Elixirs for Your Memory

Elixirs for Your Memory
(9.13.P50.1999)

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今回は SCIENCE AND SOCIETY から
  坂本さんの初のサマリーです。記憶力の衰え始めたあなた!必読ですよ

記憶力の特効薬


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

By TAMMERLIN DRUMMOND
 

大意

語彙

P50 銀杏とハーブ製品の宣伝合戦、しかし万能なのか気休めなのか? blitz:集中攻撃、《話》(マスコミによる)大宣伝 ginkgo:銀杏 panacea:万能薬 placebos:気休め薬
1 躍起になって鍵を探すのがいやになったことはありませんか。 あるいは慌てて部屋 に飛び込んだはいいけど何を探すのか忘れてしまったことはありませんか。もしも記 憶力の衰えが気になるのならちょっとテレビをつけてみなさい。”Designing Women”で知られるかつてのスター、アニー・ポットと”シカゴ・ホープ”のヘク ター・エリゾンドが銀杏でできたハーブ補助食品という対抗版を売り歩いています。 あるいはウエッブサイトのwww.braingum.comをクリックしてみなさい。化合物である ホスファチジル・セリンから作られた“おいしい“補助食品について書かれていま す。どれもこれも脳の機能と記憶力を発達させるのに希望をもたらしてくれるもので す。 memory lapses: hawk:売り歩く duel:決闘、勝負 ginkgo biloba:銀杏
2 記憶力と集中力の衰えが気になり始めた人たちをターゲットにした全く新しい産業を 老齢化し始めたアメリカ人は作り始めた。健康食品の店では脳に驚くべき効果がある と謳っている商品を数多く見かけることができる。その種類もビタミンからエキゾ チックな香りのするハーブまでと幅広い。そのなかでも圧倒的な人気を誇るのは銀杏 である。これはもともと中国の東部に生息しているある観葉植物の親戚だが、その売 上は1997年には2億4000万ドルに達した。 concoction:調合、混合 rack up:成し遂げる、獲得する
3 この銀杏で人生が変わったと断言する人間はかなりの数に上る。大々的な宣伝も効果 的だったためこの製品は飛ぶように売れた。老舗の製薬会社でさえこの種の独自の製 品を売り出している。その一つであるベイヤー・コンシューマー・ケアは銀杏を添加 したビタミン剤を「記憶力集中力増進食品」の商標で売り出し、最初の年でなんと8 00万ドルの売上を計上した。 old-line:老舗の spike:加える
4 馬鹿げた質問だが本当に効果があるのだろうか。伝統的な治療家は中国の主要な薬で ある銀杏に全く疑問を持っていない。スーパーマーケットや健康食品の店で見かける 規制のない自然“医薬” 品を製造している栄養食品会社もしかりである。彼らが言 うには脳への血流を増大させることによってどういうわけか記憶力を高めることがで きるのだという。しかし第一線の専門家は銀杏や他の同様の製品に対しても疑問を投 げかけている。「こういった製品のほとんどは謳っている効果を保証するほどまでに は研究されていない。」とミネソタ州ロチェスターのメイヨクリニックの神経学者ロ ナルド・ピーターソン博士は言っている。一方老人医療の専門家はさらに素っ気な い。「この騒ぎは現在論争されている単なるプラシーボ効果の問題だ。彼らは記憶力 をよくしたいと思っている。だから実際に良くなっている。でも代わりに砂糖の錠剤 を与えてみるといい。恐らく彼らには違いがわからないだろう。」 geriatrician:老人病専門医 blunt:素っ気ない hoopla:騒ぎ run amuck:逆上する
5 当然の事ながら政府の研究者は、良くても悪くても何百万人という人たちがどのよう な効果があるのかも知らずにそういった補助食品を多量に摂取していることに懸念を 抱いている。国立健康研究所は軽い記憶障害にかかっている老人を対象に銀杏の効果 を研究し始めている。しかしその結果がわかるのには何年もかかるだろう。 understandably:当然の事ながら gulp:ごくりと飲み込む supplement:栄養補助食品
6 ところで即効性のある活性剤の研究において健全な精神とは何なのか?消費者はメー カーの言っていることやはっきりしない研究結果以外に知っていることはほとんどな い。その上銀杏や他の補助食品はFDAの規制を受けていないのでその効果や純度はブ ランドによってまちまちである。しかし一番困るのは製品のラベルを見る人が皆無に 等しいということだ。アスピリンや他の血液の粘度を和らげる薬を使用している人は 使用前に内科医に相談するようにと銀杏のラベルの注意書きにも書かれている。なぜ か?銀杏は抗血栓性があり血液の粘度を和らげる薬と併用すると内出血を起こす可能 性があるからだ。 potency:効果 don'ts:禁止事項 internal bleeding:内出血
7 一つだけ一般に認められているのは、記憶力を強化す補助食品についてはほとんど何 もわかっていないのでリスクを評価できないということだ。今まで研究の焦点はアル ツハイマー病患者とプリンストン大の研究所のマウス、“ドゥーギー”に当てられて いたが、老化の過程で一般の人の記憶力に何が起こるかについての研究は緒についた ばかりだ。「皆、自分の祖父に効くのなら自分にも効くに違いないと結論を飛躍させ てしまう。」と国立健康研究所の神経病理学者ジェリー・コット博士は言っている。 しかし実際はもっと複雑なのである。 neuropharmacologist:神経病理学者
8 記憶のメカニズムはまだ闇の中だ。脳はアセチルコリンなどの神経伝達物質と呼ばれ る化学物質とそれによって伝達される信号に関係しているのは誰でも知っている。学 習するに連れて脳細胞を連結しているシナプスが強化され複雑なネットワークを構築 していくが、シナプスは25才から55才までの間に約25%が衰えていき記憶を効 率よく再生することができなくなてしまう。 murky:暗い neurotransmitter:神経伝達物質 falter:鈍る retrieve:検索する
9 しかしいつの日か薬によってアルツハイマー病の進行を遅らせたり、さらには回復さ せたりする日が来るかもしれない。現在FDAの認可が下りて使用されているアルツハ イマー病に対する薬は2種類ある。アリセプトの商標名で売られているドネペジルと コグネックスの商標名で売られているタクリンである。両方ともアセチルコリンを破 壊する酵素の働きを阻止し、これまでたびたび症状の進行を遅らせた実績もある。動 物実験によれば軽度の記憶障害に対しても効果があるとしている。しかし副作用は生 半可ではない。コグネックスは肝臓に障害を与える酵素を増加させてしまい、一方後 発のアリセプトの方は大抵の患者は耐えることができるが下痢と嘔吐を引き起こして しまうのだ。 enzyme:酵素 side effect:副作用 no picnic:楽ではない diarrhea:下痢 vomiting:嘔吐
10 国立老化研究所は軽度の認知障害者に対するアリセプトの効果の研究に着手し始めて いる。もし我々がMCI(軽度の認知障害)にかかっているとしたらモール街から普通 に出られても車をどこに止めたかは思い出せないないだろうし、痴呆症なら車を持っ ていることさえ忘れているだろう。そしてMCIにかかっている65歳以上の人の半分 は5年以内にアルツハイマー病にかかる。アメリカ人でこのアルツハイマー病に苦し んでいる人たちは推定400万人と言われている。この病気は脳に障害を与え脳神経 を麻痺させるタンパク質が蓄積されるのが特徴で、人の名前や電話番号を思い出せな いという症状に始まり最後には全面的な痴呆症へと進行する。 embark on:着手する cognitive:認識の impairment:損なうこと consistently:いつものように dementia:痴呆症 be afflicted with:苦しむ gum up:だめにする full-scale:全面的な
11 国内の記憶力の衰弱に関する専門家は脳内のそういった変化を阻止する脳の強壮剤の 発見に期待をかけて一連の治療法をテストしている。細胞の損傷は重度の記憶力の衰 退に関係するが、それを減少させるビタミンCやビタミンEの様な酸化防止剤の大量 投与を専門家は考えている。理論的には脳の組織に損傷を与えるフリーラジカルと呼 ばれる科学物質を酸化防止剤が吸収するのである。しかし記憶を促すものがわからな いのと同様に酸化防止剤の効果もはっきりとはわからないのである。 memory-loss:記憶力の衰弱 tonic:強壮剤 megadose:大量投与 antioxidant:酸化防止剤 soak up:吸収する free radical:フリーラジカル
12 中にはビタミンEの大量投与が7ヶ月に渡ってアルツハイマーの進行を遅らせたとい う研究成果もある。大した成果ではないように聞こえるかもしれないが、しかしもし 我々にアルツハイマーにかかっている両親がいるとしたらそれは大きな成果である。 多くの老人病の専門医は軽度の認知力の低下に対してビタミンEを推奨している。 「わかっていることなんか何ひとつない。しかし医者は十分な証拠をつかんだという 感触を持っているし、副作用もない。」とジョン・ホプキンス医学研究所の記憶クリ ニックの所長であり、「記憶」という自助の書(マスターメディア14.95$)の著者で もあるバリー・ゴードン博士は言っている。 godsend:天のたまもの self-help book:自助の書
13 専門医はまたアルツハイマーに伴う炎症を和らげるナプロシンやイブプロフェンのよ うな炎症防止剤などの処方薬の投与を推奨している。一方で脳神経の成長を促進させ るようなエストラゲンの代替品から全く新しい薬品まで、脳を活性化させる治療は 様々な開発段階にある。近い将来ENA713(エクセロン)とメトリフォネートと いう新しいコリネステラーゼ抑制物質が発売される予定である。プリンストン大の実 験の目標であるNMDAレセプターにも関心を持っている。しかし記憶力を高める可能性 のある薬品のテストはまだ結果が出ていない。アルツハイマー病協会の医科学会の副 所長であるビル・サイ氏は言っている。「10年以内にアルツハイマーを予防する画 期的なものが出てくると私は思っている。」 inflammatory:炎症の inconclusive:結論のでない
14 その間我々には何ができるのであろうか?通常の老化に伴う記憶力の低下を防ぐのな ら「使いなさい、さもないと失う」という格言に従いなさい、と専門家は言ってい る。たとえ効果の理由はわからなくとも読書やクロスワードパズルを習慣的にすれば 驚くほど成果があるだろう。「ひとつもっとも確かなアドバイスをするとすれば活動 的であれということである。」とブランダイス大学の記憶認知研究所の副所長である パトリシア・タンは言っている。長い目で見れば常識的なダイエットと健康的なライ フスタイルが記憶力の活性化にはいちばんいいのかもしれない。 fend off:かわす


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