〜10years Episode7〜

構想・打鍵 Zeke

 この作品はフィクションです。登場する人物、名称、土地、出来事等は実在するものではありません。
 本作は(株)ELFの作品「同級生2」の作品世界を設定として使用しております。 

 八十八学園南棟2階にある1年C組の教室は授業中だというのに、環状8号線沿線
のデシベル数に負けず劣らずの騒々しさがあった。
教壇の前にある黒板に、でかでかと『自習』と書いてあるのがその主たる原因なの 
だが、その下の『秋期遠足の班分け、及び見学場所のリスト作成』の文字が騒々しさ 
に拍車を駆けていた。

 1クラス40人で、男女比率が1:1。男子4人女子4人計8人のグループに分か 
れることになっているのだが‥‥。
 なるほど、男子4人、女子4人のグループにはスムースに分かれることが出来た様 
だが、その先へ進む事で、あーだこーだなんだかんだで騒がしいのである。
 しかし、よく見ると女子グループの内1つは3人しかいなかった。欠席者がいると 
いう訳ではない。その証拠に彼女達の視線は窓際に座る1人の女生徒に向けられてい 
た。

            ☆             ☆

『嫌煙権』

 目の前に突き出されたノートにはそう書いてあった。
 別に店内は禁煙という訳ではない。が、今タバコを吸っているのは彼女1人だけと 
いうのは事実には間違いが無い事だった。
 これが普通のお客のお願いならば、「すみません」の一言で灰皿に押しつける所だ 
が、頭に来たのは、注意してきたのが中学生の男の子だったからだ。
 とは言っても、この店でアルバイトをしている身では、こんな子供でも立派なお客 
様だ。と、普段なら堪(こら)える筈なのだが今日、彼女は朝から機嫌が良くなかっ 
た。
「ごめんね。中学生のボーヤにはタバコの煙はちょっと辛いかな?」
 フーッとその子の顔に吸い込んだ煙を吹き付けてやる。 
 ほんの一瞬、煙が相手の顔を隠し、そして徐々に晴れて行く。煙の向こうから現れ 
た男の子は今にも泣き出しそうな顔‥‥などしておらず、逆に薄い笑みすら浮かべて 
いた。
 その男子中学生がニッと笑った次の瞬間、ザッと彼女の目の前を影が過ぎった。 
 反射的に閉じた目をゆっくり開けると、くわえていた筈のタバコが消えている。火 
が消えているわけではない、存在そのものが消えていた。
 呆気にとられた彼女に向かって、 
「今からタバコなんて吸ってると、丈夫な赤ちゃん産めなくなるぞ。」

 握り潰した吸い殻を灰皿に放り、真っ直ぐに愛衣の目を見据え龍之介は言い切った。

            ☆             ☆

「丈夫な赤ちゃん‥‥か。」 
 教室内の喧噪などどこ吹く風で、窓の外に目を向けたまま愛衣が呟く。同級生や年 
上の人間に言われても「カッコつけてる気障な奴」程度にしか思わなかっただろうが、
自分よりも3つも年下(襟章が見えた)の男の子に言われたのでは笑うしかない。 
 現に愛衣は堪えきれずに吹き出してしまった。
 もっと笑えたのが、その子が真っ赤な顔をして(笑われたのが恥ずかしかったらし 
い)席に戻るなりコップの水を飲み干し、中にあった氷を一緒にいた長い髪の女の子 
に見えないように取り出して握りしめているのを見た時だ。
 笑いを堪えつつコップに氷だけを注いでやった時は、一本取ったと思ったものだが、
そんなことを考えている時点で既にこちらが何本も相手に取られているのに気付いた。
「変な奴‥‥。」
 そんな呟きに、
「‥‥叶さん。」
 他人の声が被さる。 
「なに?」
 先ほどまでの考えを全く表情に出さず、そして相変わらず窓の外へ目を向けたまま、
その相手に答える。
 愛衣の机の傍らに立ったのは、先ほどの3人グループの女の子達だった。 
「あの‥‥良かったら私達のグループに入らない?」
 他の2人に押し出される様になった先頭の女の子が、強張った笑顔を自分の方に向 
けている。
「ええ。ありがとう。」
 その答えに相手が心底ホッとしたのがわかった。 
 クラスメート達のこういう態度は今に始まったことではない。入学式の日にいきな 
り最上級生に呼び出され、翌日その上級生達が学校を休んだにも係わらず、自分はな 
に食わぬ顔で登校した‥‥そのときからだ。手加減はしたつもりだったのだが‥‥。 
 余計な尾ひれが付いた噂は校内を駆けめぐり、愛衣はどこか浮いた存在になった。 
 別に悔やむようなことではなかった。他人に対して一定の距離を保っておきたい彼 
女にしてみれば、むしろ好都合とさえ言えた。
 他人に自分のテリトリー(領域)を侵されるのは好きではない。 
 もっとも、教師連中に目を付けられたのは鬱陶しかったが‥‥。

                   ☆

その日の放課後‥‥ 
 キーンコーンカーン‥‥
 「叶さーん!」
 下駄箱から靴を取り出そうとしていた愛衣は自分を呼ぶ声にその手を止め、声がし 
た方へ顔を向けた。
「はぁはぁ‥‥、何処に行くんですか? 放課後打ち合わせをするってさっき言った
 じゃないですか。」
 先ほど先頭に立って自分をグループに誘った女の子だ。
「バイトがあるの。」 
 素っ気なく答える。
「バイトって‥‥、うちの学園はバイト禁止ですよ。」 
「許可なら取ってある。疑うんなら担任の井上にでも訊いてよ。」
 彼女はちょっと考え込んだが、すぐに 
「そうですか‥‥ならいいです。その代わりバイトが終わったら‥‥。」
 抱えていたルーズリーフを開き、ペンを滑らす。 
「‥‥連絡して下さい。これ、私の家の電話番号です。」
 取り外したページを差し出し、愛衣が受け取る。 
「‥‥ヤスダ マナミ?」
「あ、それで『アズミ』です。変わった読み方をされるのは一緒ですね、アイさん」 
 愛衣はクスッと笑う愛美をちょっと睨み、その手からペンを奪い取ると、渡された
電話番号の下にペンを走らせ、再び愛美へ押しつける。
 愛美がそれに目を落とすと、家の電話番号の下に、知らない番号が書き殴ってあっ 
た。
「‥‥これは?」
「10時頃には家に帰ってる。1人だから何時になっても構わないよ。」 
 あくまでも素っ気ない愛衣だったが、そう言ったとき、わずかに微笑んだ。 
「え‥‥」
 電話番号を教えてくれた驚きよりも、その微笑の方に愛美は驚いた。 
 そんな愛美を後目に、愛衣は校門へ向かって歩き出す。

「愛美ぃ〜。」
「平気だった?」 
 愛衣を見送る愛美に、何処に隠れていたのか、残りの2人が心配そうに駆け寄る。 
「なにが?」
「何がって‥‥、何かされなかった?」
「カミソリとかで脅されなかった?」 
「そんな事される訳無いでしょ。大体あの人噂される程怖い人って訳じゃなさそうだ 
 よ。電話番号教えてくれたし‥‥。」
「あ、愛美、訊いたの?」
「訊いたんじゃなくて、教えてくれたの。」 
「‥‥」
「愛美って凄いかも‥‥。」
「なに言ってんのよ。ほら早くしないと男子が待ちくたびれちゃうよ。」 
 愛美は友人2人を押すようにして教室へ続く廊下を歩き出した。

            ☆             ☆

 そのほぼ同時刻。八十八商店街の路地裏ではちょっとしたイザコザが起こっていた。
 ガラの悪い女生徒三人が、違う制服を着た二人の女子生徒を取り囲み‥‥
「私達さぁ、お金に困ってるんだよね。融資してくんない?」 
 融資と言ってはいるが、その連中に返す気は全くないようだ。
「融資って言うのは返せるアテがあるっていうのをこっちが判断して貸すモノだよ」
 そんな連中に毅然とした態度をとるリボン付きの女の子。
「唯〜ぃ、まずいよぉ」 
 が、後ろで震えている友達らしき娘はそこまで気丈ではないようだ。
「綾ちゃんは黙ってて。大丈夫、唯が守ってあげるから。」 
 体格的にはその友達の方が大きいのだが、唯は自信ありげだ。
 相手はそんな会話が聞こえなかったのか、 
「じゃあ、言い換えてやるよ、大人しく有り金全部出しな。」
「優しく言っている内に出した方が身の為だよ。」 
「いや!」
 この手の連中の専売特許の言葉にも唯は怯まない。3人に失笑が漏れる。 
「随分強気じゃないか、こんなリボンしてる割にはさ‥‥」
 一人の手が唯の頭のリボンに伸びるが 
「さわらないで!」
 バシッとその手を払い除ける。
「こいつ! 下手に出てりゃつけ上がりやがって!」 
 溜めていたものが一気に吹き出したのか、一人がその手を掴み捻り上げ、反対の手 
を振り上げる。

「つけ上がってるのはどっちだ?」
 その背後から何処か芝居がかった声があがる。3人が一斉に振り返ると、そこには 
鞄を後ろ手に掛け、反対の手をスカートのポケットに突っ込んだままの格好で髪の長 
い女の子が何処か茶化したように3人を見回していた。
「み、南川!」
「これはこれは、藤島先輩じゃあないですか。先週うちの生徒に手は出さないって言 
 ってませんでしたっけ?」
「ああ、いい所で会った、この前のお礼をしたいと思っていたんだ。」 
 しかし相手は少しも怯まない。何しろ数の上では圧倒的に有利なのだ。
 唯の手を離し、洋子に身体を向ける。 
「律儀ですねぇ、そんなに気を使わなくてもいいのに‥‥」
「そうはいかないよ。お礼はしっかりしなくちゃいけないってお婆ちゃんに教わった 
 からね。」
 軽い言葉を交わしつつも、3人はジリジリと間合いを詰めていく。 
「あ、そうなんだ。でもそれ以外の事は教えてくれなかったみたいだな、そのばーさ 
 んは。」
 洋子の方は相変わらずで、身構えようともしない。
「ほざけ!」 
 それが合図だったかのように、3人の足が一斉に地を蹴った。
「危ない!」 
 唯が叫ぶと同時に、洋子が右手をポケットから出す。次の瞬間一人目が宙に舞い、 
背中から地面にたたきつけられた。
「え‥‥!?」
 驚いたのは唯だけではない。体勢が乱れた隙を突こうとした二人目も同様だった。 
 そいつに向かって左手に持った鞄を投げつける。洋子にしてみればそれは時間稼ぎ 
だったのだが、鞄は見事に二人目の顔面を直撃した。一番不幸だったのはこの二人目 
かも知れない。なぜなら洋子の背負い投げによって、3人目が2人目に向かって投げ 
つけられたからだ。

 どっすん! バリバリ

 ビルの外壁に立てかけられた角材をなぎ倒し、二人は『きゅう』という具合にのび 
てしまった。
 あっと言う間の出来事に唯と綾子は呆然としてしまう。洋子の方はパタパタと制服 
の埃を叩きながら(とは言っても殆ど汚れていないのだが)鞄を拾い上げ、
「大丈夫か?」 
 まだ呆然としている二人に声を掛ける。
「あ、ありがとう‥‥」
「怪我は‥‥無いな。まあ今回は私が通りかかったからいいようなもの‥‥の」 
 鞄を持った手を腰に当て、二人を指差しお説教を始めようとした洋子の言葉が途切 
れ、ドサッと、手に持った鞄が再び地面に落ちた。
「ま‥‥舞衣!?」
 がしっ! と唯の肩に両手を掛け、洋子の細い目が目一杯に開かれる。 
「舞衣じゃないか! お前いつ帰ってきたんだ? もういいのか?」
 ところが、唯の方は何がなんだか解らない。興奮する洋子とは対照的に、 
「まいじゃなくて、唯だよ。」
 あっさりと訂正する。
「え?」
 今度は洋子の方が絶句する番だった。 
「舞衣‥‥じゃないのか? そっか、ハハ‥‥そうだよな。」
 高揚していた声が、一気に落胆へ転じる。 
「悪い、人違いだ。‥‥でもよく似てる、って言うより、殆ど生き写しだな。」 
 まじまじと唯の顔に見入る洋子。

「‥‥くぅ。」
 一番最初に投げ飛ばされた女生徒がヨロヨロと立ち上がる。 
 カラッ
 その足に1m弱の角材が当たった。他の2人がなぎ倒した内の何本かが折れ、彼女 
の足下まで転がってきたのだろう。
 その角材を手に取り、不適な笑いを浮かべる。背を向けている洋子は彼女に気付い 
てはいないようだ。

 最初に気付いたのは綾子だった。
「あぶないっ!」
 が、叫んだ時既に振り上げた角材は頂点に達し、後は振り落とすだけの状態になっ 
ていた。
 唯の目にも、洋子の肩越しに不良の一人が角材を振り上げ、今にも襲いかかろうと 
している姿が入る。
 咄嗟に自分の身体を入れ替え、洋子を庇(かば)う。
 驚いたのは洋子だ、どう見ても自分より華奢な女の子が自分を庇おうとしている。 
(やっぱり似ている。)
 状況にそぐわない考えが頭を過(よ)ぎる。振り下ろされる角材は、やけにスロー 
モーに見えるのだが、身体の方はそれに反し全く動かなかった。


 バシィ!

 鈍い音が路地裏に響く。
 だが、悲鳴や呻き声は上がらなかった。 
 なぜなら‥‥

「‥‥ったく、だからウロウロしないで待ってろって言ったのに。」 
「綾瀬!?」 「綾瀬君!」
 洋子と綾子の声が重なる。
 洋子を庇った唯を更に庇うように、龍之介が振り下ろされた角材を鞄で止めていた。
「おい、乱暴者。お前の友達は随分と物騒だな。ちゃんと教育しておけよ。」 
 角材を奪い取り、その不良を見据えたまま洋子に話し掛ける。
「一緒にするな。まあ、教育が足りないと言うのには同意するけど。」 
 洋子も立ち上がり、教育の対象を睨みつける。
「くっ」
 洋子一人でも適わないと言うのに、その洋子と対等に口を利く人間が出てきたので 
は勝ち目がないと見たのか、
「覚えてろ!」
 この手の連中の常套句である捨てぜりふを残し、龍之介達に背中を向ける。倒れて 
いた二人もヨロヨロと起きあがり後をその後を追っていった。
「もうちょっと可愛ければ覚えていても良いんだけど、あれじゃ英単語を覚えた方が 
 マシだな。」
 誰にともなく龍之介が呟くと、ビルの影から
「嘘つきなさいよ。」 
 様子を見守っていた友美が姿を現す。
「唯ちゃん大丈夫?」
 龍之介と洋子の間をすり抜けるようにして、友美が唯に駆け寄るが、唯の方はピク 
リともしない。
「おい、どっか痛めたのか?」
 龍之介も慌てて唯に駆け寄る。その途端、 
「恐かったよぅ。」
 唯が両手を広げ、龍之介に抱きつく。

 ‥‥つもりだったらしい。本人は‥‥ 
「唯ちゃん、龍くんあっち‥‥」
 唯が顔を上げると、抱きつかれた友美が困ったような顔で唯を見下ろし、別の方向 
を指差していた。
 龍之介はというと綾子の方に駆け寄り、
「綾ちゃん大丈夫? どっか痛くない?」 
 と、心配そうな顔で訊いている。

 唯は友美の身体から離れると、ずんずんと龍之介の背中に向かった。 
「あ、あたしは唯の後ろで震えてただけだから‥‥綾瀬君、後ろ。」
 バン! 
 綾子の忠告も空しく、龍之介の頭に唯の鞄が振り落とされた。
「‥‥いてーな! 助けてやったのにこの仕打ちはなんだ!」 
「唯の心配もしてっ!」
「お前の心配したって、何も出ないだろ。」
「お兄ちゃんは唯の事が心配じゃないんだ!」

 ギャーギャーといつもの様な喧嘩が始まると、友美は額を押さえた。
(週末は様子が変だったけど、今日はいつもと変わらないわ‥‥) 
「おい、優等生。」<(^_^;)
 その友美の背後に洋子が立つ。
「あいつ、綾瀬の何だ?」 
 説明が遅れたが、龍之介と友美、洋子は同じクラスにあたる。ちなみに綾子は唯の 
クラスメートで、一番の友達と言ったところだろうか。
「なにって?」
 友美が動揺を悟られないように聞き返す。 
「綾瀬のことを兄貴呼ばわりしているけど、兄妹じゃないんだろ? 全然似てないも 
 んな。」
 双子では無いと言いたいのだろう。
「二人は従妹同士なのよ。知らなかった? ちょっと有名よ。」 
 友美の代わりに、綾子が答える。
「従妹? はーん」
 洋子が納得したように頷く。 
「あの‥‥助けてくれてありがとう。ぇと‥‥南川さん。」
 綾子がお礼の印にペコリと頭を下げる。 
「ん‥‥ああ。」
 気のない返事の洋子。その視線は唯に固定されていた。
「何やってたの? こんな路地裏で。」 
 気まずい雰囲気とみたのか、友美が綾子の方に顔を向け尋ねる。
『にゃー』 
 その綾子の腕の中で、一匹の猫が名乗りを上げた。
「猫の鳴き声がしてここに入ったら、あの人達がいて‥‥」 
「なるほど。でも、ああいった場合には、大人しく金を渡して逃げた方がいいぞ」 
 洋子の忠告に綾子も頷く。
「うん、でも唯が‥‥」
「顔の割に気丈なんだな。」 
 真実は洋子と綾子の会話を聞き流す友美だけが知っていた。
(きっと私と一緒なんだわ‥‥信じてるのよ。)

                   ☆

「綾ちゃん、猫は?」
 言い争いに一区切りついたのか、龍之介と唯が3人の元に戻ってくる。 
「大丈夫。」
 綾子が手の平に乗りそうな子猫を差し出した。
「ね、お兄ちゃん、お母さん許してくれるかな?」 
「‥‥お前、飼うつもりか?」
「うん、名前も決めたんだよ。キャサリン。」 
「キャサリンって‥‥こいつ雌か?」
 龍之介が綾子の手から子猫をひょいと持ち上げる。 
「雄じゃないか。‥‥それにこいつ飼い猫だぞ。首輪が着いてる。
 なになに‥‥ZASIKINEKO SINOHARA? これ名前か? ‥‥お前もしかして不幸
 な奴かもしんないなぁ。」
 しみじみと猫に語りかける龍之介だが、猫の方は『大きなお世話だよ』と言わんば 
かりに龍之介を見上げる。
「まっ、いいか。えーと、住所は‥‥結構近いな。」



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