ハムと映画 Part 2
【テレビドラマ・アニメ編】

目 次
■海底人8823 1960年・連続TVドラマ
■ハローCQ 1964年・連続TVドラマ
■仮面ライダー 1971年・連続TVドラマ (第19話)
■帰ってきたウルトラマン 1971年・連続TVドラマ (第21話)
■緊急指令10-4・10-10 1972年・連続TVドラマ
■ミラーマン 1972年・連続TVドラマ (第36話)
■イナズマンF 1974年・連続TVドラマ (第14話)
■太陽にほえろ! 1976年・連続TVドラマ (第227話)
■怪人二十面相と少年探偵団 1984年・連続TVドラマ (第17話)
■じゃがいもと三日月 1985年・東芝日曜劇場 (全2話)
■ちびまる子ちゃん 1997年・連続TVアニメ (第133話)
■ウルトラマン メビウス 2007年・連続TVドラマ (第45話)
 
ハムと映画パート1【映画編】
 
 
     


 

■海底人8823 (はやぶさ)
1960年1月3日〜6月28日 フジテレビ 毎週日曜日 18:15〜18:45 (関東地区は15話より毎週火曜日)
 全26話  モノクロ作品
 製作=大映テレビ室、 原作・脚本=黒沼健、 監督=中川順夫、保田 進、木俣和夫

雑誌「少年」に連載されており、昭和35年にテレビ放映された特撮ヒーローです。はるか昔、海底に沈んだエル大陸の生き残りで高度な文明を持っている海底人が、地球人と海底人の双方に害を及ぼすBS団(ブラック・スター団)と闘う物語りです。

出演者
井上信彦(海底人)、岩井雅(勇少年)、斉藤清末(及川博士)、目黒幸子(博士夫人)、坪井研二、丸井太郎、ほか


この物語りでは勇少年がハムである為、度々無線シーンがあります。第1話の最初の映像は勇少年が住んでいる及川博士宅で、表札の下にJA1AAEというコールサインがあります。かなり本格的なシャックでQSLカードも貼られていたりします。部屋の入口にはコールサインが書かれた暖簾もあります。そして無線シーンから物語りがスタートします。


●ハムシーン
勇 少年 :「CQ CQ こちら JA1AAE 応答願います」・・・
ハム仲間:「JA1AAE、JA1AAE こちらは JA1RNK」
勇 少年 :「ヒデオ君こんばんは」
ハム仲間:「通信の時間終わっても君からの呼び出しがないんで心配してたんだ」
勇 少年 :「5分遅刻したね。ちょっと珍しいもの見ててそれで遅れたんだ」
ハム仲間:「なんだい、なにを見たんだ?」
勇 少年 :「流星だよ。流星群かもしれない、2・3個たて続けに見た」
ハム仲間:「それはどっちの方角だい?」
勇 少年 :「西方面だよ」
ハム仲間:「僕も窓を見てたけど気づかなかったなあ」
勇 少年 :「箱根と東京じゃあ距離があるからね」
・・・・・・・
ハム仲間:「ほかに用件は」
勇 少年 :「特に無い」
ハム仲間:「じゃあ切るよ、また明日の晩」
勇 少年 :「おやすみ」

こういったラグチューシーンが度々あります。

●海底人8823の初登場シーン
ある日、勇少年が父の墓参りの帰りに、道端で倒れている人を発見する。

勇少年:「ねえ、どうかしたんですか?」
海底人:近くに落ちているベルトを指差して 「あれを取って」
勇少年:「あのベルトですね、はい」
海底人:「ありがとう、これで助かったよ」
勇少年:「この寒いのに湖水で泳いでいたんですか?」
海底人:「陸で調べ物をしていたんだよ。そしたらこの斜面登る時うっかり滑ってね。とんだ醜態見せちゃったよ」
勇少年:「ここは赤土ですから、誰でもよく滑るんです」
海底人:「君でも来なかったらどうなっていたかわからないよ。・・・君は命の恩人だから何かお礼あげなくちゃいけないね」
「これをあげよう」と小さな笛を渡す・・「僕に用があるとき、それを吹いて何時でも呼んでくれたまえ」
勇少年:「あなたの名前は何というんですか?」
海底人:「これは失敬、名前まだ言わなかったね。僕の名前はエルデ10008823」
勇少年:「それ電話番号ですか?・・・なんか歴史の年号覚えてるみたい」
海底人:「面倒だったらお終いの8823だけでもいいよ」
勇少年:「8823 何だ これ数字じゃなくて普通の字のように読むんでしょ。”ハヤブサ”じゃありませんか」
海底人:「名前なんて符号だから君の好きなように呼んでくれたまえ」

同時に落とした腕時計型の無線機も少年に見つけてもらい、湖水上を滑走するように帰って行く。


●感想
赤土で滑って転んで・・・生命維持装置が外れて死にかけて・・・たまたま通りがかった少年に助けられるというなんだか間抜けなヒーローです。
8823には機械の部下が複数存在し、「8823の1」とか「8823の5」・・・のように呼ばれている。それらはパーマンのコピーロボットみたいに本人そっくりです。少年が貰った3万サイクルの笛は人間には聞こえないが海底人には聞こえるらしい。その笛を1回吹くと8823の機械、2回吹くと8823(はやぶさ)がやって来るのだ(後のマグマ大使と同じですね)。海底人なのに箱根の芦ノ湖から現れるのも面白い(湖底が海と繋がっているという設定らしいが)。海底人が持っている電波銃は運動神経を一時的に麻痺させるものだが、その銃の音が幼児のおもちゃの機関銃みたいで妙に可笑しい。

ヒーローというかどう見ても“変なおじさん”なのだが、それに増して変なのが勇少年です。海底人がどこから現れても、機械(ロボット)が次々に現れても驚いたり不思議に思わないようで、落ち着いた口調で「やあ、こんにちは。本当に来てくれたんですね」とか言ってます。純情でおっとりした性格のようです。それに勇少年は中学生なのにいつもスクーターに乗って学校に行ったり博士を送迎したりしています。当時の免許制度は知らないが、スポンサーの宣伝なのでしょう。オープニングのテロップでも「協力:富士重工ラビットマイナー号」と表記されている。そういえば、鉄人28号の正太郎君も小学生なのに自動車を運転していた(しかも警察署長の前で堂々と)・・・まあドラマだからその点は深く追求しなくてもいいのかな!

少年と同居している及川博士は“X-132”と題する研究をしており、それは原爆や水爆を遥かにしのぐもので平和利用されるという。それをBS団が狙っているわけだ。BS団は無線を利用して暗号で命令を出すこともある。暗号といってもテープに録音した音声を逆回転させて無線送信する単純なものですが・・だから勇少年にすぐに解読されてしまう。そういった具合に悪の組織の連中も間抜けな行為が目立ちます。海底人8823も時々ハムの仲間入りをし情報を与えたりします。



昭和30年代の作品ですから、私が生まれる前であり、当然リアルタイムでは見ていません。大学生時代に特撮ヒーローを調べている時に8823のビデオを入手し、ハムシーンがあることに気づきました。ビデオといっても全2巻の総集編しか発売されていませんでしたので詳しいハムシーンを調べておりました。永い間、新しい情報がなかったのですが、2002年にCSのファミリー劇場で全話放映されました。忙しい時期でしたのでビデオに予約録画して保存しております。まだ全話チェックしておりませんので、放映データは後日UPします。2003年6月に再び放映開始されています。

この時代の特撮ヒーローものは全体的に、特撮レベルも低く、ヒーローも格好悪く、物語りの設定も非常に不自然なものが多かったようです。ウルトラマン以後の第1次および第2次特撮ブームの中で育ったテレビ世代の私にとっては、逆に昭和30年代の奇妙なヒーローは新鮮に感じられ、大変興味を持っております。
月光仮面、七色仮面、ナショナルキッド、遊星王子、アラーの使者、怪傑ハリマオ、少年ジェット、少年ケニア、まぼろし探偵、鉄腕アトム(実写版)、鉄人28号(実写版)・・・どの作品もユニークで魅力いっはいです。 
(2003年6月)
 
 
 

 
■ハローCQ
1964年 東京12チャンネル(現・テレビ東京) 毎週水曜日 19:30〜20:00
岩波映画制作、演出=羽仁進
1964年(昭和39年)に科学技術振興財団が設立したテレビ局・東京12チャンネルの開局記念番組として放送された、アマチュア無線が主題の連続テレビドラマです。
内容は、主人公の中学生がふとしたきっかけでアマチュア無線を知り、周囲のOMらに助けられながら成長していくというものらしいのです。私はこのドラマを見ておりませんので、詳細はわかりません。なにしろ私が生まれる前のTVドラマですので、無線で知り合った複数のOMに聞いた話でこの番組の存在を知ったわけです。
普段の中学生の生活も描きながら、電子部品を買って無線機器を組み立てるシーンやOMらに技術的なアドバイスを受けるなど、本来のアマチュア無線の楽しみそのものを演出した素晴らしいドラマだったようです。

出演は主人公の中学生に伊藤敏孝、その先輩に荒木一郎ほか

当時の東京12チャンネルの番組表を見てみると、「通信制工業高校講座」や「外国の科学映画」、「やさしいサイエンス」、「科学のおじさん」など科学技術に関する番組が非常に多く、科学技術振興財団の影響が大きいことがわかります。そこで科学的なキング・オブ・ホビーとしてのハムが取り上げられたのでしょう。

是非とも見てみたいドラマなのですが、残念ながら岩波映画は既に倒産しております。しかし、数話分のみフィルムで残っているらしいので、一部でもよいから見てみたいものです。 
(2002年10月)

放映データ
No 放映日 サブタイトル No 放映日 サブタイトル
1 64/4/15 コロンブスと跳び箱 14 64/7/15 見知らぬ仲間のために
2 64/4/22 2階のシューベルト 15 64/7/22 ヤスベエの星
3 64/4/29 決戦の時きたる 16 64/7/29 泳げなかったトビウオ
4 64/5/16 ジャンク屋とあいつ 17 64/8/5 土曜日の幽霊
5 64/5/13 突然消失現象 18 64/8/12 サブちゃんと狐
6 64/5/20 お父さんのタキシード 19 64/8/19 太陽の島へ
7 64/5/27 団地の怪人 20 64/8/26 サムまた逢う日まで
8 64/6/3 ナポレオン出現す 21 64/9/2 破られた結末
9 64/6/10 モナ・リザの雨 22 64/9/9 水晶とカンニング
10 64/6/17 スピード狂のかたつむり 23 64/9/16 低気圧とコスモス
11 64/6/24 勲八等と太陽の黒点 24 64/9/23 健の日記
12 64/7/1 勇敢な手長猿(前編) 25 64/9/30 奇妙な来訪者
13 64/7/8 勇敢な手長猿(後編) 26 64/10/7 青春のエア・ポケット

 
 
 
 
 
 
■仮面ライダー  第19話「怪人カニバブラー北海道に現る」
1971(昭和46)年8月7日 毎日放送・NET系 土曜日 19:30〜20:00
制作:東映、 脚本:島田真之、 監督:折田至
1971年4月3日から1973年2月10日まで全98話放映された特撮ヒーロードラマ「仮面ライダー」の第19話でアマチュア無線が登場します。仮面ライダーは第2次特撮ブームで円谷プロのウルトラマンシリーズと人気を二分した東映特撮ヒーローの代表作です。19話は旧2号ライダー(一文字ライダー)編です。

●出演者
佐々木剛(一文字隼人・仮面ライダー2号)、千葉治郎(滝和也)、
中村文弥(滝の先輩)、小林昭二(立花藤兵衛)、
山本リンダ(マリ)、沖わか子(ユリ)、島田陽子(ひろみ)、三浦康晴(五郎)
●ストーリー
滝の先輩である北海道のカンダ宅(牧場)でバカンスを楽しんでいたマリたちの前に、怪人カニバブラーが出現した。ショッカーは海底に爆弾を仕掛け大津波を起こす計画を立てていたのだ。陰謀を察知した一文字はカニバブラーが落とした小型無線機からショッカーが使用する周波数を割り出し、北海道のハムの協力で発信源を方向探査してアジトの位置を突き止める。仮面ライダーが爆破7分前にショッカーの海底基地に進入し、カニバブラーを倒し、恐るべき計画は未然に防ぐことができた。

●ハムシーン
滝和也の先輩がハム(JA8AGN)であり、彼が住む牧場にシャックがある。
壁にはQSLカードが貼ってある。(JA8IR,JA3CY,JA3AMI,JA1FNI,JA1FWNのカードが確認できる)

滝和也がFBIとの定時連絡を終え、北海道と交信する場面
カンダ先輩が 「さあ つながったよ」 と言って、マリ達にマイクを渡す
マリ:「滝さん すごくイイところよ!」
ユリ:「空は青いし空気はきれい」・・・
滝:「カンダ先輩 3人のおもり よろしく」
五郎:「滝兄ちゃんいつ来るの?」
滝:「仕事が終わり次第な・・」

JA8AGN局で方向探査をする場面・・
滝和也 :「CQ CQ こちらは JA8AGN 緊急連絡です。
       極超短波384メガサイクルの聞こえる方向を知らせて下さい。繰り返します・・」
YL局:「こちらはJA8BIX 函館・・ 方向は北北西・・ 」
(北海道の各地から情報が入り、ユリたちが地図上に方向を線引きし、小樽沖50kmと判明する)

●感想
来客にアマ無線で喋らしちゃイカンでしょ。マリや五郎たちが免許を持っているとも思えませんし・・。
方向探査の場面でも隣に局長が居るのに滝がCQ呼び出ししちゃイカンでしょう。滝はFBIの特命捜査官だからすべての無線資格は持っているかもしれないが、当時はゲストオペ制度はありませんからね。それとも非常通信か人命に関する急を要する通信ということになるのかな。
無線設備は撮影用のセットで、他局のシーンでも流用してました。限られた予算だから仕方ない面もあるが、滝と先輩宅と応答したYL局のシャックがすべて同じというのはいただけません。YL局のアンテナが回転するシーンも、しょぼいアンテナを手で回しているのがバレバレだった。アンテナにコールサインのプレートを付けているのも可笑しかった。まあ美術・小道具に関しては細かいことを気にしないのが東映特撮の醍醐味でもありますが・・。
昭和46年だと送受信ともにVFOのリグが出てますね。ただ430のリグを改造すれば380M帯の受信も可能だと思うが、当時430は非常に少ないはずだし、ましてや北海道ですし・・。
使用されたコールサインは実在するものですから 放送局関係者のものでしょうか? ちなみに JA8BIX は局名録によるとYLではなくOMさんのようです。
今回 滝の先輩(局長)を演じたのが大野剣友会の中村文弥氏で彼は一文字ライダーの中身の人として特撮界では有名です。初期にはショッカーの戦闘員も演じてました。彼は他の回でも何度か素顔で出演しているようです。


放映当時私は幼稚園児で、毎週楽しみに見ていました。でもハムシーンは覚えていませんでした。大学時代に集めたビデオを最近整理していて見つけました。後に結成される少年仮面ライダー隊は連絡手段が最初は伝書鳩でしたが途中から携帯無線になりました。
同時期の作品で「帰ってきたウルトラマン」や「ミラーマン」にもハムシーンがありましたから、他の特撮ヒーローにもまだあるかもしれません。(2007年6月)
 
 

 
 
■帰ってきたウルトラマン  第21話「怪獣チャンネル」
1971(昭和46)年8月27日 TBS系 金曜日 19:00〜19:30
制作:円谷プロダクション・TBS、 脚本:市川森一、 監督:筧正典、 特技:高野宏一

'71年4月2日から'72年3月31日まで全51話放映された円谷プロ制作の特撮ヒーロードラマ。その第21話でアマチュア無線が登場する。

●出演者

団次郎(郷秀樹)、塚本信夫(加藤隊長)、池田駿介、
西田健、三井恒、桂木美加、荒井ヌイコ、三輪明、岸井あや子、
小松英三郎、矢野潤子、一色俊吾、越後実、遠矢孝信


●ストーリー
ある日の午前4時、東シナ海上空で旅客機が謎の空中爆発を起こしたのだが、その映像が世界中のテレビで生中継される不可思議な出来事があった。ここ数日、無線の電波が突然途切れる珍現象も多発していた。MATの調査の結果、電離層に生息し電波をエネルギー源として吸収する電波怪獣ビーコンの仕業であることが判明する。ビーコンは自らも電波を発射し、捕らえた映像を中継する放送局の機能も備えているのだ。MATはテレビ・ラジオ、業務無線など東京のすべての電波を封鎖して、MATアローから電波を発射しながらビーコンを海上へ誘き出す作戦を実行した。MATアローと本部との交信が途絶えればビーコンが食いついた証拠だ。しかし、ビーコンはなかなか誘いに乗ってこない。その原因は江戸川区からアマチュア無線の電波が発射されており、それをビーコンが捕らえてしまったからだ。

●ハムシーン
江戸川区のツトム君のシャックにて
ツトム君:「CQヒフティーン CQヒフティーン あれっ?・・This is JA1JRQ This is JA1JRQ・・・」
ここで状況説明するナレーション(名古屋章)が入る
「午後二時、江戸川区に住む土建業中村シンさんの長男ツトム君11歳がコールしていた21MHzの電波が突然途絶えた。ツトム君はやっと電話級の資格を取ったばかりで、今日はアメリカにいる親友のジョージ君と交信の約束をしていたのだ」

マットアローで誘導作戦実施中のMAT本部にて
郷 隊員 :「(心の声で)おかしい もう食いついてもよい頃だが・・・」
上野隊員:「大変だ!江戸川区から別の電波が流れている・・・21万ヘルツの高周波だ 」
郷 隊員 :「アマチュア無線だ!」

ビーコンがツトム君宅に向かって突進しているシーンで・・
ツトム君:「CQヒフティーン CQヒフティーン あれっ また切れちゃった。 こちら JA1JRQ どうぞ・・ジョージ君聞こえますか?」

ビーコンがツトム君宅を破壊したが郷隊員が間一髪救出し、そしてウルトラマンに変身して、いつものように怪獣を退治する

●講評
MATの作戦をハムが妨害してしまったわけだが、すべての電波を封鎖する作戦でアマチュア無線の存在を忘れていたMATの単純ミスでしたね。本部のレーダーですぐに江戸川区と判明しても現場付近では郷隊員が探査機を担いで徒歩で探査しなければならないのが面白かった。当然ビーコンの到着のほうが早いですよね。すでに江戸川区内では人々がパニックになって逃げ回り、周囲の家屋が破壊され炎上しているのに全く気づかずCQを出し続けているツトム君も間抜けな感じです。ジョージ君宛ての個別呼出しだからCQじゃなくてジョージ君のコールサインを言うべきでしたね。それにビーコンが吸収する以前に夕刻の21MHzでアメリカはなかなか難しいと思います。ドラマですからマニアックな突っ込みはどうでもイイですけど一応ハムのサイトですから・・。
 ツトム君のコールサインは昭和40年前後の発給ですが、ナレーションで免許を取ったばかりということですので、本来ならJE1ですね。実際はS17年生まれの千葉県のOMさんのコールサインです。リグは1967年発売の井上の IC-700T と IC-700R でした。この頃はまだ送信機と受信機が分かれていたんですよね。そういえば当時のテレビも真空管でしたから、スイッチを入れて画面が現れるまで1分くらいかかりましたね。それに深夜放送がありませんでしたので、午前0時を過ぎるとチャンネルを回しても砂あらし状態でした。

ラストシーンは冒頭にビーコンのテレビ中継を目撃した少女が、もしやと思い再び深夜にテレビスイッチを入れるが当然何も映っていないというものでした。それよりラストはツトム君のその後にしてほしかった。ツトム君が原因で周囲数キロの家屋が破壊されたのだから、責任問題でハムを続けることが出来るのだろうか心配なところです。
 この回を最後に加藤隊長は宇宙ステーションへ人事異動となります。MATがビーコンに負ける場面がビーコンのカメラアイによって世界中に中継されて恥をかいたことや誘導作戦の失敗の責任を取らされたのでしょうかね。


放映当時私は幼稚園児で、毎週楽しみに見ていました。怪獣のビーコンは記憶にあったのですが、物語りの内容までは覚えていませんでした。このシリーズでは31話・市川森一脚本、真船禎監督「悪魔と天使の間に・・」と33話・上原正三脚本、東條昭平監督「怪獣使いと少年」の2話が強烈に印象に残っていました。この2話は意図したわけではないようですが対になるストーリーでした。特に「怪獣使いと少年」は幼稚園児だった私もかなりショックを受け、大人になった今でも脳裏に焼きついて離れません。文部省選定のどんな教育映画より価値がある作品だと思います。

大学を卒業した頃にビデオ全13巻が発売されて懐かしいドラマに再会しました。ウルトラシリーズの中ではこの「帰ってきたウルトラマン」が一番のお気に入りです。それにしてもビーコンという怪獣・・今見てもカワイイですね。 ソフビで発売されているのでシャックに飾っておきたいと思います。 (2004年11月)
 
 
 
 
 
■緊急指令10-4・10-10
1972年(昭和47)7月3日〜12月25日 NET(現・テレビ朝日) 毎週月曜 19:30〜20:00 (全26話)
円谷プロダクション制作、 監督=本多猪四郎、浜野信彦、上野英隆ほか、 脚本=田代淳二、藤川桂介、高久進ほか

第2次特撮(怪獣)ブームの最盛期にウルトラマンで有名な円谷プロが制作した無線をテーマに取り入れた子供向けドラマです。

出演者
黒沢年男(毛利春彦)、水木襄(岩城哲夫)、牧れい(入江ナミ)、池田駿介(花形一平)、湯原一昭(松宮三郎)、松岡淳一(松宮五郎)ほか


このドラマの最大の特徴はCB無線(市民無線)を取り入れたことです。それに敢えて怪獣や変身ヒーローを登場させず、無線を通じて一般市民も物語に参加するという新しいタイプの特撮番組でした。当時CB無線はブームになりつつあったようですが、一般的にはさほど普及しておらず、実際に参考にしたのはアマチュア無線でした。制作には各種アマチュア無線団体やクラブ局も協力したそうです。本部の壁にQSLカードやJARLカレンダーがさりげなく掲げられていたりします。

物語りは、若手大学教授・毛利春彦(出演・黒沢年男)を筆頭に浪人生、大学生、小中高生などの無線仲間で結成された通称“電波特捜隊”が無線を通じて一般市民と情報交換しながら、様々な怪事件を解決していくというものです。イメージ的には「怪奇大作戦」のアマチュア無線版といったところでしょうか。それに少年探偵団の要素も含まれているドラマです。
「鉄仮面」とか「東京股旅ライダー」などコードネームで呼び合い、CB無線のテン・コードを使用するのも特徴です。10-4(テンフォー)は了解、10-10(テンテン)は送信終了、10-34(テンスリーフォー)が非常通信。
事件も怪奇生物、SF、ミステリー、ファンタジーと様々であったが、突拍子もない展開が面白かった。予算の関係だと思うが登場キャラクターやセットが学芸会並であったが、脚本は人間の欲望やエゴを批判する内容が多く円谷プロらしい質の高いドラマ仕立てとなっている。



やはり怪獣や変身ヒーローが登場しない本作品は、当時の特撮ブームのなかでは目立った存在とはならず、そこそこの視聴率はとれたものの人気番組とはならなかったようです。内容がマニアックなため再放送されることもなく忘れ去られたドラマでした。最近になってビデオやレーザーディスクも発売され、CS、パーフェクTVでも全話放映され、懐かしいドラマに久しぶりに再会しました。

個人的なことですが、私が無線を始めるきっかけとなったのがこの番組だったのです。このテレビを見てトランシーバーが欲しくなり親に買ってもらったのがはじまりです。おもちゃのトランシーバーの無線ごっこでしたが、無線に興味を持ちました。そこで親の知り合いの知人(ハム)に無線機(スカイエリート6)をもらいました。そしてSWLから本格的なアマチュア無線をスタートさせたわけです。免許を取得したのはもう少しあとですが、当時の少年雑誌に必ず掲載されていた「君もハムになろう!」という通信教育の広告を見て申込みました。 (2002年10月)

放映データ
No. 放映日 サブタイトル 登場キャラクター 監督 脚本
1 72/ 7/ 3 狂った植物怪獣 ダーリングウツボ 浜野信彦 田代淳二
柴田敏行
2 72/ 7/10 謎の火炎怪人 火炎怪人 田代淳二
3 72/ 7/17 地底怪獣アルフォン アルフォン 上野英隆
4 72/ 7/24 人食いカビ 人喰いオレンジ 高久 進
5 72/ 7/31 カブト虫殺人事件 黄金のカブト虫 本多猪四郎
6 72/ 8/ 7 アマゾンの吸血鬼 吸血鬼 田代淳二
7 72/ 8/14 闇に動くミイラ ミイラ怪人 上野英隆
8 72/ 8/21 私は殺される! スペードのクイン 高久 進
9 72/ 8/28 青いインベーダー インベーダー 村瀬行光 田代淳二
10 72/ 9/ 4 死を呼ぶバイオリン 生きている真珠
11 72/ 9/11 妖怪・どろ人間 ドロ人間 上野英隆 藤川桂介
12 72/ 9/18 天才ゴリラの初恋 天才ゴリラ 田代淳二
13 72/ 9/25 海獣半魚人の反逆 半魚人
14 72/10/ 2 黒猫が見た 女幽霊 村瀬行光
15 72/10/ 9 僕は泣かない  
16 72/10/16 原始人バラバ バラバ 深沢清澄 高久 進
17 72/10/23 妖怪ねずみ地獄 ねずみ怪獣 田代淳二
18 72/10/30 人喰いナメクジ発生 大ナメクジ 上野英隆
19 72/11/ 6 大空を飛ぶ少年 鳥の羽根
20 72/11/13 宇宙から来た暗殺者 ロック星人 本多猪四郎 藤川桂介
21 72/11/20 怪鳥ラゴンの襲撃! ラゴン
22 72/11/27 少女と花と天国と   村瀬行光 田代淳二
23 72/12/ 4 死体を呼ぶ白骨   高久 進
24 72/12/11 赤いサソリの恐怖 赤いサソリ 田代淳二
25 72/12/18 死を運ぶ嶋   深沢清澄 田口成光
26 72/12/25 非行少女カオリ   田代淳二



 
 
 
■ミラーマン  第36話「怪獣軍団ミラーマンを襲う」
1972(昭和47)年8月13日 フジテレビ系 日曜日 19:00〜19:30
製作:円谷プロダクション、 監修:円谷一、 脚本:若槻文三、 監督:東條昭平

71年12月5日から'72年11月26日まで全51話放映された特撮ヒーロードラマです。
円谷プロが「ウルトラ」シリーズ以外で初めて制作した巨大ヒーローで、第二次特撮ブームの代表作の一つです。
第36話にちょっとだけアマ無線が出てきます。

●キャスト
石田信之(鏡京太郎)、宇佐美淳也(御手洗博士)、和崎俊哉、工藤堅太郎、
沢井孝子、杉山元、市地洋子、水野英久(島田正男)、芦沢常法(島田吉男)
 

●ストーリー

小学生の島田兄弟が父のアマチュア無線機をイタズラしていたところ、偶然にもインベーダーが使用している周波数と一致してしまう。通信を妨害されたインベーダーが怒って、島田家に侵入し無線機を破壊して、子供(弟)を拉致してしまう。子供はミラーマンが怪獣と闘っている間にSGM隊員により保護される。

●ハムシーン
シャックで父の無線機を正男がいじっている。
吉男:「お兄ちゃん お父さんに叱られるよ!」
正男:「だいじょうぶだよ」
吉男:「お父さん言ってたよ・・ハムは資格が要るんだって・・」
正男:「ちょっとだけだよ・・」
ナレーション:「少年のイタズラした無線機の波長が偶然にもインベーダーたちの波長と一致してしまったのだ」
正男 :「CQ CQ こちら 島田無線局、CQ CQ こちら 島田無線局・・・」

●感想
シャックの無線機と回転するアンテナが映ったが、コールサインは出てきませんでした。
HF機と思われるが、インベーダーは宇宙からどの周波数を使っていたのでしょうか?
子供が父のリグをイタズラして送信することは今でもたまにありますね。
イタズラしたのは兄の正男なのに、弟の吉男を拉致してしまうのもよく分かりませんが・・。車で拉致して山奥の秘密基地近くまで来て、子供を置いたままインベーダーが基地に行ってしまう行動もよくわかりません。弟が乗せられた車を追っかけた兄も徒歩でどうやってここまで来たのか不明。結局弟は車から自力で脱出・・・泣きながら帰るところをSGM隊員に保護されました。インベーダーは子供を拉致して何をしたかったのでしょうか?
展開がよくわからないドラマでした。でも「イタズラ送信はヤメましょう」という警告にはなったかな。


ミラーマンはリアルタイムで観ていたのですが、この回は記憶にありませんでした。
複数のサイト閲覧者から情報をいただいておりました。
しかし、ミラーマンとミラーファイトのレーザーディスクは全巻持っているものの、LDプレーヤーが故障しているので、長い間確認することができませんでした。最近中古のLDプレーヤーを入手して鑑賞した次第です。 (2007年7月)
 
 

 
 
■イナズマンF  第14話『大空中戦 !! 合体ウデスパー戦略舞台』
1974(昭和49)年7月23日 NET系 火曜日 19:30〜20:00
製作:東映・NET、 原作:石森章太郎、脚本:上原正三、 監督:前川洋之

イナズマンF(フラッシュ)はイナズマンの第3〜第4クールに相当し、視聴率苦戦でFはやや路線変更した作品で、1974年4月9日から9月24日まで23話放映されました。その第14話(イナズマン通算:39話)に人命救助でアマチュア無線が使用されるシーンがあります。

●キャスト
伴直弥(渡五郎/イナズマン)、上野山功一(荒井誠)、戸島一実(看護婦)、
佐瀬陽一(コウイチ)、西川和孝(コウジ)、安藤三男(ガイゼル総統)

●ストーリー

山奥の村でコウジ少年が破傷風にかかった。
村の診療所には血清は無いし、医師も町へ診察へ出て翌日まで帰ってこない。
ハムである兄のコウイチが無線で救助を求め、それを荒井がキャッチ。
自衛隊のセスナ機が血清を乗せて飛び立つが、デスパーのミサイルで撃墜される。
村に向かう飛行機や車をすべて撃破してイナズマンをおびき出すデスパーの作戦なのだ。
目論見どおりイナズマンが血清を持って村に向かった。行き先には合体ウデスパーが待ち構えている。
イナズマンは激闘の末、弱点を見つけ合体ウデスパーを倒すのだが・・・
血清を持って少年宅に到着すると、一歩遅く、少年は息を引き取っていた。
まだ望みはあると思ったイナズマンがイナズマンエネルギーを注入し、少年をあの世の境から連れ戻した。


●ハムシーン
コウイチ:「どなたか応答願います。こちらJS10(ジェイエステン)上原村の高田コウイチです。どなたかメリットありませんか」

荒井がインターポール本部と通信しようとするが空中状態が悪く、リグを調整しているところにコウイチ君の声が入ってくる・・

コウイチ: 「こちらJS10 ・・弟が破傷風で死にそうなんです。至急血清が欲しいんです・・・お願いします 誰か応答願います」
荒 井: 「こちらJG00921(ジェイジーダブローナイントゥワン) コウイチ君といったね」
コウイチ: 「コウジが・・僕の弟が・・」
荒 井: 「コウイチ君 もっと詳しいことを・・」
看護婦: 「私 上原村診療所の小野と申します。破傷風の患者がいます。
      至急破傷風血清の手配をお願いします。かなり悪化しているので1分でも早く欲しいんです。」
荒 井: 「了解。直ちに手配します。」

血清を積んだ自衛隊のセスナ機がデスパーのミサイル攻撃で撃墜される
ナレーション:「コウイチから発信された電波は荒井の無線機にキャッチされたが、同時にデスパー基地にもキャッチされたのだった」

コウイチ: 「えっ じゃあ血清は来ないんですか?」
荒 井:「残念だ だが望みを捨ててはいけない。必ず次の方法を考える」
コウイチ:「そんな時間はありません。コウジは死にそうなんです。お願いします 何とか早く・・」
渡五郎:「イナズマンが血清を届けよう」
コウイチ:「えっ イナズマン 本当ですか?」
渡五郎:「本当だ。イナズマンは必ず約束は守る。だからコウジ君にも頑張るように言うんだ」


●感 想
アマチュア無線の非常通信を受けて飛行機で血清を届けるのはフランス映画の『空と海の間に』を連想しそうですが、異なるのは妨害しようとする悪の軍団がいることです。
昭和49年だと山村ではまだ一般電話も普及していなかったと思う。
ハムがキング・オブ・ホビーと呼ばれ、少年達の憧れだった時代ですね。

破傷風なんだけど、看護婦が診断していいのかな?
荒井が最寄の医師を連れてきて、無線で医師の判断を仰ぐのが妥当だと思うが・・
まあハムが役に立ったのだから良かったと思うけど。
あと、自衛隊も飛行機でどうやって山奥に届けるのかちょっと疑問でした。
“空と海の間に”みたいにパラシュートで落とすつもりだったのかな。ヘリコプターの方が都合が良いと思いますけどね。
まあ何れにしても撃墜されるわけですが。

コールサインについては、荒井はインターポール秘密捜査官だから架空のものでイイんだけど、
アマ無線の「ジェイエス テン」はいただけないなあ。
JSは一番最後のプリフックスで当時は未発給。エリアナンバーは0〜9で10は無い。
無難に今後も存在しないコールにしたのでしょうけど、スタッフか誰かのものを借りてほしいところです。


当時は特撮ブームで毎日午後6時から8時は特撮ヒーローものが乱立してました。
イナズマンは二段変身で、一旦サナギマンになるところが気持ち悪いと思っていた人も多かったと思う。自分もちょっとしか見てませんし、フラッシュ以降はほとんど見ていませんでした。最近レーザーディスクを整理していて無線が登場することに気づきました。DVDですと、フラッシュのVol.3に収録されています。
ところで、破傷風の少年は 一目見てすぐに分かる昭和の名子役でした。
せっかくイナズマンによみがえらせてもらったのに・・・今は牢屋の中とは・・なんだか切ない。
ブログ(CWL通信)のほうにもUPしておきます。 (2008年1月)
 




■太陽にほえろ! 第227話 『CQ・CQ・非常通信!』
1976年(昭和51)11月19日 日本テレビ 金曜 20:00〜21:00
監督=竹林進、 脚本=小川英、四十物光男

石原裕次郎主演の人気刑事ドラマです。
その中の一話にアマチュア無線が取り上げられたものがありました。
第227話のサブタイトル「CQ・CQ・非常通信!」です。

出演=石原裕次郎(ボス)、小野寺昭(殿下)、宮内淳(ボン)、沖雅也(スコッチ)、井上純一(高山少年)、中田博久(サワキ・爆破犯人) ほか

●ストーリー  〜島刑事(殿下)はハムだった〜
七曲署管内で連続爆破事件が発生した。その全ての現場写真の野次馬の中に高校生らしい同じ少年、高山 修(出演・井上純一)が写っているのを発見した。事情を聞くため署に連行するとともに、殿下(島刑事)とボンは少年宅を家宅捜索する。そこでアマチュア無線の設備を発見し、警察無線も傍受していたことを突き止める。
■■取調べ室■■
殿下:「(押収した無線機を示し)君はこれで警察無線を聞いていたね」
少年:「盗聴しただけでは罪になりません・・・家宅捜索をしたんですね 僕は何もしてないのに」
スコッチ:「何もしてないという証拠は」
少年:黙り込む
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
殿下:「無線局は持っていないけど僕もハムの免許は持っている。だから無線のことはわかるつもりだよ」と優しく諭す。
すると少年は警察無線を聞いて現場に駆けつけたことを認める。・・・しかし、疑いが晴れたわけではない。
一人暮らしのためアリバイの証明もできない。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
殿下:じゃあ、最初に爆破のあった時間、5日前の午後11時半から12時半の間、どこで何をしていた?
少年:「その時間はDXの時間です。家で無線をやってました。そうだその晩だ”VS6”と交信できたんた」
殿下:「VS6といえば香港か。素晴らしいじゃないか」

■■捜査会議■■
ボン:「アリバイがあったんでしょ」
殿下:「それがアリバイとは言えないんです。彼の送受信機ではどんなにアンテナを調整しても1000キロから1500キロしか交信できません。香港とはまず交信できないんです。・・・でも嘘とも言い切れません。電離層の関係で南極や南米まで届いたという話しも聞きます。」
ボス:「交信相手に確認はできないのか?」
殿下:「それが、あまりの嬉しさにコールサインを忘れてしまったらしいんです。」
ボス:「何れにしても未成年をこれ以上留置するわけにはいかん。殿下、この件は任せる、帰してやれ」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

殿下は少年を自宅に送り届けた後、地元のハムクラブ(JA1YYD)に立ち寄りアリバイを証明しようとする。
「ハローCQヒフティーン こちらはJA1ヤンキー ヤンキー デンマーク、VS6、VS6 応答願います JK1タンゴ パパ ロメオと交信した人を知りませんか、交信を聞いていた方でも結構です。応答願います。こちらは東京ジャパン スタンディングバイ」・・・と呼びかけるが全く応答はない。でも諦めずに何度も呼び続ける・・・
その様子を自宅で聞いていた少年:「無駄だ!俺だって毎日呼び続けて1年目でやっと交信できたんだ。見つかるはずがない」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ふとしたことで真犯人(出演・中田博久)が浮上する。一流企業重役の息子で、ひき逃げを目撃された可能性がある婚約者を口封じで殺害しようとしていたのだ。
クルーザーで伊豆の別荘へ向かった犯人を追って、殿下もボートであとを追う。別荘の張り込み中に、東京にいる彼女の立ち寄り先に爆弾を仕掛けていることを知る。至急知らせなければと思うが周囲に電話も民家も無い。車で伊豆に向かったボンは渋滞に巻き込まれてまだ近くに来ていないためボンとの無線連絡(所轄系)も取れない。そこに犯人のクルーザーに2メーターのリグがあるのを発見する。
リグのスイッチを入れ「非常 非常 2メーター こちらのQTHは伊豆黒岩港停泊中のJK1エックスレイ ロメオ サンチャゴ マリンタイムモービル 、東京のJK1タンゴ パパ ロメオ応答願います ナカタサチコが危ない 応答願います」と必死に呼びかける。
そこへ犯人がクルーザーに戻ってきて猟銃を突きつける。殿下はとっさにマイクのPTTスイッチをロックする。

殿下:「諦めるんだなあ、今の非常通信で警察に通報がいっているころだ。」
犯人:「フフフ・・ここは伊豆だ。それがどういう意味かわかるか」
殿下:「そ、そうか 電波の谷間・・・」
犯人:「ここから発射された電波は東京上空をきれいに飛び越えてしまう。何度もやったから間違いない」
殿下:「東京に届かなくても誰かが聞いている。聞けば仲間に連絡がいくはずだ」
犯人:「そんな一文にもならんことを誰がする」
殿下:「そうかな、ハム仲間を甘く見るな」
・・・・と奇妙な電波伝搬説やハム議論を戦わせる二人であった・・・

この一部始終をワッチしていた江ノ島のハム(JK1SXC)が、
「非常通信受信、こちらは江ノ島、JK1サンチャゴ エックスレイ チャーリー、東京のJK1タンゴ パパ ロメオへ非常通信です」
この非常通信を受けた少年が七曲署へ通報し、女性は間一髪難を逃れる。
伊豆ではボンも駆けつけ、格闘の末、犯人を逮捕する。
そこへタカヤマ少年から女性を無事救助したとの無線連絡(中継)が入る。少年と殿下と中継した江ノ島局が互いに無線で健闘をたたえ合う。
後日、殿下のクラブ局からの呼びかけを聞いていた香港のハム仲間が交信相手を探し出し、VS6からQSLカードが届いたと少年がカードを見せに来た。あらためてハム仲間の友情を思い知る殿下であった。



●感想
現在であれば、携帯電話で連絡して即解決となるわけだか、当時はハムが特別な存在だったことがあらためてわかるドラマであった。それにしても最近の刑事ドラマは携帯電話でピコピコ連絡する場面ばかりで味気ないです。
当時のハムの間では1週間前の予告編が放送された時からこのドラマの話題で持ちきりになり、当日の午後8時から9時まではこのドラマを見るためにアマチュア無線が静かになったとも言われていた。放送後しばらくは、ラグチューでこのドラマの感想(あら捜し)で持ちきりであった。当時はビデオも無いので、無線の場面を思い出して語り合ったものです。それに犯人役が中田博久というのが特撮ファンの私にとっては感慨深い(キャプテンウルトラの印象が強いので)。

殿下が立ち寄った城北アマチュア無線クラブのJK1YYD(JA1YMNというプレートもあった)というコールサインは、撮影に協力した放送関係の専門学校のクラブ局のものです。オープニングのテロップでも、企画協力:JA1YYD/JA1YMN 千代田テレビ電子学校ハムクラブと表示されていた。
その他のJK1TPR,JK1XRS,JK1SXCは当時はまだ発給されていないコールサインですが、現在は実在しています。どういう理由でそれらのコールサインを使用したのでしょうか。それから非常通信を中継した江ノ島のハムは、いかにもハムらしい風貌でしたので多分本物のハムでしょう。撮影協力した千代田学園の先生だという噂もありました。

現代になって1998年10月27日に関東で再放送されました。もちろん私はビデオ録画し、じっくりと懐かしいドラマを拝見しました。その後、バップからビデオも発売されました。さらに、パーフェクTVのファミリー劇場でも全話放映されました。懐かしの番組が容易に視聴できる良い時代になったと思っています。

登場した無線機、撮影のためメーカー名を隠している
少年の無線 TR-5200,TS-801,TR-7200 クルーザーの無線機 TR-7200
 あら捜し
●「盗聴しただけでは罪になりません」といっているが、それ以前に交信相手のコールサインをログに記入しなかったのだからそれだけで電波法違反(業務日誌の義務がなくなったのは最近です)になります。
そもそも交信では、何はさておきコールサインを記入しますので、忘れてしまったなどということはあり得ないのでは。

●毎晩11時からはDXの時間というのはおかしいのでは。7MHzであればわかりますが、21MHzは通常、夜間には電離層を突き抜けてしまいます。香港との交信なら日中でしょう。

●「(21MHz帯で)彼の無線設備では、どんなにアンテナを調整しても1000キロから1500キロしか飛ばないので香港との交信は無理」というのはおかしいのでは。21MHzだと香港など容易に交信できるはずですが。
それに高校生としては超豪華設備です、しかもマンション屋上にはHF八木アンテナもありました。

●「この無線機、アルバイトして必死になって組み立てました・・・」 といっているが、すべてメーカー製だぞ! それにバイトで購入できる程度の設備ではない。

●クルーザーのコールサインは犯人のものと思われるが、当時はゲストオペレーター制度もないが、まあ非常通信だから許されるとして、マリンタイムモービルというのはおかしい。マリンタイムではなくマリタイムといいますが、そもそも係留中は陸上とみなされますのでポータブル2というべきです。

●在宅中かどうかわからない少年に対して非常通信するよりも、「どなたか聞いている人110番してください」といったほうが効率的だと思いますが。

●144MHz帯で電波の谷間で飛び越えるというのはおかしい。HFならともかく、144MHzは見通し距離の直接波が基本で、通常は電離層で反射せず突き抜けてしまうから電波の谷間など存在しない。私は伊豆からハンディ機で東京と何度も交信している、つまり直接波または地表波で十分東京まで届きます。

●ところで、島刑事(殿下)は非常通信をしたのだから、郵政大臣宛(電監)に報告書を提出したのだろうか?

・・・ラグチューで、こういったあら捜しが数日間流行りました。


■追伸・・・
後日、このロケに企画協力した千代田学園アマチュア無線部の当時の部長さんから、当時の想い出が記されたメールをいただきました。

ドラマについては、無線のことをよく知らない人が書いた台本のチェックも依頼されたそうです。不自然な場面を指摘して多くの部分を修正してもらったそうですが、ドラマの構成上、どうしてもつじつまが合わなくなる部分が出てしまったようです。(でも、上記の”あら捜し”はマニアックな突っ込みですので、私としても一般視聴者向けには良くできていたと思います。)
コールサインは台本に書いてあったものを実在するのはまずいと思ってプリフィックスを単に未発給のJK1に変えただけだそうです。それから江ノ島灯台のハムは、やはり千代田学園の顧問の先生で現役のハムだということです。
少年の部屋のセットは撮影所で、殿下が立ち寄った地元ハムクラブと中継した江ノ島局のセットは学校に作って、そこで顧問の先生と部長さんが無線場面を指導したそうです。
小野寺昭さん(殿下)と先生・無線部員との記念写真も送っていただきました。その写真は当時のCQ誌にも掲載されているそうです(それは知りませんでした)

貴重な情報を寄せてくださり、この場を借りて御礼申し上げます。 
(2003年1月)
 



 
■怪人二十面相と少年探偵団 
        第17回・謎を呼ぶ恐怖の発明(前篇)
1984(昭和59)年、  金曜日19:00〜19:30(関西地区) 16:00〜16:30(フジテレビ系関東地区)
制作:関西テレビ・宝塚映像、 原作:江戸川乱歩、 脚本:飛鳥ひろし、 監督:石田勝心

江戸川乱歩原作の少年探偵団を宝塚映像が西宮を舞台に制作。'83年10月から'84年3月まで24回放映された。少年探偵団の一人がハムであるために、ちょっとだけハムシーンがある。

●キャスト

古川聰(小林芳雄)、堀光昭(明智小五郎)、立川光貴(二十面相)
少年探偵団員:柳田恵里香、湯川裕己、中田真理亜、堀谷育史、
山下隆二、前田雅之、若命文香、藤川真由美


 
●ストーリー
ご存知の怪人二十面相と明智小五郎・少年探偵団との攻防を描いた作品である。本作品での明智小五郎の設定は、西宮大学で犯罪心理学を教え自宅では明智マンションを経営し、そこでアケチ有線放送も行っているという裕福な家庭でお坊ちゃまと呼ばれている。少年探偵団の召集に有線放送の音楽も利用する。
毎回二十面相が色々な方法で犯行予告するのだが、17話ではアマチュア無線を使って、西宮大学の遠藤博士の研究資料を狙っていることをほのめかす。

●ハムシーン(少年探偵団員ハジメ君のシャックにて)
ハジメ君 :「CQ CQ こちら JA3HJN どなた様かお聞きのステーションございましたらコンタクトお願いいたします」
二十面相:「ハハハハ・・・こちら JAX2020・・ どうしたハジメ君 私だよ 」
ハジメ君 :「に、二十面相・・・」
二十面相:「そのとおり 明智君に伝えてくれたまえ 遠藤博士に気をつけろと・・・ハハハハ・・」

●感想
江戸川乱歩を原作とする少年探偵団ものはこれまで映画やテレビで数え切れないほど制作されている。内容は様々だが、二十面相と明智小五郎、小林君を団長とする少年探偵団が登場するのは共通である。上で紹介した「帰ってきたウルトラマン」の団次郎も'77年日本現代企画制作「少年探偵団」で二十面相役を演じている。
本作品は地元(関西)では阪急ドラマと呼ばれるシリーズ枠で放映された。宝塚映画が解散し、宝塚映像としてスタートした最初のドラマでもある。この後、配役を変えて「怪人二十面相と少年探偵団U」も制作された。関西で制作された番組は関東ではマイナーな扱いで夕方・早朝・深夜といった時間帯に放映される傾向がある。本作品も関西では金曜19時からのゴールデンタイムだが関東では16時の放映であった。2003年から2004年にCSのファミリー劇場
で再放送された。

少年探偵団に携帯無線は必須アイテムで本作品でも使用されている。ドラマ用の架空の無線でしょうが別の回で、5Km程度の通話距離から二十面相のアジトを探査するシーンがあったのでCB無線を参考にしたと思われます。メンバーの中でハムの免許を持っているのはハジメ君だけのようだ。他の回でも探偵団の無線が二十面相に傍受されたのでハジメ君がハムの技術を生かして周波数の変更改造をするシーンがある。ハジメ君の設定年齢は知らないが12歳だとするとJA3だと生まれてない時期の割当てになる。実際のコールサインは吹田市のOMのものである。ほかにシャックには JI3FRT というカードが掲示してあった。リグは TS-780 、他にHF機もあった。 (2004年11月)
  



 
■じゃがいもと三日月 (東芝日曜劇場)
1985(昭和60)年10月20日・27日(2週連続) TBS系 21:00〜22:00
RKB毎日放送・北海道放送の共同制作、脚本=高橋正国、 演出=甫喜本宏・八坂健

東芝日曜劇場1500回記念番組として2週連続で放映。日本の北と南で生活する若者たちの迷いと心のふれあいを、北海道と九州を結んでほのぼのと描くドラマです。

出演者:
新藤栄作、柳沢慎吾、紺野美沙子、上条恒彦、
浜村純、大和田獏、あき竹城 ほか
 


●ストーリー
<第一週>
北海道・喜茂別町の農村で暮らすじゃがいも農家の竜太(新藤栄作)と親友で旅館の息子の鉄也(柳沢慎吾)は仕事にはあまり情熱を持てず、酒場のマスター(上条恒彦)に開拓精神を吹き込まれても一向にやる気が出ない。そんな二人の前に河井咲子(紺野美沙子)という九州・竹田の美人があらわれ、二人とも一目ぼれしてしまう。

先日、鉄也の旅館に長期滞在していた蜂飼いの爺さん(浜村純)が山中での作業中に倒れ、アマチュア無線で助けを求めたのだ。それを傍受して救助したのが竜太だった。咲子はその爺さんの孫で、報を聞いて北海道に駆けつけたわけである。実は咲子も竜太と同じハムだということがわかり、すっかり意気投合してしまう。爺さんに、もしものために無線機を持たせたのも彼女だった。
咲子は中学の英語の教師で外国と交信したくてハムになったらしい。しかし仕事では理想の教育と現実の間で悩み、海外青年協力隊で自分を見つめ直そうかと考えていた。

爺さんの病気も快復したので九州へ連れて帰ることになった。最初は帰ることを拒んでいた爺さんだが、咲子の心情に気になることもあり、二人で九州に帰ることにした。蜂の巣箱を載せた2トントラックは運送業者に依頼するように鉄也に頼み北海道を後にした。ところが鉄也は30万円という運送代を自分のものにしようと企み、彼女に会いたい気持ちも相まって竜太と二人でトラックを運転して直接届けることを決意した。先方にも無断で2千キロ先の九州目指して出発したのだが・・。

<第二週>
トラックは順調に走行していたが、竹田の看板を見たとたんに気が緩み、居眠り運転でトラックを溝に落としてしまった。田舎の山道で周囲に家もない。気温も上昇しており、このままでは蜂が全滅してしまう・・・。竜太はとっさに無線機を持ちハム仲間に救助を求める。・・・必死で呼び続けていると、寺の住職(大和田獏)から応答があり、多くのハム仲間も現場を探して駆けつけてくれた。
ハム仲間の協力でなんとか蜂を死なせずに届けることが出来たのだ。しかし、再開した咲子はまるで元気がない。聞けば失恋したという。大学の助教授である彼が教授の娘と婚約したらしいのだ。その後彼は、婚約を白紙に戻して、もう一度咲子と話し合いたいといっているらしい。会おうかどうか迷っていると、竜太は会うべきだと説得する。

そんなおり、寺の住職らが竜太たちのために岡城跡で三日月型の岩に灯をともす観月会という風流な催しを開いてくれるというのだ(酔った勢いで言ってしまったのだが)。鉄也は帰る日を延ばそうというが、竜太は早く竹田を去りたかった。彼との話し合いの結果を聞くのが怖いし、告白するにも勇気がなかったのだ。
帰ろうとする竜太だが、爺さんに促されたり、マスターの開拓精神も思い出し、失恋してもいいから悔いの無いように思い切って彼女に告白しようと決意する。

観月会がいいムードになったところで咲子が戻ってきた。聞けば彼の言い訳に嫌気がさして別れてきたという。今がチャンスと思い、竜太は思い切ってプロポーズ(ハム的に)した。すると彼女はなかなか好感触だった。
翌日、竜太と鉄也は晴れやかな気持ちで喜茂別に帰ることができ、仕事に対しても熱意が出てきた。
しばらく経ったある日、咲子から無線で連絡がきた。プロポーズを受け入れてくれたのだ。


●ハムシーン
<交信場面からドラマのスタート>
竜太:「北海道はもう秋ですよ 朝晩なんか寒いぐらいですからねえ」
相手:「あのー 先ほどから聞こえている信号音はなんでしょうか?」
竜太:「気象衛星からのデータを送ってきているんです。FAXで天気図をとっているんですよ。天気予報を研究してるんです」
相手:「天気予報ですか すごいですね」
竜太:「まだまだですけど、この辺は農家が多いんでわりあい喜ばれているんですよ」
相手:「そうですか それじゃあファーストQSOですから このへんでファイナルにさせていただきます。QSLカード宜しくお願いします」
竜太:「解かりました セブンティスリー」

竜太は気象衛星のデータをFAX受信して独自に天気予報を出している。本人は自信満々だか、実際はあまり当たらないようだ。
その後農作業中の母親(あき竹城)とハンディで連絡するシーンもある。そのハンディは大変大きいし、コールサインも言ってないからCB無線だと思われる。


<母親との連絡と終えると、無線機から老人の声が・・・>
老人:「もしもし どなたか聞いておいでかな。もしもし・・・」
竜太:「こちらはJA8TKO 喜茂別に明瞭に入感しております」
老人:「どなたか知らんが ちょいと手助けを願えんかね」
竜太:「手助けと言いますと・・?」
老人:「歩けんのじゃよ めまいがして・・」
竜太:「場所はどこですか?こちらは喜茂別の郊外ですが」
老人:「羊蹄山の・・・山道を入ったところに2tトラックがある・・」
竜太:「了解しました すぐ行きます」

<農作業中の竜太親子に咲子が爺さんの救助のお礼に訪れたときの会話>
咲子:「このたびは本当にどうも有り難うございました」
母親:「ハムなんてつまらないものも役に立つことがあるんですねえ」
鉄也:「ところがお袋さんよ 彼女もハムなんだそうだ」
咲子:「JE6SGS カワイサキコです。」
竜太:「JA8TKO クラシマリュウタです。」
咲子:「竜太さん JAならOMさんね。 いつから?」
竜太:「中学2年から 」
咲子:「じゃあ QSLカードは?」
竜太:「3千枚ぐらい・・」
咲子:「アワードなんかもたくさん?」
竜太:「たくさんじゃないけど、WAJA、AJD、JCC・・・」
 妹 :「まるで外国語ねえ 」
鉄也:「僕 そういう話 好きくないなあ・・」
咲子:「シャック 見せてもらえますか・・」

その後、竜太のシャックを訪れ天気予報の自慢話を聞かされる・・・。
カリフォルニアの局のCQが聞こえてきたので・・・竜太:「出てみますか?」 咲子:「人のリグ使っちゃいけないんでしょ」 竜太:「ナイショで!」・・・・咲子が呼びかけると一発で応答があり、英語で交信する。


<トラックが脱輪して救援要請するシーン>
竜太:「CQ CQ こちらJA8TKOポータブル シックス、タイヤを溝に落として動けません。竹田市の郊外と思われますが場所は説明できません。電波を出し続けますから方向をたどっていただきたいんですけど お聞きの局ございましたら応答お願いします」
 ・・・呼び続けていると、寺の住職の光隆から応答があった。
光隆:「JA8TKO こちらJE6EEZ お困りの状況を明瞭に入感してますが位置が確認できません。何か目印はありませんか?」
竜太:「田んぼと段々畑があるだけで・・・なにしろ初めての土地なもんで・・」
光隆:「了解、探しますから 電波を出し続けてください」
 ・・・しばらく待っていると、光隆をはじめハム仲間の車5・6台が応援に駆けつけてくれた。FOXハンティングの要領で探してくれたのだ。

<竹田城でのプロポーズの言葉>
竜太:「帰ったら竹田に向けてアンテナを固定しようと思います」
咲子:「じゃあ、私のアンテナも喜茂別に向けて固定してくれる」
竜太:「そうですか、じゃあ明日立つ前にアンテナを直します。それから受信機の周波数を決めようと思って・・」
咲子:「私と竜太さんのホットラインをつくるわけね!」

<北海道に帰って半月ほど経ったある日、シャックで工作をしていると・・・>
咲子:「JA8TKO こちらJE6SGS JA8TKO お聞きでしたら応答願います」
竜太:「JE6SGS こちらJA8TKO 明瞭に入感しております どうぞ」
咲子:「こちらも まるで隣に居るみたいに聞こえる」
竜太:「そうだね」
咲子:「実はね今日通知が来たの、青年海外協力隊から・・・・アフリカに行けることになった。場所はまだ分らないけど」
竜太:「おめでとう」
咲子:「でも何だか怖いわ」
竜太:「わかるよ。 でもきっと君のためになると思うんだ」
咲子:「2年間は永いわ」
竜太:「過ぎてしまえばすぐだと思うな。あっそうか 今度はアフリカに向けてアンテナ固定しないと・・・」
咲子:「待っててくれる」
竜太:「待ってるとも」
咲子:「ありがとう」
 こうして二人の想いがめでたく結ばれたところでエンディングとなる。

●感想
この頃はバブルが始まりかけた時期でしたが、ハムはまだ良き時代の雰囲気が残っていたようですね。テレビドラマでハムが登場するのも珍しいですけど、これほどハムシーンが多く採用されているドラマは貴重ですね。通常のQSO、FAX受信、家族との連絡、海外とのDX、人命の救助に関する通信、事故の救助要請、FOXハンティング、恋人とのラグチュー・・・ハムの様々な要素が盛り込まれています。携帯電話も普及していない時代でしたので無線の便利さが強調されています。現在なら携帯とかメールでコミュニケーションをとることになるのでしょうが、それじゃ味気ないですよね。
 
相手を目の前にしてまで 「FBなラグチュー楽しかった、セブンティスリー」 「エイティエイト」なんて無線用語で会話しなくてもいいと思いますけど、最初はそれが嬉しいんだよね。一般の人には判らない用語を並べ立てることに多少の優越感もあるのだと思います。 そのあたりがマニアックな集団と奇異な目でみられてしまう要因でもあるのですが。 もしこのドラマで親友の鉄也もハムだったら、超マニアックな展開になっていたでしょうね。鉄也は無線用語がわからないから、「何それ?」っていう鉄也に説明することで視聴者向けに用語解説していることになりますから、人物設定としても良く練られた脚本だと思います。
ハムの慣習をかなりリアルに描いているのでハムにとってはわかりやすいドラマでしょうね。 でも一般の視聴者はどんな感想を持ったのか気になるところです。 これでハムに興味を持った人が少しでもいたとすればいいんですが。
 
タイトルの「じゃがいもと三日月」とは竜太と咲子のことを表現しています。女性を例えると三日月、つまり女は見えない部分のほうが多いから(マスターの弁)。それに対して竜太たちはじゃがいも。ダサくて本性が丸見えだから。でも見た目は悪くても素朴な人間性が素晴らしいというのがマスターの持論だ。
竜太のコールサインJA8は1975年まで割当てられていたから中学2年で取得という設定も合ってますね。咲子のJE6は1979年からだからビギナーということでしょう。これらのコールサインは当時も実在するものでしたから制作関係者のものでしょうか?住職の光隆のコールサインはフォネティックコードを使わないからよく聞き取れなかったですがJG6EEZのように聞こえました。時代設定からするとJE6だと思うけど、JG6なら当時は未発給ですね。

 
実はこのドラマは当時見逃してしまったのです。ちょうどアマチュア無線を閉局していた時期でしたので情報を知らなかったのです。数年後、無線仲間にそういうドラマがあったことを聞きました。このHPにて情報を募集していたところ神奈川県内のOMさんから昔録画したテープを提供していただきました。放映から20年近く経って始めて本作品を鑑賞することができました。ご協力に感謝いたします。   (2004年4月更新)
東芝日曜劇場のオープニングが懐かしい!
 


 
 
■ちびまる子ちゃん 
       第133話
 『まる子アマチュア無線にあこがれる』の巻
1997年8月10日 フジテレビ 日曜18:00〜18:30
制作=日本アニメーション・フジテレビ、 原作・脚本=さくらももこ、 監督=須田裕美子

さくらももこ原作の人気テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」でアマチュア無線が話題になったことがある。
第133話・サブタイトル「まる子アマチュア無線にあこがれる」の巻である。

声の出演=まる子:TARAKO、 長山くん:佐々木優子

●ストーリー&ハムシーン

夏休みに何もすることがなく家でゴロゴロするまる子であったが、母に文句ばかり言われるので仕方なく、宿題でも見せてもらおうと長山君に電話をする。すると長山君がすごい機械を買ったことを知り、途中で会ったハマジとブー太郎らと共に長山宅を訪れる。そこで昨日買ったばかりのアマチュア無線の機械を目にするまる子たち。

「すごい 宇宙船の中の機械みたい・・・やって見せてよ〜」

長 山:「じゃあ 今からやってみるね」
「ハローCQ こちらは 7K1RNH ナガヤマと申します ナは名古屋のナ、ガは為替のカに濁点・・・・どちらかお聞きの局ありましたら よろしくQSOお願いします どうぞ」
まる子たち:「格好イイ!やっぱり宇宙飛行士みたい」
応答局:「ナガヤマさん こちらは 7K2ELF よろしかったら応答願います どうぞ」
長 山:「こちらは 7K1RNH ナガヤマです はじめまして」
応答局:「ナガヤマさん サブチャンネルを探してきますので このまま待機願います」
長 山:「了解しました」 「交信相手が見つかったんだ」
バンザーイと喜びまわるまる子たち・・・
相手(イノウエさんという大学生)との交信で、お互い近所だということもわかり、早速アイボールして昆虫・植物図鑑をもらう長山君。

知らない人と話しをして友達になれるなんてすごい・・・と感心するまる子たち。・・・自分もやりたいとあこがれる

家に帰って、家族を説得するまる子であったが、「おまえなんかにできるわけがない」と全く相手にされない。

次の日、まる子たちは再び長山宅を訪れ、免許の取り方などを詳しく聞く
長山君は無線の法律的な決まりやマナーを説明するが、難しそうでチンプンカンプンのまる子たち。
まる子:「どうすれば免許がとれるの?」
長 山:「僕の場合は講習会に行ったんだ・・・無線の勉強会で、週に2回、2カ月ぐらい通ったんだ」
まる子:「えっ〜 週2回、2カ月・・・」想像しただけで憂鬱になるまる子
「試験まであるの〜 どういう問題が出るの? ドリルみたいなの有るの?」
長 山:「あるよ!」 アマ無線の問題集をまる子らに見せる
それを見た まる子たち・・・(絶望的な音楽とともに)「絶対に無理だ! 問題解く前に読めない漢字がいっぱいある・・・絶対ムリ」
ナレーション:「こんな難しいドリルをやるくらいなら、おとなしく宿題でもやったほうがまだましだと、3人そろって思ったのであった」

ガックリと肩を落として家路につくまる子たち・・・「やっぱり私たちには無理だよね〜・・・」

そこへ自転車で野口さんが通りかかる
まる子:「野口さん・・・最近面白いことあった?」
野 口:「別に。しいて言えば、長山君が歩道橋の上で本をもらっていたことかな〜」
まる子:「何で野口さんがそんなこと知っているの?」
野 口:「なんででしょう・・・野口のなぞなぞで〜す」
まる子:「もしかして超能力があるの・・・教えてよ〜」野口の自転車を追うまる子たち。

実は野口さんは、既にアマチュア無線の免許を持っており、長山君の交信を傍受していたのだ。そして長山君らのアイボールの様子も見に行っていたわけである。

野 口:「言えやしない、言えやしない、私が無線の免許を持っているなんて、言えやしないよ、秘密、秘密  ケェケェケェ・・」とつぶやきながら帰って行く。

●感想
現代っ子を描いたアニメにアマチュア無線の話題ということで注目してみた。物語はともかく無線部分の内容はかなり核心をついたもので、未経験者では描けない脚本だと思った。現代風にアレンジはしているものの20年以上前のハムの状況を的確に表現しているようだ。後日わかったことだが、原作者の さくらももこさんは実はハムだったのだ。反響があったためCQ誌(1998年1月号)で、ちびまる子でハムを取り上げる経緯について本人が(編集部宛手紙で)説明されている。私は、アニメの細かい言動にも非常に懐かしさを感じたのですが、さくらももこさんは私と同じ年だということがわかり、同じ時代のハムの雰囲気を知っていたのだと納得しました。

最も感動したのが、長山君の無線機がなんと6メーター(50MHz)の名機「スカイエリート6」だったことです。この“通称スカロク”は24年前に私が無線をはじめたときの最初の無線機でした。そして野口さんの無線機は「FDAM-3」で、いずれも昭和40年代中頃のリグです。アニメだから無線機なんて適当に描けばよいのに、実在した無線機を忠実に描いているところに妙なこだわりを感じました。確かに当時は50MHzが入門バンドだったのです。
講習会が「週2回で2カ月ぐらい」という表現があったが、確かに当時は44時間の講習が必要で、短期集中講義でも10日前後、夜間や日曜コースだと2〜3カ月かかったのである。現在は試験も含めて11時間でわずか2日で終了します。

まる子たちが問題集を見た瞬間に「絶対に無理だ!問題とく前に読めない漢字がいっぱいある・・・」というシーンは、私が小学生時代に免許の勉強(私の場合は国家試験通信講座)をはじめたとき、全く同じように感じたことです。

当時は国家試験にしても講習会にしても現在のように簡単には取得できなかったし、取得できても無線機は非常に高価で金持ちしかできない趣味であったのも事実です。
ハムになりたいと親を説得するシーンで、まる子宅では「小学生なんかに無理だ」、ハマジ宅では「うちにはそんな機械を買う金なんてないよ」・・・となかなか理解されない様子を描いていた。当時は各家庭でそういったやり取りがあってハムになりたくてもなれないと涙をのんだ少年も多かったのです。

野口さんも免許を持っていたが、クラスの誰にも教えていないようだ。当時は小学生のハムはヒーロー的存在だったので、免許を取れば自慢げに見せびらかすものが多かった。一方で免許を取ってもクラスのみんなにバレないようにして、友達のラグチューをタヌキワッチして情報を得るものも結構いたようだ。(私はどちらかというと後者でしたので、野口さんの心理はよく理解できます)
 2002年10月
 
登場した無線機, ボタンの位置や形状まで忠実に描かれている
▲スカイエリート6 [ SKYELITE 6 ] (日新電子) ▲FDAM-3 (井上、現アイコム)
あら捜し
●物語の舞台は静岡県清水市(現在は合併して静岡市)、つまり2エリアなのに1エリアのコールサインだった。
実在するコールサインだから放送関係者のものか?

●コールサインを“セブンケー、ワンアールエヌエイチ”と妙な所で区切って発音する。監督も声優も読み方を知らないのだから仕方がないと思うが。欲を言えば、フォネティックコードを使ってほしかった。そうすれば、さらにハムらしくなるし、ハムに興味を持つ視聴者も増えたのではないかと思われる。

●「サブチャンネルを探してきます」というのは通常はCQを出した側(長山くん)ではないのか。

●「昨日買ったばかりの無線機」・・・無線機を申請して許可が下りるまで約1カ月かかるのだが。まあ昔は技適証明ではなく保証認定だったので、購入予定の機種名で購入前に免許申請するという裏技も可能だったから、そこまで考えて脚本を書いたのかな。

●野口さんが長山君の電波を傍受して、アイボールシーンを見に出かけるのは、電波法的には微妙(傍受した内容を窃用)な行為です。でも実際によくやりますけどね。それから、「言えやしない、秘密、秘密」というのは、傍受した内容を他に漏らしてはならないという部分を忠実に守っているとも解釈できます。電波法まで考慮して脚本を書いたのかな。

 
さくらももこさんの編集部宛の手紙が掲載されたCQ誌’98年1月号
 ちびまる子,ハムの免許を持っていた

ハムの総合雑誌[CQ Ham Radio]の編集部に原作者さくらももこさんから手紙が届きました。その一部が掲載されました。

「実は私、高校の頃ハムの免許をとったんです。アマチュア無線部というクラブに入ってまして、講習会に通って試験を受け、苦労してとったのにぜんぜん熱心にやらなかった・・・
 あの「ちびまる子」のTVアニメの脚本も、私自身がハムの免許をとったり、やったりしたことがあったので、長山君にハムをやらせてみるのもいいかもしれないなァと思って思いついたものだったんです。・・・」


現在は無線局免許を切らしてしまっており、コールサインは持っていないそうです。

 上記の内容は一部です。詳しくはCQ誌本号を御覧下さい。
 
 

 
 
■ウルトラマン メビウス 第45話 「デスレムのたくらみ」
2007(平成19)年2月24日 TBS系 土曜日 17:30〜18:00
製作:円谷プロダクション、 製作・監修:円谷一夫、 脚本:太田愛、 監督・特撮監督:村西宏實

ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品として 2006年4月8日から2007年3月31日まで CBC・TBS系列で全50話放映された巨大特撮ヒーロードラマです。シリーズとしては16作目で、過去のシリーズの名場面や登場人物などの設定が関連付けらた脚本になっているのが特徴です。
本作の45話にアマチュア無線が登場し、物語りの重要な役割りを果たしました。
この回はウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)が登場し、郷秀樹役として団時朗(当時=団次郎)が出演しました。

●キャスト

五十嵐隼士(ミライ/メビウス)、仁科克基(リュウ)、渡辺大輔(ジョージ)、
内野謙太(テッペイ)、斉川あい(マリナ)、平田弥里(コノミ)、田中実(サコミズ隊長)、
石川紗彩(ミサキ ユキ・総監代行)、きくち英一(きくち電器商会社長)、団時朗(郷秀樹)

●ストーリー

隊員たちが乗ったフェニックスネストが月から帰還・・
しかし待っていたミライの目の前で何者かの攻撃を受け大爆発してしまった!
報道によると生存者はジョージただ1人だという。
しかしミライは仲間の死を信じない。意識の戻ったジョージに真相を聞くと
GUYSの隊員たちは、四天王の1人・デスレムの人質になっているのだという。
メビウスが地上での完全な敗北を認めれば仲間を地球に戻してやるという。
その時デスレムが街に出現。ミライはメビウスとなるが仲間の命を想って戦うことができない。
GUYSの隊員が人質になっていることを知った市民は
仲間のために戦えないメビウス、そして人質になった隊員たちを非難し始める。
市民と仲間とどちらが大事なのかと問い詰められたミライは、
絶望だと報道されたとき一緒に悲しんだ市民が隊員が生きて人質になっていることを知るや一転して非難する市民達に疑問を感じ始める。
そんなミライの前に、郷秀樹・ウルトラマンジャックが現れた。

デスレムがフェニックスネストを閉じ込めた球体状の見えない牢獄は外からの波動を吸収してしまうため、人間の目にもレーダーにも映らない。しかし、内側からあらゆる周波数の電波を放てばどれかが通過するのではないかと考えたテッペイの予想が的中し、アマチュア無線の周波数がこれを通過・・・そしてきくちさんのアマチュア無線機が電波をキャッチした。
きくちさんがTV局(KCB)に知らせ、街の大型ビジョンに映し出された無線機からリュウのメッセージが流れた・・
それを聞いたメビウスが奮起し、ジャックと協力して敵を退治した。

●ハムシーン
きくちさんがGUYSを非難する論調の新聞を苦々しく見ている時CQ呼出が聞こえて応答に向う
「CQ 430 CQ 430 こちらのコール ジュリエット シアラー ワン ジュリエット シアラー・・・」
================================================
街がデスレムの攻撃を受け、きくちさんも電気店から避難しようとしたところ無線機から雑音交じりの音声が聞こえる

「通信を受信している方 応答願います。こちらフェニックス**」
きくち:「フェニックスサムシング こちらのコールJK1・・」

フェニックスネストからの電波だと分かったきくちさんがTV局に知らせ、中継車がやってきて無線機の映像を街の大型ビジョンに流す・・

リュウ:「立ち上がれメビウス そして戦うんだ 俺達にかまうな メビウス戦え 俺達のことはいいから 人々を守るんだ・・」

●感想
アマチュア無線で地球が救われたことになりました。
アマ無線は仕組みが単純だから災害や非常時に強い(役立つ)のは事実でしょう。
メビウス公式サイトのWEBメビナビでは・・
「テッペイが放った50MHz帯の電波・・」となっているが、430MHz帯の間違いだと思う。
リグはFT-726で433・・という周波数表示も読み取れました。
その上に50MHzのリグ(TS-600)もあったが、マイクが繋がってないし電源も入ってなかった。
撮影協力:富士無線電機・・となっていたので、このリグは富士無線が貸し出したのでしょう。

ハムシーンでは いずれもコールサインがプリフィックスのみだったのが残念です。
シアラー じゃなくて シエラー だろ・・・とかいう細かいツッコミはさておき、
TVや映画ではスタッフのコールサインを使うケースが多いのだが、
アマ無線の人気低迷でコールを持っているスタッフがいなかったのでしょうか。

メビウスは40周年記念作品ということで、各回で過去のシリーズと関連付けされています。
今回はウルトラマンジャックとその人間体である郷秀樹の登場です。
ジャックの姿を見たきくち電器商会のきくちさんが 「ウルトラマンが帰ってきた」・・と叫びました。
ジャックとは昭和46年に放映された「帰ってきたウルトラマン」ですね。
そして、きくちさんは当時帰ってきたウルトラマンのスーツアクター(中身の人)です。
そのあたりの小ネタは当時テレビっ子だった現在40歳代以上の人には少しは受けたかな?
過去のウルトラシリーズでアマ無線が登場したのも、
このページでも紹介している帰ってきたウルトラマンの【怪獣チャンネル】でした。

人間の身勝手さに地球を守ることへ葛藤しているミライに対して郷秀樹が・・
「それでいいんだメビウス・・人間の美しさも醜さも知ってこそ本当に好きになれるのだ」 とアドバイスする。
この葛藤は郷秀樹も【怪獣使いと少年】などで経験済みです。
リュウの「戦うんだ メビウス・・」というメッセージは、
帰りマンで、MATの伊吹隊長が虚無僧に扮して現れ「行くんだ郷・・」と諭していた場面の回顧かな。

最後に仲間の無事を喜び合うミライ達を見た郷秀樹が
「GUYSという家があり、仲間がいる」とつぶやいて去って行った。
この言葉も【怪獣使いと少年】で郷隊員が天涯孤独な佐久間良少年と比べて、
「僕にはMATという家があり、隊長という父があります」・・と言ったことに絡めてますね。

“セブン”とか“帰りマン”はテーマが重かったのだが、なんかメビウスは全体的に軽いんだよね。
自分的にはCGを安易に使いすぎるとか、ちゃらちゃらしたキャスティングとかも気に入りません。
このあたりの文句はブログのほうに書くことにします。
昔のシリーズに絡めることはウルトラマン世代にとっては感慨深いのだけれど・・
重いテーマを軽々しく扱ってほしくなかった気持ちもあります。
特に怪獣使いと少年の続編としたメビウス32話「怪獣使いの遺産」はやらないほうが良かったと思う。
スタッフの懐古の情も度が過ぎると自己満足みたいな感じになりますから・・。

無線をキャッチしたのが【怪獣チャンネル】のツトム君だったら面白かったのに。
さらに アマ無線の中継映像を流したのがTV局じゃなくて、
電波怪獣ビーコンの子供だったら自分的にはGoodです。 
(2007年11月更新)

 

  
 
ハムと映画 パート1【映画編】
 
  
     
 
 
スカパー! レンタルサービス