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| P68 | かつて十代は大目にみられることはほとんどなかった。だが今では若さという偽り の神が崇拝されている。 | tolerate : 我慢する,許容する、 worship : を崇拝する,礼拝する、 false god : 邪神 |
| 1 | 十代の言い方をちょっとまねて、あのね、十代はほんと分かってないんだ!そ う、今の十代にとっては人生は全く素晴らしく豊かだ。彼らは成人を祝う時代に 成人になろうとしている。標準的な青年のあこがれのためには、WBにそれを探索 する番組がある。初めておきまりの人生のアイロニーにぶつかった時には、それ を嘆くチャットルームがある(http://TeenGripe.com)。CDを買うニキビ面のポ ップスファンのために、顔の良い若者がデビューアルバムをリリースする。この 頃では十代であることには何の努力もいらない。ルネサンス期にはルネサンス的 教養人になるのに何の努力もいらなかったのと同じだ。こういう若者には大人を 越えた時代に生きていくのがどんなに大変なことか全然分かっていない。 彼ら は・・・・わかんない、今のは忘れてくれ、ともかく。 | get it : 分かる,理解する,しかられる,電話に出る,罰を受ける、 phat : 素晴らしい,かっこいい【語源】pretty hot and temptingの略、 come of age :成熟期に達する,成人になる、 adolescent : 若者、 yearn : 切望する、 cliched : 決まり文句が入った,言い古された、 encounter : 出会う,遭遇する、 chat room : チャットルーム、 lament : 嘆く、 pimply : にきびだらけの、 punk :青二才,若造,ガキ、 complexion : 外観,顔貌、 grownup : 《形》成人した,《名》成人、 dunno : 《動》知らない、 |
| 2 | 私が一〇代だったのはかれこれもう二〇年も前のことだ。記憶が確かだとする ならば、私は今とは非常に異なる環境の中で青年期を経験した。確かに、今も変 わらずこの時期を特徴づける同じジレンマと苦闘した。私は誰なのか?私の人生 は私をどこに連れていくのか?女の子と楽しむのはいつだろうか?他の誰もと 同じように、仲間には従いながら年長者には反抗するという謎を解決しなければ ならなかった。思春期の特効薬が見つかるまで、これらの疑問に取りつかれる若 者は常に存在するだろう。変わったのは、こうした問題にとらわれている若者を、 世の中全体が放って置かなくなったことだ。 | if memory serves : 記憶が正しければ、 adolescent : 思春期の、 struggle with : 〜と格闘する,〜と戦う、 realm : 範囲,領域、 get naked : 大いに楽しむ、 riddle : 謎,難問、 defy : 反抗する、 conform to : に適合する、 one's peer : 自分と同格の人、 puberty : 思春期、 fixate : 固定する,定着する |
| 3 | 当然皮肉なことに、思春期の苦しみというのは、昔から強い孤独感だと相場は 決まっている。 誰でも青年期には決定的な場面で、「誰も私を分かってくれな い!」と孤独で苦悩に満ちた心底からの哀訴の叫びをあげたくなる時が訪れるも のだ、今日の一〇代はどのようにしてこの苦しい通過儀式を真に経験できるのだ ろうか?マーケッターが彼らを容赦なく探しだし、プログラマーが彼らをとても 良く理解する時代にだ。さらに、ハリウッドのタレントスカウトやシリコンバレ ーのヘッドハンターが彼らを探し求め契約を求めにやってくるのに、そもそも親 が自分を理解してくれるかどうかなどどうして気にするだろうか?往年の孤独 な敗北者でさえ、ダンジョンズ アンド ドラゴンズをして郊外の地下室に閉じこ もるなどということはもうせず、都心のロフトでホームページを立ち上げコンピ ュータを利用してベンチャー事情を企てている。芝刈りをしたりファーストフー ド店で働くような労働人口はほとんど残っていない。今日の十代は今の経済社会 においてかくも優勢な地位を占める。時代遅れの児童労働法がひっくり返されて 最高賃金と最小労働時間法ができるのも時間の問題でしかない。(実際、もっと 考えるべき問題は、一番稼げる時代を家庭や教室に閉じこめていて良いのかとい う問題かも知れない。)これは異常な社会経済状況だ。そしてこの状況の中では、 私も子供より優位でありたいと奮闘するアメリカ人の最初の世代の一人なのである。 | affliction : 苦痛,苦悩、 adolescence : 思春期、 isolation : 孤独,孤立、 critical moment : 危機,危急存亡のとき、 anguish : 激しい苦しみ,悲痛、 heartfelt : 心からの、 plea : 嘆願,弁解,懇願、 rite of passage : 通過儀礼、 relentlessly : 冷酷に、 talent scout : タレントスカウト、 headhunter : ヘッドハンター,人材スカウト業者、 yesteryear : 近年,昨年,先年、 dungeon : 地下牢、 Web page : Webページ、 concoct : 作り上げる、 work force : 労働人口、 mow : 刈る、 lawn : 芝生、 flip : ひっくり返す、 antiquate : 古くさくする、 socioeconomic : 社会経済的な |
| 4 | 私が大人になる頃は、十代は祝福されることはなく、単に大目にみられていた だけだった。まるで社会が我々に「にきび面がなおって,そのピロロ〜ンと生 えただらしないヒゲを剃ってからまた来るんだね」と言っているかのようだった。 我々をどう扱ったら良いかを考え、善意の大人たちは、我々がお互いに慰め合 うかも知れないと思い、 我々を'ラップセッション'(合響集会:通例,形式張ら ない自由な構成の集団討議;特に共通の興味,関心,問題を持つ人々が出席する) へと導いた。私は青年期に受けるやりきれない冷遇を乗り切りたいとだ け願いながら十代の大半を過ごした。創造主が人間に付与した譲渡され得ない権 利を全面的に享受できるように、早く年をとって大人になりたい、背が高くなり たいと神に祈った。その中でも十一時過ぎまで外出している権利とバーに自由に 入る権利は特に重要だった。私は将来を信じて十代の時代を耐えた。そして今振 り返ってみると一度ならず二度までもウッドストックをみのがしてしまったこと に気づく。 | clear up : きれいにする、 cheesy : 安っぽい,ちゃちな、 mustache : 口髭、 well-meaning : 好意から出た,善意の、 herd : 集める、 rap session : 小規模で非公式の会合、 off chance :めったにないチャンス、 console : を慰める,元気づける、 awkward : ぶざまな,ぎこちない、 indignity :冷遇,侮辱、 pray for : 〜のために祈る、 please God : 神が許されるならば,場合によったら、 endow : 〜に与える,〜を授ける、 Woodstock :ウッドストック《1969 年 8 月 16 日 30 万人の聴衆を集めて New York 州で行なわれたロック音楽祭》 |
| 5 | 十代は社会からおしのけられるべきではないという議論はあってもしかるべき だ。だが実際は今や十代は崇拝されるようになってきた。どうしてそうなったの か知りたいところだ。私は完全に大人になった今、再び私を無視する2つの文化 的妄想が社会に広くとりついていると感じる。アメリカ文化には可能性と郷愁が ある。才能のある若者が最初で過去の有名人が二番目という考えに我々は魅了さ れているのだ。その間にはさまり、私のような何百万人というアメリカ人が未来 への可能性と、皮肉なことにはその結果である、名もなく死んでいく、この2つ の間の居心地の悪い歳月を生きている。そしてその時々のパラメーターは変わり 続ける。すたれたディスコの代表曲に合わせて我々の目はギャップの服を着た若 者を次から次へと追い、三十秒間瞬きをする気になれない。若者たちは我々をに らみ返し静かな自信に満ち、22の角を曲がる間違いを犯した者たちみなを嘲る。 おめでたいことに彼らは十年すれば彼らも十歳年取ることを知らない。 | shunt : 押しやる、 prevail : 広く行き渡る,流行する、 obsession : 強迫,強迫観念、 nostalgia : 郷愁、 prodigy : 神童,天才、 has-been : 過去の人,以前は有名だった人、 demise : 終焉,消滅、 discard : 捨てる、 anthem : 賛歌,祝歌、 pan : 見渡す,見回す、 bring oneself to :〜するように自分を仕向ける,〜する気になる、 blink : まばたきする、 brimming : 溢れるばかりの、 serene : 落ち着いた、 self-assurance : 自己満足、 mock : ばかにする |
| 6 | かつて正道からそれた古のイスラエルが金の子牛のひずめに跪いたよう に、我々は若者という偶像をあがめるようになった。だが恐らくそこには教訓も またあるのだ。かつては世界の寵児だったが、例の金の子牛は後に光沢を失い、 サーカスの余興で垂れ下がった乳房を見せるまで零落した。そしてやがては自己 嫌悪のため乳製品を受け付けなくなり、処方薬と同じ強さを持つデアリーイー ズの過剰服用で若死にしてしまった。どうしてそんなことを知っているかって? 十代アイドル週間に VH1の'あの人は今'という番組で、若者崇拝の悲しい結果を すっかり見たのだ。 | false god : 邪神、 wayward : 気紛れな、 Hebrew : ユダヤ人、 hoof :蹄,足、 golden calf : 金の子牛、 tarnish : 汚す,曇らせる、 sagging : 垂れ、 udder : 乳房、 circus sideshow : サーカスの余興、 self-loathing : 自己嫌悪、 lactose intolerance :乳糖不耐症,乳糖不耐性、 overdose : 飲み過ぎ、 Dairy : デアリー、 aftermath : (悪い)結果 |
| 7 | ブリットニー・スピアーズ、君たちも気をつけておいた方がいいよ。 |
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