We Will Have a King over Us

We Will Have a King over Us
(9.13.P64.1999)

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今回は ESSAY から
  金野さんのサマリーです。ちょっと難しかったね

我々にはどうしても王が必要なのです


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

BY CHARLES KRAUTHAMMER
 

大意

語彙

P64 ジョージ W.は単に著名人にすぎないのか、 それともまた新たな政治の名門の 系譜となるのか? brand name :有名人,著名人、 dynasty : 王朝,王朝時代
1 1962年に、エドワード M. ケネディが兄ジョンの議席を受け継ぐべく、上 院に初めて立候補した時、対抗候補者が、この最年少で無名のケネディについて、 「もし彼の名前がエドワード・ムーアだけだったら、彼の立候補は冗談にしかな らないだろう。」と語ったというのは有名な話だ。そして今、知事としてそこ そこの業績をおさめた感じの良い男、ジョージ W. ブッシュについて、尋ねない わけにはいかない、「もし彼の名前がジョージ・ウォーカーだけだったら、大統 領候補として名前があがっただろうか?まして共和党の指名候補として他に大き く水をあけてリードするなどということは起こり得ただろうか?」 candidacy : 《名》立候補、 achievement : 業績、 presidential candidate : 大統領候補者、 let alone : 〜はおろか、 runaway : 楽々と得られた,楽勝の、 front runner : 先頭を行く選手、 Republican : 共和党員、 nomination : 指名
2 アメリカが1776年に熱狂の中独立したように、国家は君主制を廃絶するこ とはできる。だがそう簡単には名門を求める衝動を廃絶することはできない。ア メリカの王家の如き名門への憧憬は、我々のケネディ熱の中に最も顕著に顕れ ている。世襲はアメリカ政治の中へ浸透している。2000年の大統領選に向け ての眼下の魅力的レースをみるだけでもよく分かる。共和党の最有力候補二人の うち一人は、元大統領の息子で、もう一人は前回の共和党候補の妻なのだ(有名 な大富豪の息子が参謀長をしている)。 abolish : 撤廃する,廃する、 monarchy : 君主政治、 with zest : 熱心に、 dynastic : 王家の,王朝の、 impulse : 影響、 fascination with : 〜に魅惑されること、 royalty : 王室の人々,王族、 flagrantly :目に余る,はなはだしい、 obsession : 強迫観念,取り付くこと、 familial : 家族の、 succession : 継承,相続、 permeate : 〜に浸透する,〜に広がる、 glamour : 魅惑、 election year : 選挙年、 presidential candidate : 大統領候補者、 plutocrat : 富豪
3 さらに印象的なのはヒラリー・クリントンの上院選挙運動を包む霊気だ。ヒラ リーはニューヨーク州を回って有権者と対話集会をしているが、そこでは、定期 的に平民と紅茶を飲みながら話しを交わし、手をさしのべる英国女王さながら の雰囲気が漂うというのはよく知られた話しだ。クリントン夫人の持つ気品は、 うっとりとした目でドレスの裾を触れようとする行為を喚起させる。これは女 王の行幸や、かつての別の名門候補者の選挙活動で連想する光景だ。その候補 者もやはり上院の議席を求めてニューヨーク州に降り立った。1964年には、 興奮した群衆がロバート・ケネディのさしだした腕をひきちぎり、王家の衣装 の切れ端を持ち去るということもしばしばあった。 見ごたえがある,見栄えがする,目立つ,大した、 aura : オーラ,雰囲気,霊気、 bid :立候補の意志表明、 resemble : に似ている、 periodic : 定期的な、 descent : 降下、 chat : おしゃべりをする、 evoke : 呼び起こす、 starry-eyed : 非現実的な、 hem : 裾、 associate with : 連想する、 royal visit : 行幸、 campaign : 選挙運動、 in pursuit of : 求めて、 excited crowd : 殺気立った群衆、 outstretched : さし延ばした、 raiment : 衣類,衣服
4 だが王家の如き名門を求める衝動は、決してアメリカにだけみられる現象では 無い。インドネシアの最近の選挙では、メガワチ・スカルノプトリが彼女の政党 を勝利に導いた。メガワチは無名だった。政治的経験はなかったし、彼女の政見 はほとんど知られていなかった。だがそんなことは問題ではない。彼女はインド ネシア独立の父スカルノの娘なのだ。 by no means : 決して〜ない、 dynastic : 王家の,王朝の、 out of nowhere : 出し抜けに,いきなり、 political experience : 政治的経験、 political view : 政見
5 インドでは、30代半ばまでインド国籍さえもたなかったイタリア人女性が国民 会議派の首領におしあげられ、首相の最有力候補になっている。しかもソニア・ ガンディーは国会議員でさえないのだ。ではソニアの主たる資質は何なのか?そ れは配偶者の選択にあった。ソニアの亡き夫は、暗殺された大統領、ラジブ・ガ ンディーだ。そしてラジブ・ガンディー自身、民主主義の殻の中での君主制統治の 最新実験例だ。その家系の連続性はほぼ完全だ。初代インド共和国首相(ネ ルー)の娘(インディラ)も首相となり、インディラの息子(ラディブ)も首相 となった。ラジブの子供たちはまだ統治するには幼すぎるので、国民会議派は中 世において摂政政治と呼ばれたものを提案している。さしあたり亡き首相の奥方 に統治させよう。 elevate to : 〜へ昇進させる、 Congress Party : 国民会議派、 leading candidate : 最有力候補、 member of Parliament : 下院議員、 qualification : 資格証明(書),資質、 spouse : 配偶者、 slay :殺害する、 monarchical : 君主制の,君主制主義の、 beget :〈男親が子を〉こしらえる、 regency : 執権職,摂政政治、 widow : 未亡人、 for now : 差し当たり
6 だがソニアは、夫の後を継いだ草分け的存在ではない。コラゾン・アキノ とバイオレッタ・チャモロがいる。二人の夫は共に反政府指導者だった。そ してオットが暗殺された後、アキノはフィリピンの、チャモロはニカラグアの大 統領にそれぞれなった。だが二人は戦わずして大統領になったわけではない。そ れぞれ勇敢にも自ら革命の再結集地となり大統領にまで登りつめた。偉大な指導 者とベッドを共にしたということ以外にさしたる理由もなく大統領の地位にまで 登りつめたのはアルゼンチンのペロン夫人だ。もちろんエビタのことではない。 エビタは死後聖者に叙せられたが、決して統治には関与しなかった。妻が夫 に代わって統治した現在の最悪の例ペロンの3度目の妻、イザベラのことだ。ペ ロンはスペインに亡命している時にキャバレー・ダンサーのイザベラに会ったの だった。そしてイザベラはアルゼンチン史上で最もひどい大統領の一人となった。 spousal : 結婚の、 succession : 継承、 assassinate : 暗殺する、 opposition leader : 野党党首、 respectively : それぞれ、 get there : 目的を達する、 rally : 再結集させる、 discernible : 識別し得る,認識できる、 sore :心を痛ませる,腹立たしい、 consort : 配偶者、 cabaret dancer : キャバレーショーのダンサー、 exile : 亡命、 disastrous : 悲惨な
7 こんなにも多くの共和政体が政治的救済を求めて、こんなにも盲目的に血筋や 配偶者に頼っているのなら、いっそヨルダンやモロッコのような国をみる方がす がすがしい。そこでは全て開けっぴろげで正直だ。指導者が亡くなれば、長男が 後を継ぐ。混乱もなければ騒動もない。 slavishly : 盲目的にまねて、 salvation : 救済、 fuss : 騒動
8 もちろん、世襲による権力移譲がもっともよくみられるのは全体主義国家にお いてだ。シリアのアサダとイラクのサダムは、目下息子を後継者にすべく教育中 だ。北朝鮮では、金正日が神なる父、金日成の後継者となった。だが独裁国家に はたいして面白みはない。自分の後継者に権力を移譲したいと願うのは為政者の 常だ。だが被統治者もまたそれを願うというのは何故なのだろう?民主主義国家 において王家の如き名門を求める衝動が人心をつかみまたその衝動がかくも強い のは何故なのだろう? totalitarian state : 全体主義国家、 succession : 継承、 groom : 仕込む,訓練する、 throne : 王座、 dictatorship : 独裁政治、 heir : 後継者
9 たぶんアメリカのような先進資本主義国家においては、ブッシュやドールとい う名前が人心をひきつけるのは血筋よりもその名前の知名度の高さと作り出され たイメージに関係している。偉大な人物の子孫や配偶者は、その名前により信頼 を得る。ダイエット・ペプシを買うのは、ペプシというブランド名を知っていて それを信頼するからなのだ。ペプシが作るダイエット・ソーダだったら大丈夫に 違いないと考えてのことだ。特に、後期クリントン政権を回顧すると、民衆は ブッシュ父を知り好きになっている。ブッシュブランドを知り、今度はブッシ ュ子を試そうとしているのだ。 attraction :魅力、 bloodline : 血統、 brand : 銘柄,商標、 scion : 御曹子,子孫、 consort : 配偶者、 Pepsi : ペプシ、 diet soda : ダイエットソーダ、 be bound to :であるに違いない、 retrospect :回顧,追想
10 そうかも知れない。だが、ブランド志向の論拠はあまりに単純すぎる。なにし ろ君主制は資本主義よりずっと前にさかのぼるのだから。現在世界にみられる 王家の如き名門を求める衝動は、発達した消費者主義のあらわれというよりむ しろ、「いいえ。我々にはどうしても王が必要なのです」(サムエル記 8: 19) という最も原始的政治衝動の再燃なのだ。ここアメリカでは王権を4年間か8 年間貸すだけだ。これはヘンリー家とエドワード家の果てしない在位から みれば進歩だと思う。彼らはどんな人物であろうと死ぬまで王だったのだ。だ が我々が考えているほど進歩はしていないのだ。 rationale : 理論的根拠,原理、 monarchy : 君主政治、 predate : 以前に遡る、 expression of : 〜を意味する、 consumerism : 大量消費、 recrudescence : 再発,再燃、 nay : 否,否定、 stretch : 一続きの時間、 tenure : 在職期間、 buy a pig in a poke :よく調べないで物を買う、 for life : 終身の


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