ステップソール・テレマークスキーで楽しむ妙高高原

 妙高高原の冬、私にとってそれはもはやステップソール・テレマークスキーを抜きには考えられない。妙高山は成層火山らしいなだらかな裾野を持ち、冬はそれが広大な雪のフィールドとなる。山スキーとして装備を整え、上へ上へと登り滑るのももちろん良いが、もう少し身軽になってこの麓のフィールドをのんべんだらりと歩いては休み、気に入った丘を滑っては登るという楽しみ方は更に良い。
 スノーシューハイクと似た楽しみだが、『この坂を滑ったら気持ち良いだろうな〜』と思い始めたらステップソール・テレマークスキーの出番だ。

 テレマークスキーはいろいろな場所で紹介されているように、カカトを固定しない締め具と専用のブーツを特徴としたスキー用具である。これが故に滑りのタフネスさを手放す一方で、スキーを履いたまま滑りも歩きも軽快に楽しめるという特徴を持っている。
 しかしながらそれだけでは水平移動は出来ても登る事は難儀である。登るためには別途、滑り止めのシールを貼る事になるが、これでは起伏のある雪原で登り滑るような楽しみには向かない。いちいちシールを貼ったり剥がしたりしなければならないからだ。
 古来、シールを貼らずともある程度登る事が出来るステップカットをソールに刻んだスキー(以下ステップソールスキーと呼ぶ)が存在してきた。入門用のクロスカントリースキーにも見られるアレだ。
 テレマークスキーにおいても日本に紹介された当初から常に売られ続けてきたモノだが、フラットソールのスキーがどんどん滑りやすくモデルチェンジを重ねる一方で、ステップソールスキーの滑りやすさは大して改良されない時代が続いた。必然、上記フィールドにステップソールスキーで出かけても雪が腐っていれば滑りは苦行となった。
 しかしそんな暗黒時代もついに終焉のときが。2007シーズンから登場したカルフの10th Mountainにより、ステップソールは滑りにくいという概念は過去のものとなった。いやぁ、良い時代に生まれたものだ♪
(2011.2.24追記)海外市場ではそれ以前から滑りやすく登りやすいステップソールスキーはあったようだ。例えば‥
 ステップソール・テレマークスキーとスノーシューの大きな違いは滑れるか否か、である。当然滑れる分、行動範囲は広がり風を感じて楽しむ事が出来るようになるが、登りのグリップ力はデリケートなので慣れが必要である。もちろんスキー技術が皆無では楽しむどころではない。
 しかし滑る技術は高度である必要などない。テレマークターンの技術など身に付けていなくても十分に楽しめる。木にぶつからないだけのターンと停止ができれば、自分に見合った坂で遊べるからだ。
 ので、オススメはテレマークブーツとカルフの10th Mountainクラスのステップソールスキーを買って妙高高原に乗り込んでくる事だ。残念ながらウチのスクールにも10th_Mountainのレンタルは無い。しかし普通のスキーにステップカットを切ったスキーならレンタルがあるので、味見をしたい人は活用するとよいだろう。
 よっぽど悪い雪に遭遇しない限り、味見をしたら最後でステップソール・テレマークスキーの面白さに人生が狂ってしまう事だろう。あとは自己責任で!
クロカンでも滑れるヤツは滑れるが、難しい
 余計なおせっかいだが、ステップソール・テレマークスキーを、よりポピュラーなクロスカントリースキーで代用するのは大変よ♪昔のステップソール・テレマークスキーよりも更に滑るのが難しいからね。
 あ、それからテレマークブーツを新たに買う場合はオールラウンドモデルか、それより歩きやすいグレードがオススメ。スカルパのT-4とかガルモントのエクスカージョンなんて素敵。
 おせっかいついでにもう一つ。ステップソール・テレマークでもスノーシューハイクでも、雪山での行動であるのは登山と一緒。相応の準備と安全に関する知識をもって楽しもう。
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