[ 私が最近聞いたアルバムのコレクションです。(97年までのもの) ]
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★ピーター・ルイス★ 1997年(1995年)
60年代後半にサンフランシスコの実力派バンド、モビー・グレープの中心メンバーとして活躍したピーター・ルイスのなんとソロ・ファースト・アルバムです。70年代からモビー・グレープとは別に曲を書き溜めてきたという満を持した作品集といえます。後期ドゥービー・ブラザースのメンバー、ジョン・マクフィーをプロデューサー&ギタリストに迎え、同じくドゥービーズのキース・ヌードセン、コーネリアス・バンパス、C.C.R.のステュ・クックなどがバックを固めています。 肝心の音のほうですが、あんまり期待してなかったのだけど、これが結構いけます。LAというより、やはりサンフランシスコを感じさせる実に爽快なカリフォルニア・ロックになっています。特に1曲目の冒頭のサイケなコーラスから始まるブギーからぐいぐい引きずりこまれ、後半のスロー・ナンバーまで年を感じさせない張りのあるヴォーカル&コーラス、適度に現代的なしゃきっとした録音で大満足の一枚ですね〜。これぞ大人(おやじ?)向けのロック...こっそり楽しみたいものです。 ちなみにこのアルバムの素晴らしいアート・ワークもピーター・ルイス自身のものです。中ジャケットは1曲ごとに水彩画、写真などの作品で飾られています。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★アワーグラス★ 1997年
HOURGLASS(砂時計)と名付けられたこのアルバムは、最近のジェイムス・テイラーのプロデューサーであり、昨年亡くなったドン・グロニックに捧げられた6年振りのスタジオ録音となります。あの名曲「ファイア・アンド・レイン」から27年になりますが、JTの歌は全く変わりなく、ナチュラルに、暖かく、少し寂しく、そっと僕たちを気持ちよくさせてくれます。そして、消費されることをこばむような不変の音楽の強さを教えてくれます。刺激とか興奮とかは、いずれ醒めてしまいますが、優しさを証明するには継続するしかない。そんな風にも聞こえくるではありませんか。 ゲスト参加のスティーヴィー・ワンダーが味わい深いハーモニカを披露している他ブランフォード・マルサリス、マイケル・ブレッカーらのジャズ・フュージョン勢やヴォーカルとしてスティングやヴェレリー・カーターらがさりげない色を添えています。ラヴ・ソングから環境問題までまだまだ健在なJTでした。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★TEN EASY PIECES★ 1996年
秋の夜長にとっておきの1枚です。60年代後半にジョニー・リヴァースに見い出され、フィフス・ディメンション、グレン・キャンベルらのソング・ライターとして、また80年代には自らAORシンガーとして活躍したジミー・ウェッブのセルフ・カヴァー・アルバムです。 「ガルヴェストン」、「恋はフェニックス」、「マッカーサー・パーク」などのヒット曲をほとんどピアノの弾き語りのバラードで聞かせてくれます。ゲストのマイケル・マクドナルド、ディーン・パークスなども控えめにジミーをもりたてています。30年のキャリアが醸し出す大人の渋さとでもいいましょうか、決して甘くなり過ぎない、ほろ苦いヴォーカルとピアノに聞き入ってしまう見事な作品集です。バラードにはうるさい私の奥さんも太鼓判?(太鼓腹ではありませんのでお間違えなく...)を押す1枚です。 多分日本盤は出ていない?と思いますので、輸入盤でどうぞ!
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★ザ・ベルボトムス★ 1997年
夏も終りですが、この夏見つけたユニークなユニットを紹介します。サイケデリックなジャケットやザ・ベルボトムスという名前からして、いかにもという感じですが、音のほうもやっぱりいかにもです。(えっ、分けわからない?) この新人グループは、ジミー・ハーターとジミー・カプリオというソング・ライター・コンビなのです。アンドリュー・ゴールドが、プロデュース、演奏、アート・ワークで全面的に参加しています。60年代から70年代前半くらいのポップ感覚の12曲が、ビーチ・ボーイズ、ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、10CCなどのイメージをダブらせながらヒット・シングルを並べたように聞こえてきます。(中ジャケットのデザインも昔のアナログシングル盤的デザインで2曲ずつ紹介するというデザイン的にも凝ったものになっています。)そんな感じで、ワイド・レンジの節操ないアルバムなのですが、ソング・ライターのサウンド・サンプラーとしてとらえてみると、彼等のポップセンスは凄いものがありますね! 特に3曲目の「ウィンド・サーフィン」は、まったくビーチ・ボーイズそのものだったりして。TVのCMでかかっている曲(「ウィル・アイ・エヴァー・シー・ユー・アゲイン」日産自動車のCM)もあるそうですが、私の好みでいえばベストは、1曲目の爽やかでちょっとノスタルジックな完璧なポップ・ナンバー「サマー・ドリームス」ですね。今後の活躍がかなり期待できる内容とみましたが...。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★夢のカリフォルニア★ 1997年
この夏のクラシック・ロック・ファン向けのBGMを1枚紹介。TOTOの歴代ヴォーカリストのボービー・キンボールとジョセフ・ウィリアムス、シカゴの現役のビル・チャンプリンとジェイソン・シェフの4人が、ウエスト・コーストの名曲をアカペラで演るという画期的企画アルバムなんです。ジャケットは、いかにも企画物って感じで頂けませんが、この際目をつぶりましょう。それでは、珍しく曲目を紹介します。
以上ですが、コメントはいらないですね! あえて一言だけ言わせてもらえば、ホテル・カリフォルニアはギター・ソロまで アカペラでコピーしています。これはちょっとシュールでグッドです! ちなみに、プロデューサーはジョーイ・カーボーンです。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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THE BEST OF JACK TEMPCHIN ★ピースフル・イージー・フィーリング★ 1997年
イーグルスの「ピースフル・イージー・フィーリング」、「オールレディ・ゴーン」やグレン・フライの数々のヒット曲でおなじみの元ファンキー・キングスのメンバーでウエスト・コーストのソングライター、ジャック・テンプチンの90年代に発表した3枚のアルバムからの選曲に「ピースフル・イージー・フィーリング」、「オールレディ・ゴーン」のアコースティック・ヴァージョン(新録音)をプラスした13曲入のコンピレーション・アルバムです。ひょっとしたら日本のみの発売かも?90年代に発表した3枚のアルバムは97年秋に日本発売されるそうで、このアルバムでは、91年の「STAYING HOME」はポップな味わい、93年の「AFTER THE RAIN」はウエスト・コーストぷんぷん、95年の「LONEKY MIDNIGHT」はちょっとレイドバックしてスワンプ風というようにセレクトされています。 私の好みでは、93年の「AFTER THE RAIN」あたりですね。セクルージョンズ(最近のジャック・テンプチンのバンド)を中心に、グレン・フライ、J.D.サウザー、ティモシー.B.シュミットらが参加しています。もちろん他の2枚もよいでしょうけど。というような感じで非常においしい1枚になっています。 ジャケットを撮影したヘンリー・ディルツが70年代のウエスト・コーストを振り替えって印象的な言葉をジャケット裏に述べています。 Songs Were falling from the sky. なかなか言い当てた素敵なセリフですよね!
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★アリスのレストラン'97★ 1996年
フォーク・シンガー、ウディ・ガスリーを父に持ち、ボブ・ディランを師と仰いだベテラン・フォーク・シンガー、アーロ・ガスリーがそのキャリアの30周年を記念して、30年前の自作アルバム「アリスのレストラン」(聞いたことはないのですが)をアルバムごとセルフ・カバーという大胆?な企画です。ジャケットまでそっくりなのは良いのですが、いかんせん体型が変わりすぎているのは、受け狙いでしょうか?日本盤では「アリスのレストラン'97」となっていますが、リリース時期の違いで97をつけたようで、英語タイトルには年号はありません。オリジナルの「アリスのレストラン」という曲も18分ありますが、こちらは22分と長くなっています。この曲だけは、歌詞というより語りといったほうがよいのでしょうが、替えてあるようです。軽やかに跳ねるアコスティック・ギター、ハーモニカにのせて、暖かい声のガスリーおじさんがポップでいて少しディラン調のフォーク・ソングを歌ってくれる、なんともほのぼのとした世界ですが、不思議と古めかしくありません。しかし「アリスのレストラン」は22分聞いているとすっかり耳が覚えてしまいます。 アーロ・ガスリーの名作としては、"HOBO'S LULUBY"と"LAST OF THE BROOKLYN COWBOY"がありますが、そちらのレヴューは、かずみさ〜んお願いしま〜す!
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★シェルター・ミー★ 1996年
70年代後半ウエスト・コーストのスタジオ・ミュージシャンとして、数々のアーティストのバック・コーラスとして参加し、そのかたわら78年にはAORユニット、ペイジズをスティーヴ・ジョージらと結成、84年にはハード・ポップ・バンドMr.ミスターを結成し、
全米1位のヒットまで記録したリチャード・ペイジの初めてのソロ・アルバムです。
ペイジズが好きで、Mr.ミスターにはいまいちついて行けなかった人は是非聞いてみてください。あくまでもシンガー、ソング・ライターとしてのパーソナルな作品ですので、ペイジズほどAORしているわけではありませんが、地味ながらも聞くほどに味が
出てくるようなアコースティックな響を大切にしたナチュラルなアルバムになっています。上質なウエスト・コースト・サウンドといえます。マーク・ジョーダンとの共作となる1曲目の「ザ・ベスト・シング」なんか良い曲ですよね〜。他にスティーヴィー・ワンダーの「1000億光年の彼方」をカバーしており、そこでは旧友スティーヴ・ジョージらも参加しています。曲作りにはジョン・リンドなども加わっています。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★ジャンクション・セヴン★ 1997年
94年に再結成されたトラフィックのヴォーカリストというのが正しいかどうかですが。30年以上のキャリアを誇る大物には違いありません。今作は、プロデューサーにナラダ・マイケル・ウォルデンを迎えて、ブラコン的アルバムになっています。フィル・コリンズばりのジャンプナンバーで始まり、AOR調のバラードなどをまじえ、80年代を感じさせるものになっています。究めつけは、「プレンティ・ラヴィン」でしょうか。まるで80年代前半の頃のカフェ・バーへタイム・スリップさせてくれます。面白いですね〜。レニー・クラヴィッツが地味にギター弾いていたり、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「ファミリー・アフェア」をカバーしていたり、なかなか楽しませてくれます。もともとソウルフルなシンガーですから、こういうのもありなんでしょう。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★シェリル・クロウ★ 1996年
かずみさんも推薦のシェリル・クロウのセカンド・アルバムです。ジャケットは何種類かあるようですが、とりあえず日本盤で。このアルバムは素晴しい出来ですよ!彼女の才能なのか、片腕としてのジェフ・トロットが凄いのかまだわかりませんが、とにかく気に入りました。言葉にすれば、クラシック・ロックを身にまとった現代の女性シンガー・ソング・ライターということなのでしょうが、詩の世界もメッセージ色が強いわけでもなく、かといってナチュラルなわけでもなく、少しドラッグ・ソング的なところがなんともいえず魅力です。今後のゆくへが楽しみですね。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★☆ |
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★カム・オン・ホーム★ 1997年
これでいいと思います。戻ってくるところはただ一つという感じですね。ブルース・アルバムですが、ボズが歌うとオリジナルのように聞こえ、初期のアルバムを彷彿させてくれます。ギターもしっとりと聞かせてくれて、私は満足してます。クラプトンに比べるとかなり軽いブルースですが...。(比べちゃいけませんね。)
アルバムとしての一般的な完成度★★★☆ |
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★ブラー★ 1997年
J-WAVEのヘビー・ローテーションだったBeetlebumの「えんやとっと」ギター・リフに魅せられて?
アルバムはいかにと買ったのでした。それまでは、恥ずかしながら知らなかったのですが、聞いてみるとなかなか渋いじゃないですか。60年代につながっているような、ロックの原点を感じさせてくれます。ジョン・レノンやビートルズのアヴァンギャルドな面が好きな人にはお薦めです。最近は、ブリティッシュとは言わずUKと言うそうで...。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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★WHATEVER AND EVER AMEN★ 1997年
CDショップのヘッドフォンでなにげなく聞いて、輸入盤(日本盤はジャッケットが違っていたような...。)を衝動買いと言う奴です。UKバンドかと思ったらUSAだそうです。ギターレス(曲によってはギターのような音も聞こえますが...。)のピアノ・トリオでロックをやっています。ピアノがなかなかカッコよく曲も洒落ています。2ndアルバムだそうですが、ファースト・アルバムも聞いてみたくなりました。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★☆ |
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★バック・トゥ・ラヴ・アゲイン★ 1997年
今はもうすっかり老けこんでしまいましたが、70年代を代表するシンガー・ソング・ライターでありコンポーザー(こちらのほうが評価は高いと思います。)の16年振りのアルバムです。カーペンターズやスリードッグナイトに提供した曲のセルフ・カヴァーなどもあり和んでしまいます。AORとしても聞けますね。
アルバムとしての一般的な完成度★★★★ |
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