第九・伍話

「ミスネルフコンテスト」
(the battle of women)


   発令所。遠景、俯瞰。オペレーター三人とミサトとリツコがいる。
ミサト「第壱回ミスネルフコンテスト?」
日向「ええ、整備の連中が企画したみたいです。何しろ今のところネルフの中じゃエヴァの整備が一番忙しいですからね、せめてもの気晴らしだそうです」
リツコ「そんなことを考える暇があるうちはまだ大丈夫よ」
ミサト「それで、どういう趣向なの」
日向「ネルフ本部勤務の全男性職員に投票用紙を配って、候補の中から一番お気に入りの女性を選んで投票するんです。一番得票の多い候補がミスネルフということです」
ミサト「全男性職員とは気晴らしにしちゃずいぶん大掛りねえ」
青葉「やるとなったら徹底的にやるんだって、息巻いてましたからね」
ミサト「それで、候補っていうのは?」
日向「今回は第一回ということで、ネルフの中で広く顔が売れてる女性ってことで企画側がチョイスしたみたいです。これ、投票用紙です」

   ミサト、投票用紙を受け取る。リツコ、それを覗き込む。
ミサト「赤木リツコ、綾波レイ、伊吹マヤ、葛城ミサト、惣流・アスカ・ラングレー。何なの、これ」
日向「そこにピック・アップしてある五人が一番顔が売れてますから」
青葉「それに人気もありますし」
ミサト「上司を人気投票に掛けようっての。いい度胸してんじゃない」

   こめかみに癇筋。握られた投票用紙を、リツコがつまみあげる。リツコ、それをしげしげと眺める。
リツコ「しかし、どうして男ってこう下らないことに熱中できるのかしらね。今はそれどころじゃないのに、お気楽なものね」
マヤ「いいじゃないですか。面白そうですよ」
リツコ「あら、どうして。マヤ、もしかしてあなた自信があるの?」
マヤ「いえ、そういうわけじゃないですけど……」

   頬をちょっと赤く染めて俯く。満更でもなさそうな表情。
日向「三日後に投票で、すぐに結果が発表されるそうです。誰がミスネルフになるのか楽しみですね」
リツコ「あなたたちは誰に入れるつもりなの?」

   ちょっと眼が据わって声が低くなる。たじろぐ日向と青葉。
日向「い、いや、それはちょっと……。なあ」
青葉「そ、そうですね。取りあえず今のところは何とも……」
リツコ「フーン……」
ミサト「ところでさっき全男性職員って言ってたけど、司令や副司令にも配ったの?」
青葉「ええ、何でも黙認をとりつけたそうですよ」
ミサト「へえ、珍しいこともあるものね」
リツコ「あら、案外司令は乗り気かもよ」
ミサト「どうして?」
   怪訝げな顔を向けるが、リツコは薄く笑ったまま何も答えない。ミサト、後ろを振り返る。



   いつもと同じ格好のゲンドウ。冬月、その傍らに立って、さっきの投票用紙を見つめている。
冬月「本当にいいのか、碇」
ゲンドウ「構わん、好きなようにやらせておけ」
冬月「しかしなあ、連中は結構本気だぞ。はしゃいでる者も少なくない。こんなときだというのに、何かあったらどうするつもりだ」
ゲンドウ「人間、たまには息抜きも必要だ」
冬月「おまえの口からそんなセリフを聞くとは思わなかったな。……まさか、碇」
   何かに気がついて驚愕したようにゲンドウを見つめる。表情が変わらないゲンドウ。だが、両手に隠れた口元だけが不気味に笑う。



   ネルフ本部内の通路を一人で歩いているシンジ。つなぎを着た整備員に不意に呼び止められ、振り返る。
整備員「おーい、シンジ君」
シンジ「なんです」
整備員「今度ネルフ本部の全男子職員の投票でミスネルフコンテストをやることになったんだ。それで、君にも投票してもらおうと思ってね」

   差し出された用紙を受け取るシンジ。怪訝そうにそれを眺める。
シンジ「僕はネルフの職員じゃないし、それに、あの、こういうのは……」
整備員「まあそんな堅いこと言わないでさ、ほんのお遊びなんだから。その中から誰か一人を選んで、三日後までにその紙を誰でもいいから整備員に渡しといてよ。じゃあ、頼んだよ」

   整備員が立ち去る。残されたシンジは、用紙を眺めたまま立っている。
シンジ「ミスネルフコンテスト、か。ミサトさんやリツコさんもミスのうちなんだ」



   レストルームでミサトとリツコが向かい合って座っている。ミサトは乱暴に足を組んで、頬を膨らませて不機嫌そう。
ミサト「なあにがミスネルフコンテストよ。あれはあたしたちに対する当て付けじゃないの」
リツコ「あたしを一緒にしないでちょうだい」
ミサト「何よ、あんただって立派なオールドミスじゃない」
リツコ「なんですって」

   睨み合って火花を散らす二人。そこへ加持がやってきて、二人の肩をポンと叩く。
加持「微笑む美女も美しいが、怒った美女はさらに美しい。どうしました、ミスネルフ候補のお二
  人」
ミサト「なによあんた。それって嫌味?」
加持「とんでもない。今や押しも押されもしないネルフの華となったお二人に敬意を払っているまでの話。ところで、何を揉めているのかな」
ミサト「何でもないわよ。あんたには関係ないわ。あっち行きなさいよ」
加持「リッちゃん、何があったの?」
リツコ「右に同じ」
加持「つれないなあ。これじゃますます誰に入れるべきか迷っちゃうな」
ミサト「フン!あんたなんかのご機嫌取って一票いれてもらおうなんて思うほど落ぶれちゃいないわよ」
リツコ「どうせ加持クンはアスカでしょう?」
加持「さあ、それは神のみぞ知る、かな。そんじゃ、俺仕事あるから」

   加持、やってきたときのように飄々と立ち去る。その背中を呆れ顔で見送るミサト。
ミサト「何なの、アイツ」
リツコ「加持クンはミサトにいれてくれるわよ」
   マグカップを口に運ぶリツコ。ミサトはリツコの顔を見つめるが、リツコは表情を変えない。



   ネルフ本部内のエレベーター。来るのを待っているアスカが、ついたエレベーターに乗り込むと中にはレイ。アスカの表情が曇る。レイが手前で、アスカが奥で腕を組んで仁王立ち。しばしの沈黙。
アスカ「あんたにだけは負けないからね」
レイ「……何の話」
アスカ「ミスコンよ、ミスコン!ま、あんたみたいに無愛想な女はこのあたしの敵じゃないけどね、顔だけは悪くないから。カン違いするバカもいないとは限らないから、一応相手にしといてあげるわ」
レイ「……」
アスカ「しっかし、人選が悪いわよねえ。ミサトやリツコは話になってないし、あのオペレーターは地味すぎるし、あとはあんただし。やるまでもなくあたしの勝ちじゃない」
レイ「……」
アスカ「ま、あんたはこういうことには全然興味ないだろうけど」
レイ「そうでもないわ」
アスカ「え?」
レイ「何でもない」
アスカ「何にしても、三日後の発表が楽しみねえ」
   アスカ、上機嫌に笑う。レイは黙ったままだが少し顔が引き締まる。



   シンジたちの部屋。シンジはご飯を食べ、アスカはフライをかじり、ミサトはビールを飲んでいる。シンジがおもむろに茶碗を置く。
シンジ「そう言えば今度ミスネルフコンテストをやるんだってね」
ミサト「……シンジ君、それ、どこで聞いたの」
シンジ「え、どこって、今日整備の人に投票用紙渡されて、それで……」
アスカ「へえ、あんたも一応男と認められてるのね。出世したじゃない」
シンジ「失礼な。僕だって立派な男さ」
アスカ「へえ、知らなかった」
ミサト「それで、シンジ君は誰に入れるつもりなのかなあ?」
   ニヤ〜ッと笑ってシンジを覗き込むミサト。シンジは微かに頬を染めてのけ反る。
シンジ「それは、その、……まだ、決めてません」
   俯くシンジ。ミサトとアスカの二人はそれぞれ別の方向に視線を向ける。
ミサト・アスカ「フーン」



   バスルーム。ミサトが鼻歌を歌いながらシャワーを浴びている。シンジは音楽を聴いていて、アスカはテレビを眺めている。
アスカ「ねえ、シンジ」
シンジ「なに?」

   シンジ、イヤホンを外してアスカに向き直る。
アスカ「あんたはちゃんとあたしにいれるんでしょうね」
シンジ「ハッ!?」
アスカ「あんたバカ?ミスコンの話よ!」
シンジ「そんなこと今言われたって……。分かるわけないじゃないか!」
アスカ「分かるも分からないも、あたし以外に誰がいるっていうのよ。あのメンツじゃ考える余地なんかないでしょう」
シンジ「そっかなあ……」

   口ごもって眼を逸らすシンジ。アスカは肩を竦めてみせる。
アスカ「これだから女の魅力が分からないオコサマはイヤなのよ。あんたみたいに未だにママのオッパイが恋しいネンネのお坊ちゃまは、ミサトみたいな年増に転んだりするからねえ」
シンジ「誰がオッパイが恋しいネンネだよ!そんなこと言うとアスカになんか入れてやらないからな!」
アスカ「あーら、御生憎様。あんたなんかにいれてもらわなくてもあたしはちっとも困らないわ」
シンジ・アスカ「フンッ!」

   二人頬を膨らませてそっぽをむく。アスカ、舌を出して眉をひそめる。
アスカ(口には出さないで)「ちょっと言い過ぎたかしらね……。マズッたな」



   アスカがシャワーを浴びている。シンジはさっきと変わらないポーズ。バスタオルで髪を拭きながらシンジの隣りに座る。
ミサト「ねえ、シンジ君」
シンジ「え、何ですか」
   シンジ、イアホンを外す。ミサト、意味シンに笑っている。
ミサト「シンジ君はミスコン、誰に入れるの?」
シンジ「え?そんなの、まだ決めてませんよ」
ミサト「勿論あたしにいれてくれるわよねえ」
シンジ「どうしてそうなるんですか!」
ミサト「どうしてって、あなたの周りにいる女の中で、あたしが一番魅力的でしょ」
シンジ「そっかなあ……」

   シンジ、口ごもって眼を逸らす。ミサト、ズイッと身を寄せて、シンジを睨みつける。
ミサト「シンジ君、あなたの一番身近にいる女性って誰?」
シンジ「そ、それはその……」
ミサト「あたしよね」
シンジ「ハ、ハイッ」

   ミサトの迫力に気圧されて頷く。ミサト、さらにシンジに密着する。少し眼が据わっている。
ミサト「それじゃあ、あたしの魅力もよおく分かってるわよね」

   はだけているパジャマの胸元から豊かな胸のほぼ全景が覗いている。シンジは顔を真っ赤にして、生ツバを飲む。しかし、大きくかぶりを振って勢いよく立ち上がる。
シンジ「な、何言ってんですか、ミサトさん!やめてください」
ミサト「シンちゃん、あなたぐらいの年頃はアスカみたいにちょっとおキャンな娘がよく見えたりするのは分かるわ。でもね、本当の女の魅力っていうのは二十五を過ぎてからが……」
シンジ「もういいです!」

   シンジ、まだ頬を赤く染めて、自分の部屋へ下がってしまう。ミサト、唇を尖らせる。
ミサト「なによ、シンちゃんったら。照れちゃって」

   真っ暗なシンジの部屋。ベッドの上に仰向けになっているシンジ。ぽつりと呟く。
シンジ「どうして女の人って、ああも下らないことに熱中できるんだろ」

   真っ暗な部屋にキーボードを叩く音が響いている。ノートパソコンのモニターだけが光っていて、その前に座っているリツコの眼鏡も青白く光っている。リツコ、何事か呟いている。
リツコ「作戦部の票は、ミサトが怖いから大半がミサトに流れるでしょうね。医療部は公然とレイ支持を表明。諜報部も碇司令の意向が反映されるからねえ。特殊監察部はそんなに人数いないからいいんだけど、問題は管理部と調査部よねえ。ここは人数もかなりいるし、動向も不鮮明だし。でもいいわ。初めから一位になろうなんて思ってないし。とにかくミサトにさえ負けなければそれで」

   リツコの指が勢いよくリターンキーを叩き、ディスプレーの上に細かい表が表示される。
リツコ「やっぱり一番人数が多い技術開発部の票の行方が勝負を左右するわね。二課は第五使徒のときのシールド開発の縁でレイに肩入れしてるし、三課はアスカがしょっちゅう遊びに行くからアスカ贔屓だし。問題の一課だけど、ここの票読みが難しいのよねえ。E計画担当とマギの管理担当の票は私に入るわよね、当然。使徒の分析担当の票がマヤに入るのは、まあしょうがないわ。それで、困るのがエヴァの整備員の票よね。零号機と弐号機の担当がレイとアスカに入れるのはいた仕方ないとして、問題はシンジ君の壱号機担当だわ。作戦部員の数と、E計画とマギの担当を足した数はほぼ一緒。この壱号機担当の票をどう取り込むかが、ミサトとの勝負の分かれ目ね。壱号機担当の整備員はみんなシンジ君に協力的だから、シンジ君がはっきりとした意思表示をすれば、きっとみんなそっちになびく」
   フフ、と唇で笑う。眼鏡だけが炯々と光っている。影が差して不気味な白衣の後ろ姿。



   シンクロ・テストを終えて、プラグスーツを着て歩いているシンジ。それを呼び止めるリツコ。
リツコ「ちょっと、ちょっとシンジ君」
シンジ「え?何ですか、リツコさん」
リツコ「まあ、いいからちょっと」

   シンジの腕を取って引っ張っていくリツコ。通路の横丁に引っ張り込まれるシンジ。その様子を、右からミサトが、左からアスカが伺っている。
シンジ「何なんですか、リツコさん。早く着替えたいんですけど」
リツコ「すぐ済むから。あのね、ミスコンの話なんだけど」
シンジ「リツコさんまでなんですか!そんな……」
リツコ「ちょっと、シンジ君。そんな大きな声出さないで」

   リツコ、慌ててシンジの口を手で塞ぐ。もがくシンジ。
リツコ「あたしの話を聞いてちょうだい。ねえ、シンジ君は誰に入れるつもりなの」

   シンジ、あからさまに不快な表情を見せる。
シンジ「まだ決めてません」
リツコ「フーン」

   リツコ、胸に一物ある顔で何度も小さく頷いてニヤリと笑う。訝しげな顔でリツコをしげしげ眺めるシンジ。
シンジ「もう、いいですか。早く着替えてシャワー浴びたいんですけど」
リツコ「ああ、ちょっと待って」

   行きかけるシンジを慌てて引き止める。シンジ、「まだ何か?」とでも言うように振り返る。シンジに睨まれて、リツコ口ごもる。
リツコ「あ、あのね。その……」
シンジ「もういいんですね」

   シンジ、ミサトが首を出している上手側に早足で去って行く。ミサト、慌てて首を引っ込めるが、シンジが通り過ぎた後、またひょいと顔を出して、シメシメというふうに笑う。



   シャワーを浴びて、カッターシャツに着替えたシンジがエレベーターを待っている。着いたエレベーターには先にレイが乗っている。手前にレイ、奥にシンジ。二人とも黙ったままで、エレベーターの作動音だけが低く唸っている。長すぎるぐらいの沈黙の時。やがて、レイが降りて、シンジが残される。
シンジ「綾波か……」
   ボソリ、と呟いて、シンジの眼が遠くなる。



   時は流れて三日後。レストルームにデカデカと模造紙に書かれた開票結果が張り出されていて、その前に人だかりができている。遠景なので、左端に紙の赤いバラがついているのは見えるが、文字は読めない。極太明朝の「第壱位」の文字が画面に大写しになる。続いて、同じく「伊吹マヤ」の文字。
マヤ「そ、そんな……、あたしなんかがミスネルフだなんて……。身に余る光栄です」

   両手で赤らめた頬を挟んで、はにかんで見せる。続いて「第弐位」「綾波レイ」の文字。
レイ「……」

   無表情なレイのアップ。カメラ目線のアップが十数秒続く。続いて「同じく第弐位」「惣流・アスカ・ラングレー」の文字。
アスカ「なんで、なんでこのあたしが弐位で、しかもよりにもよってアノ女と票が一緒なのよっ!ここの男たちはバカよ、アホよ、ノータリンよっ!!みんな眼が腐ってるんだわ、きっとそうよ。あたしに入れたのだけが正常なのね。使徒どころの騒ぎじゃないわ。この腐った男たちを何とかするほうが先決よ。このあたしの魅力すら分からないような男ばっかりじゃ人類のお先も真っ暗だわ。こんな地下深くに閉じ籠ってばかりいるからおかしくなるのよ。たまには外に出て、南の島にバカンスにでもいかなきゃだめなのよ。それでスクーバかなんかして。そうよ、南の島、青い海、白い砂浜、照りつける太陽。陽の光を浴びて小麦色のア・タ・シ。そして男たちはあたしの魅力の虜になるのよ。そして、あたしは……」

   最初怒りにまかせてまくしたて、段々自分の世界に入っていくアスカ。長くなりそうなので、アスカのお喋りは途中で寸断されて、「第四位」「赤木リツコ」の文字が入れられる。
リツコ「どうして、どうしてこうなるの。この数ではE計画担当者の総数にも満たないわ。どういうこと?こういうときって普通お世辞でもいいから上司にいれるものでしょう。それにこの票差はなに?順位は問わないことにするわ。でもね、レイやアスカと桁が一つ違うっていうのは許し難いわ。……みんな、みんなロリコンのヘンタイよっ!!」

   最初のうちは感情に自制をきかせているが、やがて抑えきれなくなって、拳を握り締め、身体を震わせて、最後に咆哮する。怒号の余韻にはエコーが入る。余韻が響いている間は画面は暗転。余韻が消えてから「同じく第四位」「葛城ミサト」の文字。
ミサト「……。……責任者、でぇてこーいっ!!」
   肩を震わせて俯いているが、突然顔を上げて、カメラに向かって咆哮する。魚眼レンズ越しのような映像。ミサトの大きく開いた口のドアップ。



   いつもと同じポーズの司令と副司令の二人。続いて冬月一人の顔が映る。
冬月「なあ、碇」
ゲンドウ「ああ」
冬月「いや、なんでもない」

   何かを言いかけて、止める。
冬月(心の中の声)「しかし、伊吹君が選ばれるとはなあ。世の中分からんものだ」

   続いて、ゲンドウの顔が映る。
ゲンドウ「冬月」
冬月「なんだ」
ゲンドウ「いや、なんでもない」

   何かを言いかけて、止める。
ゲンドウ(心の中の声)「レイが弐位とはな。下らん、ミスコンなど」
   再び初めと同じ二人の映像。表情に変化はない。



   エレベーターの中で一人のシンジ。奥のほうに立っている。しばし沈黙。エレベーターの作動音だけが低く響く。
シンジ「綾波が弐位か。なんだ」
   面白くなさそうなシンジの顔。

(終わり)

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