ダートムーア

Dartmoor



ミス・マープルが住んでいたセントメアリーミードのモデルになったともいわれるWidecombe

トーキーのtourist information centreで
みつけたMOOR to SEAのツアーパンフ

 2度めのトーキーへの旅。できたら、ダートムーアを訪れたいと思った。でも、ペイパードライバーの私は、レンタカーを借りて、気の向くまま、思うままで旅をできるわけではない。公共の交通手段かツアーバス、そして短時間ならタクシーも可、という選択肢のなかでダートムーアを旅するにはどうしたらいいか、イギリスに発つ前にネットで検索してみたところ、5月から9月にかけて、ダートムーアを電車やバスでめぐるSunday Roverというシステムがあるのを発見した。日曜日オンリーのサービス料金で、数箇所のダートムーアの名所(?)を電車やバスを使ってめぐるもののようで、乗るべき電車やバスの時間やバスの路線番号が示されている。いくつかコースが設定されており、Widecombeが含まれているものもあった。Widecombeは、アガサ・クリスティーの作り出した名探偵の1人、ミス・マープルが住んでいるセント・メアリー・ミードのモデルになった村だともいわれている。ちょっとハードそうだったが、理想的なプランに思えた。が、何度ネットで検索してみても、前年や前々年のSunday Roverには行き当たるものの、その年(2007年)のSunday Roverのページにたどりつけない。もしかして、今年はこのサービスはないのかも、と思い、問い合わせ先になっているバス会社にメールを送ってみたところ、観光局に聞いてくれ、との返事。教えられた観光局にメールを送ってみると、今度はバス会社に聞いてくれ、という。たらい回しのような感じだったので、こりゃ、着いてからtourist information centreで聞くしかないな、と腹をくくった私であった。
 しかし、トーキーに着いた土曜日は、そのまま大急ぎでグリーンウェイ行きのフェリーに乗ってしまったため、tourist information centreを訪れる時間がなく、また、フェリーで長時間風に当たっていたせいか、2日目の日曜日はひどい腰痛。Sunday Roverどころではなく、のんびりとトーキー観光を決め込むことにした。午前中、コッキントンヴィレッジを訪れた後、情報を仕入れるべく、tourist information centreに立ち寄ってみると、MOOR to SEAというコーチツアーのパンフレットが置いてあるではないか! 月曜日から金曜日まで曜日別にコースが設定されていて、月曜日のコースは"Dartmoor & Local Attractions Excursion : Widecombe in the Moor & Buckfast Abbey"で、訪問地にWidecombeが含まれていた。きゃーっ、なんてついているのかしら! すっかり興奮して翌日のツアーを申し込んだのはいうまでもない。

* Sunday Roverは、2007年にも用意されていた。6ポンド。トーキーのtourist information centreにパンフレットが置いてあり、8つのコースが設定されていた。私がネットで見たSunday Roverには、トーキー発のコースはなかったが、2007年のパンフレットには、9:05にトーキーを出発して、プリマス→Gunnislake→Widecombe→Newton Abbot→トーキーをめぐるコースもあった。曜日が合えば、便利なサービスかもしれない。

 10時、トーキー出発。10時半ごろ、ペイントンで数人が合流し、総勢20人ぐらいのツアーとなった。50代後半に見える陽気なバスの運転手がマイクをつけ、説明しながら運転するというツアー形態。途中、車1台しか通れないだろうという細い道もあり、対向車がバスとすれ違うのを尻込みしてしまい、バスの運転手といちばん前に乗っていたツアー客が冗談で、「ありゃ、女か!」と言っていたが、すれ違ってみると立派なおじさん。ふたりで大笑いになった場面もあり、つくづくペイパードライバーの私なんぞは、間違ってもいきがってレンタカーを借りて、運転することなんてできないなーと思い知らされたことであった。
 12時近くにWidecombeに到着。天気は曇り。1時半までフリータイムということだったので、近くにあった店で買い物をしたり、辺りをぶらぶら。着いてしばらくして雨が降りだしたので、雨宿りを兼ねて、カフェでスープとパンの昼食をとった。Widecombeの中心は20分ぐらいで見て回れるぐらいの広さで、ひょいとミス・マープルが現れてもおかしくないような雰囲気。たとえば、どちらかの方向に10分ちょっと歩いていけば、ミス・マープルの住んでいる家に行き当たりそうな感じであった。

Widecombeの村。左の写真の左側の白い建物は、私が昼食を食べたカフェ。

 14時ごろ、House of Marbles of Bovey Traceyというポタリーに到着。15時までフリータイム。ここは、ギフトショップで、素敵なポタリーがあれば購入するつもりでだったが、私的には興味をそそられるものもなく、1時間も必要ない感じだった。おそらくツアーバスのスポンサーになっているのかもしれない。
 この後、最後の訪問地、Buckfast Abbeyへ。16時半までフリータイム。Buckfast Abbeyの歴史は古く、千年前にさかのぼるらしいが、今の建物が完成したのは1938年。というわけで、あまり歴史を感じさせる空間ではなく、ちょっと迫力に欠ける感があった。パンフレットによると、Abbey内で作られるワインやはちみつが有名らしいが、いつも荷物が重たくなって閉口している私は、ギフトショップでも重たい瓶類を素通りしてしまい、トライせずに終わってしまった。ちょっともったいなかったかもね。(笑)。

Buckfast Abbey。

 17時半ごろトーキーに到着。一部、興味がない場所に立ち寄るというデメリットはあったものの、車という足がない私のような観光客にとっては、安心して、ちょっとだけダートムーアに足を踏み入れることのできる便利なバスツアーだったと思う。幸運にも、月曜日に、Widecombe行きのバスツアーがあったことに感謝!


Widecombeでおみやげに買ったエッグスタンド。

(2008.5.6)


TOPへ

イギリスへ行こう!

やはりロンドンが好き!