Haruna's Diary 5月後半

一番上が新しい書き込みです。

下線の引かれている単語には説明があります。



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5月30日(木)
 携帯の履歴に残ってた番号を確認して、ミツルさんに電話してみた。マスターのことを相談できるのって、やっぱりミツルさんしかいないから。
 それで、マスターから言われたことをそのまま全部話したら、「よかったじゃん、それってバリバリ告られてるじゃん!」って言われて。
 けど、ミツルさんの言葉を信用しないわけじゃないけど、それでもやっぱりすぐにはそう思えなくて。
 そしたらミツルさんが、「じゃあはるなが信じられるまでマスターに愛を語ってもらえばいいだろ?」なんてとんでもなく恥ずかしいことを言ったんだ!!
 そんなこと絶対無理だし、実際マスターにそんなことされたら俺死んじゃうかも(恥ずかしくて!!)。
 ミツルさんは、今度俺がOasisに行くときは俺も誘えよって言ってくれて。
「マスターの告白シーンなんて、そうそう見れるもんじゃないからさ」
 なんて言ってたけど……ミツルさんに見られてたら何も言ってくれなくなりそうだ。
 けど、マスターの言葉を1人で確認するよりはいいかなー、なんて。
 俺ってけっこうげんきん(←漢字がわからない)だったんだな……。

5月28日(火)
 昨日のマスターの言葉がずっと頭の中でぐるぐるしてる。
 俺のこと、マスターも好きだって……言って、くれたんだよな?
 俺がOasisに行き始めてから、仕事が楽しくなったって、言ってくれたんだよな?
 それって、踊りながら喜んでもいいってことだよな???(人前じゃやんないけどさ)
 すっごい嬉しい。めちゃめちゃ嬉しい!!!!!

 あっ! けど……それってどういう「好き」なんだろう?
 俺みたいに恋愛感情の「好き」じゃなくて──弟とか、家族とかの「好き」っていうのと同じかもしれないし。
 まさか、「別に嫌いじゃない」だけの「好き」だったりして……。

 ……………………………。

 せっかくいい気持ちになれてたのに、なんか一気に落ち込んだ……(くすん)。

5月27日(月)
 Oasisへ行った。
 それなりに混んではいたけど、俺はまたカウンターのマスターの前の席に座った。
 今日は無理に返事を聞こうとは思ってなくて、でもマスターの顔が見たかったんだ。
 マスターは今日も俺に話しかけてこなかったけど、でもその理由も今ははっきりしてるから、俺もマスターが声をかけてきてくれるまで待とうと思って常連さんたちと話しながら時間を過ごした。
 それで結局閉店近くまで店にいて、長い時間マスターの顔を見れて気が済んだから(笑)帰ろうとして。
 お金を払って、お客とお店の人って感じのやりとりだけをして、「ごちそうさまでした」って言ってドアを開けようとしたら、そのとき突然マスターに 
「はるなさん」
 と呼び止められて。
 心臓がどきんってはね上がって、おそるおそる振り返ったら、マスターは俺を見送りに来てくれたみたいで、カウンターの中から出てきてて。
 ちょっと困ったような顔で、でもいつもみたいな優しい笑顔で、
「私も、あなたのことが好きですよ、はるなさん」
 って言ったんだ。
 突然のことでなにがなにやらわかんなくなった俺に、マスターは確かこんなことを言ってくれたんだと思う(ちゃんと覚えてないけど)
「あなたがこの店によく来てくれるようになってから、あなたの笑顔に癒されている自分がいました。
 長年やっているこの仕事が楽しいものなのだと思い出せたのは……あなたのおかげなんですよ、はるなさん」
 固まっていた俺に、にっこり笑って
「おやすみなさい、はるなさん」
 と声をかけてくれたから、俺もはっと我に返って
「おやすみなさい、マスター」
 って言って店から出れたんだ。
 家に帰ってくる間に足元がよろよろしてて、きっと何度かどっかに身体をぶつけてたんだろう。肩とか頭とかなんかずきずきするし。
 けど、ああ、そんなのどうでもいい!
 マスターが、俺のこと、好きだって言ってくれたんだ!!!!
 嬉しい! 嬉しくて、涙が止まらない!!!!
 神様、これは夢じゃないですよね!?

5月26日(日)
 店に行って、昨日俺を家まで送ってくれたのは誰かって聞いたら、「あ、俺だよ」っていつきくんが手を上げて。
 他の人より付き合いあるし、頼りになる人だし、いつきくんでよかったなと思ってほっとした。
「迷惑かけてごめんね」ってあやまったら、いつきくんは笑いながら
「おまえ酔うといつもよりさらに可愛くなるんだな。俺がおぶってやったら『降りたくない』ってごねたの覚えてるか?」って言って。全然覚えてないよ、そんな恥ずかしいこと!!
「ホントにホントにごめん!!」ってぺこぺこ頭下げてたら、いつきくはふいに真顔になって、
「……おまえ、好きな奴いるんだな」
 って言って。
「なっ、なんで!?」
 って聞いたら、どうも俺が寝言みたいな感じで名前を呼んだりしてたみたいで!!
「マスターって、まさかおととい店に来たOasisのマスターのことか?」
 ってそこまでズバリと聞かれちゃって、俺はどう答えたらいいのかわからなくなっちゃって答えられないまま固まってて。
 でもその態度で確信しちゃったらしいいつきくんは、
「そっか。でもあの人なら……おまえが好きになるのもなんとなくわかるよ」
 と笑われてしまった。
 あああ〜〜〜〜恥ずかしい! 俺ってば、酔っ払ってマスターのことを口走ってたなんて!!
 聞かれたのがいつきくんでよかった。他の人だったらきっとみんなにしゃべっちゃってそうだもん(いつきくんは全然そんなことしないでいてくれたみたいだ。やっぱりすごくいい人なんだよな)
 いつきくんには、俺の完全な片思いだってちゃんと説明した。そしたら「頑張れよ」って励ましてくれて、すごく勇気づけられた。
 とにかく、これからはお酒は控えるようにしよう。

5月25日(土)
 店で春日さんに大量にお酒を飲まされて(いつものように高いお酒)、へろへろのなるまで飲んでしまった。
 家にどうやって帰ってきたのかわからないんだけど、目が覚めたらちゃんと布団の中に入って寝てた。
 誰かが送ってきてくれたんだろうけど……誰だろう。全然記憶がない。
 どうしよう。俺、すごい迷惑かけたんじゃないかな。。。
 酔っ払って記憶なくすなんて恥ずかしいよ、ホントに。
 なんであんなに飲んじゃったんだろう。ハメ外しすぎだよな……。

5月24日(金)
 びっくりした。すごく驚いた。
 マスターが、俺の店にお客さんとして来たんだ!!
 もちろん1人なんかじゃなくて、ミツルさんやレイジさんとかと来たんだけど……まだOasisやってる時間だったし、まさかうちの店に来てくれるなんて思ってなかったから本当に驚いてしまった。
 数人の男の子が指名されて、その中の1人として俺も呼ばれて。
 嬉しいんだけど、でも内心すごく複雑で、呼ばれてもすぐに席につくことができなかった(ボーイさんにせかされちゃったよ)。
 でも俺が座った場所はミツルさんとレイジさんの間で(たぶん気をつかってくれたんだろうな)、だから普通に話すことができてほっとした。……もちろんマスターのほうは見ることができなかったんだけど。
 延長を1回してくれて、ミツルさんたちは2時間店に滞在してくれた。俺は常連のお客さんの指名とかもあったからときどき席を立たなくちゃいけなくて、たくさん話とかできるかなーと思ってたのにほとんど話せなくて残念だった。
 でもみんなが帰るときの見送りだけはちゃんとできて、そのときに、ホントにちょっとだけだけどマスターと話ができたんだ!
 マスターと偶然目が合っちゃって(って、俺がずっとマスターのこと見つめてたせいだと思うけど)、それで『なんか話さなくちゃ』って思って、
「きょ、今日、お店はどうしたんですか?」
 って俺が聞いたら、マスターはいつもの調子で
「ミツルさんたちがどうしてもというので、タイキさんに任せて出てきてしまったんです。彼が頑張ってくれているのでなんの問題もないと思いますが、私はこれからすぐに戻りますよ」
 って答えてくれて。
「じゃあ、お仕事頑張ってくださいね」
 って、ちょっとわざとらしいくらいに笑ったら、
「はるなさんも頑張ってくださいね」
 って、マスターも優しく笑ってくれた。すごく嬉しかった。
 ミツルさんやレイジさんにちゃんとあいさつして(マスターをつれてきてくれたお礼をしたんだ)、みんなの姿が見えなくなるまで見送った。マスターと話ができたからか顔が赤くなってたみたいでみんなにからかわれたけど(きっとみんなには、俺がミツルさんかレイジさんのことが好きなんだと思われてるんだろうな)、本当に嬉しかった。

5月22日(水)
 昨日ミツルさんに話を聞いてもらったおかげか、すごく気分がすっきりしてる。ちゃんとご飯も食べられたし。
 でも、やっぱり不安は不安だ。
 ミツルさん、すごく面倒見のいい人だから、俺のことを傷つけないようにってマスターに言うかもしれない。
「今だけでいいから付き合ってみたら?」とか言って……マスターもミツルさんに言われたとおり、ほんのちょっとのあいだだけのつもりで俺と付き合ってもいいよとか言い出したら……。

 って、そんな考えミツルさんに対して失礼だな。そんなマネ、あの人がするわけないのに。
 こんなふうに疑い深くなるのも、恋をしてる人間特有のものなんだろうか?
 自分の知らなかった自分が、どんどん引き出されてくるみたいだ。恋ってホントにフシギだ。

5月21日(火)
 店にミツルさんが来てくれて、俺を指名してくれた。
「マスターとはどう?」って聞かれて(ミツルさんには、俺がマスターのことを好きだって知られてるんだ)、今までずーっと胸に溜めてきたことを全部ぶちまけちゃった。
 マスターに告白しちゃったことも、それから気まずくなっちゃってて、金曜日にはOasisに会いに行ったのにそっけなくされたとか、告白しなきゃよかったって思ってるとか……。
 ミツルさんは俺の話を聞いて、「なにそれー。マスターってば、こんなかわいいはるなのことほっとこうとしてるわけ?」って言って「よしよし」って頭を撫でてくれて、そうされたとたんに悲しかったのを思い出しちゃってまたちょっと泣いてしまった。
 ミツルさんはそれから2時間くらいいてくれて、「俺からもマスターにちゃんと返事するよう言っとくから、あんまり落ち込まないで待ってろよ」って言ってくれて、ちょっとだけ心が軽くなった気がした。
 誰かに相談できると本当にほっとする。今まではマスターに相談してほっとしてたのにな(いつきくんのときとか、ストーカーのときとか)。
 いろいろ話すことができてちょっとだけ元気出た。ありがとう、ミツルさん。

5月19日(日)
 金曜のマスターの態度を思い出すとそれだけで胸が苦しくなってきて、涙が止まらなくなる。
 俺、本当にマスターに嫌われちゃったのかなぁ。
「ちょっと優しくしただけでつけあがりやがって」とか、「ウザい子供だな」って思われてるのかなぁ。
 だとしたらすごく悲しい。すごく切ない。
 告白なんかするんじゃなかった。マスターに嫌われちゃうなら、こんな思いをするんだったら言わなきゃよかった。
 なにがなんだかわからないくらい、心臓が苦しいよ……。

5月17日(金)
 仕事前に、勇気を出してOasisへ行った。
 今日は金曜日ってこともあって店はけっこう混んでいて、でも俺は無理やりマスターの目の前のカウンター席に座った(かなり頑張ったんだ!)。
 マスターは俺を見ても、いつもどおりの優しい笑顔で「いらっしゃいませ」って言って「お飲物は?」って普通に聞いてきて。「マスターに任せます」って言ったら、「わかりました」って言ってカクテルは作ってくれたけど、それを俺に出したあとはすぐに別の人の接客をはじめちゃった。
 それでも俺は、マスターがヒマになるのをじーっと待ってて、Oasisの常連さんで話しかけてきてくれた人ともあまり話さないで待ってて、マスターの顔をずっと見てたのに、……マスターは結局俺に話しかけてきてくれなかった。
 俺から話しかけても、「何かご注文ですか?」とか「飲み物ですね?」とか、俺に話をさせてくれなくて、最後には「はるなさん、そろそろお仕事の時間じゃないですか?」って言われて、終わり。
「お仕事頑張ってくださいね」
 って会計のときに言われて、追い出されるように店を出た。いつもはドアまで見送りに来てくれるのに、今日はそれもなかった。
 なんだかすごく悲しくて、店に向かってる途中で泣いてしまった(涙が勝手に出てきちゃったんだ)。

 あんな態度とるなんて、ひどいよマスター・・・・・・・・。

5月16日(木)
 Oasisに行きたい。
 行って、マスターと話がしたい。
 このあいだの告白の返事が聞きたいとかじゃなくて、前みたいに普通の話をして笑ったり楽しませたりしてもらいたい。
 おいしいカクテルも飲みたいし、俺の話も聞いてもらいたいのに。

 告白したせいで、全部どうしようもない感じになってる気がする。すごく悲しい。
 マスターに会いたい。すごく会いたい。それで、たくさん話したい。

 明日、Oasisへ行こう!



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