmelの自筆署名
       が入っています。リビングルームの壁面に、飾ってみましたが、
       あまりの素晴らしさに、二人の娘たちはコーフン状態です。赤
       褐色に輝く巨大な岩壁が、右手前と、左遠方に分かれて描かれ、
       その間の渓谷は暗黒の宇宙そのもの。無数の星が輝く中に、わ
       たしたちの青い地球が、ところどころ雲に覆われたままの姿で
       ポッカリと浮かんでいます。右の岩壁の上には、ブラキオサウ
       ルスと思われる二頭の恐竜。そして、地球の上に、飛び交うの
       は、三頭の鳥脚類、おそらくアナトサウルスでしょう。はるか
       遠方の岩上には、強烈な落雷の光陰が。今、注目のエコロジー
       ・アートの中でも、シム・シメールは、夢とロマン、センス・
       オブ・ワンダー、メルヘンのようなやさしさの中の強烈なメッ
       セージ性などで右に出る者はなく、21世紀に向けて時代を担
       う画家たちの最先端に位置しているといっていいでしょう。

4月24日(金) 今日の各新聞に載っていた、ビッグバンの名残りである宇
       宙の背景照射の温度が均質ではなく、わずかな「ゆらぎ」があ
       ることが、観測された、というニュースには興奮します。その
       温度のズレが、十万分の三度というから、スゴイ! これは、
       0.00003度ですね。われわれ人間は、0.1度の体温の
       変化さえ全く感知していませんが、このような極微小の温度の
       ゆらぎこそが、その後、銀河や銀河団が生まれる「引き金」と
       なり、やがて生命や知性の発生・進化につながっていく……ま
       さに、これ以上のドラマはありません。こんどの観測結果は、
       宇宙構造と世界の本質を解明する上で、画期的なものとなるで
       しょう。

4月23日(木) ウッソー、まっさかー! 筒井線で大量のMESを自己消
       去し続け、僕が怒り心頭に達していた、あの「佐野史和」氏の
       正体を、まったく驚くほどの偶然中の偶然によって、知ってし
       まいました。こんなことって、あるでしょうか。まさに十万分
       の一の偶然といっていいでしょう。「佐野史和」が本名かどう
       かを含め、住所、自宅の電話番号、勤務先と所属部署まで、す
       べてを知ったのです。勤務先をローマ字で書いた場合の頭文字
       はM。自宅の電話番号は、××××−××−××01ですね。
       「佐野史和」氏よ。どうですか。間違いないでしょう。うーん、
       僕は、知らない方が良かったかなあ。

4月22日(水) 先日13日と14日に書いた粗大ゴミの処理料金の通知書
       が送付されてきました。電話で依頼した粗大ゴミの量では、1
       600円のはずだったのですが、夜中に大半が付近の人などに
       持ち去られてしまって、残ったのは解体した組み立てベッドだ
       けになったため、請求額はわずか200円。金融機関への納付
       書とともに、62円切手が張られて郵送されてきました。さき
       ほど銀行に行って納付してきましたが、東京都清掃局は差し引
       き138円の収入を得るために、大変な労力を費やしたことに
       なりますね。お役所仕事でやむを得ないのでしょうけど、ホン
       トにご苦労なことであります。

4月21日(火) 今日は、なーんと、うちの会社にゴルバチョフ元大統領と
       ライサ夫人がやって来ました! 到着したのが、昼過ぎ。もう
       正面玄関は、それとなく聞き付けた社員たちでいっぱい。拍手
       と大歓声の中を到着したゴ夫妻は、SPたちに守られて、編集
       局へ、そして制作局へ。こんな機会は二度とないので、僕は、
       ミーハーに徹して、行く先々について回りました。帰りは、た
       またま本社見学に訪れていた約130人の小学生を含め、2階
       のコンコースは、1000人近い見送りの人々であふれ、ゴル
       ビー夫妻は、みんなと、気さくに握手を交わして、とても、う
       れしそうでした。世界史を変えた偉大な人物を至近距離でじっ
       くり見ることが出来て、大感激の一日でした。ゴルビーには、
       これからも、国際平和と核廃絶のための、良い意味での、真の
       指導者ぶりを発揮してもらいたいと、期待をかけています。

4月20日(月) 今日は、腕時計の水銀電池が切れて、とまっているのに、
       出勤途中で気付きました。社内のいたるところに、掛時計があっ
       て不便はないはずですが、とまったままの腕時計というのは、
       なんとなく不安で落ち着きません。そして、いつもはこんなこ
       とはないのに、いま何時なのかが気になって、やたらと腕時計
       を見てしまうのです。うちの職場に、絶対に腕時計を持たない
       主義のOLがいます。その理由は、「腕時計がないと、近くに
       いる人だれでもに、いま何時ですか? と聞くことによって、
       コミュニケーションのきっかけを作れるから」というのです。
       とてもすばらしい姿勢だと思います。僕にはとても、まねが出
       来そうにありませんが……。

4月19日(日) 僕が小学校に入る前の6歳ころ、夢の中で、こんなものを
       食べてみたいなあ、という一つの料理を考えつきました。それ
       は、サケの缶詰とほうれんそうを煮て、卵でとじるというシン
       プルなものです。今夜の、我家の夕食は、この夢のメニューで
       した。我家の「定番料理」として、一カ月に一回くらいは作り
       ます。最近は、バリエーションも工夫をこらして、木綿豆腐を
       加えたり、小缶のグリーンピースを加えたり、食べる直前に刻
       み海苔を加えたりしています。胃にもたれず、体にやさしいヘ
       ルシーメニューです。

4月18日(土) 夜8時からのNHK教育テレビ、「N響アワー」で、ベー
       トーベンの交響曲第7番をやっていました。この7番の第2楽
       章、アレグレットは、いつ聴いても、全身が金縛りにあったよ
       うな、強烈な揺さぶりをかけられ、しばらくの間、言葉も出な
       くなるのです。この驚異の旋律は、神と悪魔がほんの一瞬だけ、
       共作して書きつづり、その五線譜をベートーベンに、チラと見
       せたのではないかと思うほど、不思議で魅惑的な旋律です。そ
       れは、天からの、人間という存在の深い罪をやさしくいやすよ
       うな旋律のようでもあり、地からの、うめくような旋律のよう
       でもあり……。

4月17日(金) は、は、は、は、阪神がまた勝った! しかも、首位の広
       島にだよ。こーれは、昭和60年(1985年)を思わせる勢
       いだ。だいたい、阪神タイガースってチームは、僕と同じで、
       調子に乗れば、あれよあれよという間に信じられないぺースで
       最後まで行ってしまうけど、ちょっとしたつまづきが重なると、
       チーム全体がシラけてしまって、どうしょうもなくダッチロー
       ルに突入してしまうチームなのだよ。でも、今年は、7年前の
       あの奇跡が起こるかもね。「六甲おろし」を3番までソラで歌
       えるよう、今から、おさらいをしておこう。わーおっ、ジャイ
       アンツは、中日に負けて4連敗だ。バンザーイ!!

4月16日(木) 偶然とは、不思議なもんです。今日、午前11時に、山形
       県朝日村立朝日中学校の生徒たちが、築地の朝日新聞東京本社
       に見学にきました。さらに午後1時には、こんどは新潟県朝日
       村立朝日中学校の生徒たちが、本社見学にやって来ました。し
       かも、山形と新潟の同名の中学は、お互いに同じ日に朝日新聞
       本社を見学するとは、つゆ知らず、全くの偶然というから驚き
       です。この見学案内の仕事も僕の担当の一つですが、朝日の名
       の付く学校がめずらしい上に、このような偶然が重なるとは、
       見学案内嬢たちも、「ウッソー!?」と顔を見合わせて信じら
       れない様子です。

4月15日(水) 「朝日ジャーナル」の休刊が今日、正式決定したとのこと
       です。休刊とはいうものの、事実上の廃刊でしょうねえ。下村
       満子編集長はじめ、スタッフたちの無念さは、察して余りある
       ものがあります。思えば、ジャーナルの創刊は、60年安保の
       前年の1959年、僕が高校へ入学する年の3月でした。いま
       でも、創刊号は大切に取ってあります。入社の翌年、佐世保へ
       の米空母エンタープライズの入港をめぐり、反対運動で騒然と
       した現地へ応援取材に行きました。その時、三派系全学連の各
       セクトへの取材にあたっては、「朝日ですが」と名乗ると、必
       ず「新聞か、ジャーナルか」と尋ねられ、朝日新聞なら取材拒
       否ですが、朝日ジャーナルなら取材OKでした。朝日の、最も
       朝日らしかった週刊誌が、一つの時代とともに姿を消します。
       さようなら、わが青春の「朝日ジャーナル」!

4月14日(火) 朝、出勤する時に、マンション前のゴミ収集所わきを見て
       驚いた。昨夜のうちに出して置いた粗大ゴミのうち、残ってい
       るのは、分解しておいた組み立てベッドだけ。引き出し四段の
       うち二段がなくなっている中型タンス、古くなったビデオテー
       プ専用棚2個、ネコのウンチやオシッコがたっぷりしみこんだ
       大型クッションは、いずれも夜のうちに誰かが持って行ったら
       しく、跡形もない。まあ、スクラップになるより、再利用して
       くれる奇特な人がいるというのは、ありがたいこっちゃ。ただ、
       あのクッションを枕にして寝るのだけは、やめたほうがいいと
       思うよ。

4月13日(月) 東京では、モノを捨てるのも、オオゴトだ。子供の組み立
       て式ベッドなど、壊れたり不用になった家具類がたまったので
       粗大ゴミとして引き取ってもらうのに、一週間ほど前に清掃事
       務所に電話して申し込み、明日14日朝、取りに来てもらう。
       料金は、後で振り込み用紙が送られてくるので、それに従って
       振り込むのだそうだ。ゴミを捨ててカネを払う時代だ。明日の
       朝は、外に運び出す時間がないので、夜のうちにマンション前
       のゴミ収集所わきに出して置く。

4月12日(日) 朝ガスのあとを受けて1日から始まった渡辺淳一氏の「麻
       酔」は、結構、面白い。朝ガスが始まるまでは、新聞連載小説
       など読んだことがなかった僕だけど、習慣といおうか、どうし
       ても、毎朝、トイレで、連載小説に目が行ってしまう。今日の
       ラストの香織の叫び、「このまま、ママが目を覚まさなかった
       らどうしよう」は、今後の展開を暗示していますね。
        これは、投書やパソ通に左右されない連載小説ということで、
       だいたい筋が読める代わりに、明日はどう展開するだろうか、
       という不条理的なイライラ感や気が遠くなるほどの待ち遠しさ
       も、ほとんどない。
        アサパの会議室の中に、朝日新聞の連載小説への感想や意見
       を自由に書き込める会議室があってもいいと思うんだけど、ま
       あ、それらをどうやって作者に見せるか、という難問もあるし、
       それに耐え抜くことの出来る(というか、現実に、出来た)作
       家は、筒井康隆氏以外には、いないでしょうね。

4月11日(土) 新宿のミラノ座で、オリバー・ストーン監督の「JFK」
       を観てきました。こういう映画を作れるアメリカという国はす
       ごい! それにつけても、思い出すのは、あの日、1963年
       11月22日のことです。当時、僕は大学2年生で、松本清張
       の、タイトルは忘れましたが、偶発事故によって核ミサイルが
       日本に向けて発射されるという小説を読み終え、キューバ危機
       の戦慄を思い出しながら外出したとたん、目に飛び込んで来た
       のが、ケネデイ大統領暗殺の号外でした。これも小説の延長で
       あるような錯覚に一瞬、陥ってクラクラッとしたことを、昨日
       のことのように鮮烈に覚えています。

4月10日(金) 昼休みに有楽町阪急に行って、今日から始まった現代絵画
       の展示即売会で、シム・シメールの「日の出のアフリカ」と「
       宇宙の宝石」の2点を買いました。両方で75万円。先月8日
       には京王プラザで、同じシム・シメールの「時の渓谷」を30
       万円で買いました。これで、貯金はゼロになったけど、シム・
       シメールの絵画の中でも、最も気に入っている3点が揃うので、
       大満足です。

4月9日(木) わが社の春闘は、ヤマ場だ。さきほどの第四次回答をめぐっ
       て意見集約が行われている。収束か、さもなくば明日午後の時
       限スト突入か。こういう時、デスクという中間管理職の末端に
       ある僕の立場は微妙なものがある。
        新幹線通勤をしている部長は、組合員でもないのに「こんな
       低額回答は全く評価出来ない」と叫んでいるぞ。エライエライ。
        まあ、今夜遅く収束決定するのは間違いないだろうなあ。

4月8日(水) 朝日新聞PR版4月号の青焼きが出来て来た。
        1メンの左に、愛鳥作品コンクール表彰式の記事。1メン下
       の広告は、愛鳥チャリティーコンサート、とバードウィークを
       前に読者に配布する紙面としては、上出来!
        と、思って2メン下の広告を見たら、旅行代理店の中国旅行
       の案内で、こともあろうに、「北京名物・北京ダックをご賞味
       いただきます」とある。ダックだって、鳥なんだろうになあ。

4月7日(火) うー、寒い。北風ピューピュー。
        今日は会社を休み、娘の中学校の入学式に行って来ました。
       超高層ビル群を見上げる新宿区立淀橋中学校。かつては、1学
       年12学級もあったのが、都心の過疎化によって、しだいに生
       徒数が減り、今年の新入生は、3クラス93人。
        校長や来賓の挨拶は、みな祝辞の中で、「ご出席のお母様が
       た」というんですよね。そりゃあ、確かに、今日入学した生徒
       たちの中で、父子家庭は、うちだけさっ。でも、「お父様」だ
       けの出席だってあるんですからねっ。
        これからは、保護者会であろうと何であろうと、オバタリア
       ンたちの中で、ただ一人、お父様として出席するから覚悟して
       おきな。

4月6日(月) アサパに久々にアクセスしたが、どの会議室にも書く気がせ
       ず、どの会議室もROMしようという気にならない。
        とくに、筒井線については、いまさらその後の展開をROM
       したところで、何の意味もないので、僕自身にとって、永久封
       鎖のままにしておきます。

        今日の夕刊文化面に、筒井康隆氏による「朝のガスパール」
       連載を終えて、という一文が掲載されています。これがなかな
       か面白い。筒井康隆氏は、きんさんぎんさんを超えるつもりで
       すね。

        ところで、この自己紹介は、最大でどのくらいの長さの分量
       を書き込むことが出来るのでしょうか?
                                BANYUU

 超長行の自己紹介を最後まで(いや、最初までというべきか)読んで下さり、
ありがとうございました。


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