第21回 : British Music Information Centre

 ロンドンにBritish Music Information Centreという機関があることを知りました。所蔵している楽譜について言うと、約2600人の英国の作曲家による、およそ31,000の作品をもっているといいます。この数字には印刷楽譜も手書きの楽譜も含まれているようです。やや少ないのではないか? とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、このセンターが現代イギリスのクラシック音楽のためのライブラリーだからです。ですから、所蔵している楽譜も1900年以降の作品だと書いてあります(バッハやモーツァルトの全集くらい持っていないのかなと疑って、検索をしてみましたが、見事にふられました)。日本にいる私たちは、ある作品について刊行されている楽譜があるのかどうか、その曲の録音資料をこのセンターがもっているかどうかを参照し、役立たせることができるというわけです。さっそくホームページを開けてみましょう。

British Music Information Centre[BMIC]
URL: http://www.bmic.co.uk/

検索画面を呼び出そう
トップページ
が表示されます。その画面の左上のほうに、いくつかの項目のボタンが用意されています。中に score search というボタンがありますからクリックしましょう。
Online Database BMIC という画面に切り替わります。このページの一番下のほうに、やや薄い色で書いてある Go to the Database Search の箇所をクリックすると、検索画面が呼び出せます。でも、あまり先を急がずに、このページに書いてあることがらを簡単にまとめておきましょう。
    約30000の楽譜、約15000の録音資料が検索できる
    これらの資料はBMICの館内で参照するだけで、館外貸出は行なっていない
    録音資料のコピーは一切応じない
    楽譜でコピーできるのは一部である(データベースの出版者の項目に'BMIC/ Composer'とあるもの

    New Voices というコンテンツにある、若いイギリスの作曲家の楽譜は注文できる
New Voices については、今回あまり突っ込んで書けないと思います。このページを開くと左側に作曲家の名前があり、クリックすると、Real Player をインストールしてあれば作品の音が(一部)聴けます。
さて、お待たせしました。いよいよ本題に進みましょう。

検索してみよう
先ほどのページで、Go to the Database Search の箇所をクリックして検索画面(Search Screen)を呼び出しました。

検索項目は作曲者氏名、性別、タイトル、編成、カテゴリー、そのほか出版者などなどがあります。
「へぇっ」と思ったのは氏名です。作曲者の名前、苗字の順にボックスが配置されています。図書館で著者や作曲者から検索しようと思うと、苗字を先にもってくるのが通例なのです。はっきりわかっているのは苗字だけとい方、大丈夫ですよ、苗字(Surname)の方に入力して、それだけで検索を始めてもいいし、それでは余りにも結果が多そうだというときは、タイトルなど他の項目を入力してから検索してもいいでしょう。

性別の項目があるのにも感心しました。男声ならM、女性ならFと入力するのです。この項目とカテゴリーを組合わせると、たとえば女性作曲家によるソロ曲とかオペラなどというように、効率よく探せていいですね。

要は、自分で検索項目のボックスを選んでコトバを入力し、Search ボタンをクリックすると自動的に検索してくれます。もちろん結果ゼロという場合もありますが、資料をもっていれば一覧形式の結果が表示されます。

検索結果を見る
一覧形式の検索結果は<作曲者  タイトル  作曲年  編成>の順
で示されます。このうちタイトルの箇所がクリックできるようになっています。試してみましょう。
楽譜の、いくぶん詳しい情報が表示されます。作曲者、タイトル、あればサブタイトル、編成につづいて、出版者が表示されます(コピー可能な資料には'BMIC/ Composer'と表示されるのでしたね)。右側の段にもまだ情報が載っているわけですが、どういうわけか、その部分が少し切れて見えます。この小さい画面の上にある青いバーを、左側にグ、グーっとドラッグしましょう。ハイ、よく見えるようになりますね。およその演奏時間がわかる資料も少なからずありますから、これが役立つ! という方もいらっしゃるかもしれません。BMICのどの書架にあるかまでわかります。

ここで、一覧リストに戻りたければ Back to Listをクリックしますし、その曲の録音資料がないかなと思ったときは Recording Details をクリックします。

後者をクリックすると、BMICで所蔵している録音資料のデータがわかります。FormatとはLPレコードなのか、CDなのか、カセットテープなのかといった形の別を、次に演奏者を、さらに左側の下のほうには、発売番号(Catalogue Number)が付いています。CHAN 8936とあれば、Chandosの8936と読み替えてやります。CDを見慣れている人のほうが理解しやすい仕組になっていますが、まあ、これは右側最上段のBMIC CAT NO.がありますから、この程度のおおざっぱな情報でも行けば分かるという割り切りもあるのでしょう。

ちょっと興味をそそられるホームページです。今回は資料の検索について書きましたが、平日の昼12時から夕方5時まで開館し、入場は無料、アポイントメントをとる必要はないよ、と書いてあるページがありました。住所や電話番号などは、そちらでチェックしてくださいね(そうは言っても、簡単に行けないか・・・)。
【2000年6月15日記】


トップページへ
図書館蔵書を調べるへ
前のページへ
次のページへ