巨大風車建設現場からの生の声 (1)

 当no-windfarm.netに寄せられた、全国各地からの風車被害者たちの声です。
 ご本人たちの了解を得た上で、その一部を紹介します。
「低周波による健康被害は証明されていない」「500m離れていれば大丈夫」などという事業者のいい加減な説明と、実際にこうして苦しんでいる人たちの生の証言と、どちらに耳を傾けるべきか。ここから先は、どうかみなさんがご自分で判断してください。

南伊豆町より Mさんからのメール

※Mさん(女性)は、静岡県賀茂郡南伊豆町に住んでいらっしゃいます。パソコンをお持ちでないということで、なんとケータイから5000字以上の長いメールをいただきました。
一部を抜粋してご紹介します。太字修飾と注はこちらでつけさせていただきました。


私はパソコンを持っていないので、携帯からメールを送らせていただきます。

福島県も大変な状態である事を初めて知った次第です。

南伊豆はアセスメントの滅茶苦茶な中、住民の知らないうちに計画は進行しておりました。

気がついた時には環境影響評価の縦覧も終わっており、縦覧期間より前に予定地ではもう既に伐採(事業化)が始まっていたのです。

☆☆☆

少し、私の周りの事を書かせて頂きますね。
個人的な場面からの話なので、くどくて読みづらいと思いますが、これから身近に建てられる方々の何か参考になれば…と思い、もしよければ時間のある時でよいので、カーソルを下に送ってくだされば幸いです。

☆☆☆

私達の町に入っている事業者は、Jパワー=電源開発(株)・M&Dグリーン(株)・(株)トヨタ通商の三社合資で、電源開発(株)が出資額の一番多い メインとなっている会社です。

この計画が立ち上がった数年前、土地利用委員会にかけた計画地は財産区使用の承認が下り、そして町長も印を押して早々に国に上がったのです。何より先に補助金の申請から始まった事業*1でした。

事業者と町行政間では、「町はこの事業に協力をする」という協定を先に結んだようで、彼等は町行政をうまく使いながら住民が固まって騒ぎにならないよう注意を払い、事を進めてきました。

建設予定地に近い数地区での簡単な説明会を開き、区長に承認印をもらってしまえば、その後は「個人対応なら協議に応じる」という姿勢になり、住民がまとまって協議になりそうな席は拒否の態度をとります。

町民全体としては建設予定がある事すら知らない人々が大多数でした。役場へ集中する怒りの声に対し、その住民どうしが繋がらないよう、町も細心の注意を払ってきたのだな…と、今までの経過を見てようやく確信できるようになりました。

住民が事業のおかしさに気がついた頃には、「もう後戻りできないところまで進んでしまった事業だから」と、既成事実で住民に諦めさせる手順が整っていました。

私達も気がついたのは、目の前の山に異変が起こってからで、声を上げ始めたのは影響環境評価の縦覧が終わった直後と、遅いスタートでした。

声を上げる度、何回も潰されながら未だにあがいています。

以下の話は、一部の状況説明にすぎませんが、こんな情報でも何かお役に立つ事がもしあれば…と思ってお送りするものです。最初から進め方のおかしいこの事業に対し、安全も安心もクリーンもエコも何も求められないと知ったいきさつです。

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私の家は海から1.5km程離れた小さな山合い、風のよく通る谷に位置します。ホールのように円く山に囲まれた地形なので、鳥のさえずりがそのホール状の谷をサラウンドし、夜には洋上沖を通過する船の音が風に乗って届いてくるところです。何もない、手つかずの小さな自然の残る地です。

私達夫婦もIターン組、つまり移住者です。

こつこつと自分達の手で何年もかけて建てた家で、住みながらつくりました。なんだかんだと十数年経ちまして、やっと落ち着いた日々となったところでした。年老いた母もゆっくり住めるようにと、次につくり始めた2棟目ができたばかりのところです。

1年前のある日、どうも山がざわつく、何かおかしい。こちらからは見えないが山の裏で何をやっているンだろう?…と気付き、町に尋ねて初めて、風力発電施設建設位置が自宅から近い事を知りました。すぐさま事業者を呼びつけ問い正したところ、なんと、石廊崎から大瀬という地域にかけて小さな山並の尾根を広大に削って風車が17基、それも景観にそぐわないほど巨大な風車(ベスタス・2.000kw・120m高・ブレード直径80m)を建てると言うのです。その17基のうち6基が我が家の1km圏内に*2ありました。

冬に吹く強い西風をあてこんで建てられる風車群の真東に我が家は位置しているので、全ての風車の風下となります。

そのうちの1基は家の正面目の前、190m高しかない小さな山の頂上を削って建てる*3との事、そこから家までの間に遮蔽物は一切ありません。風車からの距離はタワーの中心ポイントから測って、たったの440メートルです。遮蔽物のない小山なので、体感距離はもっと近く感じます。

我が家は全窓西向き、西を正面とするので、全部屋のどの位置からもその巨大な風車1基は、すぐ目の前にそびえ覆い被さる形となります。その風車のすぐ後ろに自宅から800mの距離でもう1基。正面左手には1kmで2基、正面右手にも1kmで2基と囲まれます。それら数基の合成騒音が24時間頭上から降り被さってきて、ホール状の谷合いを反響する事は必至です。低周波音振動もきっと、想像を絶する事でしょう。

東伊豆町から騒音・低周波に詳しい方もこの地形を見に来られ、驚いていらっしゃいました。しかし、事業者は「何もないと我々は考える」と、騒音予測値の結果を減衰計算の多いISO式で持って来たのです。それによると、440mの距離でさえ、現状とほとんど変わらないくらいに静かに過ごせるような数字です。

そして西の真上でブレードが回るという事は、晴れた日の午後と月夜の晩は、規則的に刻む『回る影』に苦しめられる事となるでしょう。
夜の航空障害灯の点滅の反射もきっときついでしょうね。

その上、こちらから問わなければ、事業者は何も明らかにしないので、しばらくは知りませんでしたが、17基全ての風車が発電した22,000ボルトの電気を送る「高圧線」が、その目の前の山から走るとの事。風車で満杯になってた頭の中に、追い討ちをかけるように「30m高の送電塔と送電線」までもが、自宅から200mの距離で正面から右手を囲むように数基建てられる事を知った時には本当に打ちのめされました。

私達は目の前に回転する巨大な人工物を建てられ、後ろに5基も控え、その風車群に囲まれた上に22.000ボルトの高圧線と送電塔にまで囲まれるのです!!

その後、その送電塔を建てる方法がヘリコプター建設である事を知ります。

目の前の山の後方に仮設ヘリポートができ、部材を吊り下げた低空飛行のヘリコプターが半年近くも往来するわけです。なんと!我が家はヘリルートにすっぽり入っておりました。

事業者側はわかっていても何も知らせず、犠牲と悟られぬよう、何でもない事のように、説得に来ます。こちらが条件を出せば、全て了承を得た形に持って行く手法*4です。

説明を求める度に大丈夫だという、数字を押さえこんだ予測データを山のように持って来ました。

そのデータの中には何ひとつ安全の確約がない事に驚き、理解できたのは我慢を強いられる20年である事だけでした。不安とやって来る苦痛を訴え続け、危惧の大きい号基の取りやめと送電塔の移動を申し入れ続けた1年でした。

いよいよ事業者側の工期が差し迫ると、こちらの要望は軽くはねのけ、「これ以上話をしても協議にならないと判断した。工期として進めないといけない時期に来たので、そろそろ工事に入る事を通告する」と一本の電話をよこしたきり、いきなり翌々日から目の前の山の岩を砕く物凄い音が谷合いをサラウンドし始めたのです。この3月頭の話です。

現在、風車が来る前にもう既に耳の奥が痛い毎日です。

これらの苦痛は勿論我が家だけではありません。小さな山なので、1kmにも満たない山向こう、東西南北全ての民家にも同じことが起こっています。

…役に立たないとわかってはいましたが、町役場に電話をすると、企画調整課から担当が飛んできました。ホールを駆け廻るすごい音に今さらながら彼らも驚き、さりとて成す術もなく、暗い顔で帰って行きました…。

追い討ちをかけるように先週、建設業者から「来週から送電塔用地の伐採をするのでチェーンソーを使う。」と、まだ何も安全安心の提示がないのに一方的な通告です。

抗議を続けるだけでへとへとです。

事業者側が「協議」としていたものは、住民をかんがみて話し合う事ではなく、営利事業の都合を通す為のみの時間稼ぎとエネ庁への体裁だったのだな…と痛感しています。

原発を作り、ダムを作って来た会社です。やり方は同じなのでしょう。理不尽な強制執行をされている気持ちです。

各地での被害が浮上し始め、新聞報道にも南伊豆が触れられた事もあって、いきなり工事が急ピッチになりました。もう数軒の住民など無視して畳み込みです。強引に既成事実をどんどん作りこんでいます。

これから我慢と健康被害の20年が待っているのかと思うと何かをせずにはいられないのですが、とてもこちらの動きは、相手がでかすぎて追いつかないのが歯がゆく悔しいです。

国行政…経済産業省エネ庁・環境省、県庁…環境課・人権相談室、その他…と思いつくところには個人の形・区域の形・近隣住民の形…と様々な形で声を届け、陳情や要望、訴状、電話と以前から休みなく続けておりますが役所は困るだけで、のらりくらりです。世論を動かしたいと、報道関係、新聞・雑誌・番組と思いつくところには石を投げてきましたが、1年前は大変難しく、やっと今、壁が砕かれ始めた感じ*5です。…それでも水俣やアスベスト問題に比べれば、気がつく人が多く、展開はまだ早い方だと思っています。どの行政機関と話をしても、若そうな男の子か勉強不足のおじさんばかりの対応で、芯に触れず、情けない限りです。(さすがに最近は対応が変わってきましたが…)

つまるところ人権も何もないのだな…と痛感し、寝た気もしない毎日を過ごしています。

☆☆☆

この事業は、未来の為の新エネルギーだと勢いこんで企業が飛び付き、法整備が成されていない事につけ込んだ、合法な詐欺だと私は思っています。

法がないので、全てやりたい放題。何かが起きても予測しなかった事とあやまれば済んでしまう。知ってて行っている事業なのに住民を騙した事にならない

昨年雨期に、整地前の伐採直後大雨が降り、現場の沈砂池が氾濫。漁港も泥水で赤褐色に染まりました。エビ網漁や、アワビ・サザエに懸念が出たにも関わらず、『因果関係がはっきりしない』という事で、漁協に多少の見舞金が出て終わりました。庭先が浸水した近隣宅には、『予想だにしなかった大雨の上、整地前だったからであり、今後このような事のないよう沈砂池を広げ、防災工事を強化する』…で終わったのです。

事業者の『何かがあった場合にはきちんと対処する』…とは、根本的な解決ではなく事業を継続する上での応急処置しかなされない事がよくわかりました。(予測はしてましたが)法がないという事は、建ったあとに被害が出ても、きっと泥水問題と同じような対処方法しか成されず、体よく処理されてしまう事でしょう。

風力発電事業に対して(新エネルギー全般に言えますが)、立法までにはまだ時間がかかります。健康被害が出ても公害と認められるまでには、それもまだまだ時間がかかりそうです。

知らないで建てられてしまった方々は未だに救済されておりません。そして私達はやって来る被害がどのようなものかわかっているのに建てられようとしております。

一住民の小さな力でできることは、これを早くたくさんの人に伝えて知ってもらい、次の被害者を出さないよう気付いてもらう事であり、その声を膨らませ、少しでも早く世論を動かすことだと思っています

事実を伝えて行き、行政は、町も県も国も守ってはくれない事を知って頂き、建ってからでは遅い・自分達の身を守る方法を探して欲しい…と切に願う次第です。

…長々、主観も入ってしまった文面をたくさん書いてしまって申し訳ありません。

そちらの機種やサイズが何なのか、どのような状況の中に何基建てられるのかも全くわからなかったのですが、1基が 2.500kwと聞いてひっくり返るほど驚き、思わずメールを送ってしまいました…。


注:
*1何より先に補助金の申請から始まった事業
これは事業者の別なく、全国各地で風力発電事業者がやっている手法。衆議院では、保坂展人議員がこうした手法の違法性について政府に質問をしている
//三 補助金交付手続き上の認定要件適用の問題点と申請書類精査の必要性について
 補助金交付にかかわる質問については、先の答弁では「……その交付に当たっては、申請者に環境影響調査及び地元住民との協議等の実施を求めるとともに、外部の有識者により構成される審査委員会において採択審査を実施するなど、適切に執行している。」とのことであった。しかし、補助金交付決定が審査委員会での採択審査に付され、その精査のもとで決定がなされているのであれば、申請者である事業者は、交付要件とされる環境影響調査および地元調整をきちんと実施しているのであろうから、各地域において紛争、反対運動など起きるはずがない。しかし実態は、風車建設予定地域で紛争、反対運動が起き混乱が続いている。この事実をどう考えるのか。以下、「環境影響調査」と「地元調整」について、東伊豆町のクリーンエナジーファクトリー(株)(以下CEF)および南伊豆町の(株)Jパワー等(以下電源開発等)による事業展開の具体的事実に基づいて問題点を指摘する。「適切に執行している。」とする政府答弁が適切であったのか、再度、明確な回答を求める。
 1) 「環境影響調査および地元調整の実施」については、「新エネルギー事業者支援対策費補助金を応募される事業者のための新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法第八条に基づく利用計画の認定について(経済産業大臣の認定申請手続き)」および経済産業省の各地方局から出される「事業者への募集要項」に交付認定要件として実施が求められている。補助金交付を求めて事業を展開しようとする事業者は、要件としての「環境影響調査および地元調整」を誠実に実施、履行する義務を負わされていると考えるが、いかがか。
 2) 環境影響評価方法書並びに環境影響評価書(案)に対する住民の「意見書」への回答が拒否されたが、このようなことは許されるのか(CEF)。
 3) 縦覧にも付さずに、環境影響評価書(案)を環境影響評価書と偽って添付し補助金交付申請をすることが「適切」なのか(CEF、電源開発等)。
 4) 本来、環境影響評価書に基づいておこなわれるべき地元説明会を開催せず、建設予定地周辺住民への周知さえ欠いたまま、環境影響評価書(案)の縦覧前に首長の事業への同意印を取り付けて補助金交付申請をすることは不適切と思うが、いかに考えるか(CEF、電源開発等)。
 5) 前項の状態で首長の同意印を取り付けて地元承諾とすることは補助金交付申請手続き上、「適切」といえるのか(CEF)。また、前記のような手続きのもとになされた申請について、交付決定をすることが「適切に執行している。」ことになるのか(CEF、電源開発等)。
 6) 事実を踏まえない事業者の一方的報告や補助金交付申請のもとでの事業展開により各地域で紛争並びに建設反対運動が多発している。これらは所管官庁である資源エネルギー庁の不適切な交付決定によるところが大きいと考えるが、いかがか(CEF、電源開発等)。
 7) 南伊豆町では、送電線用の土地使用権取得に関して、同意を与えていない土地所有者への断りもなく測量用の杭を打ち込み、土地所有者の権利を侵して土地利用の承諾を迫っている。事業者のかかる不法行為による承諾の取り付けについて政府はどのように考えるか(電源開発等)。//



*217基のうち6基が我が家の1km圏内
豊川市の例では、1500kw風車1基が建てられただけで、そこから3km離れた家に住む人が不眠症状などの健康被害を訴えている。2000kw6基が1km圏内にあるという状況はいかにとんでもないことか……

*3山の頂上を削って建てる
山の頂上を伐採するというのは絶対にやってはいけないこと。保水能力の著しい低下を招き、予期せぬ問題(井戸水の渇水、沢や小川が干上がる、土砂崩れ……)が起きる可能性がある

*4こちらが条件を出せば、全て了承を得た形に持って行く手法
これもあちこちで風力発電事業者がやっている手口。「意見書」という名の書類を「住民の了解を得た」という書類として添付し、国に補助金申請を行っている。それを受理して補助金を出す国もどうかしている

*5世論を動かしたいと、報道関係、新聞・雑誌・番組と思いつくところには石を投げてきましたが、1年前は大変難しく、やっと今、壁が砕かれ始めた感じ

確かに2008年あたりから少しずつ報道されるようになってきたが、朝日新聞の4月1日の1面、2面を使った大々的な特集記事のように、風力発電事業に「障害」が出ていることを懸念し、推進するためにはどうすればいいのかという論調を展開するメディアもあり、実際に被害を受けている弱者にとっては泣きっ面に蜂状態である。



※このお便りには本当に心が痛みました。
彼女はどんな気持ちで、ケータイ端末の小さなボタンを押し続け、このメールを書いたのだろうと想像すると、たまらなくなります。
道路ができて物流の助けになるというようなことではないのです。巨大風車がもたらす恩恵はありません。電力供給の現場にとっても迷惑な施設であり、大切にしなければならない石油を大量に無駄遣いしたあげくに、人や動物の命を脅かす。利益を得るものがいるとすれば、工事に関わった建設業者、その後の発電事業には関係しなくてよい、一部の仕事受益者でしょうが、この国がひどい方向に突き進んでいくことと引き替えに一時の儲け話にしがみつくのは愚かなことです。
こうした生の声に対して、「我慢しろ」と言う人たちは、一体どういう論理でそう言い切るのでしょう。
最も愕然とさせられるのは、政府、省庁、地方自治体……世の中を正しくリードすべき立場の人たち、特に決定権と権力を持った人たちが、怖ろしく理解力がないということです。
風力発電の問題点をていねいに説明しようとすると、「あなたは電気を使わないのですか?」などという馬鹿な問いかけをしてくる首長が存在します。
選挙区の住民たちから乞われて大金を投じ、風力発電所を誘致してやったのだと、得意げに言う代議士もいます。
加えて、かつて反原発運動や公害訴訟などで運動していた人たちが、今は積極的に風力発電プラント誘致のために奔走していたりもします。これも非常に問題解決を困難にさせている要素です。
この世界で生命が維持できているのはなぜなのか……その基礎的な仕組みを理解していないと、イメージ戦略だけで簡単に誘導され、利用されてしまうのだと、改めて思い知らされます。

私のところにはいろいろなかたからのメールやコメントが寄せられますが、頭だけで考えて「よきこと」を主張しているつもりになっている文章と、実際に命の危険、人生の目的や生活基盤を奪われる危機に直面し、やむをえず声を上げる人の文章の差は、読めばはっきりと分かります。

風力発電に期待を抱いているかたがたには、まず、「日本における風力発電がいかにエネルギー浪費ビジネスかということ」を冷静に見抜いてほしいのです。オランダの(農家が粉挽き臼を回すために使っていたような)伝統的風車を想像していませんか? そんなかわいいものではありません。直径が80mから100mもあるという巨大な合成樹脂製の羽根を回すのです。
無発電時間が長く、発電時間と発電量も予測が建ちません。強風で簡単に壊れ、吹き飛ばされた羽根を業者はまともに撤去もしない。17年後には耐用年数を終えてゴミになりますが、そのときの撤去費用がいくらかかって誰が出すのかさえはっきりさせないまま、とにかく補助金申請をして、税金から金を出させ、建ててしまえばこっちのもの、というやり口。
現場の姿を知った上で、それでも「風力発電は有効である」というのであれば、それこそ「有効なデータ」を示してください。巨大風車を作って、日本まで運び、林道を拡幅し、山頂を丸坊主にして100m超の高さの物体を並べていくまでに使った石油はどれくらいか。耐用年数とされる17年、無事に稼働し続けたとして、そのことで火力発電所の燃料をどれだけ節約できるのか。考えれば、いかに無理な話か、理解できるはずです。
石油を節約できないエネルギー事業など、やってはいけないのです。
より多くの金を使うための広告塔にするだけであれば、あまりにも罪の大きなビジネスです。

日本に巨大風車はいらない 風力発電事業の詐欺と暴力
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