Music:WHAT A FOOL BELIEVES/DOOBIE BROTHERS
[1978年の名盤]
1978年の出来事へ
Backless/Eric Clapton
1978年
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バックレス
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'74年から続いて来たクラプトン・バンドの最終作となりました。プロデューサーは、前作に引き続きグリン・ジョーンズが担当していますが、このところ影のうすかったイヴォンヌ・エリマンは、参加していません。
前作同様に「ウォッチ・アウト・フォー・ルーシー」、「プロミセス」などの軽快なカントリー・タッチのナンバーをまじえながら、今作はいままでのクラプトン・バンドの集大成とでもいえるナチュラルで味わい深い作品に仕上がっています。ボブ・ディランの書き下しの2曲、おなじみのJ.J.ケールのナンバー、トラディショナルなブルースナンバーなど前作に比べて派手さはありませんが、ぐっと落ち着いていて、ヴォーカルとバンドのバランスの良い作品になっています。特にクラプトンのオリジナル・ナンバー「テル・ミー・ザット・ユー・ラヴ・ミー」は、ミディアム・テンポのリズムにのせて、気持ちの良いギター・フレーズとともにメロディアスでアーシーなヴォーカルが、クラプトンの円熟振りを感じさせてくれるナンバーになっています。
一般的にポップな『スローハンド』の影に隠れていて、印象の薄いこのアルバムですが、クラプトンが本当にやりたい音楽ってこんなものなのかもしれませんね。いいアルバムですよ。
Craig Fuller Eric Kaz/Craig Fuller Eric Kaz
1978年
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クレイグ・フラー/エリック・カズ
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リンダ・ロンシュタットなどに曲を提供していたソング・ライターのエリック・カズと元ピュア・プレイリー・リーグののクレイグ・フラーがアメリカン・フライヤーを経たのちに結成したプロジェクト。セクションのメンバーらをバックに、ミディアム・テンポの曲を中心とした、ジャクソン・ブラウンのサウンドにも通じるウエスト・コーストど真ん中とでもいうべきアルバムに仕上がっています。時期的にはウエスト・コースト・シーンもかなり黄昏た状態でしたが、まだまだカリフォルニア・サウンド健在ということを示した好盤といえます。
Dire Straits/Dire Straits
1978年
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悲しきサルタン
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マーク・ノップラー率いるダイアー・ストレイツの記念すべきデヴュー・アルバムにして傑作。パンク全盛の当時のロンドンで時代に迎合することなく、シンプルでクリアなギター・サウンドをメインとしたアメリカン・ロック的音を作ってしまうことが新鮮でした。マーク・ノップラーのボブ・ディランに似たヴァーカルと独特かつ正統なブルース・ギターが奏でるアメリカ南部的音がなんとも魅力です。
Minute By Minute/
Doobie Brothers
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ミニット・バイ・ミニット
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トム・ジョンストンに代わってマイケル・マクドナルドが加わった「ドゥービー・ストリート」から3作目になり都会派A.O.Rスタイルもすっかり板についています。このアルバムでは、トム・ジョンストンもゲストで参加するなど少し昔のワイルドで泥臭い面ものぞかせています。ケニー・ロギンスとの共作となる「ある愚かものの場合」のリズム・パターンは大流行しました。'79年のグラミー賞最優秀レコード・最優秀ソングに選ばれました。
But Seriously,Folks.../
Joe Walsh
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ロスからの蒼い風
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イーグルス在籍中のソロ・アルバム。イーグルスが「ホテル・カリフォルニア」ですっかり重くなってしまっていたのに、この人はそんなことにはおかまいなく自由にのびのびとしたアルバムをつくってしまいました。イーグルスのメンバーもゲストで参加していて、イーグルス番外編的感じでもあります。'80年の「イーグルス・ライヴ」でもとりあげられた「この人生に賭けて」など気持ちのいい曲ばかりです。
The Last Waltz/
The Band
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ラスト・ワルツ
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'76年のラスト・ライヴを収録。ボブ・ディラン、ニール・ヤング、エリック・クラプトンなど豪華なゲストとともに最後を楽しむ様子がうかがえます。'93年に再結成しています。
Other Peoples Rooms/Mark-Almond
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アザー・ピープルズ・ルーム
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'70年代後半から始まったA.O.R/フュージョン・ブームの走り。当時は、ソフト&メロウとかシティ・ミュージックなどと呼ばれてました。仕掛人はプロデューサーのトミー・リピュ−マ。フュージョンの一流スタジオ・ミュージシャンのスティーヴ・ガッドらが渋い音を出しています。
yukio@hello.email.ne.jp