〜10years Prologue〜

構想・打鍵 Zeke

 この作品はフィクションです。登場する人物、名称、土地、出来事等は実在するものではありません。
 本作は(株)ELFの作品「同級生2」の作品世界を設定として使用しております。 

「じゃあ、これで。」
「綾瀬さん、大丈夫ですか?少し休んでからの方が。」
 最初は直接木原邸へ向かうつもりだったが、帰りが遅くなりそうなので1度八十八
町の綾瀬の家に寄り、車で子供達を迎えに来たのだ。
 こちらへ着いたのは2時間前だったが、これ以上迷惑は掛けれないのですぐに出る
事にした。
「美佐子さん、何かあったらすぐに言って下さい。飛んで行きますから。」
 美佐子もそれに同乗し帰ることにした。
「ありがとう、哲也さん。涼子ちゃん合同葬について分かったら連絡するから。」
「ええ。綾瀬さん義姉さんをお願いします。安全運転で帰って下さいね。」
「まかしとけ、涼子ちゃんも元気出せよ。」
 そう言い残すと綾瀬はアクセルを踏み込んだ。 

 テールランプが徐々に小さくなって行く。それを見送った涼子が家の中に入るなり
切りだした。
 「ねぇ、あなた。血のつながりのない子供に愛情を注げる?」


※
 子供達の反応は予想した通りだった。唯はおろか竜之介までわんわん泣きだしたこ
とに綾瀬は少し驚いた。いや、ホッとしたと言った方がいいかも知れない。変に強
がって泣かない方が不安になる。今は後部座席で二人とも眠っている。
「明日になったらまた泣くんでしょうね。」
「ああ、でも現実を直視させなきゃ。毎日泣いて暮らせる訳じゃないんだから。とこ
 ろで君はあいつの手伝いはしていたのかい?」
「えっ?」
「いや、だから研究の助手みたいな事をさ。」
「まあ素人よりはましな程度ですけど。」
「どうせ君の事だから大人しく実家に戻ろうなんて考えてないんだろう。働き口を当
 たってみるよ。」
「すみません、お願いしようと思っていたんです。」
「やっぱりね、あいつはなんて書き遺したんだい。」
「死んでも実家に帰るなって。」
 きっぱりと美佐子は言いきった。
「はは、あいつなら書きかねないけどそこまでストレートには書いてないだろう。」
「ええ、さすがにそこまでは・・・。」
 自然と笑いが出てくる。本当に久しぶりに笑った気がした。


※
 木原邸を出発してから40分ほどで鳴沢のアパートに着く。
 だが、綾瀬はヘッドライトに浮かぶそれを見て舌打ちをした。
「もう来てるな、さすがと言うか。」
 アパートの前には黒塗りの高級車が止まっていた。
「すみません、ちょっと待っていて下さい。」
 そう言って美佐子は車を降り、その車に方へ歩いて行く。
 車の中を覗いてみたが誰も乗っていないようだ。仕方なくそのまま2階にある自室
に向かう。
 閉めたはずの鍵は開いており部屋の中は真っ暗だった。電気のスイッチを入れたが
電気が点かない。
「お父様、いるんですか?」
 呼び掛けた声がやけに反響するのが分かった。隣の6畳間の電気が点く。
 同時に美佐子が声をあげた。
「何てことを!」



「なんてこった!」
 美佐子とほぼ同時に綾瀬も声をあげていた。
 明かりが直接窓から漏れている。そしてそこから部屋の中をうかがい知る事ができ
た。家具の類が見あたらない。
「いきなり強行手段かよ。」
 そう呟くと、ドアを開けて外へ飛び出た。




 部屋の中はがらんとしており家財道具、いや全ての物が消えていた。
「部屋の中の物をどうしたんです?」
「今日の内に全て処分させた。」
 威圧間を与えるような低い声で美佐子の父、真御司 重光が言い放つ。
「そんな勝手な事を。」
「先に勝手な事をしたのはお前達だ。そしてまたお前を置いて勝手に死んで逝っ
 た。」
「好きで死んで逝った訳じゃないでしょうに。」
 震える声の美佐子に対し
「まあいい、とにかくこれでお前も戻りやすくなったろう。お前もまだ若い事だしす
 ぐに良い縁談をまとめてやる。」
 美佐子の顔を見据えたまま続ける。
「ただし! あのどこの馬の骨かわからん奴の血が混じった人間を連れて戻ることは
 許さん。」
 
「なるほど。あんたが我が娘をも自分の駒としてしか見ていない事が良く分かった
 よ。」
 いつの間にか美佐子の後ろに綾瀬が立っている。
「また貴様か・・・。」
「光栄ですね、旧華族の流れをくむ真御司家の当主に覚えて頂いてるなんて。」
 おどけた調子で綾瀬が答える。
「フン、貴様の女房も死んだ様だな。これを機に美佐子に乗り換える気かね。」
「あいにくそんな事をしたら二人に化けて出てこられるんでね。おれは例え妻や親友
 であっても幽霊には会いたくないんだ。ただ、あんたから美佐子クンを護ってくれ
 と言う頼みは受けている。」
「何を言うか! 元はと言えば貴様が・・・。」
「やめて!」
 美佐子の声が遮る。
「お父様、私は戻りません。まして唯を手放す事は範疇にありません。帰って下さ
 い。」
「美佐子!」
 叱りつけるような真御寺の声。
「かえって!」
 それを上回る、美佐子の声。 

 アパート内の喧噪をよそに車内の二人の子供は本当の兄妹の様に眠っていた。


※
「うん、悪いね。これからすぐに戻るから。」
 受話器を置いて電話ボックスから出る。自販機で缶コーヒーを買い、車に戻ると美
佐子は外でボンヤリと空を見上げていた。
「涼子ちゃん達まだ起きていたよ。すぐに戻ると言っておいたから。」
 缶コーヒを美佐子に渡して綾瀬も空を見上げる。
「まだ1日しか経っていないんですね。」
 綾瀬はそれには答えず。
「子供を…唯ちゃんを涼子ちゃん達に預けて実家に帰るっていう選択肢は君の中に無
 いのかい?」
「さっき父にも言いましたよ、そんな事は範疇に無いって。それとも先輩は戻った方
 がいいて言うんですか?」
「常識的に考えれば実家に帰るのを勧めるんだけどね。」
「父は非常識ですからね…。」
 二人が顔を見合わせて笑う。 

「さて、行きますか。よっ!」
 飲み干した缶コーヒーの空カンを自販機横にあるクズカゴに放る。見事な放物線を
描きカンは10M程先のクズカゴの中へ入っていった。
「あ、すごい! よーし私も、えいっ。」
 届かないかと思われた美佐子の空カンは屑篭の縁に当って中へ入っていた。ガッツ
ポーズの美佐子。
「ばかやってないで早く乗んなさい。置いてっちゃうよ。」
「ひどい、先輩が先にやったんじゃないですか。」
「俺は入って当たり前だからガッツポーズなんかしないよ。」
 美佐子が乗り込んだのを確認してから、アクセルを踏み込む。車はもと来た道を走
る。日付はとうに変わっており、悲劇から3日目に入っていた。


※
 翌日、美佐子が目覚めたのは昼過ぎだった。無理もなかった。事故が起きてから満
足に寝ていなかったのである。
 慌てて飛び起き、シャワーを浴びる。昨晩コンビニエンスストアーで買い求めた下
着を身につけ、シャツとジーパンは涼子のものを借り受けた(二人の体型はほぼ同じ
だった)。
 一通りの身支度を整えると、うかない顔の涼子に
「夕食は外で食べるから」と告げ、唯を連れて買い物に出る。
 とにかく必要最低限の物を手に入れた。
 それでも全てを失ったに等しい母娘にとってかなりの量になってしまった。 

 くたくたになって木原邸に戻ると9時過ぎだった。唯を寝かしつけて、居間へ戻る
と哲也が深刻な顔をしてソファに腰掛けていた。
「あ、哲也君お帰りなさい。」
 今日はどこへ行っていたの、と聞こうとしたが哲也の あまりにも深刻な顔に押さ
れ口をつぐんでしまった。
「美佐子さん。」
 重々しく開いた哲也の口から美佐子は次の彼の台詞が想像できた。
「唯ちゃんを僕達に預けて実家に帰るつもりは無いんですか。」
 美佐子は静かに
「私はね、父のあのやり方は許せない。絶対に。それからこれは綾瀬先輩、もちろん
 父にも言ったけど、今となっては唯はあの人が私に遺してくれた唯一の宝なの。そ
 れを手放す事は出来ない。」
「しかしですね、こんな事言うのは僕自身情けないですけど僕の給料であなたと唯
 ちゃんの面倒を見る事は出来ませんよ。」
「今、先輩に勤め先を当たってもらっているわ、もちろん自分でも探すけど。それが
 決まればその近くに引っ越して・・・。」 

「にぶいなぁ。」
 涼子が居間に入ってきて哲也の隣に座る。
「このひとはねぇ、美佐子さんに唯を置いて実家に帰って欲しいって言ってるの。も
 ちろんあたしもそれに同意するわ。」そう言って分厚い封筒をテーブルの上に放り
 出す。表には真御司の筆跡で
  木原 殿  
 と書かれていた。
「ねえ、美佐子さん」
 涼子に名前で呼ばれるのは何年ぶりだろうか。少なくとも結婚してからは呼ばれて
なかった様な気がする。
「あなたを真御司家へ帰すだけで300万ですって。」
「えっ!」
 一瞬涼子の言っているいみがわからなかった。哲也が続ける
「昨日皆が帰ってくる前にあなたの父上が見えてこれを置いていったんですよ。加え
 て唯ちゃんの養育費に月50万、事故の慰謝料も全てこちらが引き受けて良いと言
 う事です。」
「美佐子さんには悪いけど、あたし達にとっては悪い話じゃないのよ。」
 美佐子は愕然とした。圭一朗の妹が、いや涼子がこんな事を言うなんて思いもしな
かった。
「もちろん義兄さんの遺言にもそうしろと書いてあります。恐らく美佐子さん、あな
 た宛の手紙にも同じ事が書かれているでしょう。」
 4つ折りになったノートの切れ端をテーブルの上に置く。
 中身は想像がつく。だからこそ見る気にはならなかった。
「そんなわけで美佐子さん。」
 涼子が突き放すように
「唯は私達が面倒見ますからあなたはさっさと実家に戻ってくれません?」
 そう言いきるとさすがに気がとがめたのか涼子は俯いた。 

「・・・わかったわ。」
「その300万と慰謝料についてはあなた達の自由にして結構です。」
 静かに立ち上がり
「月々50万は入らないけど・・・それだけあれば充分でしょう。」
「ちょ、ちょっと美佐子さんそれじゃ唯ちゃんは・・・。」
「言ったでしょう、何があっても手放さないって。・・・これ以上迷惑は掛けれない
 から今夜の内においとまするわ。」
 居間のドアへ向かって歩きかける。 

「まってよ!」
 振り向く美佐子。だが声の主は俯いたままだった。
「どうしてそんなに意地を張るのよ、実の親じゃない、帰ってあげなさいよ! 唯
 だって別に孤児院に入れるわけじゃないんだし会おうと思えばいつだって会える
 じゃない! それに・・・。」
 顔を上げる涼子、その顔は涙でぐしょぐしょだった。
「それにお兄ちゃんだってそれを望んでいるの! あなたを実家に帰すようにって!
 唯を頼むって! 今まで私に頼み事なんてしなかったに最期の…頼みだから…っ
て。」
 その肩は小刻みに震えていた。哲也が苦笑しながら涼子の肩に手を回す。
「ばかだな、お前が泣いちゃったら芝居にならないじゃないか。」 

 美佐子はソファに掛けなおしテーブルの上にある2人宛の遺書を手に取った。一読
して今度は自分宛のものを2人に渡す。哲也が目を通し涼子に渡す。
「私達宛のものと内容的にはたいして違わないと思いますが・・・。」
「ええ、多分表面的にはあの人もそう思っていたんでしょう。でもね、よく読むとわ
かるの、”戻るな”って書いてあるのが。」
「わからないわ。」真っ赤な目で首を振る涼子。
「最初の1行目よ。」美佐子がヒントを出す。
「”すまない恐らく僕は駄目だろう。”」声を出して読み上げる。
「その前。」
「その前って言ったって。」
 その前はもう名前しかない。
「”鳴沢 美佐・・・”あっ!」
 小さな叫び。
 美佐子が微笑む。
「そう、わたしにはそれだけで充分なの。」
「で、でも事故が起こっていたわけですから気がまわらなかったんじゃ…。」
哲也が無駄な抵抗を試みる。
「それでもいいの。例えそうであってもわたしは”戻るな”って判断したの。」
「じ、じゃあ私達へのこれは・・・。」
 涼子が自分達への遺書を指さす。
「そりゃあ実家に帰りたがる妻を強引に引き留めろとは書けないな。ま、保険の意味
 もあるだろうけど。」
 既に白旗を掲げた哲也が受ける。
「な、なによそれ! じゃ、わたしばかみたいじゃない。」
「そんなことないわ。涼子ちゃん本当にわたしと唯の事心配してくれたんだから。あ
 りがとう。」
「そんな、わたしこそ義姉さんにあんな非道い事言って・・・。」
「いいのよ。」
 その言葉で部屋の中の緊張がようやく解けた。 

「そんな事より一件落着したんだからパーっと飲みましょうよ。ここに300万もあ
 るんだし。」
 一瞬涼子と哲也の顔がひきつる、美佐子の蟒蛇ぶりは良く知っているからである。
だが幸運な事に
「あ、その中味全部新聞紙です。結構お札の大きさに300枚切るって大変なんです
 ね、半日かかっちゃいましたよ。」
「え、でもこの封筒の字、父のですよね。」
「ええ、持ってきたのは事実です。中味は突っ返しましたけどね。」
「なんだ貰っておけば良かったのに。」
「僕は義理堅い男ですからもし貰っていたら首に縄つけてでも真御司家へ連れて行き
 ましたよ。それに明日二日酔いにならずにすみました。」
「どういう意味かしら?」
「前に義兄さんから聞いたんですよ、綾瀬さんと二人で束になってもかなわなかっ
 たって。」
「そんな大げさな、たかだかお酒2升じゃない。」
 本当に大した事ないという表情の美佐子を見て、哲也は金を受け取らなかった事を
神に感謝したくなった。


※
 喫茶『憩』は綾瀬の妻、恵が趣味同然に経営していたが今、いや今後ここは意味の
ない場所になるだろう。
 スツールに腰掛けグラスを傾けながら綾瀬はそんな事を考えていた。実際の所経営
するものがいないのである。
 いっそのこと自分がマスターになってやろうかと思ったが、どう考えても考古学よ
り魅力がある様には思えなかった。
 だが彼は決断を迫られていた。昼間の教授との会話が頭に甦る。
  

「3ヶ月・・・ですか?」
「とりあえず3ヶ月だ。その後一旦帰国してもらう。かなりの規模のものだ。」
「そんなに大規模のものなら教授が直接行かれた方が…。」
「もちろん発掘となればわたしも出向く。だが、そのときもわたしは君のサポートに
 まわる事になる。今回の調査で経験値を稼ぎたまえ。」
「そんな、岸野さんだって野崎さんだっているじゃないですか。それに息子を置いて
 行けって言うんですか。」
「ああ、恵君の事は気の毒だった。君の息子・・・龍之介君だったか、私が預かって
 もいい。それが嫌ならいい家政婦を紹介してやろう。それから岸野君や野崎君に君
 ほどのカンとセンスがあれば彼らに頼んだよ。」
「・・・わかりました。少し時間をください。」
「うん、いい返事を期待している。鳴沢君だったら飛んで行くぞ。」


「あいつが娘一人残して行くわけないじゃないか。」
 声に出してグラスを一気にあおる。綾瀬にしては飲み過ぎていた。
 もうボトル2/3をあけている。 

 ”龍之介をお願いね。”
 ”ちゃんと責任を取りなさい。” 

 恵の言葉が頭を駆け巡る。
「あー、そういえば美佐子クンに頼まれてた事聞くの忘れてたな。・・・ん!?」
 一瞬とてつもなく良い考えが浮かんだ様な気がした。この問題を全て一気に解決す
るようなすばらしい考えのような気がしたのだが、それについて深く考えようとした
ら忘れてしまった。
 必死になって思いだそうとするが、一昨日からの疲れと酔いとでそのまま眠り込ん
でしまった。



「なさけないぞー、男二人でか弱い女の子ひとりに勝てないのかー。」
 居酒屋の座敷席、まだ鳴沢と美佐子が結婚する前だ。
「ど、どこがか弱いんだ、少なくともお前の肝臓には当てはまらんぞ・・・。」
 そう言ってまず鳴沢が沈んだ。
「しっかりしろ、鳴沢! くそー、1人で2升もあけてケロッとしてるなんて。」
 ハタからみれば美佐子がケロッとしている様にはとても見えないのだが、したたか
に酔っている綾瀬からみれば十分ケロッしている様に見えた。
「せんぱい、まだやりますか?」
 そう言いつつ新しい1升瓶の栓を抜きコップに注いでいる。
「当たり前だ、○成年に負けたとあっては男が廃る。」
 2人掛かりで挑んでいるあたりで既に廃っているのだが最早そこまで思考がまわら
ない。
「浩ちゃん無理よぉ、勝てっこないって。」
 1人素面に近い恵が必死になって夫を止める。ここで止めないと1人で2人の面倒
を・・・いや美佐子の様子を見れば1人で3人の介抱をしなければならない。
 それは何としても避けたかった。しかし・・・
「えーい、止めるな。同じ人間だ、処理能力にそんな違いがあるわけない。」
 そう言ってコップの中の透明な液体を飲み干す。
 タンッ、とコップをテーブルの上に置きどうだといわんばかりにニヤリと笑う。
 そしてそのままテーブルの上に突っ伏した。
「えーん、だからよせって言ったのにぃ。」
 だが人事ではなかった。
「はい、恵さん。」
 目の前にコップが突き出される。
「あ、あたしはダメ、からっきし弱いし。そ、それに明日も喫茶店やらなきゃいけな
 いし・・・。」
 そんな事言っても酔っぱらいには通じない。美佐子がグッと顔を近づけて
「恵さんあたしのお酒が飲めないって言うんですか?」
 でた、酔っぱらいの決まり文句。これが出たら逃げられない、特に美佐子の場合こ
こで「飲めない」とでも言おうものなら 
 1.あばれだす
 2.泣き出す 

 の2つの選択肢しかない。
「ひーん」
 泣く泣くコップに口を付ける。横目でちらと美佐子を見ると座った目でこっちを見
ている。恵は祈らずにはいられなかった。
「神様、明日無事に『憩』が営業できますように。」
 そして一気に飲み干す。 



 結局次の日は二日酔いで店を開けられなかったっけ。
悲しい事に綾瀬はこれが夢だとわかっていた。もうこの4人が集まる事はないのだ。
 永遠に・・・。

 


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