Tick ... Tick ... Tick ...

Tick ... Tick ... Tick ...
(7.5.P18.1999)

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今回は COVER から
  ノストラダムスって知ってはいるが、冗談ぐらいにしか思ってなかったのだが。本気で 信じている人がこれほどいるとは(^^;

カチ…カチ…カチ…


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

By TIM LARIMER Tokyo
 

大意

語彙

P18 日本の多くの予言者が正しければ,世界は数週間以内,おそらく,数日で終わるであろう。彼 らは私達の知らない何かを知り得ているのであろうか。  
1 ああ,日本の夏。6月の雨にびしょぬれの人々は,モンスーンがやってくる前の,つかぬ まの休息を待ち望んでいる。あと数日で,子供達が色彩に富んだ折り紙を竹の枝に括りつけ,川 や小川に流す七夕となる。これが終わると,今年の夏,一年でもっとも人気のあるスポーツイベ ント―全国高校野球選手権大会が,カキーンというバットの音で始まるのだ。 語彙 folk: 人々 drench: びしょぬれにする brief: 短時間の respite: 一時的途切れ monsoon: モンスーン bamboo: 竹 branch: 枝 float: 浮かべる stream: 小川 sporting event: スポーツイ ベント the national high school baseball tournament: 全国高校野球選手権大会 get under way: 軌道 に乗る,始まる crack: カキーンという音
2 さて,そうなるであろうか。先に挙げた夢のような話は一時延期せよ。バット,ボールを しまい込み,七夕の折り紙は丸めてしまうのだ。今年は1999年。過去5年間,夢うつつでなかっ た日本のいかなる人物も,ノストラダムス―大昔に死んでいるフランスの占星術師―が,1999年 7の月に,この世の終わりを予言したことを良く知っている。さあ,目覚めるのだ。ヨハネの黙 示録は来週に迫っている。 語彙 on hold: 一時延期する pack away: しまい込む crumple: しわくちゃにする aware: 気づ いて Nostradamus: ノストラダムス (1503-66);フランスの医者・占星家 Michel de Nostredame の ラテン語名;NostradamusはOur Lady / Mother of God / Mary の意味で使われたペンネーム long- dead: 大昔に死んだ astrologer: 占星術師 predict: 予言する Apocalypse: ヨハネの黙示録
3 そう,これは起こりそうにない気がする。しかし,驚くべき数の日本人がこの警告を真剣 に受け止めているのだ。どのノストラダムス派を信じるかにもよるのだが,ほんの少しの期間で, 日本―そして,幾つかの筋書きには,世界の他の地域も―巨大な小惑星による爆撃を受け,正道 からそれた核ミサイルによって破壊される。さらにはキーキー鳴り響くロシアの宇宙ステーショ ン・ミールの炸裂地域として用いられ,核爆弾で武装した衛星を墜落させることでこなごなとな る。加えて大きな津波によって押し流され,荒廃させる台風によって打ちのめされ,ノアの洪水 を霧雨に思わせる(とてつもなく大きな)モンスーンの雨によって水中に沈められ,地震によって破 壊され,富士山の激しい噴火による溶岩で埋め尽くされる。さらには宇宙船に乗った宇宙人に侵 略され,巨大な毒性の雲によって窒息に追いやられ,北朝鮮のロケットには目標を定めらるとい ったことがありえるのだ。アフリカミツバチやゴジラに関する記述以外,この目録にはありとあ らゆるものが掲載されているのだ。 語彙 far-fetched: = unlikely to happen  warning: 警告 depend: 頼る faction: 党派 scenario: 予 定の筋書き bombard: 爆撃する asteroid: 小惑星 destroy: 破壊する errant: 正道から外れた  impact zone: 炸裂地域 creaky: キーキーいう space station: 宇宙基地(=space platform) 宇宙船の 燃料補給・宇宙観測などに用いる有人人工衛星 to bits: ばらばらに satellite: 人工衛星 armed with: 〜で武装した nuclear device: 核爆弾 mother: = the biggest, the worst;かつてSaddam Hussein が the Gulf War (1991)で用いた表現“This would be the mother of all wars”が起源とされている  whipsaw: ひどく打ちのめす devastating: 荒廃させる submerge: 水中に沈める Noah's flood: ノ アの洪水 drizzle: 霧雨 level: 破壊する smother: 埋め尽くす lava: 溶岩 volcanic: 火山の, 激しい eruption: 噴火 invade: 侵略する alien: 宇宙人 suffocate: 窒息させる toxic: 毒の  target: 目標にする killer bees:【昆】 アフリカミツバチ;攻撃性の強いアフリカ産ヨーロッパミ ツバチの一品種;アピス・メリフェラ・スクテラータ;毒性そのものはごく普通だが,何度も刺 すのでついには死ぬこともある
4 アラカワ・アキコは,その一例で,とても心配している。41歳のタイピストでウェブサイ トデザイナーである彼女は,テント,浄水機さらには緊急時の手引書を,日本の北端,弘前にあ る自分の隠れ場所にしまい込んで,最悪の事態に備えた準備をしている。彼女は,ノストラダム スの16世紀の予言は地軸が移動し,それに伴って起きる幾つか大洪水のような出来事を引き起こ すと確信している。彼女は,話に耳を傾けてくれる人には誰にでも,船を作ったり,キャンプ用 の備品を買い揃えたりすることで,その大混乱に備えるよう警告しているのだ。日本で急増して いる多くのノストラダムスのウェブサイトの一つに,どのようにしたら彼の予言が現実のものに ならないか想像できないと彼女は書き記している。「予言が現実のものとならなければ」彼女は意 見を述べた。「それこそ神秘となるでしょう」と。 語彙 plenty: とても worried: 心配している the worst: 最悪の事態 pack away: しまい込む  water purifier: 浄水機 survival guide: 緊急時手引き書 hideaway: 隠れ場所,小さな町 northern tip: 北の先端 convinced: 確信した prophecy: 予言 earth's pole: 地軸 (= earth's axis) shift: 変化 する simultaneous: 同時の cataclysmic: 大洪水の chaos: 混沌,大混乱 equipment: 備品  proliferate: 急増する opine: 意見を述べる mystery: 神秘
5 未だかつて世界の終わりを思い悩む,よりよい時代はなかった。来るべき至福千年の結論 は,至るところで黙示録的見解を呼び起こしている。例えば,非常時に備え缶詰や大量の弾薬を 買いだめしつつ,人里離れた場所にすでに身を潜めている不安な面持ちのアメリカ人もいる。論 理的志向に徹した人々でさえ,多くは,コンピュータの2000年問題が現代文明の多くを滅ぼすと 恐れている。だが,日本ほど過敏になっている国はほとんど見当たらない。(彼らにとって)この世 の終わりの恐怖は二次的なものではなく,メインの関心事なのだ。しかも,奇妙なことに,彼ら はノストラダムス,という自らの神秘的な警告を聖書に求めているもの,が描き出す未来像にの み,関心を寄せている。比較的無宗教に近い日本が,キリスト生誕の日を基準に置くカレンダー に従わないとしても,そのカレンダーはノストラダムスのことは伝えていたのだ。表向きの日本 では,1999年ではなく,(平成)11年である。 語彙 coming: 来るべき millennium: 至福千年,理想の時代 inspire: 呼び起こす apocalyptic: 黙示の vision: 見方,考え方 concerned: 心配そうな hunker: うずくまる remote: 人里離れた  site: 場所 stock up: 買いだめする canned goods: 缶詰 ammunition: 弾薬,攻撃の手段 in case: 用心の場合に solidly: 満場一致の,完全に rational: 論理的な fearful: 恐れて Y2K: 2000年; Y はyear, Kはkilo 1000の意味 computer bug: コンピュータの(ソフトウェアの)欠陥 wreck: 破壊 する civilization: 文明 jittery: 神経過敏の fears: 不安,懸念 fringe: 二次的な mainstream: 主流 oddly: 奇妙に center on: 集中する cryptic: 隠された,神秘的な relatively: 比較的  non-religious: 無宗教の Jesus' birth: キリストの生誕;かつて西暦の基準となった年 inform: 告 げる official: 表向きの
6 しかし,今年は異常な年で,あきらかに何でもありだ。ノストラダムスの作品で,彼が1555 年に出版した曖昧な四行詞の一つ,16語構成の詞は日本中に反響している。「1999年,7の月, 空から恐怖の大王がやってくる(注:英文は16語)」と彼は書いた。彼が意味したことを実際には 誰一人知らないということが、その詩の難解さに輪を加えることとなる。だが信奉者にとって,7 の月への言及は当惑されるくらい明らかである。言い方を変えれば,これは,あなたが読む最後 の雑誌となるかも知れないということだ。 語彙 freaky: 異常な,最高の apparently: 見たところでは,明らかに oblique: 曖昧な publish: 発表する resonate: 反響する throughout: 〜のどこもかしこも terror: 恐怖 add to: 加算する, 追加する intrigue: 複雑な筋[仕組み] but for: 〜を除けば reference: 言及 disturbingly: 当惑 させるほど 
7 まず,少し戻ってみることにしよう。4世紀もの間,ノストラダムスは日本人にほとんど 知られていなかった。(その一方で)確かに彼の予言は西側諸国には時折姿を現していたのである。 支持者達は彼を,たとえ,遠まわしな表現であろうとも,広島の原爆からピナツボ火山の爆発, 更には,ペンティアムチップの欠陥にいたるあらゆるものに対しする予言をしていると信じてき たのだ。しかし,日本でブームになったのは1960年代後半であり,おりしも,当時さほど名前が 知られていなかったジャーナリスト五島勉がその主義を取り上げた頃であった。五島は,(当時) 日本の皇族に関する記事を書いていたが,フランス語勉強中にノストラダムスに興味を覚えたの だ。1969年,アポロの月面着陸を見ながら,彼は直感的な真実把握に襲われた―彼は,ノストラ ダムスが月面を歩く人間を予言していたことを読んだことがなかったであろうか。五島はこの16 世紀の空想家について更なる研究することを決めた。4年後,彼は誰もが気にめていたノストラ ダムスに関する始めての本を出すこととなった。 語彙 aware: 気づいている prediction: 予言 occasionally: ときおり surface: (隠れていたもの が)知れる adherent: 支持者 credit: 信用する forecast: 予測する albeit: たとえ〜でも  indirectly: 遠まわしに bombing: 爆撃 Pinatubo: ピナトゥボ山;フィリピン Luzon 島中部の火 山 (1745 m); 1380 年の噴火以来 600 余年休眠していたが, 1991 年 6 月 9 日噴火を再開,同月 15 日には 20 世紀最大級の噴火があった eruption: 噴火 Pentium-chip flaw: Intel 製のマイクロ プロセッサーの欠陥 get into the act: 人の始めたことに関わろうとする take up: 始める cause: 主義 royal family: 皇室 intrigue: 興味をそそる moon landing: 月面着陸 epiphany: 直感的な 真実把握 visionary: 幻を見る人 pay attention to: 〜に注意する
8 その本は,まさにタイミングが良かった。日本は,今日と同様,目がくらむような成長の 10年を過ぎ,経済的下降の混乱期にあったのだ。世界規模の石油危機は,中東からの石油に頼る 日本のエネルギー供給を脅かしていた。冷戦は,地震や津波のような現実世界における大洪水的 な出来事に関する日本で誰もが抱いている不安というものを悪化させた。さらに,広島や長崎の 原爆は多くの市民の頭の中で,まだなおナマナマしさを有していたのだ。「私は,人々に警鐘を鳴 らしたかったのです」と語るのは五島で,今年70歳となる。「私は,放射線や核の冬で人類が滅 んでしまうのではないかと恐れていました」ノストラダムスの予言を題材にした彼の出版物は痛 いところをついたのだ。五島は日本の深い不安感,つまり理解し得ない外部の人間に頼りながら 騒然とした世界に生きるという感覚,をうまく利用した。五島の本はベストセラーとなり,(社会) 現象が生まれた。 語彙 well-timed: 好機をとらえた throe: 過渡期の混乱 downturn: 下降 similar: 同じような  decade: 10年間 dizzy: 目がくらむような growth: 成長 crisis: 危機 threaten: 脅かす energy supply: エネルギー供給 rely: 当てにする petroleum: 石油 exacerbate: 悪化させる general sense: 世間一般の感覚 edginess: 神経質(= nervousness) real-life: 現実の cataclysmic: 大洪水 の tidal wave: 大津波 atom bombs: 原爆 warn: 警告する extinct: 死に絶えた radiation: 放 射線 nuclear winter: 核の冬;核戦争による多量の大気中の塵によって太陽光線が地表に届かなく なり, 気温が極度に低下する現象; cf. NUCLEAR AUTUMN(核の秋);核戦争による放射性降下物 によって太陽光がさえぎられ, 地球全体の気温が低下して, 農業に大打撃を与える状態; 1983 年, 氷点下に気温が下がるとする '核の冬' (nuclear winter) の仮説が提示されたが, その後の研究の結 果, より正確には '核の秋' というべきものの到来が予測されるようになった publication: 出版 物 prophecy: 予言 strike a nerve: 痛いところを突く(= hit a nerve ) tap into: 〜を利用する  insecurity: 不安定,不安 vulnerability: 弱点 dependent: 頼っている phenomenon: 現象,驚くべ きこと
9 その本は,まさにタイミングが良かった。日本は,今日と同様,目がくらむような成長の 10年を過ぎ,経済的下降の混乱期にあったのだ。世界規模の石油危機は,中東からの石油に頼る 日本のエネルギー供給を脅かしていた。冷戦は,地震や津波のような現実世界における大洪水的 な出来事に関する日本で誰もが抱いている不安というものを悪化させた。さらに,広島や長崎の 原爆は多くの市民の頭の中で,まだなおナマナマしさを有していたのだ。「私は,人々に警鐘を鳴 らしたかったのです」と語るのは五島で,今年70歳となる。「私は,放射線や核の冬で人類が滅 んでしまうのではないかと恐れていました」ノストラダムスの予言を題材にした彼の出版物は痛 いところをついたのだ。五島は日本の深い不安感,つまり理解し得ない外部の人間に頼りながら 騒然とした世界に生きるという感覚,をうまく利用した。五島の本はベストセラーとなり,(社会) 現象が生まれた。 語彙 well-timed: 好機をとらえた throe: 過渡期の混乱 downturn: 下降 similar: 同じような  decade: 10年間 dizzy: 目がくらむような growth: 成長 crisis: 危機 threaten: 脅かす energy supply: エネルギー供給 rely: 当てにする petroleum: 石油 exacerbate: 悪化させる general sense: 世間一般の感覚 edginess: 神経質(= nervousness) real-life: 現実の cataclysmic: 大洪水 の tidal wave: 大津波 atom bombs: 原爆 warn: 警告する extinct: 死に絶えた radiation: 放 射線 nuclear winter: 核の冬;核戦争による多量の大気中の塵によって太陽光線が地表に届かなく なり, 気温が極度に低下する現象; cf. NUCLEAR AUTUMN(核の秋);核戦争による放射性降下物 によって太陽光がさえぎられ, 地球全体の気温が低下して, 農業に大打撃を与える状態; 1983 年, 氷点下に気温が下がるとする '核の冬' (nuclear winter) の仮説が提示されたが, その後の研究の結 果, より正確には '核の秋' というべきものの到来が予測されるようになった publication: 出版 物 prophecy: 予言 strike a nerve: 痛いところを突く(= hit a nerve ) tap into: 〜を利用する  insecurity: 不安定,不安 vulnerability: 弱点 dependent: 頼っている phenomenon: 現象,驚くべ きこと
10 ノストラダムスの一時的流行は,次なる大きなものがやってくる段階で消えてしまうほん の一時的な逸脱であると考えられてきたのかもしれない。そして,それは,単に数人の風変わり なヤツが抱く最後の審判の日に関する気が狂った妄想として,捨て去られるものだったのかもし れない。しかし,多くの気のふれてはいない人々がそれを真剣に受け止め,そしてその影響は約 30年に渡り続いているのだ。麻原彰晃率いるオウム真理教を含むある種のカルト教団が活動に加 わり始めたとき,最も驚くべき展開が起きた。オウム真理教―4年前,東京の地下鉄を極めて有 害なサリンガスで襲った事件を企てたとされる団体―は,ノストラダムスに独自の解釈を加え、 それがまたすでにノストラダムス熱に取りつかれた人々を引き付けるのに役立ったのだ。最後の 審判の日をいかに生き抜くかの方策を与えながら,他のグループも同じようなことを行った。「五 島のような作家は恐怖心を煽っていたのです」と言うのは,大槻義彦,早稲田大学教授(物理学) である。「本は売れるが,作家は何の解決策も提供することはない。それゆえに,カルト教団は『答 え』を持ってこの問題に入りこみ,信者達を引き付けるのです」 語彙 fad: 一時的な流行 short-lived: 短命の blip: 一時的な異常[逸脱] evaporate: 消失する  come along: やってくる dismiss: 捨てる nothing more than: ただ〜だけ whacko: 風変わりな ヤツ nutty: 気の狂った obsession: 妄想 doomsday: 最後の審判の日 influence: 影響 persist: いつまでも続く decade: 10年 alarming: 驚くべき development: 展開 occur: 起きる cult: カ ルト,狂信的な宗教集団 get in the act: 活動に加わる allegedly: 申し立てによると mastermind: 立案指揮する deadly: 致死の sarin: サリン;猛毒の神経ガス interpretation: 解釈 prophecy: 予言 serve to: 〜するのに役立つ attract: 引き付ける follower: 信者 bug: 熱狂 likewise: 同 様に avenue: 手段,方法 doomsday: 最後の審判の日 fan: あおる fear: 恐れ,不安 physics: 物理学 solution: 解決
11 今日ノストラダムスは,人々の多くが最後の審判の日に精通している日本の大衆文化に深 く根を下ろし,その一部を成している。多くの懐疑論者でさえ,現実世界の危険に向うとき,彼 の予言を考えるのに立ち止まる。平壌が去年の8月,日本上空にミサイルを発射したときから, 北朝鮮は黙示録の恐怖が起こりうる可能性が最も高い源として見られてきている。6月半ば,南 北朝鮮で繰り広げられた黄海での海軍の戦いは,神経質になっているノストラダムス信奉者を扇 動するだけであった。「母は,全部冗談と考えているんです」と言うのはイノウエ・ユカ,東京の 大学1年生である。「しかし,北朝鮮のことを耳にすると,彼女でさえ7月には神経質になるんで す」それが朝鮮でなくても,何か別のもの―コソボ,ヨーロッパ産ニワトリのダイオキシン,円 の弱体化,マルチナ・ヒンギスのウィンブルドンでの敗退―でも,ノストラダムスは何かを知っ ていたという証拠として,信奉者には十分となるだろう。 語彙 ingrained: 深く染み込んだ pop culture: 大衆文化 well-versed: 精通した skeptics: 懐疑 論者 pause: 立ち止まる prediction: 予言 confront: 立ち向かう real-world: 現実の世界 view A as B: AをBとみなす plausible: もっともらしい apocalyptic: 黙示録の terror: 恐怖 naval: 海軍の Yellow Sea: 黄海(Huang Hai) agitate: 扇動する Nostradamian: ノストラダムスを信奉す る人 dioxin: ダイオキシン weakness: 弱さ suffice: 十分である faithful: 忠実な信者たち be onto: 〜について本当のところがわかっている
12 日本のノストラダムス熱は,18歳のイノウエのように,若者にそれて行く傾向にある。1998 年に取られた大学生5,000人の調査結果は,ほぼすべての人がノストラダムスと彼の予言を耳に したことがあり,20%を超える人がこの世の終わりのシナリオはありえると考えていると見出し た。多くが未だにそうなのである。イノウエと友人は,5月,東京のトレンディスポット渋谷で ある種のさよならパーティの企画まで行ったのだ。「この世が終わる前に何かを成し遂げた感覚 を持ちたかったのです」と彼女は言う。イノウエは言う。そのゴールは,「流行りものに敏感であ りたい」というファッションを作り上げることだったのだ。(日本にとっても,これらは記録的な 短さの流行となるであろう。)彼女は浜辺で着る服や化粧品,女性の胸を大きくすることを約束す る薬の販売促進を行っていた。ここで,イノウエが本当にノストラダムスを信じているのか,そ れとも市場における販売促進効果を押し上げるためにノストラダムスを利用しているだけなのか 分かることは難しい。彼女の説明は,現実と空想が今日の日本で共存し得ることを暗に示すのだ。 「友人と私は,それはおかしいと言えない雰囲気を作り上げるのです」と彼女は言う。「私達は, 人々に北朝鮮からのミサイルに関して伝えます。そして人々は私達を信じなければならないので す。他の人々を確信させることで,それは真実だと自らを確信させているのです」分かるだろう か。 語彙 fever: 興奮状態,熱狂 skew: それる survey: 調査 prophecy: 予言 organize: 計画[準備] する farewell party: 送別会 of sorts: ある種の trendy: 最新流行の ward: 区 accomplish: 成 し遂げる promote: 販売促進する cosmetics: 化粧品 enlarge: 大きくする bust: 胸 fantasy: 空想 coexist: 共存する atmosphere: 雰囲気 ridiculous: ばかげた convince: 確信させる
13 ニシモト・セイイチロは納得させられる必要はない。彼は,個人用シェルター付きの家を 大阪郊外の羽曳野に用意したのだ。それは,30センチの厚さのコンクリートの壁を持ち,補強さ れた鋼鉄避難用出入り口,手動クランクのバッテリー操作による発電機,空気を入れる換気シス テム―これは取り入れる際に、放射性物質,生物学的,化学的汚染物質を濾過するのだ。彼は, 完全装備のシェルターを黙示録的恐怖を分かち合う人々に,1つにつき82,000ドルで販売してい る。「戦争があり,地震があり,洪水があると私は信じています」と言うのはニシモトで,40年 以上前にキリスト教に改宗した人物で,新約聖書の黙示録から手がかりを得ている。「環境破壊, オゾンホール,ダイオキシン―これらのことは今の状態で永遠に続くことはないということを示 しているのです」彼はアルマゲドンを利用して金を得ようとしていることはないと言う。彼はこ のように言う―いずれにせよ,得られたすべての円(お金)をもってして,どんな利益を彼にもたら すというのであろうか?と。「私が教育しようとしているのは」彼は言う。「戦後に生きながら,麻 痺してしまった日本人なのです」誰一人準備ができているものはいないのです!彼らには危機管 理に関するアイデアがないと言えます」 語彙 convince: 確信させる outfit: 用意をする suburb: 郊外 personal: 個人の bomb shelter: 爆撃避難所 reinforce: 補強する hatch: 出入り口 hand-cranked: 手動クランクの battery- operated: バッテリー操作の generator: 発電機 ventilation: 換気 pump in: 取り入れる filter: 濾過する radioactive: 放射性の element: 要素 biological: 生物学の chemical: 化学の  contaminant: 汚染物質 fully installed: すべて整った a pop: それぞれ share: 共有する  apocalyptic: 黙示録の fear: 恐怖 convert: 改宗する Christianity: キリスト教 cue: 手がかり  the New Testament: 新約聖書 Revelation : ヨハネの黙示録 destruction: 破壊 environment: 環境  ozone hole: オゾンホール;フロン (CFC) などが原因で生じるとされるオゾン層の極端にオゾン 濃度が低下した部分; 南極上空に多い dioxin: ダイオキシン deny: 否定する profit: 利益を得 る Armageddon: 【聖】アルマゲドン,ハルマゲドン(Har-Magedon)ともいう。世界の終末におけ る善と悪との決戦場; Rev.16:14-16 put: 言う educate: 教育する numb: 麻痺している postwar peace: 戦後の平和 crisis management: 危機管理
14 (大阪から) そう遠くはない,名古屋の近く,池田にある山の麓で,タナハシ・ヨシモトの Order of Peaceは,その恐怖を祈りによって払おうとしている。毎日少なくとも50人の巡礼者が 集まり,繰り返し唱え,体を揺さぶる。それはタナハシが信じる,最も起こり得る最後の審判の シナリオ―3分の2の日本列島を海中に埋めてしまう大規模な洪水―から日本を守るのに役立た せるためである。彼はどの土地が助かるかを示す地図を有しているが,その情報を共有するつも りはないと主張する。(ちなみに,彼の教団の建物は活動に有利な高地にあるのだ。) 予言は幾ら かの可能性の余地を残している。津波,地球温暖化によって引き起こされた北極の万年氷の融解, 聖書の記述にある昼夜40日に及ぶ大雨すらあるのだ。 語彙 pray away: 祈って払う threat: 脅威となるもの pilgrim: 巡礼者 chant: 繰り返して唱え る sway: ゆすぶる massive: 大規模な two-thirds: 3分の2 archipelago: 列島 prediction: 予言  possibilities: 可能性 melt: 溶ける polar: 極地の ice cap: 万年氷 global warming: 地球規模の 温暖化 old-fashioned: 古風な biblical: 聖書の downpour: 大雨
15 タナハシのOrder of Peaceは,あまり良く知られていないエドガー・ケイシーという名のア メリカ人からその教義を得ている。彼は死ぬ1945年以前に,催眠状態でノストラダムスと交信を したと主張していた。もちろん,提唱する大災害が起きなければ,タナハシは自分の功績である と主張できる。しかし,彼は落ち着かないと言う。彼は日本を救うのに十分な支持者を得ている と考えているが,世界中ではないと言う。「正しい精神力を有する一人の人間で,雨,風,火災を 防げるのです」とタナハシは言う。「日本が完全に崩壊することから救うためには,毎日50人い なければなりません。1000人いれば,世界を救うために祈れるのですが」彼は50:1の定式にどう やってたどり着いたのであろうか。「神が私にそれを明らかにしてくれたのです」と彼は伝えてい る。 語彙 doctrine: 教義 obscure: 良く知られていない claim to: 〜と主張する communicate: 対話 をする hypnosis: 催眠状態 calamity: 大災害 occur: 起こる claim credit: 自分の功績だと主張 する uneasy: 落ち着かない destruction: 破壊 formula: 定式 reveal: 明らかにする
16 仮に最後の審判の日の予言が良く知られているよう見えるとしても,不思議ではない。オ ウム真理教以外に,他の場所にあるカルトが,(現在までのところは)間違った形でこの世の終わり を予言している。テキサスで,ブランチ・デビディアンズの予言は大きな被害をもたらすという 黙示録の解釈から来るものであり,連邦法執行局による集中砲火で爆破された1993年,少なくと も彼らにとっては,悲劇的な形で真実となった。2年前,UFOの到来を予期したヘブンズ・ゲイ ト教団の信者達はカリフォルニアで集団自殺した。Order of the Solar Templeの信者達は,また別 の最後の審判のカルトであるが,カナダや西ヨーロッパで1994年に始まる明らかに連鎖性を有す る殺人や自殺の中で死んだのだ。 語彙 doomsday: 最後の審判の日 prediction: 予言 familiar: 良く知られている besides: 〜の 他に cult: カルト predict: 予言する incorrectly: 不正確に so far: 現在までのところ  forecast: 予測 fiery: 激しい apocalypse: ヨハネの黙示録 tragically: 悲劇的に compound: 居 住地区 erupt: 爆発する the US marshal: 連邦法執行局( = federal law enforcement agency)のこ と;ここでは複数が関わっている anticipate: 予期する commit: 犯す mass suicide: 集団自殺  apparent: 見かけの,外見上 murder: 殺人事件
17 フランスではフランス生まれのノストラダムスに関するパコ・ラバンヌの本がベストセラ ーのリストで一番となり,そのファッションデザイナーは自分のオートクチュールの新作発表会 を先に延ばすと発表したのは,彼が宇宙ステーション・ミールが8月11日にパリを破壊すると信 じているからである。(遅れることに関しては,フランス人にまかせよう)他に警鐘を鳴らしてい るものもいる。あるインドの雑誌は4月,熱帯性低気圧という気象学上の警告を同時に発しなが らこの世は5月に終焉を迎えると予言した。それはグジャラットのアランにある造船検査場にい る35,000人の出稼ぎ労働者を自分達の村へと向かわせるに十分なものであった。ニューデリーで は,著名な占星術師ラクマン・ダス・マダンは,実際には終焉には至らないが,これから年末に 至るまで,この世はあらゆる大災害を経験することとなると言う。しかし,彼は2000年に日本が 大きな大災害を受けることを予知している。彼の予言する「悪い時期」は来年早々,大きな火災 や地震につながるのだ。「彼らは災難の渦中の日本にいるのです」 語彙 native son: その土地で生まれた人 top: 首位を占める announce: 告げる move forward: 先に延ばす haute: 高級な couture: 婦人服仕立て predict: 予言する coincide: 同時に起こる  meteorological: 気象学上の warning: 兆候,警告 cyclone: 熱帯性低気圧 migrant workers: 出稼 ぎ労働者 ship-breaking yard: = the place where they test the ships fleet: 逃げる prominent: 卓越し た astrologer: 占星術師 disaster: 災害 foresee: 予知する catastrophe: 大災害,悲劇的結末  phase: 時期
18 日本人は確かにその点は分かっている。過去20年において,ノストラダムス熱は数え切れ ないほどのカルト集団を次々と産み,現代世界において日本がしばしば狂ったように霊的権威を 追い求める最近の表出例をも大量に産み出したのだ。戦後まもなくの時代,トーマス・エジソン を神とする「電気宗教」を含む,多くの常軌を逸した信仰が確立された。日本で信仰は特に複雑 な問題である。多くの人々は宗教に疑いを持ち,第2次世界大戦以前において軍国主義の国家主 義者が,戦争機構への支援を産み出す方策として天皇を神のように扱うことで神道を巧みに操っ たことも,その一つの原因として挙げられよう。今日,人々は形式的に休日神社や仏閣を訪れる が,たいていの場合,気晴らしや幸運を求めてそうするのである。イノウエ・ノブタカ,東京に ある國學院大学の社会学教授によると,日本人でほんの20%の人間のみが実際に信仰に携わって いると言う。1998年に行われた17機関―軍隊,警察,教育,国連を含む―に対する信用度ラン ク付け調査で,組織化された宗教団体はまさに,最後に位置していた。(非常に有害とされるマス コミですら得点は高かったのだ。) 伝統的な宗教が機能しなくなるにつれ,新たな時代の(宗教) 学派が現れてくる。「仏閣や神社は,相談の場として機能しないのです」と語るのはイノウエ。「問 題を抱えている人々は上位教徒もしくは導師がすべての答えを持つ新たな宗教団体に落ち着くの です」 語彙 certainly: 確かに spawn: 大量に産み出す manifestation: 現れ frantic: 気が狂ったよう な spirituality: 霊的権威 immediate: 隣接した postwar: 戦後の era: 時代 eccentric: 常軌を 逸した faith: 信仰 take hold: 根をおろす,確立する include: 含む religion: 宗教 particularly: 特に complex: 入り組んだ leery: 疑り深い in part: 幾分 militaristic: 軍国主義の nationalist: 国家主義者 manipulate: 巧みに操る belief: 信仰 deify: 神のように扱う emperor: 天皇  generate: もたらす war machine: 戦争機構 routinely: 型通りに shrine: = Shinto shrine;神社  temple: 寺 recreation: 気晴らし good luck: 幸運 practice faith: 信仰を行う according to: 〜に よれば sociology: 社会学 survey: 調査 rank: 等級をつける trust: 信頼できるもの  institution: 公共施設 military: 軍隊 organize: 組織化する religion: 宗教団体 much-maligned: 非常に有害な score: 得点する traditional: 伝統の fail: (力などが)弱る sect: 党 Buddhist: 仏 教の function: 働く counsel: 相談する end up: 終える teacher: 上位教徒 guru: 導師
19 日本は奇妙な団体の急増を目の当たりにしてきている。共同体,UFO宗教集団,地球規模 の平和活動がそれに当たる。ある平和主義団体は,日本の街に日本語と英語で次のように読める 張り紙を張りつけている―「世界が平和でありますように」。改宗したヤクザの組員による福音主 義のキリスト教集団すらあるのだ。「大きな危機を予言している団体は,現れ続けているのです」 とイノウエは述べている。「危機の時期が過ぎ去れば,教徒の数は減っていくでしょうが,常に新 たに加わる団体が存在するのです」オウムを含む多くの宗教団体は,悪名高き16世紀フランスの 占星術師に基礎を置いている。「日本の新興宗教はノストラダムスに目をつけていますが,それは 知名度が確立したものだからなのです」と言うのはロバート・キサーラ,名古屋の南山大学,ア メリカ人の宗教学教授である。「人気はそれ自身から活力を得るのである(人気は相乗効果で高ま るのです)」 語彙 witness: 目撃する proliferation: 急増 odd: 奇妙な commune: 共同体 religion: 宗教団 体 pacifist: 平和主義者 organization: 団体 plaster: 〜の一面に張りつける prevail: 普及する  evangelical: 福音主義の Christian: キリスト教徒の outfit: 集団 convert: 改宗する predict: 予 言する crisis: 危機 appeal: 訴える observe: 意見を述べる including: 含めて focus: 注意を 集中させる infamous: 悪名高い astrologer: 占星術師 pick up on: 〜に目を付ける establish: 確立する religious: 宗教の popularity: 人気 feed off: 〜活力を得る
20 ノストラダムスの描く未来像を良く受け止めている日本の他の理由を挙げるとすれば,超 自然的なものをこの国が好んでいることが挙げられる。それは超感覚的知覚,UFO,幽霊,易者 である。最後の審判生存主義者であるアラカワは,彼女が出会った宇宙人から少しづつ洞察力を 得ているという。同様の主張を行う日本人がたくさんいる。世界中で申し立てられているUFO観 察例の四分の一はこの先進国で起きているのだ。 語彙 receptive: 良く受け入れる vision: (予想される)未来像 fascination: 魅力 paranormal: 超 自然的な ESP: 超感覚的知覚;千里眼・透視・精神感応など= extrasensory perception. ghost: 幽 霊 fortune teller: 易者 doomsday: 最後の審判の日 survivalist: 生存主義者 claim: 主張する  glean: 少しずつ収集する insight: 洞察力 space alien: 宇宙人 one-fourth: 四分の一 alleged: 申し立てられた,真偽の疑わしい sighting: 観察例 occur: 起こる industrialized nation: 先進国
21 ノストラダムス自身,科学と神秘的な現象を巧みに操っていた。熟練した医師ゆえ,彼は 当初,フランスで疫病の犠牲者を治療したことで名声を得ていた。しかし,フランス王シャルル9 世の謁見という約束を取りつけたことも,数百年後,彼は国際的憧憬の的となったのも,彼の予 言者としての名声ゆえであった。彼は予言通り1566年に死に,それは7月のことであったがどう やらいつも悪いことの起きる月のようだ。彼が自分の予言をわざとわかりにくくしたのは,宗教 裁判が行われている間,教会の怒りを招かないためであったが,そのことがその予言に幅広い解 釈の幅をもたせる結果となった。その曖昧さはまた,五島勉のような解釈者が,遠く離れた時代 の,遠く離れた日本のような土地に住む人々へ,フランスの占星術師が直接語り掛けるよう思わ せるのに役立ったと言える。 語彙 juggle: 上手にやりくりする occult: 神秘的な事象 physician: 医師 gain: 得る fame: 名声,評判 treat: 治療する victim: 犠牲者 plague: 疫病 reputation: 名声,評判 soothsayer: 予言者 win: 得させる appointment: 約束 court: 謁見 King Charles IX: (フランス王) シャル ルIX (1550-74);在位 1560-74; Henry 2 世と Catherine de' Medici の子; Catherine の圧力をうけて St. Bartholomew の日の虐殺を命じた icon: 聖像,崇拝[憧憬]の的 apparently: どうやら〜らしい  bad month: 運の悪い月 all around: 至るところで predict: 予言する prophecy: 予言  intentionally: 故意に vague: 曖昧な incur: 招く wrath: 激怒,憤り Inquisition: 宗教裁判  interpretation: 解釈 obliqueness: 遠まわしであること interpreter: 解説者 astrologer: 占星術師  appear: 見える
22 予言する最後の審判の中で,ノストラダムスはどういうわけか日本人のこまやかな感覚に 避けられないという感覚を与える。「ノストラダムスへの興味は日本の将来に対する漠然とした 感情の表れなのです」と言うのはイノウエで,社会学の教授である。「日本人は,地球規模の活動 が非常に重大な形で自分達へ影響や損害を与えることがありえると懸念しているのです」更に言 うならば,悪いことがよく起こるため,黙示禄の考え方そのものが日本で信用に足ると考えられ ている。途切れることのない自然災害―地震,津波,洪水,台風―はすぐ沖や,地面の下から不 気味に押し寄せてくるのだ。テレビ局NHKは今年の初め,富士山爆発の可能性に関する記録番組 を放映し,恐怖感を募らせる結果となった。当然そこには,広島や長崎の記憶が残っているのだ。 瞬く間に社会が消滅してしまうかもしれないという考えは,本当にもっともらしく聞こえるもの である。人々は,緊急時にはどこへ逃げるべきかを示す看板や,地震が不意に襲ってきたとき何 をすべきかを伝える自販機の注意書きを通して,絶えず災害が差し迫っているということを思い 出しているのだ。 語彙 predict: 予言する doom: 最後の審判 inevitability: 避けられないこと somehow: どうい うわけか appeal: 訴える sensibility: 感覚,こまやかな感覚 reflection: 影響,現れ ambiguous: 曖昧な sociology: 社会学 fear: 恐れる,懸念する action: (軍事支援等を含む)活動 affect: 影響 する moreover: そのうえ apocalyptic: 黙示録の credible: 信用できる natural disaster: 自然災 害 loom: 気味悪く迫る offshore: 沖で underground: 地下に add to: 加算する the jitters: 恐 怖感 air: 放送する documentary: 記録番組 potential: 可能性 eruption: 噴火 wipe out: 拭い 去る in the blink of an eye: 瞬く間に intimately: 心の底から plausible: もっともらしい  remind: 思い出させる constantly: 絶えず imminent: 差し迫った emergency: 緊急の場合  reminder: 注意書き vending machine: 自販機 strike: 不意に襲う
23 五島勉のノストラダムスの解釈は,何年もの間,日本の精神を絶え間なく蝕んできた。ノ ストラダムスに関して聞かれると,多くの日本人は差し迫る最後の審判の日に関する予言によっ て,驚きと興奮を覚えると言うであろう。これは,豊かな時代に育つが,見たところ指導者いな い迷走する国家で,今日,大人へ近づこうとしている若者達には特に当てはまるのだ。「将来に関 して何も良いものが期待できないので,彼らはすべてを壊滅させて,初めからやり直したいと考 えているのです」と言うのはヤマモト・ヒロシで,五島に関して厳しい批評を行うSF作家である。 「彼らは,それが意味のある生き方を見つける唯一の方法であると考えているのです」 語彙 interpretation: 解釈 gnaw away: 絶え間なくかむ psyche: 心,精神 at once A and B: A で もありBでもある( = both A and B) frightened: おびえた excited: 興奮した prospect: 可能性  imminent: 差し迫った doom: 最後の審判 true of: 当てはまる period: 期間 affluence: 裕福  approach: 近くなる adulthood: 成年期 apparently: 見たところ rudderless: 指導者のいない  adrift: さまよって demolish: 破壊する ground zero: 【軍】 ゼロ地点;原水爆の爆心地 harsh: 厳 しい critic: 評論家 existence: 存在
24 ノストラダムス熱は,そう,この世の終わりまでには,分析され解体批評されるかもしれ ない。しかし,彼は著名な人物を敬うこの国で,このところ最も大きな名声を得ている。本や映 画で脚色されたもの以外で,ノストラダムスが書き残したものへの妄念は,「専門家」呼ばわりさ れる無数の人物(「金星語」を話せ,地球の隣の惑星侵略に備えていると主張するものまでを含む) を取り上げた無数のテレビ番組における無数の討論に拍車をかけたのだ。最も有名なノストラダ ムスの権威の一人に,早稲田の教授である大槻がいる。彼は,日本の指導者的立場のノストラダ ムス拒否派として,二次的でより利益の上がる職を切り開いたのだ。「日本ではいつもの7月のよ うに,たくさん雨が降り,台風が来て,地震の一つや二つあるかもしれない」と大槻は言う。彼 は予言する。ところが,7月が過ぎ,8月となり,そして9月となる。さらに10月となるのだ。 その教授は,自らタレントと称し,最近では実用本位の靴を推奨しており,彼がちんぷんかんぷ んなことに過ぎないと考えているものを信じる同胞の日本人を定期的に叱責しているのだ。大槻 曰く,「日本人はこれらのことをそれ程,論理的に考えていないのです」 語彙 dissect: 分析する deconstruct: (文学作品などを)解体批評[ディコンストラクション]の方法 を用いて論ずる celerity: 名声 venerate: 敬う adaptation: 脚色したもの obsession: 考えが取 りつくこと fuel: 活気付ける debate: 討論 feature: 特徴付ける expert: 専門家 including: 含 めて claim to: 〜と主張する Venusian: 金星人の言葉 invasion: 侵入 planetary: 惑星の  neighbor: 隣人 carve out: 切り開く secondary: 二次的なもの lucrative: 利益の上がる  naysayer: 拒否する人 predict: 予言する talent agent: タレント事務所 endorse: (商品などを)推 奨する brand: 種類 sensible shoes: 実用本位の靴 chastise: 叱責する fall for: 〜を信じこむ  consider: 考える nothing more than: 〜に過ぎない mumbo jumbo: ちんぷんかんぷんな話・こと ば put: 言う rationally: 合理的に
25 日本で非常に人気のあるバラエティ番組・電波少年―馬鹿げた肉体的かつ精神的な挑戦に 取り組みながら自らをおどけて見せるレギュラー人を特集する番組―はノストラダムスの時流に 乗った。その番組は最近,7月が近づくのに平行して,爆撃待避所を自らの手で掘る見知らぬ二 人を追跡取材している。彼らはうまくやるのであろうか。彼らはかろうじて命をつなごうとする 間,恋に落ちるのであろうか。彼らがアルマゲドンの(大きく開いた)アゴから運良く生き残りを手 にするまで,番組をそのままにしておくのだ。余談だが期せずして同名の映画が今年の劇場切符 売上で一番となったことも伝えておこう。 語彙 feature: 特集する folk: 人々 make fools of: バカにする cope with: 〜扱う absurd: 不 合理な physical: 肉体の mental: 精神の jump on the bandwagon: 時流に乗る currently: 現在 は dig: 掘る bomb shelter: 爆撃退避所 approach: 近づく save one's skin: かろうじて生命を つなぐ snatch: やっと運良く得る survival: 生き残ること jaws: アゴ,切羽詰った危険な状態  Armageddon: ハルマゲドン;世界の終末における善と悪の大決戦 box office: 劇場の切符売り場
26 人生が漫画でありさえすれば。日本の子供達に大人気のアニメキャラで,青く,耳のない ロボット猫であるドラえもんは最近の映画で時流に乗った。二人の幼い少年が宇宙で行方不明と なり,ドラえもんと友人達で救助に急いで向う。話の展開の中でその小さな猫は,地球を破壊し ようとする悪の宇宙船船長アンゴルモアと戦う。アンゴルモアはノストラダムスが,今年7月に 舞い降りる恐怖の大王(ミサイル,衛星,小惑星,宇宙船)に付けた名前である。子供達にとっては 少なくともハッピーエンドで終わり,地球は救われる。多分ドラえもんは何かを知っているので あろう。やはり,七夕の折り紙を用意して野球のミットの埃を取り払う方がおそらく,安全であ る。 語彙 if only: 〜でありさえすれば cartoon: 漫画 favorite: 人気者 animated character: アニメ のキャラ robotic: ロボットの get on in the act: 活動に加わる zip off: 勢い良く走る rescue: 救助 square off: 取り組む antecedent: 先の asteroid: 小惑星 descend: 不意に襲う happy ending: ハッピーエンド be on to: (真相などを)知っている dust off: (長く放置していたものを)再 び用いる


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