常連のMさんがまたマニアックなギアを入手された。アルピナ･ライトテラインという名のステップソールスキーである。日本での取り扱い代理店は無いようで、海外通販での入手との事。なんとも有難いことに「使ってみてください」と妙高に置いていって下さった（と言ってうっかり持ち帰られたのだが、翌々日なんと宅配便で我が家に舞い戻ってきた、恐縮である）。
※ ちなみに10th mountainは karhu なきあと、同じくK2傘下の Madshus社から Epoc という名で製造されている。こちらも日本での販売ルートが無いようで、やはり入手は海外通販となるのが現状のようである。
http://www.orscrosscountryskisdirect.com/madshus-epoch-backcountry-skis.html
廃盤になってしまった10th mountainの後継を探していただけに興味津々。3サイズはほぼ同じだが、ウェストは10th mountainの68mmに対し64mmとわずかに細く、サイドカーブがきつくなっている。全体に厚みがあり、ペラペラ感のある10th mountainとは対照的でしっかり感がある。
ネットで検索してみると2005年頃から既にCross terrainという名で売られていたモデルがあり、レビューもけっこう見つかる。
http://www.epicski.com/forum/thread/38752/rossignol-bc-90-vs-alpina-cross-terrain
日本でもBCクロカン愛好家の間では評判が高いようです。また、T2等と組み合わせて快適に使っている方もいらっしゃいます。ちなみに現在のCross terrainはLite Terrainよりもやや太くてややサイドカットがきつくてやや重い兄弟モデルのようです。
まずはゲレンデで味見である。雪の条件は踏み固められた粉雪の上に薄く新雪が載った滑りやすいコンディション。うろこスキーには抵抗が大きくなりやすい雪である。下の写真でわかるようにLite terrainはキャンバーがシングルで、うろこ部分に圧がかかりやすい。これは滑走性で不利なのだが、予想通りスキーの滑りが今ひとつ良くない。もっとも10th mountainとて決して滑りの良いスキーというわけではないので、多少劣るといった程度か。緩斜面の下りが長いコースには適さなそうだ。
シングルキャンバーと深いサイドカットのおかげで、ターン性能はけっこう良い。素直に曲がる。また、硬い雪のところでも素直にズレてくれるので10th mountainよりも安心して使える。特筆すべきは登りの性能で、この日の雪ではまるでシールをつけているかのようにゲレンデを登ってくれた。耐え切れずにスリップするときでもキャンバーの強いうろこスキーのようにスッポ抜けることはなく、「ズズッ」とズレ落ちたところで踏みとどまってくれた。この登坂性能なら滑走性が少し悪くても大歓迎である。
日を改めて好天のゴルフ場に持ち出してみる。雪はモナカとまではいかないがズボッとめり込むターンしにくい湿雪である。先日体感した登坂性能の高さはやはり本物で、娘を乗せたソリを引いてもグイグイ登れた。もちろんうろこスキーであるから、深さのある雪でスキーがたわんでしまうと登れない。あくまでもスキーがあまりめり込まない雪で登れるということである。また、ゲレンデで気になった滑走性の悪さはゲレンデ外ではさほど気にならなかった。ザラメっぽい雪では十分気持ち良く滑る。
一方、腐りかけた湿雪でのターンのしやすさはペラペラな10th mountainに軍配が上がる。幅は4mm細いだけ、トップ＆テールは3mm太いだけの3サイズであるが、フレックスもねじれも丈夫なのが災いしてスキーが腐れ雪にめり込みやすい。やはり腐れ雪はペラペラなスキーが滑りやすい。
気温が上がり、雪が程よく腐ってきたのでアルピナ・ライトテライン169cmの腐れ雪テストに出かけました。こちら。結果は上々♪ ゴルフ場ではおっかなびっくりで強引に押しずらそうとして失敗し上記3のような感想になったが、このスキーは10th mountainよりもきれいにたわんでくれるので余計なことをせず素直に滑らせてやればよい。
