記録  Digital remaster version
西表島PW 西表島 1981年3月11日-28日
西表島は、その非日常性において、冬山にも匹敵するくらいの異世界かもしれない。
社会に出て、教員や会社員といった一般的な職業に就くと、ほとんどの場合、自然界とは対極の、
人間界で生きていくことになる。
その手前で一歩立ち止まり、個人の知恵と体力で、何ができるかを見定めておくのも悪くはない。
二十歳前後の男女4名が、外界から隔絶した世界に
探検に出るということで、通りすがりのオバサンにまで
余計なことを言われもしたが、
なかなかどうして、そこそこ難易度の高い計画を
全行程にわたって成し遂げたのである。
西表島PW1980のメンバー 海に没する夕日はもの哀しい
内陸部 縦走路のマリュウドの滝
熱帯性雨林の真っただ中 頼もしい一年生 大活躍したボート ボートがヤバイ
島の中央部を突き抜ける縦走路。
一部は観光化されているが、無防備に立ち入って良い範囲は限られている。
巨大なヤシの木のたもとで 縦走路の道標 豊かな淡水
ゴムボートと荷物用ビニボート 昨年は到達できなかった外離島・・・かつては強制労働を強いられた炭鉱があったとか
地図とコンパスと西方変位情報を頼りに
西表島の最西端にたどり着く。
人跡は乏しい。
西の海には漁船こそ浮かんでいたが、
陸路でここまで来るモノ好きは、
さほどは多くないだろう。
ベースキャンプとした舟浮 目指すべき西方を背に 西表島最西端のパイミ崎
福井を出発して2.5日後に西表島に辿りつき、
4日目に大富から活動を開始できる。
西表島は交通的にも遠い。
PWの序盤は内陸中心で、縦走路を抜け
白浜に至る。
中盤は海洋部中心で、ゴムボートの機動性を
最大限に活かし、内離島、外離島からパイミ崎
までボート無しには不可能な行程。
マリュウドの滝で 軍艦岩にて SL&PL
終盤もゴムボートが、その機動性を如何なく発揮する。
舟浮からクイラ川を遡行し、鹿川湾に最も接近した
鞍部から南海岸に抜けるコースは、海岸への下りを
別とすれば、想定よりはるかに楽だった。
しかしゴムボートは重たいので、常に歩荷力が要求
され、それでも南海岸の砂浜では厳しかった。
活動では、サバニや商店での荷物預かりも活用し、
無理に自力のみでの活動にこだわらなかったのも
結果として正解だった。
探検の終盤で人里へ 文明社会のバスターミナル
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