ハムステッド

H a m p s t e a d

 はじめてハムステッドにでかけたのは10回目のイギリス旅行、7〜8年前。「ノッティングヒルの恋人」が公開された年だった。詳細な地図も持たずに何とかなるさー、と、映画の舞台になったいたケンウッド・ハウスを訪れることにしたのだが、駅から歩いて15〜20分ぐらいのはずが、道に迷ったりバスを降り損なったりで、予定外に時間を浪費。到着するまでに1〜2時間もかかってしまった。たった3泊の強行軍の旅だったこともあり、ケンウッド・ハウスを見た後は、街をぶらつくこともなく移動。
 その数年後、ハムステッドには詩人キーツの家があることを知った。白い簡素なその建物に、なぜだか妙に惹きつけられて、再びハムステッドに行きたくなった。
 前回と同様、ノーザンラインに乗ってハムステッドへ。が、Edgware行きではない電車に乗ってしまったので、気づいたときにはEast Finchley。慌てて反対方向の電車でCamden Townまで戻り電車を乗り換え、ハムステッドへと向かった。キングスロードから電車に乗ったときには10時過ぎだったのが、すでに12時。とほほ・・・。どうやら私は、すんなりハムステッドに行き着けない運命らしい。
 キーツの家は1時からオープンということだったので、まずはハムステッド駅からほど近い所にあるフェントンハウスに行ってみた。
 フェントンハウスは1686年ごろ、レンガ職人のWilliam Eadesによって建てられたという。建物には茶色と赤いレンガが使われており、ハムステッドでは初期の最も大きな家の1つで、今はNational Trustによって管理されている。1793年にフィリップ・フェントンがこの家を買ったのが始まりで、以来、フェントンハウスと呼ばれているらしい。フィリップの跡を継いだジェームズが仕切りを外して部屋を広くするなど手を加え、ほぼ現在の姿となった。屋敷の裏には、300年間ほとんど姿を変えずに手入れされいている見事な庭があり、一見の価値あり!

 フェントンハウスは初期のキーボード楽器や磁器のコレクションで有名らしいが、私は、2階で3つの部屋を見たところで、部屋番の女性に「衣装に興味があるならビデオを見ますか?」と声をかけられ、断りきれずに見ることになってしまった(笑)。そんなこんなで、フェントンハウスを出たのは、ちょうどキーツの家がオープンする頃。
 が、ヒース・ストリート、ハムステッド・ハイストリートを通り、Downshire Hillを経て、キーツ・グローブにあるキーツの家に行ってみると、なぜだか門が閉まっている。どこか別の場所から入るのかなーときょろきょろして、ケースの中にある張り紙に気がついた。「スタッフが急病なので、本日は休館です」。おいおい。。。
 というわけで、後日、キーツの家を訪れるため、ハムステッドへと足を運ぶことになったのだった。

  詩人キーツは、この家に2年間、友人のCharles Armitage Brownと暮らした。ここで、近所に住むFanny Brawneと出会い、恋に落ち婚約したが、幸せは長くは続かなかった。結核を患い、療養のため温暖なイタリアに移り住み、1年後の1821年に25歳の若さで亡くなっている。
 当初は庭を共有する2つの家から成る建物だったらしいが、新しくこの家の持ち主となったEliza Chesterが1838年から1839年にかけて、1つの家に改築した。1925年からはミュージアムとしてオープンし公開されている。
 今は住む人もなく、ミュージアムとして存在しているせいなのか、建物の中はとても殺風景で、健康印の私でも、病魔にとりつかれそうな感じがした。
 入場券を見ると、1年間有効とある。最近ネットで確認したところ、10/31まで有効に変わっているようだったが、期間中、何度も足を運ぶのは可能なようだ。でも、この家を何度も訪れたい人がいるのかなー、と思うとちょっと不思議。キーツの熱狂的なファンが、彼の詩を片手にまどろんだりするのでしょうかね(笑)?

 翌年の2006年には、イギリス最後の日の残り時間に、思い立って、またハムステッドを訪れてみた。バスなら、ピムリコからカムデン経由1本でハムステッドへ行ける。私は、ピムリコの隣のヴィクトリアからバスに乗った。夕方の渋滞時間ということもあって、ヴィクトリアから約50分かかったが、ロンドンの風景をながめながらの50分はちっとも退屈ではなかった。どこから乗るかにもよるだろうが、地下鉄よりもバスがオススメ!
 帰り道、カムデンタウンを通りかかったとき、大きなSainsburyを発見。あぁ、ここになら、探しているアップルクランブル粉がありそうだ。次回は、ここで降りてスーパーの中を探索してみようと思った私である。

(2007.5.6)
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