When Will We Cure Cancer?

When Will We Cure Cancer?
(11.8.P58.1999)

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今回は VISION 21 HEALTH & ENVIRONMENT から
  坂本さんのサマリーです。お楽しみ下さい

ガンはいつ治せるのか?


語彙は主に『英辞郎』Ver.28から抜粋

by SHANNON BROWN LEE
 

大意

語彙

P58 遅かれ早かれ大部分の悪性のものは治せるようになるだろう。それ以外は付き合って いくことになるだろう  
1 希望的観測を話そう。全ての戦争を終結させる戦争や我々の容姿をよく見せる薬が将 来現れるかどうか疑問を持つのも悪くはないだろう。今年50万人のアメリカ人が病 気で死ぬかもしれないが、原因となる病気が病気というよりは冷酷な敵というような 言葉で議論されていることを考えると至極当然のことである。20世紀に於けるガン は19世紀に於ける肺結核と同じである。糖尿病や高血圧などよりも遙かに我々をど うしようもなく怯えさせ、いつ襲ってくるか分からない邪悪な力なのである。 implacable:執念深い tuberculosis:肺結核 insidious:潜在的な malevolent:悪意のある
2 問題はガンの治療法がすぐには現れそうもないということだ。10年以内に現れるこ とはまずないだろう。実際全てのガン患者をもとの輝かしい健康体に戻すようなただ 一つの治療法、一つの治療薬というものは決して出てこないだろう。その理由の一つ は脳から胸や腸に至るそれぞれのガンはおのおの異なるからである。 bowel:腸
3 ここでいいニュースを紹介しよう。10年以内には多くのガンは初期の段階で、場合 によってはガン細胞がわずか2、3個の段階で発見し、それらの細胞が悪性になる前 に抑えてしまう方法を医者は手にするだろう。さらに、いくらかでも正確に予測しよ うと思ってもできる人はいないだろうが、25年以内には全てとは言わなくとも大抵 のガンを快方に向かわせ一部のガンは完治させることもできる新しい薬を期待できる 理由がある。「我々は今、ガンの治療法の本当に重要な変化のまっただ中にいるの だ。」と国立ガン研究所所長のリチャード・クロースナーは言う。この変化とは要す るに開発中の治療薬のまさにその数のことを言っている。あまりにも多過ぎてそれら 全てをテストする臨床研究医の能力を越えてしまう恐れがある。 malignancy:悪性 ameliorate:向上させる
4 この喜ばしいガン治療薬の開発ブームはその初期段階に今世紀最大の科学的洞察が あったからである。つまり様々な時代の人たちが信じてきたようにガンの原因が鬱病 や毒気、性的抑圧にあるのではなく欠陥遺伝子にあるという考えである。全ての腫瘍 は残念なことに、時には複数の、少なくても2つの突然変異の遺伝子で影響を被って しまった細胞が一つでもあれば発生するのである。そしてこの突然変異によってその 細胞はあっという間に増殖し、通常の遺伝子が新しい組織の成長を正常に維持するた めに行っている監視を免れるのである。 miasmas:毒気
5 この認識がこの10年ほどの間にガンを全く得体の知れない病気からかなり理解され るようになった分子構造の疾患へと一変させた。生物学者たちは今、第二段階の洞察 の最中にある。つまりそれぞれ次の世代のガン細胞が突然変異を蓄積しながら、ダー ウイン風に言えば、腫瘍は進化するという認識である。「適者生存はガン細胞にも当 てはまるのだ。」とシカゴ大学の臨床研究の副学部長リチャード・シルスキーは言 う。「我々はガンを病気ではなく遺伝子のプロセスとして捉えている。」 machinery:機構 epiphany:出現 survival of the fittest:適者生存
6 この新しい考え方は遺伝子のプロセスを操作し多くの人たちの命を救うことができる 医療技術に拍車をかけた。「我々は診断と治療から予測と予防へのシフトを目の当た りにするだろう。」と『Dr. Susan Love's Breast Book』の著者であるカリフォルニ アの外科医スーザン・ラブは明言している。実際もし現在の臨床試験がうまくいけば 間もなく乳ガンの危険性の高い女性は胸の細胞のサンプルを乳首を通して採取する器 具で検査することができるだろう。もしガンを引き起こすような突然変異の初期の兆 候が細胞にあればタモキシフェンを医者は薦めるだろう。これはガンになる前の段階 の細胞を抑えることにより乳ガンになる危険性を減少させるとされている。副作用が さらに少なく乳ガンを防ぐこともできる薬の開発はすでに進んでいる。 tamoxifen:タモキシフェン(ガン治療薬) precancerous:前ガン状態の
7 5年以内には他の多くのタイプのガンでも初期段階での発見が可能となるだろう。腫 瘍になりつつある大腸ガンの細胞を探すのに必要なのは便のサンプルだけになるだろ う。そして新しいCOX-2 抑制剤は鎮痛剤として改良されたものであるが、ガンになる前の段階の細胞が成長す るのを防ぐことができるのである。あと10年近く経てば簡単な血液検査で様々なタ イプのガンの兆候に医者は気付くことができるだろう。 colon:大腸(狭義では結腸を意味する) precursor:前兆
8 しかしさらに進行したガンの治療は我々が思っている以上に実現は遠い。はっきりし ているのはすでに拡大し始めたり転移し始めたりした腫瘍に勝つためには腫瘍学者が エイズの治療法を真似て異なった働きをする薬を調合して使用しなければならないと いうことだ。 over the horizon:兆しが見えて take a page:真似る metastasize:転移する
9 なぜなら腫瘍は突然変異したさまざまな遺伝子を含んだ細胞でできており、それぞれ が異なった破壊をもたらすのである。ある突然変異体は急速にガン細胞を成長させ、 あるものは近くの血管に新しい毛細血管を作らせ、さらに他のものはガン細胞を血液 の中に送り込んでそこで新しい腫瘍を植え付けることができるのである。「10年以 内に我々は突然変異体の遺伝子を分析し特定の腫瘍に合わせた治療法を作るだろ う。」とマサチューセッツはケンブリッジのホワイトヘッド研究所の癌生物学者ロ バート・ウエインバーグは予測する。 hodgepodge:ごちゃごちゃに混ぜたもの sprout:芽を出す capillary:毛細血管
10 いつかは悪性腫瘍になる途中の各段階でガン細胞を倒す薬が現れるだろう。肺ガンの 患者であれば、例えば遺伝的に変化させた風邪のウイルスを吸入するような遺伝子治 療を受けるかもしれない。このウイルスは感染は引き起こさないがその代わりにp53 遺伝子のコピーを運ぶ小さな配達用のバンとして働く。この遺伝子のコピーは多くの ガンでは突然変異するが、いくつかのガン細胞を自滅させてしまうことができる。 p53の効果はガン細胞の表面に付着して、体の成長因子(細胞を増殖させる専門のタ ンパク質)を乗っ取ってしまう能力を阻害し腫瘍の成長を低下させる抗体によって高 めることができるだろう。 trip up:つまずかせる bolster:高める、支持する
11 もし腫瘍が広がることができるくらいに突然変異をすれば将来の医者はマトリックス プロティナーゼ抑制剤を薦めるかもしれない。これは経口投薬で周囲の組織を破壊し 乗っ取ってしまう酵素を腫瘍が利用するのを防ぐ新しいタイプの薬である。ガン細胞 やそれらの断片から作られたワクチンは体の免疫システムを高め、その免疫システム が腫瘍を認識し破壊してしまうことが分かっている。「これらは全て5年前までは夢 のような話だった。」とダラスのテキサス大学南西医療センター腫瘍治療研究のハモ ンセンター所長ジョン・ミアンナは驚いている。 bits and pieces:がらくた、断片
12 実現が近いものとしては、血管には関係のない要素で新しい毛細血管の成長を抑える 比較的無害の化合物がある。この新しい種類の薬は腫瘍への血液供給システムを成長 させなければ細胞は数十万以上には増えない、つまりコショウの実くらいの大きさ以 上にはならないという考えに基づいている。6社あるバイオテクノロジー関係の会社 の株主は言うまでもなく、研究者や患者もこの化合物の臨床試験の結果を心待ちにし ている。もし結果が良ければ化学療法と併用して大きな腫瘍を破壊し、さらに生き 残った腫瘍が成長してダメージが大きくなるのを防ぐことができるかもしれないの だ。 antiangiogenic:antiは「反」、angioは「血管の」、-genicは「…を生成する」 peppercorn:コショウの実
13 これら将来のシナリオの基となる仮定はおおかたの研究者には受け入れられ始めてい るものの、多くの患者にとっては明らかに受け入れがたいものである。なぜなら一部 のガンの治療には患者の長い余生を必要とするかもしれないという予想に基づいてい るからである。ガンへの宣戦布告から100年、腫瘍を絶滅させることが唯一当然の 結果であるという風潮があったがこれは想像外だった。しかしガンをコントロールで きる状態にするのは高血圧や糖尿病を治療するのと大差はない。「ガンを治すのは最 終的な目標だとは思ってはいない。最終的な目標は皆ができるだけ長く、そしてでき るだけ健康に暮らしていけるよう手助けすることである。」と全国ガン生存連合の執 行部長エレン・ストボールは言う。 embrace:受け入れる annihilate:絶滅させる
14 そう、全てのガンを21世紀中に治すことは恐らくできないだろう。しかしガンとの 付き合い方を学び取ることは大いにありそうだ。  


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