Music:ANGIE/ROLLING STONES

[1973年の名盤]
1973年の出来事へ


Tattoo/Rory gallagher
1973年
タトゥー
95年に亡くなってしまいましたが、ロリー・ギャラガーはアイルランドの出身のギタリストで、このアルバムはテイスト解散後、ソロ5作目にあたります。
ブルースをベースとして、フェンダー・ストラトキャスターをエフェクトなしで弾き出す音は、ギミックなしの無印良品ブリティシュ・ロックとでもいってあげたくなります。イギリスでは、人気もクラプトンに迫るものがあり、テクニック、曲ともに申し分ないのですが、日本ではあまり盛りあがらなかったですね。ギター少年たちの間では、けっこう渋い!と受けていたのですが...。 「いれずみの女」、「クレイドル・ロック」、「ライク・ユー・エニィ・モア」、「100万マイルも離れて」などどの曲も本当にカッコイイですよ!ブルース・ロック・ギター好きの人は、是非利いてみてください。


Goodbye Yellow Brick Road/Elton John
1973年
グッバイ・イエロー・ブリック・ロード
今年(97年)は、エルトン生誕50周年とかで、キャンペーンをしており、折しもの「ダイアナ妃の悲劇」で予期せず時の人になってしまいました。
エルトンは、ビートルズ解散後のイギリスのポップ・ロック・シーンをリードしてきたNo.1シンガーでありソング・ライターであるといえます。71年のシングル「僕の歌は君の歌」、72年のアルバム「ホンキー・シャトウ」、73年のアルバム「ピアニストを撃つな」のヒットで着実にスター街道を歩んできたエルトンですが、このアルバムで一つの頂点に到達したといえます。
「風の中の火のように(キャンドル・イン・ザ・ウィンド)」、「ベニーとジェッツ」、「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」、「土曜の夜は僕の生きがい」のヒットを収録した初期の傑作です。LPでは2枚組でした。


Killing Me Softly/Roberta Frack
1973年
やさしく歌って
名曲中の名曲「やさしく歌って」は、「アメリカン・パイ」のドン・マクリーンのことを歌ったことで有名ですね。他にジャニス・イアンの「我が心のジェシ」なども取り上げています。ジャジーな曲からポップな曲まで彼女のソウルとして見事にバランスよくまとめています。じっくり聞きたい1枚です。


Maria Muldaur/Maria Muldaur
1973年
オールド・タイム・レイディ
60年代のフォーク・シーンで活躍した後のソロ・デヴュー作。レニ−・ワロンカーとジョー・ボイドのプロデュースによるオールド・タイミーなアルバム。ジャズ、カントリーなどグッド・オールド・アメリカをキュートに歌っています。ライ・クーダーなどの多彩なゲストをバックに、特にヒットした「真夜中のオアシス」は、エイモス・ギャレットのギターとともにとろけるような快感の素晴しいサウンドです。一度お試しあれ。!


The Man Was A Dreamer/Nicky Hopkins
1973年
夢みる人
ロンドンに生まれジェフ・ベック・グループに参加、その後アメリカに渡り今度はクイック・シルバー・メッセンジャー・サーヴィスに参加する一方ローリング・ストーンズ、ジョージ・ハリソン、ジョン・レノンなど様々なアーティストのアルバムを陰で支えていた名ピアニストの事実上のソロ・デヴュー作。ジョージ・ハリソン(クレジットではジョージ・オハラとなっている)、ミック・テイラー、クラウス・ブーアマンらがゲスト参加していて、ジョージの渋いスライド・ギターが聞くことができます。陰りのある叙情的なバラードからストーンズ的ロックンロール、アメリカ南部的レイドバックサウンドまで、あるいはブリテッシュからアメリカンまでロックの世界を壮大なパースペクティヴ(遠近法)で表現してくれます。ちょっと大げさだったかな...。


Closing Time/Tom Waits
1973年
クロージング・タイム
イーグルスも取り上げた名曲「オール55」を収録したトム・ウェイツのデヴュー・アルバム。 ジャケット・カバーそのものの音といってもよいでしょう。その酔どれたようなダミ声を スロー・テンポのピアノやアコースティック・ギターにのせて、ブルースやジャズのエッセンスをまじえながら独特の世界を聞かせてくれます。ライ・クーダーとは別の音ですが、同様にはまってしまいますね。


Brothers and Sisters/The Allman Brothers Band
1973年
ブラザーズ&シスターズ
デュアン・オールマン、ベリー・オークリーと立て続けにメンバーをバイク事故で失ったオールマンズの起死回生の名盤。レス・デューディックをゲストに迎えた「ランブリン・マン」、「ジェシカ」と軽やかなカントリー調の曲をまじえながら、従来のブルース路線によりポップな味付けをした軽快な内容になっています。デュアン亡きあとオールマンを守り抜いたディッキー・ベッツがコンポーズに、ギターに印象的です。


Innervisions/Stevie Wonder
1973年
インナーヴィジョンズ
前作「トーキング・ブック」に続いて放つスティーヴィーの傑作。ポップ、ファンク、バラード、ラテン、ゴスペルなどヴァラエティに富んだスタイルのスティーヴィー流コンテンポラリー・ポップ・アルバムです。すべての曲をシングルカットしても良いくらい高いクオリティです。もちろん社会的メッセージもちゃんと届けてくれます。


Goats Head Soup/The Rolling Stones
1973年
山羊の頭のスープ
美しいバラード「悲しみのアンジー」を含む傑作アルバム。R&Rからメロディアスなスローナンバーまでヴァラエティに富んだ曲をそろえ、ストーンズ円熟期の貫祿を感じさせてくれます。


Larks' Tongues in Aspic/King Crimson
1973年
太陽と戦慄
メンバー・チェンジがはげしいことで有名ですが、このアルバムは一般的には第三期クリムゾンのスタートということになります。1曲目の「太陽と戦慄」などはデヴュー・アルバムの「21世紀の精神異常者」を彷彿させる一方、かなりフリージャズ的アプローチが目立ちます。また、ヴァイオリンをフィーチュア しているせいかオリエンタルなムードも強く感じられます。ハードな曲からバラードまでトータルにまとめられた名作といえるでしょう。


Dixie Chicken/Little Feat
ディキシー・チキン
LAのバンドでありながら、音は完全にファンキーなサザン・ロックです。非常にミュージシャンに受けたバンドで、日本のはっぴーえんどなどに強い影響を与えました。憶測ですがめんたんぴんなども影響うけていたのかなと思います。アメリカン・ロックの懐の深さを知ることができます。バーボンを飲みながら聞きたい音楽です。


The Captain&Me/Doobie Brothers
キャプテン・アンド・ミー
LAのイーグルスとともにウエスト・コースト・ロックをリードしてきたサンフランシスコのバンドの名作。トム・ジョンストンがグループを引っぱっていた頃の最もドゥービーらしい豪快で爽やかな音です。ツイン・ギター、ツイン・ドラムを売にしてました。


Dark Side of The Moon/Pink Floyd
狂気
「原子心母」、「おせっかい」と傑作を連ねたフロイドがそれらを遥かにしのぐ作品を作り上げました。全米チャートに15年間ランク・インというお化けアルバムでした。おそらくこの作品を超えるロックは登場しないでしょう。全編通して組曲的になっており、ロジャー・ウォーターズのメッセージ色の強い歌詞、デヴィッド・ギルモアの官能的でメロディアスなギター、様々なサウンド・エフェクト、甘美なシンセサイザーの音色等々完璧なサウンドを聞かせます。このアルバムは持っていないといけませんね。


Living In The Material World/George Harrison
リヴィング・イン・
ザ・マテリアル・ワールド

ビートルズでは常に第3の人であったジョージですが、前作の3枚組「オール・シング・マスト・パス」で一気にその才能を見せつけました。このアルバムでは、ビートルズの中で最もミュージシャンらしかったジョージが仲間とともにリラックスして好きな音楽をまじめにやっいるという感じが好感もてます。商売気のない、肩の力の抜けた佳曲ぞろいです。


Ringo/Ringo Starr
リンゴ
非常にゴージャスなアルバムです。ビートルズのメンバーやマーク・ボランなどが曲を提供し、クオリティの高い楽しいポップ・アルバムに仕上がっています。


Band On The Run/Paul McCartney&Wings
バンド・オン・ザ・ラン
ポールがようやくアルバムとして、ウィングスというバンドとしてまとまりのある作品をつくったという感じです。ビートルズの後半からメロディ・メイカーとしての才能を見せつけてきたポールは、この後も作曲家ポールとしての評価をあげました。


Queen/Queen
戦慄の王女
クイーンの衝撃的なデヴュー作。ややマンネリ化していたハード・ロック界にガツンとカウンター・パンチを浴びせるように、新しいスタイルで登場しました。声域の広いフレディ・マーキュリーと圧倒的なコーラス、シンセ不要のブライアン・メイの手作りギターによるオーケストレーションがなんとも新鮮でした。なぜか本国イギリスでは酷評を受けましたが、日本では快く受けいれられました。


Yessongs/Yes
イエスソングス
前作「危機」でほぼ頂点を究め、次作「海洋地形学の物語」という大作でさらに高次元の音楽を作り上げたイエス絶頂期のベスト・アルバム的3枚組みライヴ。ライヴといっても音質も良く、ほとんどスタジオ録音と違わぬ高度な演奏テクニックで完璧なステージ記録となっています。

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