Food Fight

Food Fight
(9.13.P40.1999)

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今回は BUSINESS から
  遺伝子組替え食品、日本でも少し話題になってますが、どうなんでしょう。危険性という のは何十年か経たないとはっきりしないからね〜。でも安ければ食べてしまうところ が怖い(^^;

食物をめぐる争い


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

BY JEFFREY KLUGER
 

大意

語彙

P40 遺伝子操作を受けた穀物に関して、アメリカとヨーロッパ諸国の間で 争いが激化 heat up : 熱くなる,一段と熱気を帯びる、 crop : 農作物
1 マクドナルドに勤める人々は、フランスで熱烈な歓迎などは期待していなか っただろうが、それにしても駐車場の肥料には驚いたに違いない。ここ3週間 というもの、フランスのどこのマクドナルドに行っても、芬芬(ふんぷん)た る肥料の山──さほど新鮮ではない果物や野菜は無論のこと──に遭遇する危 険があった。抗議する農民たちが店の前に放置したものだ。 folks : 人々,親しい人、 warm reception : 激しい抵抗,熱烈な歓迎、 manure : 肥料、 parking lot : 駐車場、 encounter : 出くわす,遭遇する
2 マクドナルドには農民を怒らせるものが一杯だ──どこでも同じという均一 性、平凡さ、これが料理だとして大きな顔をしていること──それでも当初 は抗議も比較的穏やかであった。抗議行動をする人達はマクドナルドを占拠 し、お客には代わりの食べ物、チーズやフォアグラを詰めたフランスパンを 提供したのだ。だが近頃、事態は険悪なものとなる。アメリカ独特の食べ物 ──特に、マクドナルドのビーフやバン、それにポテトなどマクドナルド製 品をマクドナルドならしてめている遺伝子そのもの──に、彼らは激しい嫌 悪を抱くようになっている。 sameness : 同一性、 blandness :〈タバコ・食べ物など〉刺激の少ない,口あたりのよい,おもしろみのない、 culinary : 台所の,料理の、 hegemony : 主導権,覇権、 at the outset : 当初は、 genteel : しとやかな、 baguette : 細長いフランスパン、 stuffed : 詰め物をした、 foie gras : フォアグラ、 turn nasty : 意地悪くなる、 bun :バン《うす甘の小さな丸パン; 香料または干しブドウなどが入っているこ ともある》
3 世界中の人々が、自分たちが食べているものの遺伝子構造を吟味するように なってきており、それに不安を感じている。ここ10年というもの、遺伝子操 作食物はますます当たり前のものとなってきた。アメリカなどの科学者が多 数の青果物の遺伝子を組替え、通常の穀物を、寒冷に耐えられるようにした り、除草剤に強くしたり、自ら殺虫剤を作り出すことさえできるように作り 変えたからだ。全部合わせると4,500ものGm植物がテストされ、少なくとも 40種──コーン13種類、トマト11種、大豆4種がそれには含まれている──が 政府の検査をパスしてきた。 genetic makeup : 遺伝子構造、 uneasy : 不安な、 genetically modified : 遺伝子操作された、 weave : 組み入れる、 fruit and vegetables : 青果物、 everyday : ありふれた,平凡な、 frost : 霜,寒気、 withstand : 耐える、 herbicide : 除草剤、 pesticide : 殺虫剤、 in all : 全部で,総計で、 soybean :大豆
4 米国に本社のあるモンサントとか、スイスに本社のあるノヴァティスAGといっ たバイオ企業にとっては、GM技術の興隆はすなわち稼ぎどきである。GM種の 売上は、1995年の7,500万ドルから去年は15億ドルにまで跳ね上がった。 しかも、彼らが作り出す穀物は作物そのものとして棚に並んでいるだけでは なく、クッキーやポテトチップ、ベビーフードといった加工食品となって現 れている。 biotech company :バイオ企業,バイオテクノロジー関連の会社、 Monsanto : モンサント《米国 St. Louis にある大手総合化学メーカー Monsanto Co. (1933 年設立) の略・通称, そのブランド; 同社傘下には New York に Monsanto Textile Co. があり, Monsanto は同社のナイロンやポリエステル 繊維のブランドでもある》、 boom times : 好況時代、 turn up : 現れる,姿を現す、 processed food : 加工食品、 baby food : ベビーフード,離乳食
5 しかし、多くの人が、誤謬を犯しがちな人間が他の種の遺伝子を操作するこ とが果たしていいのだろうかと疑問を投げかけている。実験室で科学の実験 が失敗することと、その実験の失敗が私達の食卓で明らかになることとは話 が全く違うのだ。今のところ、遺伝子操作された植物がなんらかの害をなし た形跡はない。それでも、欧州連合はGM穀物のいくつかは輸入禁止にしてい るし、1997年以降は操作遺伝子を含む食物はそれを表示するよう要請してい る。アメリカの貿易専門家の多くは、こうしたヨーロッパの行動を、もはや アメリカの経済力に脅威を感じないほどにまでますます力をつけてきたE.U. のごり押しがひとつ増えたぐらいにみている。そうかもしれない。だが現状 は、アメリカの議会も今秋独自の表示義務法案を提出するかもしれないし、 訴訟をちらつかせてその議題をとりあげさせようとする民間グループもある のだ。訴訟は別にしても、GM技術に対して世論は疑惑の目を向けるようになっ てきた。「フランスの農民は正しい」という意見を述べるのは、デニス・ク チニック、オハイオ州クリーブランドの民主党議員。彼はこの春偶然にもGM 食物問題に遭遇しそれを何とか運動といったものに変えている。「食べ物ほ ど個人的なものはありません」 fallible : 誤りを犯しがちな、 muck about : いじくる、 wind up : 結局〜する結果となる、 to date : 現在まで、 European Union : 欧州連合、 importation : 輸入、 label :レッテルを張る、 as such : そういう次第なので,従って、 tweak : 動揺,心痛,ひねり、 intimidate : 脅かす,怖がらせる、 bill : 法案、 lawsuit : 訴訟,告訴、 force the issue : 対決を迫る,決定を強いる、 legal action : 訴訟,法的行為、 public opinion : 世論、 House Democrat : 民主党議員、 stumble across : 巡り合う,遭遇する
6 実際のところフランスにおける抗議が世界的な問題となる前兆であるにして も、そうなるべきかどうかは決してはっきりしているわけではない。GM技術 が引き起こしている論争は別にして、現状はどうかといえば、バイオ関連会 社は素晴らしい植物をいくつか作り上げることに成功しているのだ。モンサ ントは、大人気の除草剤ラウンドアップを作り出したのだが、このラウンド アップの毒性に耐性のある、一連の遺伝子操作穀物でもヒット商品を生み出 した。これは、この会社の科学者が、通常のペチュニアから抜き出してこれ らの食用食物に組み込んだ遺伝子のお陰である。普通のバクテリアから取り 出したDNAの一部を組み込んで作られたGM穀物もあり、これは葉っぱを食べる 昆虫に対してはこの植物を毒性のあるものとするのだが、人間には無害であ るというもの。 outcry : 激しい抗議,怒号、 portend : 〜の前兆となる、 controversy : 論争,物議、 dream up :創り上げる,創作する、 herbicide : 除草剤、 big hit : ヒット商品、 genetically modified : 遺伝子操作された、 immune : 免疫になっている,受け付けない、 tweeze : 毛抜きで抜く、 petunia :ツクバネアサガオ,ペチュニア、 knitted : 《形》編んだ、 food plant : 食餌植物,食用植物、 scrap : 小片、 bacterium : 細菌,バクテリア、 render : にならしめる,〜にする
7 このように魅力がアップした植物が農夫に人気があるのは当然である。彼ら にしてみれば収穫がほんのわずかに増えてもその利益たるや莫大なものとな るのである。昨年アメリカでは、大豆の35%、綿花の42%がGM種で育て られた。モンサントを代表して、カレン・マーシャルはこう語った:「これ らは本当にたいしたものなのですよ。栽培者にとてつもない利益をもたらし ています」 souped-up : 価値が向上した,魅力が増した、 understandably : 当然のことながら、 yield : 収穫高
8 だがうまくいかないときにはどうなる?数年前、アミノ酸の量を増やそうと してブラジルナッツの遺伝子を借りた大豆を開発した会社がある。この大豆 はナッツのように成長したのだが──あまりに似すぎて、アミノ酸を量産す るだけではなく、ナッツに敏感な消費者にアレルギーを引き起こす可能性の ある化学物質も量産したのである。会社はすぐさまこの製品を破棄。この春 には、コーネル大学が発表した調査によると、殺虫剤を組み込んだコーンの ある菌株からできる花粉はオオカバマダラという、どうみても害虫とはいえ ない蝶の幼虫を殺す可能性があるという。「蝶が死に始めたとき、疑問を投 げかけるのは当然だと思いました」とクチニック。 soybean : 大豆、 thread : 糸、 Brazil nut : ブラジルナッツ、 boost : 高める,を増やす、 amino-acid : アミノ酸、 churn out : 量産する、 pollen : 花粉、 strain : 菌株、 built-in : 中に組み込まれた、 pesticide : 農薬,殺虫剤、 larva : 幼虫、 monarch butterfly : オオカバマダラ 《北米の移動チョウ》、 pest : 害虫
9 海外ではこうした疑問がここのところ持たれてきた。近年ヨーロッパの人々 は問題のある食べ物にますます敏感になっている──それも無理からぬこと である。1996年の狂牛病の発生、今年春にはダイオキシンに汚染されたベル ギーのニワトリ、そしてそのあと、フランスとベネルクスではコカコーラが 汚染されておりそのリコールがあった。それ以来、防疫官は市民の食べ物に は気を使うようになってきている──GMの食べ物には特に疑惑の目を向けて いるのだ。 jumpy : 苛立つ,興奮しやすい、 with good reason : もっともだ、 outbreak : 発生、 mad cow disease :狂牛病、 dioxin-contaminated : ダイオキシンに汚染された、 recall :不良品回収、 contaminate : 汚染する、 Benelux :ベネルクス《1948 年に発足した Belgium, the Netherlands, Luxembourg 3 国による関税同盟,60 年に経済同盟となった;またその 3 国の総称》、 health official : 防疫官、 fuss about : やきもきする,あれこれ気を使う
10 1990年以来、E.U.は18種のGM製品の販売を許可してきた。(米政府は、食べ 物のGM種の部分を単に添加物とみなしているので、それにはFDAの認可は必要 ではない。FDAの認可の代わりに、比較的許可が得られやすく認可基準の低い、 やや非公式な報告書が必要である)今年、E.U.は否認可のGMコーンの輸入を 禁止した。アメリカでは、GM種は通常の種と混合されているので、ヨーロッ パへのコーンの輸出は実質上全面的に禁止されたことになる。「新しく規則 が出来あがるまでは、新らしい種が出回るのを望んではいません」と、ドイ ツの環境相、ジャーゲン・トリットン。「事実上の停止です」 additive : 付加[添加]したもの、 FDA :アメリカ食品医薬局,食品薬品局、 subject : 服従する,支配下に置く、 high bar :【体操】鉄棒、 strain : 種族,菌株、 substance : 物質、 de facto : 事実上の、 moratorium : 一時停止
11 とはいえ、ある国の輸入禁止は、別の国では保護貿易主義となる。アメリカ はヨーロッパの行動に不審を抱いているのだ。ヨーロッパがホルモンで育成 されたアメリカの牛肉の輸入禁止を続行することに決定し、アメリカがE.U. の食品の何品かの輸出に100%の関税をかけると対抗してから、アメリカ とE.U.との間の緊張感はこの夏既に高まっていた。こうした反目の中に起き たGMの禁止と言うのは、分別ある結果というより仕返しのようにみえてしま う。おまけに、もしヨーロッパがGM食品をそれほどまでに心配するのであれ ば、なぜ、それを作っているであろうか?フランスはGMコーンを少々栽培し ており、ヨーロッパの他のどの国よりもこの作物を利用しているのである。 protectionism : 保護貿易主義、 run high :波立つ,感情が激する、 hit back : 反撃する、 tariff : 関税、 food export : 食品輸出、 catfight : いがみ合い、 vengeance : 復讐,仕返し、 prudence : 思慮,分別
12 大西洋を挟んだ食べ物の戦いは、11月に開かれる世界貿易機構の議題でも重 要事項となるだろう──モンサントのような会社にとっては朗報である。2年 前、ロバート・シャピロ会長は、会社の化学部門を切り捨てニューサイエン スに重点を置くという一大ギャンブルに出た。これによって一時はウォール 街でモンサント株はもてはやされたのだが、今では投資家の間ではさほど人 気がない。1年前のモンサントの株は63ドルもの高値をつけていたのだが、現 在は30ドル後半でくすぶっている。 transatlantic : 大西洋横断の、 agenda : 議題、 World Trade Organization : 世界貿易機構、 CEO :経営最高責任者、 gamble : 賭ける、 spin off : 除去する,分離独立させる、 Wall Street : ウォール街《New York 市の株式取引所所在地》,米国金融市場、 sweet on : 〜に夢中で,〜に惚れて、 perch : とまる,位置する、 lofty : 崇高な,非常に高い、 mire : 窮地に陥る
13 ワシントンにおける状況は事態をさらに悪化させる可能性を秘めている。国 会議員がまだ表示の問題に手をつけてさえいないので、民間団体が先鞭をつ けようとしているのだ。シエラクラブやグリーンピースなどの団体が、ユダヤ 系やイスラム系のグループと相俟ってこれに取り組み、FDAに表示に関して働 きかけたり、時にはそれを義務付けようとして訴訟を起こしたりしている。 法制化しようという彼らの要求は、FDAの内部資料でも支持されている。それ には、FDA内部の科学者がGM製品に関して疑念を抱いていることが記されてい るのである。ある科学者などは、遺伝子組替えによって作られた穀物と従来 の穀物とでは「相当な違い」があると表明している──ただし、違いがその まま危険というのではない、と強調してはいる。 lawmaker : 立法者, (国会)議員、 take the lead : 音頭を取る,率先する、 Sierra Club :シエラクラブ《米国の環境保護団体; 本部は San Francisco; 全国的 な問題や地元の問題 (同市の下水道問題など) に関してロビー活動を実施; 各国に支 部がある》、 wade in : 〜に決然と取りかかる,〜に加わる、 lobby :〜の通過運動をする,議員に働きかける、 file suit :訴訟を起こす、 compel : 強いる、 legal claim : 法的要求,法律上の要求、 bolster : 支持する
14 それにしても、表示の問題が沈静化しないことがワシントンでは明らかになり つつある。米農務長官ダン・グリックマンは、最後には活動家が勝利を収める だろうことを認めている。グリックマンが期待するのは、表示そのものは、消 費者に警告を与えるために書かれるのではなく、情報を提供するために書かれ ること。つまり、製品が遺伝子技術を利用して生産されたことを告げるだけで はなく、低コレステロールということも知らせるようにである。 go away : 姿を消す、 agriculture : 農業、 prevail : 勝利を得る、 genetic technique : 遺伝学実験技術、 low cholesterol : 低コレステロールの
15 今のところ、GM反対派が農産物に好意的な議会を通してできる最大のことは と言えば、バイオ関連企業が敬意を表してもいいし無視するのも自由といっ た自発的な表示を提案することだ。しかし、需要が優先する市場においては、 表示を無視するのは危険を覚悟のうえでなくてはならない。ヨーロッパでは、 ノバーティスの一部門であるガーバーベビーフード社が反GM感情に屈服し、 今後この会社の食品には遺伝子組替えされた原料は利用しないと発表した。 「この決定は、安全性の観点からではなく、消費者の好みに応じたものでし た」とノバーティスのスポークスマンは主張。最後の発言権を持つのは消費 者である、というのは、確かにこれが最後ではないだろう。 for now : 差し当たり、 foe : 反対者、 voluntary : 自発的な、 demand-driven : 需要増大による、 at one's peril : 危険を覚悟で,自分の責任で、 Gerber :《人名》ガーバー《米国 Gerber Products Co. 製のベビーフード; 1928 年より製造; 考案者で経営者 Daniel F Gerber (d. 1974) にちなむ》、 give in :屈する、 ingredient : 原料,材料,成分、 preference : 嗜好,優先傾向


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