Last updated on Nov. 11,1999

LIVE REPORT

ERIC CLAPTON JAPAN TOUR 1999
1999-11-09 日本武道館



今回のプログラムの表紙
ECによる『ピルグリム』の解説あり
guitar/vocals
ERIC CLAPTON

guitar/vocals
ANDY FAIRWEATHER LOW

bass guitar/vocal
NATHAN EAST

keyboards
DAVID DELHOMME

drums
STEVE GADD

backing vocals
KATIE KISSOON
TESSA NILES


Disraeli Gears
Cream
1967年


Goodbye
Cream
1969年


Layla And Other Assorted Love Songs
Derek & The Dominos
1970年


E.C. Was Here
Eric Clapton
1975年


Slowhand
Eric Clapton
1977年


Journeyman
Eric Clapton
1989年


Unplugged
Eric Clapton
1992年


From The Cradle
Eric Clapton
1994年


Pilgrim
Eric Clapton
1998年


もともと足繁くコンサートに行く方じゃなく、初めての武道館、初めての生クラプトンということでいささか心昂りながら開演を待っていたのですが、いかんせん武道館の開演前の照明はいけません。設計が古いからしょうがありませんが、あの白々とした蛍光灯何とかなりませんか。それとあのお尻が痛くなる椅子...2階席の奴。
さて、武道館の悪口はこれくらいにして本題へ。


7時を少し廻ったところで、サッとあの白々とした照明が落ちて、ステージライトに切り替わり武道館であることを忘れて、ステージに気持ちを集中。やわらバンドのメンバーのあとクラプトンの登場。あまりにもラフな普段着のようなクラプトンの来ている服が印象的で、今にして思えばこのライヴの雰囲気を暗示していたようにも思える。

オープニングは、予想通り『Pilgrim』からのMY FATHER'S EYES。何の曲だかわからないクラプトンのイントロ(ソロ)からお馴染みのイントロへ(このパターンは実に多かった)。スライドをやらなかったのはちょっと寂しかったけど低重心のリズム隊に期待が高まる。

コーラスガールが袖に消え、ブルース・ナンバーからHOOCHIE COOCHIE MANRECONSIDER BABY。初日ということで少し心配してたが、クラプトンも慣れた武道館ということもあってか、最初からリラックスしていた。

会場についてプログラムを買って初めて、このツアーがPilgrim Tourだということに気が付いた。何せ1年半くらいたつから。Pilgrimから続けてGOING DOWN SLOWRIVER OF TEARSPILGRIM。この間自分の中で『Pilgrim』の評価がググっとアップ。スピリチュアルとでもいえる曲想は、ブルースというよりクラプトンにとってのゴスペルじゃないかなんてふと考える。SHE'S GONEは『Pilgrim』の中ではあまり好きじゃなかったが、このライヴアレンジは凄くいい。序盤のハイライトとなるジャンプナンバーに仕上がっていた。

アコースティック・セット。双眼鏡でみるとドブロのようだ。RAMBLIN' ON MY MINDの弾き語り。今宵最高のブルースにしばし聞き入る。次はアンプラグド・バンド。何が出てくるかいろいろ予想するが、その予想をこんなにも素晴らしく裏切ってくれるとは。何とアコースティックのBELL BOTTOM BLUES(きっと珍しいはず)。思わず一緒に口ずさむ。さすがに目から汗が出てくる。そしてTEARS IN HEAVENと続く。ANDY FAIRWEATHER LOWのギターも『アンプラグド』より随分良くなった。自分にとってはこのあたりが最高だったかもしれない。お約束のCHANGE THE WORLD。会場はかなり盛り上がり中盤のハイライトか。しかし、自分にとっては少し盛り下がる。いつまでもこの曲に頼って欲しくないのかもしれない。

ANDY FAIRWEATHER LOWのヴォーカルによる多分GIN HOUSE(多分エーメン・コーナー)。クラプトンは少し下がって休憩かと思いきや、ギターソロはしっかりスライドをまじえクラプトンがとる。

いよいよお待ちかねのヒットパレード大会。 ますはCOCAINE。この曲こんなに人気あったとは。最後に観客が「こけいん!」って決めてくれたりするもんだから、クラプトンも病みつきか。凄い盛り上がり。ヘヴィに毒々しく迫るOLD LOVE。これもいい曲。で、なんとBADGE。悪くないけど何でと言いたくもなる。もっと他に渋い曲あると思うけどな。WONDERFUL TONIGHTはKATIE KISSOONのソウルフルなスキャットが甘いバラードに陥ることを救っていた。続いてクラプトンが怪し気なインプロヴィゼーションを延々と弾き出す。じっと次に続く曲を頭の中で探す。そうあれしかない。LAYLA、しかも純正エレクトリック・ヴァージョン。会場はさらに盛り上がる。綺麗にまとめようとしていないところがいい。荒々しい。そうロックなのだ。それでいい。しかし、後半のピアノとの掛け合いのところは、もう少しジェントルであって欲しかった。またCOCAINEかと思ってしまうようなフェイクしたイントロから本物のSUNSHINE OF YOUR LOVE。これもやらなくてもと思うけど、これだけ盛り上がるんじゃ味しめるってのも無理はない。オールド・ファンは皆口ずさんだだろうね。もちろん私も。

アンコールはさらりとBEFORE YOU ACCUSE MEを決めてECは機嫌よく去っていった。あまりにも早い2時間。しかし、じわっと染みてくる感動が今このレポートを書いていて込み上げてくる。レコードを引っ張り出せばいつでもあの晩に戻れる...そういつでも。


最後にチケットを手配してくださった友人A氏にはこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとう!

※左に掲げたアルバムは当日の演奏曲の納められたアルバムですが、『461オーシャン・ブールヴァード』からの選曲はなかったですね。

1999-11-11

70年代のクラプトン〜Slowhand Singin'

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