
[ YUKIO's SUMMER COLLECTION vol.2]
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★サザン・ナイツ★ 1975年
御存じニューオリンズの大御所アラン・トゥーサンの4枚目のアルバム。ザ・バンド、リトル・フィート、ヴァン・ダイク・パークスなどロック界からの信仰も厚いアラン・トゥーサンなのですが、今作ではミーターズをバックに粋なニューオリンズR&Bを聞かせてくれます。ハイライトはエキゾチックでトロピカルな雰囲気漂う名曲「サザン・ナイツ」です。この曲だけのために、持ってて損はしないアルバムだと思います。他にローウェル・ジョージ、ボズ・スキャッグス、ボニー・レイット、ジェフ・マルダーらのカバーで有名な「あの娘に何をして欲しいの」を収録しており、傑作と呼ぶにふさわしいアルバムだと思いますよ。
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★モーション★ 1976年
あの「真夜中のオアシス」のマリア・マルダーの元旦那で、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズなどベアズビル系で活躍していたジェフ・マルダーのソロ・アルバムです。本来はオールド・タイミーな味が持ち味なのですが、本作ではジェシ・デイヴィス、ジム・ケルトナーなどの豪華なメンバーをバックにコンテンポラリーなR&Bに挑戦しています。J.グレイドン、D.フォスターの名前も伺えるあたりは時代というものでしょうか?ジャケットは今一つダサいですが、アラン・トゥーサンの名曲「あの娘に何をして欲しいの」、「サザン・ナイツ」、「モーション」のカバーを中心に結構楽しめます???ジャケットで選びました...。
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★シェイズ★ 1981年
ミュージシャンにはすこぶる評価が高く、クラプトンをはじめ様々なアーティストにカバーされているJ.J.ケールですが、このアルバムは涼し気なジャケットで選んでみました。音のほうは、相変わらず極渋の世界でちっとも夏向きではありませんが、蒸し暑い夏の夜エアコンやめてこんな音楽に耳を傾けるのも意外と風流かも...。ビールよりもバーボンをロックでという世界でしょうね。今どきだから、フルボディの辛口赤ワインという手もいいかも。
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★オン・ザ・ビーチ★ 1986年
クリス・レアの大ブレイク作でしょうか。思わず「哀愁の」なんて形容詞をつけたくなるタイトル曲ですが、真夏といより人気のなくなった晩夏のビーチをイメージしてしまいます。もとジェフ・ベック・グループ、ハミングバードのマックス・ミドルトンらとのアンサンブルもつぼを押さえたシンプルなもので、抑制の聞いたクリス・レアのギターとともに、その渋いヴォーカルを引き立てています。ハードボイルドに夏を過したい人は、もうこれ聞くしかありません。
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★ブルー・カフェ★ 1998年
クリス・レアの最新作。最近のクリス・レアのサウンドに乗っ取ってロック色の濃いものになっています。深海をイメージさせるディープ・ブルーのジャケット、私にはクリス・レアのディープなブルース魂を意味してるように感じます。ジョー・ウォルシュの影響を受けたというスライド・ギターですが、デュアン・オールマンほどじゃないにしろ、よく歌っています。クリス・レアは、車好きはなのかな?このアルバム『カーグラフィック』誌推薦だそうで、ドライヴに根性が入るかもね。ちなみにボーナス・トラックとして「オン・ザ・ビーチ」が収録されています。
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★ブルー・パシフィック★ 1990年
AORというより、ソフト&メローとかシティ・ミュージックなどと言ったほうがどうもしっくりくるマイケル・フランクスですが、このアルバムは80年代末からのAORリヴァイバルの中で待望されたものでした。プロデュースは、ジェフ・ローバー、ウォルター・ベッカー、トミー・リピューマが分担しており、それぞれのカラーが楽しめますが、トミー・リピューマの担当した曲におけるジョー・サンプルとラリー・カールトンのコンビネーションこそ純正マイケル・フランクス・サウンドだと思うのは、私だけでしょうか?透明感のあるヴォーカルは、まさにタイトル、ジャケットのイメージ通りの涼感をもたらしてくれます。
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★波の数だけ抱きしめて★ 1991年
あのホイチョイ・プロダクションの同名映画のサントラ盤です。湘南にミニFM局をつくるために青春を賭けるといったような80年代初頭の風俗を描写した映画なのですが、BGMというかサントラの選曲が結構涙ものだったのです。まぁレーベルを超えてというわけにはいかないようなので限られていますが、J.D.サウザー、バーティー・ヒギンズ、ネッド・ドヒニー、カーラ・ボノフ、ラリー・リーなどなど懐かしく聞きましたよ。今ではこのようなコンピレーション・アルバム腐るほど出ていますので、あえてこれにすることもありませんが...。
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| JAPANESE |
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★ハワイ・チャンプルー★ 1975年
久保田麻琴と夕焼け楽団の2ndです。細野晴臣と久保田麻琴との共同プロデュースのもとハワイ録音されたこのアルバム、タイトル、ジャケット通りの期待を裏切らない音を聞かせてくれます。喜納昌吉の「ハイサイおじさん」をカバーして話題を読んだりもしたのですが、スペシャル・サンクスとして片岡義男やライ・クーダーの名前があることからして、どんな音か大体想像がつくでしょう...。ゴッタ煮風ではありますが、トロピカルな味に調理されてますから、なごみの1枚としてお手元に1枚いかがでしょう...。
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★センチメンタル・シティ・ロマンス★ 1976年
日本のLA?名古屋が生んだ国産ウエスト・コースト・バンド、センチメンタル・シティ・ロマンスのデヴュー・アルバム。細野晴臣氏がレコーディングに立ち会ったというこのアルバム、ウエスト・コースト・サウンドのほぼ直訳で和製ポコって感じもしますが、フォーク・ソング的言い回しや隠しようもない湿度感にオリジナリティを感じたりもします。ちなみに山下達朗率いるシュガー・ベイブも1曲コーラスで参加しています。ジャケットのイラストに惹かれて本作を選びましたが、次作『ホリディ』のほうが完成度も高く、洗練されていることを付け加えておきましょう。共にCDで手に入ります。
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★セイシェル★ 1976年
日本のロック黎明期の頃、フライドエッグやサディスティック・ミカ・バンドで活躍した高中正義先生のソロ・デヴュー作。セーシェル諸島をイメージした透明感溢れるポップなフュージョン・アルバムです。コンプレッサーのかかったクリアなギター・トーンが心地よいメロディを奏で、高中の涼し気なヴォーカルと共にトロピカルな気分を盛り上げてくれます。元祖夏男高中、これはいいですよ。お薦めです。
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★マンディ・モーニング★ 1980年
日本を代表する湘南のポップ・デュオ、ブレバタの傑作です。山下達朗が取り上げた「ピンク・シャドウ」のオリジナル・アーティストとしても知る人ぞ知る?ブレバタですが、今作では、当時売り出し中だった気鋭のスタジオ・ミュージシャンからなるパラシュートをバックに素晴らしい歌・詩・唄を聞かせてくれます。海で聞く音楽としては、文句なし。もちろんどこで聞いても素晴らしいのですけどね。次作『パシフィック』も続編的でいいですよ。
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★また明日★ 1982年
山下達朗のステージでコーラスをやっていた村田和人のデヴュー・アルバム。ヒットした「電話しても」をはじめキャッチーで明るいナンバーが揃っており、もちろん達朗さんもギターなどで応援しています。今聞き返してみても全く古びていないとういか、流行に左右されるようなタイプのポップスじゃないので古びるわけがないと言ったほうがよいのかな。ちょっとノスタルジックでドリーミーなところは、親分ゆずりというところでしょうか。聞いてみてほしい1枚です。
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★アウェイクニング★ 1982年
上田正樹、鈴木茂、山下達朗等とのセッションで活躍した佐藤博のソロ・アルバム。カナダ人女性シンガー、ウェンディ・マシューズとのデュエットは、ヴォーカルのエフェクトが妙に気持ちがいい。全曲英語で、下手な洋楽よりよっぽどいいじゃん、なんて当時思ったものです。タイトル通りAWAKENING(目覚)にベッドの中でまどろんで聞くのがベストかな?布団でもかまいませんけど...。
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Music From The Original Picture Soundtrack BIG WAVE ★ビッグ・ウェイヴ★ 1984年
というわけで、めでたく最後に紹介するのは山下達朗のサントラであり企画物でもあるこの『ビッグ・ウェイヴ』です。A面はオリジナル、B面はビーチボーイズなどのカバーという構成で全曲英語です。確かヒット作『メロディーズ』の後の作品になるのかな?あの「ジョーディー」の英語ヴァージョンが収められています。山下達朗=リゾート・ミュージックという図式が完全に出来上がった作品かもしれません。その後自ら徐々にそのイメージから脱却していくのですが...。それはそうと、ここまで気持ちのいいサウンド、世界を探してもそうそうあるものじゃないですよね。敬愛するビーチボーイズのカバーも素晴らしいのだけど、ブライアン・ウィルソンはこのアルバム聞いたことあるのかなぁ?....謎です。
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左の美しいジャケットは、言わずと知れたビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの新作であり、この夏のもうひとつの定盤『イマジネーション』です。オリジナル・アルバムとしては、1988年の『ブライアン・ウィルソン』以来の2ndアルバムということになります。さすがにデヴューしてから40年近くになるブライアンさん、声まで涼しくとは行きませんが、円熟したポップ感覚はますます磨きがかかっています。この夏は、このアルバム活躍して頂きましょう!
いかがでしたでしょうか。少しは涼しくなりましたか?いい音楽聞いて、夏バテ防止してくださいね! |