印鑑
印鑑・はんこ・篆刻解説

◆ 側款(そっかん)作者のサイン等)


側款の拓本は古典の篆刻作品のページにも多数収録しました。

古典の篆刻(てんこく)印の側面(右手で印を押すときに、
親指があたる面)には、作者のサインや制作年月、
誰のため或いは何のためにはんこを刻したのか、
はたまた”窓の外には雨が降っていた”とか
”暑いので汗をかいた”等、作者の感想が刻されています。
側款だけでも楽しめるものです。
中にはよっぽど言いたい事があるのか、
一面だけでは足りず三面四面にもわたっている印鑑も有ります。
ちょっと古典のはんこの側款を見てみましょう。

   1、誰が刻したのか
       ・姓、名または号のみ。
       ・それらに”作”等の文字を加えたもの。
例えば ・○○作 ・○○刻 ・○○製 ・○○制 ・○○篆 等。
ちょっと変わったところでは・○○刊・○○治・○○奏刀 等。
 側款の拡大    2、いつ刻したのか
     ・年月日を数字で記したもの。
     ・干支で記したもの。
     ・四季を記したもの。他
  例えば、二千一年四月 ・平成十三年春 ・辛巳端午
  (五月五日)等。
 
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  参考側款画像(拓本)

趙 之謙 刻。(ちょうしけん・号:悲あん、冷君、無悶など)1829-1884。

     八月         漢  

   均初先一年至其年八月    冷君ならふ(ナラフ)漢銅

左は双入刀法(一画の両面に刀を入れて刻す)、
つまりあらかじめ書かれた文字を忠実に刻したもの。
それに対して右は単入刀法(一画の片面に刀を入れて刻す)によるもの。
単入刀法は布字をせず、直接石に切り込んでいきます。
店主もこの刀法に依ります。

呉 昌石 刻。(ごしょうせき・字:蒼石、号:缶廬、苦鉄など)1844-1927。

      光        戌

光緒七年八月既望(十六日)蒼石  戊戌四月初吉(ついたち)老缶


           丁

   丁巳小除(二十四日)夕(夜)昌碩刻時年七十有四   



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