Music:SUNSHINE OF MY LIFE/STEVIE WONDER

[1972年の名盤]
1972年の出来事へ


Give It Up/Bonnie Raitt
1972年
ギヴ・イット・アップ
バーバンク生まれのスライド・ギターを得意とするシンガーのセカンド・アルバム。 ジム・ホールなどのウッドストックのミュージシャンとつくりあげたこのアルバムは ブルースをベースとしながらもニューオーリンズ・ジャズなど南部色の濃い作品となっています。オリジナルのほか、ジャクソン・ブラウンやエリック・カズの曲なども取り上げており、ギターに劣らずヴォーカルもしっとりと聞かせてくれます。


Summer Breeze/Seals & Crofts
1972年
想い出のサマーブリーズ
アコースティックな音とハーモニーを持ち味とするデュオの4枚目にして初のヒット。印象的なイントロで始まる大好きな名曲「想い出のサマーブリーズ」のヒットでようやく脚光を浴びました。この曲を収録していることだけでも持っている価値のあるアルバムです。同じ時期に活躍したアメリカがどちらかというと爽やかさを売にしていたのに対して、このシールズ&クロフツはもう少し哀愁のある土着的な音を聞かせます。日本人好みともいえますね。ヴォーカルもカラパナのマラニー・ビューに似ているような味わい深い独特の粘っこさを感じさせます。じっくり聞いてほしい1枚です。そうそう最近この「想い出のサマーブリーズ」だれかがカバーしてますね。調べておきましょう。
「想い出のサマーブリーズ」のカバーは少し以前のもので、アイズレー・ブラザーズのものと、最近では ジャマイカのアーティスト、シャインヘッドが「コリー・ウィード」というタイトルでカバーしています。 替え歌です。


Into The Purple Valley/Ry Cooder
1972年
紫の峡谷
セカンド・アルバムで初期の名作です。味のあるスライド・ギター、アコースティック・ギターで有名ですが、それらをひけらかすことなく淡々とマイペースで古きアメリカの音楽を歌い、奏でる様子は非常に好感がもてます。一度このほのぼのとした楽しい世界を知ってしまったら、病みつきになってしまいますね。


Talking Book/Stevie Wonder
1972年
トーキング・ブック
ヒット曲「迷信」、「サンシャイン」を含む記念碑的アルバム。このアルバムの大ブレイクによりスーパースターとしての道を歩み始めるのでした。リズム&ブルースを超越して、ポップでありながら非常に洗練された深みのある音楽になっています。ジェフ・ベックとバジー・フェイトンが参加している曲もあります。後にジェフが自信のB,B&Aで「迷信」を取り上げるきっかけだったのでしょうか。


Argus/Wishbone Ash
1972年
百眼の巨人アーガス
ツイン・リード・ギターの美しいアンサンブルで有名な正統派ブリテッシュ・ロック・グループの3作目。美しいアコースティック・ギターで始まるこのアルバムは、「キング・ウィル・カム」、「戦士」、「剣を捨てろ」などの名曲を含む不朽の名作といえます。特に「剣を捨てろ」でのツイン・リード・ギターのかっこよさ、美しさは鳥肌ものです。ロック・ギター・ファン必聴の一枚ですね。


Roxy Music/Roxy Music
1972年
ロキシー・ミュージック
ブライアン・フェリー、ブライアン・イーノらが結成したアヴァンギャルドなグループのデヴュー作。グラム・ロック全盛の時期だったので同様にカテゴライズされがちですが、ほぼ自己完結していたグラム・ロックとは一線を画す可能性があります。ポップにまとめられながら、同時にそれを破壊していくような美学が感じられます。すべてのニュー・ウェーブはここから始まったのでしょうね。


Close To The Edge/Yes
危機
同じプログレでもイエスはピンク・フロイドとは全く違う種類の音楽を目指していました。非常にテクニカルでフュージョン的なきめが多く、ジョン・アンダーソンの透明感のあるヴォーカルとともにスペイシーな音世界を繰り広げています。


Live In Japan/Deep Purple
ライヴ・イン・ジャパン
同年発表の名盤「マシンヘッド」でハード・ロックとして一つの頂点を究めた彼らの日本公演のライヴ。録音のよさでも定評があります。


Moving Waves/Focus
ムーヴィング・ウェイヴス
オランダのプログレ・バンドの名作。クラシック、ハード・ロック、ジャズを背景としヨーロッパを強く感じさせる音です。名曲「悪魔の呪文」、23分に及ぶ組曲「エラプション」などどの曲もオリジナリティに溢れ素晴しい出来です。


Caravanserai/Santana
キャラヴァンサライ
前3作まではラテン・ロックというエモーショナルな肉体的な音楽でありましたが、このアルバムではジャズの影響も感じられるクールで官能的な音を展開しています。


Harvest/Neil Young
ハーヴェスト
前作「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」の成功につづいての傑作アルバム。ナッシュビルなどで録音され、全体に優しくカントリー色が強く出ていますが、のちのウエスト・コースト・サウンドに大きな影響を与えました。全米1位をヒット曲「孤独の旅路」とともに記録しました。


Something Anything/Todd Rundgren
サムシング・エニシング
ともすれば誤解されがちな鬼才トッドの溢れんばかりのポップな才能がぎっしりつまった2枚組名作。ヒット曲「ハロー・イッツ・ミー」などこの時代にこのような洗練された曲調を作り出すとは、まさに奇蹟ともいえる作品集です。


Chicago」/Chicago
シカゴ」
シカゴの5作目にして始めての1枚ものアルバム。デヴューから4作目まですべて2枚組み以上と言う大作主義的でメッセージ色の濃い彼等でしたが、このアルバムはヒット曲「サタデイ・イン・ザ・パーク」に代表されるように軽快でポップになっています。シカゴの最初の分岐点でした。

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