ノッティンガム

Nottingham


ロビン・フッドの像

 私は、忌野清志郎が好きだ。と、いきなり何を言い出すか・・と思われてしまいそうだが、私とノッティンガムを結びつけた人こそ、何を隠そう、清志郎である。私がまだうら若き乙女だったころ(?)、ある雑誌で彼のお奨めの小説がコメントとともに掲載されていて、そのとき、J・アップダイクの「走れウサギ」やヘッセの「車輪の下」とともに挙げられていたのが、アラン・シリトーの「土曜の夜と日曜の朝」であった。工場で働いている、20歳そこそこのアーサーの言葉には、共感できるものがたくさんあった。

世間ではよく金曜のことを、<暗黒の金曜日>なんていう・・・・
が、アーサーには合点がゆかない。・・・・<暗黒>なんてのは月曜にこそふさわしい。
<暗黒の月曜日>。これならたしかに理屈にあう。
「土曜の夜と日曜の朝」(アラン・シリトー/永川玲二訳。新潮文庫より)

 シリトーは、ノッティンガム出身の作家で、この作品の舞台もノッティンガムだった。自主上映で見たアルバート・フィニ主演のモノクロ映画は、原作に忠実に添ってつくられていて、私はとっても、背景となっている工場地帯が見たくなってしまった。そして、アーサーが同僚の奥さんと逢引きをするあの森はどこにあるのだろう?
 ロレンスの「チャタレイ夫人の恋人」の森や、あのロビン・フッドが活躍する森も、ノッティンガムからほど近い、シャーウッドの森らしい。となると、シリトーの森も、シャーウッドの森なのかな? いっちょ、行ってみるかーっ!!
 と、トライしてみることにしたのだが、ロンドンからの日帰り旅行。しかも、安さを追求して、ヴィクトリアからコーチを利用したものだから、片道が3時間弱のヘヴィーな旅になってしまった。こうなると、帰りのバスを気にしながらの、市内だけコースに徹するしかありません。ノッティンガム城に行って、付近にあった、Museum of Social History(左)やら、Museum of Costume & Textilesやらをちょこっと見ただけで、あっという間に時間が来てしまった。

 そして、いつも、今度こそ、ノッティンガムの森に行くんだ、シリトーの小説の舞台になっている工場地帯を歩くんだ、と思いながら、時はこれまた、あっという間に過ぎてしまった。
 もし、ここいらの地理に詳しい方がいらしたら、ぜひぜひ、私にアドバイスをください。本当に、いつかは、ちゃんと行ってみたいと思ってるんですから・・。

 

 ノッティンガム城に行くとき、方向音痴な私は、道に迷ってしまった。とそこへ、親切な老婦人が通りかかった。今からおよそ10年前の話。今よりもずっと、英語力がなかったこともあり、道を説明されてもちんぷんかんぷんそうに見える私を放っておけなかったのか、「反対方向だけど・・」と言いながら、彼女は、お城のまん前まで私を案内してくれた。その節は、本当にありがとうございました。今でも感謝していまーす!

ノッティンガム城


(2001.10.9作成、10.16、2002.4.21修正)
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