YUKIO's 最近聞いたアルバム'98

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最近のカントリー・アルバムより

ゴールデンウィークのお供に、アウトドア・ライフのBGMに、最近のカントリー・シーンからメジャー?なものを拾ってみました。ピュアなカントリーはほとんど知識なくて、嗅覚?に物言わせて適当にセレクトしました。どのアーティストも初めて聞いたものばかりで、もっといいアルバムあると思いますが取り合えず紹介します。70年代のルーツ・ロック、ウエスト・コースト・ロックに最も近いフレイバーを持っているのが、これらのカントリー・アーティストだと思います。カントリーとカントリー・ロックの違いにこだわるのも意味を失いかけている昨今ですのでここは、ひとつ音楽的な気持ち良さに耳を傾けてみましょう。


DWIGHTLIVE/DWIGHT YOAKAM
ドワイト・ライヴ
1995年
プレスリー・ナンバーで幕をあけるこのライヴ・アルバムは、ロック色も濃く滅茶苦茶カッコイイ。プレスリーとグラム・パーソンズを足して2で割ったような感じと受け取りましたが...。幅広いスタイルを取り入れ、カントリーを自己表現の手段としている感じなどグラム・パーソンズ的かなぁと思います。ルーツ・ロック・ファンは必聴のアーティストですね。ライヴのHOTな雰囲気がよく伝わってきます。

DANGEROUS SPIRITS/RAY WYLIE HUBBARD
DANGEROUS SPIRITS
1997年
テキサスのプログレッシヴ・カントリー・ロッカーだそうで、ハード・ボイルドな1枚です。3作目になるのかなぁ?カントリーというよりシンガー/ソングライター的なカントリー・フォークといった感じです。ただし相当な辛口であることには間違いありません。HOBO的であったり、ときおりディランを感じさせてくれたりと渋いシンガーです。70年代の頃はツェッペリンのカヴァーなどもやるカントリー・パンク・バンドなど組んでいたそうですけどよく知りません。

HIGH LONESOME SOUND/VINCE GILL
ハイ・ロンサム・サウンド
1996年
ピュア・プレイリー・リーグにも参加したことがある、カントリー界のスターです。コンテンポラリー・カントリーと呼ばれるように、サウンド的にはポップで洗練されています。この音だったら、ウエスト・コースト・ロック・ファンからAORファンにまで無理なく受け入れられますね。カントリーというよりアダルト・コンテンポラリーです。このヴィンス・ギルって人また、ギターが結構うまいのですよ。この前何かのTVでやってましたけど、フィンガー・ピッキングで流麗なフレーズを軽々と弾きこなしてました。お薦めは3曲目の「プリティ・リトル・エイドリアナ」というメローなナンバー。イーグルスのグレン・フライの感じが好きなら是非お試しを!

SEVENS/GARTH BROOKS
大地の心、僕の歌
1997年
こちらもカントリー界のスーパー・スターです。今最も売れ筋といえるカントリ−・アーティストの7作目。ヴィンス・ギルに比べるとカントリー色は強いものの、各曲はメロディアスでポップ。ナッシュビルの伝統に乗っ取ったといえるエンターテインメントを感じさせるメイン・ストリーム・カントリーといえます。臭みはありませんけど、ルーツ・ロック・ファンにも十分楽しめる1枚です。

いかがでしたか?カントリーぽいものを1枚というかたにはGARTH BROOKSを、メローなカントリーをという方にはVINCE GILLをお薦めします。このシーズンひと昔前なら、AORやウエスト・コースト・ロック聞いたものですけどね〜。まぁ、その代用品ってわけではけっしてないのだけど、最近のカントリーけっこういけます。(98.05.02)

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PILGRIM/ERIC CLAPTON
ピルグリム
1998年
 クラプトンの久々のアルバムということで、妙に盛り上がっているこの頃ですが、いまだに「ギターの神様」なんて形容するマスコミさん、ちょっと考えてくださいよ!
 さて、このアルバムは、クラプトンとサイモン・クライミーの共同プロデュースということになってますが、サイモン・クライミーって誰って感じなのですが、TDFも聞いていないので全く予備知識なしでのレヴューになります。
 コンピュータを駆使しているという話を聞いて、へんてこなピコピコ・テクノみたいになったら嫌だなぁと心配していたのですが、あくまでも手段としてのみのようですので一安心です。ただし、ドラムはスティーヴ・ガッドが参加している4曲以外はすべて打ち込みのようで、ちょっとさみし〜。それから、クラプトンの意向により歌詞が掲載されてないのでクラプトンの言いたいことは、ヒアリングするしかないので辛いなぁ。
 全14曲(+ボーナス1曲)、アナログ時代だったら2枚組大作ということで、4面に別れて印象が残るものなのですが、良くも悪くもCDの場合一気に聞いてしまうので、全体としてあるいは1曲づつ捉えざるを得ません。まぁ流れってものもありますが、取りあえず1曲づつインプレッションで簡単に紹介させてください。

  1. MY FATHER'S EYES [ERIC CLAPTON]
     トップを飾るキャッチーでクラプトンらしいメロディーを持ったナンバーは『レイラ』、『461...』のファンにも、「チェンジ・ザ・ワールド」からのファンにも受け入れられるいい曲です。スライド・ギターが効いてますね。

  2. RIVER OF TEARS [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     一転してスローで静かなこの曲は、新しいクラプトン・ワールドの入り口です。ゆったりとした暖かみのある不思議な曲調です。

  3. PILGRIM [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     さてタイトル曲です。ピルグリム(巡礼者)という意味深気な内省的なテーマを歌ったこの曲は、単調なリズムパターンに載せて静かに盛り上がり、エンディングでは珍しくジャジーなギターを聞くことができます。

  4. BROKEN HEARTED [ERIC CLAPTON,GREG PHILLINGANES]
     ティン・ホイッスルという笛のような楽器をフィーチュアして、広大な大地の上を雲がゆっくり流れるような牧歌的なムードが感じられます。

  5. ONE CHANCE [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     ヘヴィーなギターが効果的なファンクナンバーですね。クラプトンの力強いヴォーカルが堪能できます。ちなみに、ヘッドフォンで聞くと出だしにアナログ盤のようなノイズが聞こえますよ。

  6. CIRCUS [ERIC CLAPTON]
     ちょっと一息かなぁ。アコースティック・ギターによるセンシティヴな曲です。クラシック・クラプトン・ファンには、こんな曲が一番うれしい!まさに等身大のクラプトンを感じ取ることができます。佳曲です。

  7. GOING DOWN SLOW [ST.LOUIS JIMMY]
     ブルースのカバーなのですが、新しいクラプトン・ワールドにピタッとはまったアレンジになってます。私はスティーリー・ダンを連想してしまいました...。

  8. FALL LIKE RAIN [ERIC CLAPTON]
     軽快なテンポのカントリー・ナンバーですが、やはりこのアルバム独特のフィルターで被われた感じがします。このフィルターがSIMON CLIMIEなる人物のカラーなのかな?

  9. BORN IN TIME [BOB DYLAN]
     ディランのカバー曲です。クラプトンのヴォーカルもボブ・ディランを意識しているように聞こえます。

  10. SICK & TIRED [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     オリジナルによるピュアなブルースナンバーかと思ったらストリングスがかぶさって来たりして、一筋縄ではいかないこのアルバムなのですね。

  11. NEEDS HIS WOMAN [ERIC CLAPTON]
     再びアコースティック・ギターをフィーチュアしたナンバーです。美しいメロディーを持ったこのような曲が書ける限りクラプトンは、まだまだ健在ですね。素敵な曲です!

  12. SHE'S GONE [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     今度は、スティ−ヴ・ガッドのドラムによるファンキーナンバーですが...没にしてもよかったのでは???

  13. YOU WERE THERE [ERIC CLAPTON]
     そろそろこのアルバムも終わりに近づきましたが、今度は美しいメロディのスローバラードです。切々と歌うクラプトン、ハーモニックス奏法を駆使した泣きのギターがクラシック・クラプトン・ファンにはこたえられません。いいです!

  14. INSIDE OF ME [ERIC CLAPTON,SIMON CLIMIE]
     最後は、タイトル曲と対になったような、内省的な曲ですね!クラプトンの孤独感、苦しみなどが伝わってきます。

  15. THEME FROM A MOVIE THAT NEVER HAPPENED [ERIC CLAPTON]
    BONUS TRACK FOR JAPAN

 サウンドはSIMON CLIMIEにある程度まかせ、クラプトン自身は、作曲、ヴォーカル、ギターに徹した様子がよくわかります。このアルバムが名盤になるのかどうか、それは歴史が決めてくれるのでしょうが、クラプトンが自らかなりの曲(しかもいい曲が多い)を書き、あたらしい境地を示してくれたことで私はかなり満足しています。『461・オーシャン・ブールヴァード』に匹敵する評価はしてあげたい気持ちですね。

P.S.
『461・オーシャン・ブールヴァード』が名盤と呼ばれるようになったのは、かなり後のことだったように思います。少なくとも発売時は、賛否両論でした。この『ピルグリム』もそんな運命を背負うような予感がしますが、どうでしょう?

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MOONLIGHTING Live At The Ash Grove/VAN DYKE PARKS
ムーンライティング
〜ライヴ・アット・ザ・アッシュ・グローヴ
1998年
 バーバンクの大御所ヴァン・ダイク・パークスの新作は、なんとライヴでした。
 ヴァン・ダイク・パークスといえば68年の『ソング・サイクル』が名盤として名高いのですが、どうもマニアックなイメージが強く聞かず嫌いの人が多いのではないかと思いますが、このアルバムは非常にポップで聞きやすいですよ。
 95年の『オレンジ・クレイト・アート』から3曲、『ソング・サイクル』からも1曲など、ベスト的選曲でヴァン・ダイク・パークス入門には最適かもね。

オレンジ・クレイト・アート
1995年
ORANGE CRATE ART/BRIAN WILSON AND VAN DYKE PARKS

 ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンをフィーチュアしたノスタルジックで素晴らしいポップアルバムです。完成できなった66年の『スマイル』(ビーチ・ボーイズ)の挫折感を振払って30年越しの快作。

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WATCHING THE RIVER RUN/JIM MESSINA
ウォッチング・ザ・リヴァー・ラン
1997年
 バッファロー・スプリングフィールド、ポコ、ロギンス&メッシーナとウエスト・コーストのメイン・ストリートを歩いてきたジム・メッシーナですが、ロギンス&メッシーナ解散後はAORタッチのアルバムを何枚か出しながらもケニー・ロギンスほどヒットはせず地味な存在だったのですが、97年にこのセルフ・カバー・アルバムとともに戻ってきました。そろそろギタ−をいじり出した3才(97年当時)の息子に捧げたというこのアルバムは、バッファロー・スプリングフィールド、ポコ、ロギンス&メッシーナからの選曲を中心にまさにジム・メッシーナ・ヒストリーとでも呼べるものになっています。肩の力の抜けたナチュラルな音楽が心地良いです。近々オリジナル・アルバムもでるようなので楽しみですね。

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YUKIO's 最近聞いたアルバム(97年までのもの)

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