〜10years Episode25〜

構想・打鍵 Zeke

 この作品はフィクションです。登場する人物、名称、土地、出来事等は実在するものではありません。
 本作は(株)ELFの作品「同級生2」の作品世界を設定として使用しております。 

※翌日
 3時限目が待ちに待った…と言う訳ではないが、体育だった。男子と女子は別々の
メニューになるので、授業は隣のクラスの女子と一緒に行われる。桜子達のクラスは
C組なのでD組の女子と一緒に体育を行う事になっていた。
 この時期の体育の授業というのは、クラスの中で誰にどれだけの体力があるのかを
見極めるために、陸上がメインとなる。
 そんなわけで、軽くランニングをした後は短距離のタイム、幅跳びの記録を計測す
る事が主な内容になった。

「ほら、桜子」
 幅跳びの計測係を終えた桜子を摩耶が手招きする。誘われるままに摩耶の元へ行く
と、
「…あそこ」
 と指をさしてくれた。その先を目で追っていく…、
『次ー、真木さんと水野さん』
 スターターの女子に促され、ロングの髪を襟足辺りで束ねた眼鏡の娘が100Mの
スタート地点に着くところだった。
「あの娘がどうかしたの?」
 当然の疑問を呈する桜子に、
「あの娘が、水野友美よ」
 摩耶が応えた。
 水野友美。その名には桜子も見覚えがあった。先日職員室前に張り出された学力考
査の発表で『1』という数字の下に書かれていた名前だ。
「えーと……、あの学年トップの?」
 そう答えた瞬間に笛の音。と同時に2人の走者がスタートを切った。成り行きでそ
のレース(?)を目で追う桜子と摩耶。見る間に走者2人の差が開き始める。もちろ
ん友美が先だ。
「はやぁい」
 そんな感想が漏れてしまうほどの速さだった。タイムの方もそれを証明するように、
『12秒7』

「文武両道ってヤツね。おまけに見ての通り好ルックス。“天は人に二物を与えず”
 なんてのは嘘ね、絶対」
 いつの間にか2人の背後に美弥が立っていた。それに応えるように摩耶の方もうん
うんと頷いている。またしても蚊帳の外だ。
「だから、その文武両道さんがどうしたのよ」
 ちょっとイライラ。そんな桜子を宥めるように、
「教えて上げるけど、心の準備はいい?」
 美弥が言葉を継ぐ。2人の本心がどうあれ、桜子にしてみれば遊ばれているような
ものだ。それでもなんとか気を鎮め、
「だから、どうして心の準備が必要なのよ」
 やや冷静に聞き返す。聞き返された2人の方は顔を見合わせ、また押し黙る。どう
やらどちらがそれを口にするかで迷っているようだ。
 そんな奇妙な沈黙の後、摩耶がポツリと、
「あの娘ね、幼馴染みなの。綾瀬君と」

「………」
「……」
「………」
 先程とは質の違う奇妙な間が空いた。その間、どんな考えが桜子の頭を過ぎったの
かは想像するしかない。
「へ、へぇー そーなんだー でもそれがどーかしたのー?」
 見た目平静に見える桜子。でも台詞棒読み。そんな桜子に追い打ちでも掛けたいの
か、
「勝ち目… 無いよねぇ」
 ほぅっと溜息を吐く摩耶。
「まあ、背も向こうの方が高いし、頭も運動神経も向こうが上」
 桜子の背中に『背丈』『頭脳』『運動神経』の札が付いた矢がぐさぐさと突き刺さ
る。
「ルックスも良いしねぇ… プロポーションなんて……」
 2人の視線が桜子の胸の辺りを彷徨う。そして一様に、
「はぁっ…」
 深い溜息を吐いた。
「な、なによぅ、その溜息は……」
 分かってはいたが聞き返さずには居られない。
「いや、比べるのも烏滸がましいかな…って」
 尚失礼である。ちなみに桜子の背中には、『ルックス』『プロポーション』の札付
き矢追加されていた。満身創痍。
「あ、ついでに言っとくと、自宅も隣同士なんだって」
 それは結構重要で『ついで』では済まないのだが、ここまで来るとそれすら霞んで
くる。
「あと、部屋も窓を隔てて隣同士だって事だけど、ま、さすがにこれはフィクション
 だろうねー」
 事実だった。
 
「ま、そういう訳だから」
「諦めた方がいいよ」
 2人の親友にポンと肩を叩かれ、桜子の恋は終わりを告げた。


 ……であれば話は簡単だったのだが、

※昼休み
「桜子ぉ、お昼にしよー」
 相も変わらずどこか間延びしたような摩耶の声が桜子を誘う。誘うと言っても別に
疚しいことに誘っているわけではない。お昼を一緒に食べようという事だ。
「あ、私、今日パンなの。買いに行ってくるから待ってて」
 見た目割と元気そうな桜子。とゆーか、結構元気だった。早めの荒療治が功を奏し
たらしい。そもそも昨日知り合ったばかりだし、ちょっとお喋りした程度の仲では、
そう大きなショックを受ける筈がなかった。
「うん、待ってるよ」
 という摩耶の声に送り出され教室を出た桜子だが、美弥がいないのが気になった。
実はパンを買うのは初めてなので色々伝授(どのパンがお勧めだとか)して貰おうと
思っていたのだ。だが購買の前に来てその理由が分かった。
『黒山の人だかり』
 この言葉の意味そのままの光景が目の前に広がっていた。
 パンを買い求める生徒の群。見ているだけで貧血を起こしてしまいそうだ。とても
じゃないが、この荒波をかきわけてパンを買い求める気にはなれない。
(残り物で我慢するしかないかなぁ)
 と思う一方で、果たしてこの惨状で残り物が出るだろうかと心配にもなった。

「どうかした?」
 校則違反になるが校外のコンビニにでも買い出しに行ってしまおうか? 半ば諦め
てそんな事を考え始めたとき、背後から声が掛かった。
 聞き覚えのある声。振り返ってみると、やっぱりというかそこには龍之介が立って
いた。
「え、えっと… あの……」
 先程刷り込まれた噂がチラつくのか、どうにも言葉が出てこない桜子。或いは忠告
を真に受けて警戒しているのかもしれない。そんな彼女の態度を“パンが買えなくて
難儀している”と取ったのか購買の方へ一度目をやり、
「ははぁ、出遅れたんだ」
 顔を桜子に戻し訪ねる。続けて、
「なに買うつもりだったの? 俺も買うもんあるからついでに買ってきてあげるよ」
 おもむろに桜子の前に手を出す。
 そんな龍之介の申し出に
(どうしたもんだろう?)
 と自問する桜子。別に悪意があるようには見えないし、厚意に甘えても拙いことが
あるようには思えない。それに何と言っても、龍之介の勢いに押されてしまった。
 500円玉を手渡し、
「チョココロネに…… あと、カツサンドが人気あるって……」
「あー… この時間じゃカツサンドは無理だな。コロッケパンでもいい?」
 こくん、と頷く桜子。別にカツサンドに特別な思い入れがあるわけじゃ無く、美弥
が嬉しそうに自慢していたのを思い出したからだ。
「了解。んじゃ、ちょっと待ってて」
 という言葉を残し、人集りの仲へ身を投じる龍之介。その姿はすぐに他の学生服と
混ざり合い、紛れた。

 それから3分ほど待っただろうか。
「お待たせー」
 戦利品を抱えた龍之介が再び他の生徒をかきわけ戻って来る。
「ごめん。やっぱりカツサンド売り切れてた。あと、飲み物何にするか聞かなかった
んだけど、カフェオレでいい?」
 チョココロネとコロッケパンを受け取り、再びこくんと頷く。
「良かった」
 ホッとしたような笑顔でカフェオレを手渡す。受け取ろうとした桜子は目を疑った。
龍之介の手にあったのが、カフェオレ2つだけだったからだ。
「あ、あの… 綾瀬くんが買ったのって……」
「ん? ああ、コイツが欲しかったんだ」
 もう一つのカフェオレを掲げてみせる。
「そんな……」
 そう。紙パックのカフェオレなら、すぐ脇にある自販機でも売っているのだ。そん
な桜子の申し訳なさそうな顔に、
「あれ、知らなかった? 購買のカフェオレと自販機のカフェオレって微妙に味が違
 うんだ」
 そんな訳が無かった。どちらも同じメーカーの同じカフェオレだ。ただそれが龍之
介の気遣いであることは桜子に伝わったのだろう。
「ありがとう」
 その気遣いに報いるべく、笑顔でもって礼を述べる。
「どーいたしまして。あ、これお釣りね」
 桜子の手を取り、その上にちゃりんと小銭を数枚乗せる。男の子に手を握られたの
は小学校以来だった。
「じゃあね。あ、今度パン買うときは4時限目が終わった直後に教室を出れば買いや
 すいよ」
 そんな忠告を残し、その場を去ろうとした龍之介を、
「あ! あのっ……」
 桜子が呼び止める。振り返る龍之介。
「もし… 暇だったらでいいんだけど……」


※
 結局、桜子が教室に戻ってきたのは5時限目が始まろうかという、予鈴も過ぎた本
鈴1分前。教室に入るや否や、摩耶の
「待ってたのにぃ」
 という不満の声と美弥の非難の眼差しに迎えられた。
「ごめんね。ちょっと知り合いに会っちゃって、一緒にお昼しちゃってたの」

 2人で中庭に出てずっとお喋りしていたのだ。龍之介はカフェオレを啜りながら、
桜子はパンをかじりながら……。聞けば弁当は4時限目の授業中にたいらげてしまっ
たという。
 他愛のない会話が殆どを占めていたが、桜子にとっては重要な事が聞き出せた。

 「弁当? 家の人が作ってくれてるけど?」
 「本当は彼女とかが作ってくれてるんじゃない?」
 「はは…、そうだったら良いんだけどね」
 これを聞いた桜子が『龍之介には彼女がいない』と判断してもおかしくはないだろ
う。龍之介にその意図があったかは不明だが……

 そんな淡い想いに浸っていた桜子を現実に引き戻したのは、
「知り合いって…… 誰?」
 という美弥の言葉だった。
(あう……)
 言葉に詰まる桜子。考えてみればこの学校でお昼を一緒に食べるほど親しいのは、
目の前にいる2人しかいない。
「あ、あははは…」
 取り敢えず乾いた笑いで誤魔化してみる。誤魔化せるような相手だとは思わなかっ
たが、時間稼ぎぐらいにはなるだろう。もちろんこの状況で数秒の時間を稼いでも、
なんの意味も無い。
「あんたわぁ〜 わたしらの忠告を聞いてなかったのか!?」
 ゆらり、と桜子の前に立ちはだかる美弥。どうやら一緒にいる所を見られてしまっ
たらしい。
「あ、あはははは…」
 もう笑って誤魔化し切るしかない。なんだか“ぴしっ”という音がして、美弥の額
に四つ角が浮かんだように見えたが、その直後に5時限目開始のチャイムが鳴り、間
を置かずに教師が教室に入ってきた事から桜子は救われた。
 ただし時間限定ではあったが。


※
 で、放課後。
 一旦は救われた桜子だったが、HRが終わり逃げ出す間もなく捕まった。教室の隅っ
こに連れて行かれて尋問開始。

「怒らないから誰と一緒だったか言ってみそ」
 既に半分怒っている状態でそう言われても、全然、全く、芥子粒程も信用できなかっ
た。
「あ、あのね、誰かと一緒にいたって言うのは嘘で、本当はコンビニに行って……」
「そうかぁ。外に出るのは校則違反だから言い出せなかったのね」
 摩耶が助け船を出してくれるが、船はどうやら泥船らしい。桜子の言い訳を先に封
じただけのようだった。
「………」
 案の定押し黙ってしまう桜子。そんな桜子を見、美弥が「ふぅっ」と溜息を吐く。
「分かっているとは思うけど、別に嘘吐いたことを責めてる訳じゃないから」
 そんな事は分かっていた。それどころか何故責められているのかも分かっていた。
分かっていたから嘘を吐いたのだ。
「……“明日も一緒にお昼食べよう”って誘ってくれたもの」
 ポツリと漏らす。今日食べられなかったカツサンドを食べさせて貰う約束をしたの
だ。
 その過程全てを端折っても、2人の友人には桜子が何をいわんとしているのかわかっ
た。だからこそ引き留める。
「だから、あいつには水野友美が……」
 先程ダメージを与えた攻撃を繰り返すも、
「“彼女なんかいない”って言ってたもん!」
 実際はそこまで明確に言われてないものの、少なくとも桜子はそう判断していた。

「………」
「………」
 桜子の切実な訴えに黙り込む2人。その心情を台詞にすれば多分、
(ダメだこりゃ。相当に毒されている)
 だろうか。眉根に指を当て、美弥がついと目を逸らす。そして背後の摩耶に向かっ
て一言、
「摩耶、やっちゃって」
「えー? 本当にやるの?」
 嫌そうに顔をしかめるが、既に準備は出来ていた。おさげの髪を解くと手ぐしで梳
き、授業中に愛用している眼鏡を掛け、美弥から借りたカチューシャを付ける。
 そしておもむろに口元に手の甲を当て、

「ほぉーほっほっほ… 私と龍之介くんの間に割って入ってくるなんて、随分とまあ
 無謀な方がいらしたものね」
 どうやら本人は友美を真似ているらしい。微妙に…、いやかなり性格がねじ曲げら
れている様に見える。一応本人(摩耶)は友美が社長令嬢という事を知り、それを考
慮に入れたようだが。
「なにそれ? 水野さん?」
 半ば呆れたように摩耶を見る桜子。それを無視して、
「私から龍之介くんを奪おうとするなんて、とんだ泥棒猫さんね」
 これには桜子もカチンと来た。
「ど、泥棒猫ぉ〜?」
「あら、そうじゃありませんこと? ポッと出て来て私のいい人をかすめ取ろうなん
 て、泥棒猫のする事ですわ。もしそう言われたくなければ、挨拶のひとつでもして
 頂けませんこと?」
 嫌そうな顔をしていた割にはノリノリな摩耶。その行き過ぎた演技に辟易したのか、
美弥は軽く手を上げて摩耶を止めると
「……とまあ、こんな事にならないとも限らないワケよ」
 小中高とずっと一緒だった美弥にしてみれば、本気で心配しているのだ。摩耶の演
技は少々行き過ぎだが、似たような事を言われるかもしれない。そうなった時、桜子
の心に深い傷が残ってしまうと思ったのだろう。
「……」
「ね? 桜子なら他にいい人が見つかるって。だからあんなヤツに……」
「……わかったわよ……」
 その返事を聞いた美弥は自分の説得が功を奏したのだと思い、ホッと胸をなで下ろ
した。……のだが、桜子はそんな美弥を余所に、突然2人を押しのけ廊下へ出てしま
う。
「ちょ、ちょっと桜子、何処いくの?」
 慌てて摩耶が声を掛けると、「図書室」という答えが返ってきた。その意味がわか
らず、『?』な顔をする2人に向かって、桜子が一言、
「挨拶してくればいいんでしょ!」
 2人の顔から血の気が引いたのは言うまでもない。


※その図書室
「それではカードをお預かりします。貸し出し期間は一週間ですからそれまでに返却
 してくださいね」
 渡された磁気カードを受け取り機械へ挿入すると、すぐさま脇に置いたディスプレ
イにクラスと名前、それに貸し出し履歴等が現れる。それを確認してから、友美は本
のバーコードを読み取らせた。
 さすがに私立の高校ともなると、機械化が進んでいて、業務に関わる時間が大幅に
減った。加えて、今日は風紀の委員が顔を見せていないので、本を読む時間が多く取
れる。
 そんな事を考えつつ、読み差しの本を開いた友美の前に、また人が立つ気配。
 顔を上げてみると、ちょっと幼顔の少女が立っていた。と言っても学園の制服を着
ているのだから同い年以上なのは間違いないだろう。妙なのは目の前に立ったまま、
黙りこくっている事だ。
「あの…何かお探しですか?」
 手に本を持っていない――つまり本を借りに、若しくは返しに来たわけではなさそ
うなのでそう聞いてみた。するとなぜか少女は身体をびくんと震わせ、
「あ、ああああのぉ……」
 人の前に立つと上がってしまう性分なのかなと思いつつ、手近にあったメモ用紙と
ボールペンを彼女の前に滑らせ、
「本のタイトルとかわかりますか? 作者がわかれば検索も出来ますよ」
 にっこりと微笑んでみせる。だが当の女生徒の方は胸に手を当てて盛んに深呼吸を
繰り返し、友美の話など聞いちゃいなかった。
「あのー……?」
 どうしたもんかと思いつつ、もう一度声を掛けると、今度はいきなり、
「み、水野っ… 友美さんっ」
 普通の教室だったらいざ知らず、図書室ではかなり大きな部類に入る声だ。
「は、はい?」
 その声に呑まれたかのように、反射的に返事をしてしまう友美。
「………」
「………」
 そして訪れる沈黙……。図書室にいる生徒達の視線を一身に浴びているかのような
錯覚に友美は捕らわれた。息を呑んで目の前にいる少女の言葉を待つ。
 待つ……
 待つ………
 待つ…………
 ……いい加減(精神的に)疲れはじめたと感じたとき、
「こっ…こんにちわっ」
 びっくりするほど元気な声で、バネ仕掛けの人形のように頭を下げる少女。その勢
いに呑まれたのか、
「あ…はい。こんにちわ」
 律儀に挨拶を返してしまう友美。

 直後に起こった出来事は、余りにもドタバタしていたので上手く説明できないが、
いつの間に入ってきたのか、その女の子の友人らしき女生徒2人がその少女を捕まえ、
内1人が恐らく少女に向かってだろう、
「なにやってんの、このばか!」
 と怒鳴りつけ、もう1人が友美に向かって、
「ごめんなさい。この娘ちょっと脳に皺(しわ)がよってて」
 謝り、それを遮るように先輩委員が、
「ちょっと静かにしなさい。図書室なのよ」
 という叱責を与え、
「すみません。すぐ行きます、すぐ出ます、すぐに退室します」
 わらわらわら〜

 台風一家。
 こんな誤変換がそのまま受け入れられてしまうような出来事だった。呆気に取られ
ていた友美に向かって、先程叱責を与えた先輩委員が
「知り合い?」
 と聞いたのは至極当然だろう。


 この意味不明な出来事が、筋の通った出来事に変わったのは翌日の昼過ぎだった。
 桜子と龍之介が二日続けて中庭で一緒に昼食を採っていたのが原因なのか、それと
も単に図書室の出来事が噂としての正常進化を遂げた事によるものなのか、出処は不
明だったが、ちょっとした噂が校内で流れ始めていた。


 


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